【平均年収792万円】日本カーボン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収792万円】日本カーボン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

日本カーボンは、炭素製品や炭化けい素製品の製造・販売を主軸に、グループ各社とともに多角的な事業を展開しています。直近の業績は、売上高は微減、経常利益は減益となりましたが、最終利益は増益となりました。


目次

※本記事は、日本カーボン株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本カーボンは、炭素製品及び炭化けい素製品の製造・販売を主な事業内容としています。同社グループは、産業機械製造修理や不動産賃貸など多角的な事業活動を展開しています。

単体従業員数は187名、連結従業員数は667名です。セグメントは炭素製品関連、炭化けい素製品関連、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、日本テクノカーボン(炭素製品の販売及び製造)、日本カーボンエンジニアリング、NTCM(炭素製品の製造)、日花園(その他)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本カーボンは、素材メーカーとして専門性の高い技術を要する事業を展開しています。そのため、従業員が長期的にキャリアを形成し、専門性を高めていくことができる環境が期待されます。

同社グループは、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、従業員のエンゲージメント向上や多様な人材が活躍できる企業風土の醸成にも取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長く勤める傾向があり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえます。平均勤続年数や平均年齢から、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な職場であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,923,000円
平均勤続年数 16.4年
平均年齢 42.6歳
単体従業員数 187人
連結従業員数 667人
単体のグループ内比率 28.0%


同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型の退職給付制度を採用しています。この制度は、同社および連結子会社の従業員に適用されます。退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいて一時金または年金が支給されます。

退職給付債務は19.5億円、年金資産は2.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、経営理念である「愛と科学の社会を目指す、夢と技術のある会社」に繋がり、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すサステナビリティ経営を推進しています。中期経営方針「GO BEYOND 2030」においては、社員のエンゲージメント向上と多様な人材が活躍できる企業風土の醸成を重要課題としています。

人材育成の方針としては、性別や国籍などを問わず多様な人材を採用し、自ら高い目標を掲げて意欲的に取り組み、達成に向けてやり遂げる人材の育成を目指しています。また、組織や世代を超えたコミュニケーションを促進し、自由に意見を表明できる企業風土を醸成することで、企業活動の活性化と会社目標の達成につなげています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異は、管理職層における男性の比率が女性と比べ高いこと等が要因となっています。また、パート・有期労働者等においては、賃金水準が高く男性比率が高い特定の労働契約者が含まれていることが要因となっています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.1%
男性労働者の育児休業取得率 75.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 70.0%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 83.1%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 38.3%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金差異については、女性活躍推進法の規定による公表をしていないため、記載を省略しています。

▼ ㈱NTCM

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 50.0%


▼ 日本テクノカーボン㈱

指標 数値
男性労働者の育児休業取得率 100.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本カーボンは、炭素製品と炭化けい素製品の製造・販売を主軸に事業を展開しています。同社グループは、これらの製品を通じて幅広い産業分野に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


日本カーボンは、炭素製品関連、炭化けい素製品関連、その他事業の3つのセグメントで事業を展開しています。同社グループの収益は、これらの製品やサービスを通じて多岐にわたる産業に提供されています。特に炭素製品関連事業が収益の大部分を占めており、同社グループの主要な収益源となっています。海外市場からの売上も全体の4割強を占めており、グローバルな事業展開を行っています。

炭素製品関連

このセグメントでは、人造黒鉛電極や各種黒鉛製品、炭素繊維、リチウムイオン電池負極材などの製造・販売を行っています。収益は、ファインカーボン関連製品や電極材関連製品の販売から得ています。運営は、日本テクノカーボンや日本カーボンエンジニアリング、NTC Mなどの連結子会社、およびNippon Kornmeyer Carbon Group GmbHなどの関連会社が担っています。直近では、ファインカーボン関連製品は低迷しましたが、電極材関連製品は北米向け輸出の増加により売上を伸ばしました。

炭化けい素製品関連

このセグメントでは、炭化けい素連続繊維製品の製造・販売を手掛けています。収益は、航空産業向け需要が堅調な炭化けい素連続繊維製品の販売から得ています。運営は、連結子会社であるNGSアドバンストファイバーが行っています。直近では、売上高、営業利益ともに増加となりました。

その他事業

このセグメントは、産業機械の製造・修理や不動産賃貸などの事業で構成されています。収益は、産業用機械の提供や不動産の賃貸から得ています。運営は、同社が不動産賃貸事業を、連結子会社である日本カーボンエンジニアリングが産業機械製造及び修理事業を行っています。直近では、製造コストの削減と売価是正により、売上高、営業利益ともに増加となりました。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
炭素製品関連 344億円 324億円
炭化けい素製品関連 27.0億円 41.3億円
その他事業 8.8億円 12.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向で推移していましたが、直近の期ではわずかに減少しました。経常利益は一時的に増加したものの、直近2期は減少傾向にあります。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は一貫して増加を続けており、収益性の改善が見られます。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 316億円 358億円 379億円 380億円 377億円
経常利益 44.3億円 50.4億円 71.2億円 66.9億円 51.0億円
経常利益率 14.0% 14.1% 18.8% 17.6% 13.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 27.3億円 31.9億円 40.5億円 40.8億円 48.3億円
1株当たり当期純利益(円) 247.00 289.24 366.75 369.03 436.91

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期からわずかに減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期と比較して減少しています。これらの指標は、同社グループ全体の生産性トレンドを示しており、効率的な事業運営への取り組みが継続されていることがうかがえます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 57.4百万円 56.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 9.6百万円 7.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務の安定性は、企業が持続的に事業を運営し、従業員に安定した環境を提供するための重要な要素です。ここでは、同社グループの財務状況から、現在の経営の安定性について確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)、そして手元資金の状況から確認できます。自己資本比率は前期から横ばいの傾向を示しており、財務の健全性を維持しています。ROEは前期から増加し、株主資本の活用効率も向上しています。

