【平均年収792万円】カルナバイオサイエンス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収792万円】カルナバイオサイエンス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

カルナバイオサイエンスは、キナーゼを創薬標的とする新薬の研究開発を行う企業です。創薬事業と創薬支援事業を展開しています。連結従業員数は61名です。直近の売上高は減少しましたが、営業損失と親会社株主に帰属する当期純損失はわずかに改善しました。


目次

※本記事は、カルナバイオサイエンス株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


カルナバイオサイエンスは、キナーゼを主な創薬標的とする画期的な新薬の創製を目指し、研究開発を行う企業です。同社グループは、キナーゼ阻害薬の創薬基盤技術をベースに、創薬事業と創薬支援事業の二つの事業を展開しています。

単体従業員数は57名、連結従業員数は61名です。セグメントは創薬事業、創薬支援事業、全社(共通)の3つです。

主な国内グループ会社は、当社などです。

カルナバイオサイエンスは、創薬事業において、これまでにない画期的なキナーゼ阻害薬等の新薬創製に係る研究開発を行っています。また、創薬支援事業では、製薬企業やバイオベンチャー、大学等の研究機関に対し、キナーゼ阻害薬の創薬研究を支援する製品・サービスを提供しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


カルナバイオサイエンスは、創薬事業と創薬支援事業を展開する企業です。専門性の高い研究開発を支える人材が、どのような環境で働いているか、給与水準や働き方の特徴について詳しく見ていきます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、専門性の高い事業を展開しており、従業員の平均年齢や勤続年数から、経験豊富な人材が長く活躍している傾向がうかがえます。安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 7,919,000円
平均勤続年数 11.6年
平均年齢 47.6歳
単体従業員数 57人
連結従業員数 61人
単体のグループ内比率 93.4%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、画期的な医薬品の研究開発と創薬支援事業を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。この目標達成のため、高度な専門的知識、能力、経験を持つ人材の維持確保を重要なサステナビリティ項目と認識しています。

優秀な人材を確保するため、性別、年齢、国籍にとらわれず多様な人材を受け入れる採用活動を行い、採用後も属性による区別を設けず公平な人事活動を実施しています。従業員がワークライフバランスを実現しやすいよう、フレックスタイム制度、法定を超える育児・介護短時間勤務制度、各種特別休暇制度を導入しています。

また、インセンティブ報酬として譲渡制限付株式報酬制度を導入し、従業員の貢献を評価する方針を示しています。現時点では人材に関する定量的な目標値の設定は行っていませんが、指標や目標の設定要否について継続して検討していくとしています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。

グループ全体(連結)

指標 数値
従業員に占める女性の割合 62.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


カルナバイオサイエンスは、細胞内外の情報伝達を担うキナーゼと呼ばれる酵素を主な創薬標的とし、画期的な新薬の創製を目指す研究開発型企業です。同社グループは、新薬の研究開発を行う「創薬事業」と、その基盤となる技術を提供する「創薬支援事業」の二つの事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


カルナバイオサイエンスは、キナーゼ阻害薬の創製に必要な基盤技術を強みとして、自社での新薬開発と他社への技術提供の両面から事業を展開しています。収益は主に創薬支援事業から得ており、創薬事業は将来の収益源となるべく先行投資を行っています。

創薬事業

同社グループの創薬事業は、キナーゼ阻害薬などの新薬研究、前臨床試験、臨床試験を実施し、そこで得られた新薬候補化合物の知的財産権を製薬企業等に導出(ライセンスアウト)するビジネスモデルです。収益は、契約一時金、研究開発の進展に応じたマイルストーン収入、新薬上市後の売上に応じたロイヤリティ収入から得ています。重点疾患領域はがん、免疫・炎症疾患であり、現在は臨床開発段階のパイプラインを複数保有し、研究開発への積極的な投資を継続しています。当連結会計年度においては、売上高の計上はありませんでした。

創薬支援事業

創薬支援事業では、製薬企業、バイオベンチャー、大学などの研究機関を顧客とし、キナーゼ阻害薬の創薬研究に不可欠な基盤技術に基づく製品とサービスを提供しています。具体的には、キナーゼタンパク質の販売、アッセイ開発、プロファイリング・スクリーニングサービス、セルベースアッセイサービスなどを提供しています。この事業は、同社グループの自社創薬に係る研究開発資金を捻出し、創薬事業に充当する役割も担っています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。