手元資金である現金及び預金も前期から増加しており、安定した財務基盤を示しています。これは、事業の継続性や将来の成長投資の余力につながる要素です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 608億円 636億円
自己資本比率 63.2% 63.5%
ROE(自己資本利益率) 8.0% 9.1%
現金及び預金 123億円 152億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加しています。これは、税金等調整前当期純利益や減価償却費などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出があったものの、投資有価証券の売却による収入もあり、前期に比べて支出額は減少しました。

財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いがあったものの、短期借入金の増加により、前期に比べて支出額は減少しています。営業活動で得た資金が投資活動の支出を上回るフリーキャッシュフローは、前期はマイナスでしたが、当期はプラスに転じています。これは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、投資を賄いつつ、余剰資金を確保できる状態にあることを示しており、将来の成長に向けた投資余力があることを示唆しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 52.3億円 63.2億円
投資CF △55.5億円 △22.0億円
財務CF △19.9億円 △12.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △3.1億円 41.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、海外売上高比率が43.1%となっており、その大部分が外貨建取引であるため、為替変動リスクを抱えています。また、市場の需給バランス変動による競争激化や、革新的な技術出現による製品性能の変化が、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、生産体制が国内に集中しており、国内における人材不足の深刻化が中長期的な採用困難や離職による人員不足、人材育成の遅れにつながるリスクを認識しています。これは、同社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本カーボンは、炭素工業のパイオニアとして社会に貢献し続けてきた歴史を持ち、持続可能な社会の実現と企業の成長を両立させることを目指しています。技術と人材を重視し、未来を見据えた挑戦を続ける企業文化が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本カーボンは、1915年の設立以来、わが国の炭素工業の草分け的存在として、カーボンの優れた特性を活かした多種多様な製品を社会に提供してきました。企業理念として「わが国炭素工業分野のパイオニアとして、人と社会に貢献する企業であり続ける」ことを掲げています。

また、経営理念である「愛と科学の社会を目指す、夢と技術のある会社」のもと、中期経営方針「GO BEYOND 2030」を通じて、企業の持続的成長とサステナブルな社会の実現を目指しています。常に時代のニーズに合った新製品の開発、厳しい品質へのこだわり、環境への配慮を重視し、国際競争力のあるコスト実現と優れた人材育成を推進しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本カーボンは、「愛と科学の社会を目指す、夢と技術のある会社」という経営理念のもと、人と社会に貢献するパイオニアであり続けることを企業文化の基盤としています。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指し、環境、社会、ガバナンスを重視したESG経営を推進しています。

多様な人材が活躍できる企業風土の醸成を重視しており、性別や国籍を問わず、自ら高い目標を掲げ、意欲的に取り組む人材の育成を目指しています。また、組織や世代を超えたコミュニケーションを促進し、自由に意見を表明できる環境を通じて、企業活動の活性化と目標達成につなげています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本カーボンは、中期経営方針「GO BEYOND 2030」において、企業の持続的成長とサステナブルな社会の実現を重要な経営課題としています。具体的には、カーボンニュートラル社会の実現への貢献を重点テーマの一つに掲げています。

GHG排出量の削減を実現し、同社グループ製品を通じてカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。また、人材確保と育成も重要なテーマであり、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを推進し、多様な人材が活躍できる企業風土の醸成に努めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本カーボンは、経営の効率性、透明性を確保し、企業価値の向上を図ることをコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。同社は監査役制度を採用しており、取締役会、監査役会、会計監査人を設置することで、事業環境の急変に即応できる経営体制の構築を推進しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主は信託銀行であり、複数の金融機関や事業会社が上位に名を連ねる資本構成となっています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つような記述は見当たりません。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.78%
みずほ銀行 4.96%
SECカーボン 4.00%
日本生命保険相互会社 3.84%
日本カストディ銀行(信託口) 2.84%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.0%です。代表取締役社長は宮下尚史氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
宮下 尚史 代表取締役社長 1992年6月 同社入社。2011年1月 同社執行役員営業本部FC販売第1部長兼大阪支店長。2012年3月 同社取締役営業本部副本部長兼FC販売第1部長兼FC販売第2部長。2017年1月 同社代表取締役社長より現職。
浦野 章 取締役 1990年4月 同社入社。2013年1月 同社執行役員生産技術本部滋賀工場副工場長兼製造部長。2024年3月 同社取締役兼専務執行役員電極材事業ユニット長。2026年3月 同社取締役兼専務執行役員生産技術本部本部長より現職。


社外取締役は、片山有里子氏(弁護士)、田中義和氏(元同社取締役)、佐々木光雄氏(公認会計士・税理士)、鈴木昭氏(元公益社団法人日本木材保存協会常任理事兼事務局長)です。

同社は監査役制度を採用しており、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置しています。社外取締役及び社外監査役は、経営陣から独立した立場で経営の評価や監査を行い、内部統制システムの整備・運用状況及び内部監査結果の報告を受け、適宜意見を述べています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、役職に応じた基本報酬、業績連動賞与、株価連動型株式報酬、および固定賞与から構成されています。業績連動賞与は連結経常利益、連結売上高前期比伸長率と連結営業利益前期比伸長率の平均値、株主価値(株価)前期比伸長率を指標としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 1.4億円 67.5百万円
監査役(社外除く) 1名 16百万円 16.0百万円
社外役員 5名 24百万円 4.8百万円


連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。