同社グループの売上高は、海外売上高が全体の約7割を占めており、特に北米地域が最大の売上を計上しています。次いで中国地域が続き、国内売上高は全体の約3割となっています。特定の顧客であるShanghai Universal Biotech Co., Ltd.への販売が、当連結会計年度の総販売実績の16.7%を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


カルナバイオサイエンスの過去5期間の業績を見ると、売上高は減少傾向にあります。経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続しており、直近の当連結会計年度においても損失を計上しています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しましたが、営業損失および親会社株主に帰属する当期純損失は前期からわずかに改善する結果となりました。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 20.2億円 13.9億円 16.3億円 6.4億円 5.8億円
経常利益 △5.2億円 △12.8億円 △11.3億円 △20.8億円 △21.4億円
経常利益率 △25.9% △92.2% △69.3% △327.0% △370.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 △5.3億円 △13.5億円 △11.5億円 △21.8億円 △21.7億円
1株当たり当期純利益(円) △42.10 △99.10 △68.62 △121.64 △113.62

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において前期から減少しました。一方で、従業員1人あたりの営業利益は、前期からわずかに改善する傾向を示しています。これは、売上高の減少がありながらも、営業損失の改善が見られたことによるものです。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 10.1百万円 9.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △33.0百万円 △34.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


カルナバイオサイエンスグループは、創薬事業への先行投資を積極的に行っているため、営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは、将来の成長に向けた投資フェーズにあることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


カルナバイオサイエンスグループの財務基盤を見ると、純資産は前期から減少しています。自己資本比率は前期から大きく低下し、プライム市場の製造業平均や非製造業平均と比較しても低い水準となっています。

ROE(自己資本利益率)はマイナスを示しており、収益性が課題となっています。手元資金である現金及び預金も前期から減少しており、資金の流動性には注意が必要です。これらの財務状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 24.8億円 3.1億円
自己資本比率 89.3% 25.1%
ROE(自己資本利益率) - -156.0%
現金及び預金 21.1億円 5.2億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


カルナバイオサイエンスグループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは、当期も前期に引き続きマイナスとなっています。これは主に税金等調整前当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローも、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出があり、前期から減少しています。

その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期も前期に引き続きマイナスで推移しています。財務活動によるキャッシュフローは、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入があり、前期から増加しています。

カルナバイオサイエンスグループは、創薬事業への多額の先行投資を継続しており、その資金を財務活動で調達している状況です。この資金調達の状況は、今後の事業計画の進捗や、雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △13.7億円 △21.6億円
投資CF △13百万円 △25百万円
財務CF 5.7億円 6.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △13.9億円 △21.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


カルナバイオサイエンスグループは、当連結会計年度末において継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在していると判断しています。これは、多額の先行投資を必要とする臨床試験費用に対し、手元資金が十分でない可能性があるためです。同社グループは、パイプラインの導出による収入獲得や創薬支援事業での資金確保、新たな資金調達の実施により、この状況の解消に取り組んでいます。

② 事業構造・収益性に関するリスク


カルナバイオサイエンスグループの創薬支援事業は、主としてキナーゼタンパク質に関する製品・サービスに特化しています。そのため、キナーゼ阻害薬の研究開発を進める製薬企業等の減少や市場が拡大しない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、同社グループは日米欧の製薬企業等を顧客とするグローバルな販売・導出活動を展開しており、海外売上高の割合が高いため、大幅な為替相場の変動があった場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


カルナバイオサイエンスグループは限られた人材により業務執行を行っており、取締役および従業員が持つ専門知識・技術・経験に負う部分があります。そのため、当該者の退職等により同社グループの業務に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


カルナバイオサイエンスは、アンメット・メディカル・ニーズに応える画期的な新薬の開発を目指し、創薬事業と創薬支援事業を展開しています。医薬品を通じて病気を克服し、持続可能な社会の実現に貢献することを使命としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、創薬事業において、未だ有効な治療方法が確立されていない疾患、特にがんや免疫・炎症疾患を重点領域として、画期的な新薬の開発に取り組んでいます。創薬支援事業では、新たなキナーゼ阻害薬創製のための製品・サービスを製薬企業等に提供し、安定的な収入を獲得することで創薬事業の研究開発を加速させています。医薬品の開発やそのサポート事業を通して、新薬により人々が病気を克服することを目指し、サステナビリティに貢献していくことをビジョンとしています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループの創薬研究は、製薬企業出身者が中心となり、キナーゼ創薬基盤技術を活用して独自のパイプラインを次々と生み出すことを特長としています。大学等のアカデミアとの共同研究も積極的に推進し、新しいコア技術の開発や新規創薬テーマの発掘を行っています。また、事業の性質上、高度な専門的知識、能力、経験を持つ人材の維持確保が不可欠であると認識しており、性別、年齢、国籍にとらわれず多様な人材を受け入れ、公平な人事活動を実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、創薬ベンチャーとして画期的な新薬を一日も早く世に送り出すことを目指し、創薬パイプラインの研究開発を着実に進め、導出に繋げることを最優先の課題としています。開発段階のパイプラインの臨床試験を推進し、ライセンス契約締結による導出一時金やマイルストーン収入の獲得に注力しています。また、創薬支援事業では、キナーゼに関する深い専門知識を活かした技術営業や、新規顧客の獲得、特に米国市場でのリーチ拡大に努めています。Webサイトや学会参加を通じた情報発信を強化し、AI創薬企業からの受注拡大も目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


カルナバイオサイエンスは、企業価値の最大化を目指し、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置付けています。同社は監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能と監査等委員会の監査機能を強化する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


カルナバイオサイエンスの株主構成を見ると、筆頭株主はMSIP CLIENT SECURITIESであり、機関投資家が上位に名を連ねています。また、個人株主や事業会社も主要株主として名を連ねており、多様な株主によって支えられている状況がうかがえます。

株主名 持株比率
MSIP CLIENT SECURITIES 4.99%
川村 剛 2.90%
小野薬品工業 2.63%
上原 俊彦 2.61%
堀田 和男 2.44%


なお、2024年10月21日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、アトス・キャピタル・リミテッドが2024年10月11日現在で1,400,000株(株券等保有割合7.33%)を所有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は吉野公一郎氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
吉野 公一郎 代表取締役社長 日本オルガノン株式会社医薬研究所長を経て、2003年4月同社代表取締役社長に就任。CarnaBio USA, Inc. President & CEO、株式会社ProbeX代表取締役社長などを歴任し、2003年4月より現職。
澤 匡明 取締役チーフ サイエンティフィック オフィサー 大日本製薬株式会社(現大日本住友製薬株式会社)を経て、2007年1月同社入社。研究技術本部化学研究部長、創薬研究部長、取締役研究開発本部長を歴任し、2023年4月より現職。
山本 詠美 取締役経営管理本部長 兼 経理部長 兼 人事総務部長 兼 CarnaBio USA, Inc. President CSKベンチャーキャピタル株式会社を経て、2004年1月同社入社。経営管理本部経理部長、総務部長、副本部長を歴任し、2018年10月より現職。CarnaBio USA, Inc. Presidentも兼任。
有村 昭典 取締役チーフ デベロップメント オフィサー 兼 CarnaBIO USA, Inc. Chief Development Officer 塩野義製薬株式会社で創薬研究所部門長、医薬開発本部部門長などを歴任。2018年7月同社研究開発本部臨床開発部長を経て、2023年4月より現職。CarnaBIO USA, Inc. Chief Development Officerも兼任。
増岡 国久 取締役知的財産・法務部長 武田薬品工業株式会社特許部、知的財産部で主席部員などを歴任。日本新薬株式会社知的財産部次長、部長を経て、2025年1月同社知的財産・法務部長に就任し、2026年3月より現職。


社外取締役は、有田篤雄氏(元カネボウ厚生年金基金常務理事・監査等委員)、松井隆雄氏(元有限責任あずさ監査法人パートナー・監査等委員)、鈴木香氏(ロシュパートナリング ロシュファーマジャパン Senior Advisor・監査等委員)、寺田勝基氏(寺田公認会計士事務所開設・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は9名の取締役(うち社外取締役4名)で構成されています。監査等委員である取締役は全員が社外取締役であり、独立した立場から経営の監査を行うことで、経営の透明性と公平性を高める体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


カルナバイオサイエンスの役員報酬は、企業価値の向上と持続的成長へのインセンティブとして機能するよう設計されています。監査等委員である取締役には固定報酬を支給し、それ以外の取締役には固定報酬、業績連動報酬、および株式報酬を支給する体系です。業績連動報酬はパイプラインの導出や臨床試験のステージアップなど、特定の成果に基づいて決定されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.2億円 24.1百万円
社外役員 5名 23百万円 4.7百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。