※本記事は、株式会社遠藤製作所 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
遠藤製作所グループは、ゴルフクラブヘッド、メタルスリーブ製品、鍛造部品、医療機器、航空機部品の製造・販売を主たる事業としています。製品の多くは相手先ブランドによるOEM生産であり、国内企業への供給が中心です。
単体従業員数は121名、連結従業員数は1,290名です。セグメントはファインプロセス事業、メタル事業の2つです。
主な国内グループ会社は、エポンゴルフ(ファインプロセス事業)、日亜鍛工(メタル事業)などです。
同社グループはM&Aを実施し、日亜鍛工を新たに連結子会社としました。これにより建設機械関連や発電用タービンブレード等の大型鍛造品市場を獲得しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
遠藤製作所は、ものづくりを通じて社会に貢献する企業として、従業員の働きがいと成長を重視する環境を提供しています。安定した事業基盤のもと、長期的な視点でキャリアを築きたいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。同社グループは、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、多様な働き方を支援し、健康経営にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
遠藤製作所では、従業員が長く安心して働ける環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が定着し、安定した組織運営が行われていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,674,518円 |
| 平均勤続年数 | 17.2年 |
| 平均年齢 | 45.1歳 |
| 単体従業員数 | 121人 |
| 連結従業員数 | 1,290人 |
| 単体のグループ内比率 | 9.4% |
同社グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。同社及び国内連結子会社は簡便法、在外連結子会社は原則法を採用しており、在外連結子会社は確定拠出型の制度も設けています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は10.3億円、年金資産は8.2億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
遠藤製作所グループは、「限りない未来の創造」という経営理念の実践のため、持続可能な社会の実現を不可欠と捉え、人材育成を重要な経営課題としています。中期経営計画においても人的資本基盤の構築を掲げ、常に新たな分野の開拓を推し進める方針です。
具体的には、「経営戦略実行のための人材育成と流動性」として、強固な基盤づくりに向けた人材育成と、主体性を発揮できる魅力的なミッションの付与、共創のための仕組みづくりを講じています。また、「戦略的健康経営の実施」を通じて、従業員一人ひとりのヘルスリテラシー向上を推進し、健康経営優良法人認定の取得や各種健診受診率100%達成に向けた取り組みを進めています。
さらに、「魅力的な働く環境づくり」として、社内外の優秀な人材確保のため、働き方の選択肢を増やし、働く上での負担を減らす体制を構築しています。「ダイバーシティの推進」では、多様な社員が強みを発揮し、共創する集団となるため、人事データのDX化を図り、グループ全体のダイバーシティ&インクルージョンを推進しています。当連結会計年度には、「人権に関する方針」も制定されました。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.1% |
当社の評価指標
これらの指標は提出会社単体の目標および2025年度実績を示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 11.1% |
| 男性の育児休業取得率 | 100% |
| 健康診断・人間ドック受診率 | 96.7% |
| 特殊健康診断受診率 | 98.1% |
| ストレスチェック受診率 | 98.6% |
| 健康経営優良法人認定 | 2025年認定取得済 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
遠藤製作所グループは、ゴルフクラブヘッドや医療機器、航空機部品の製造・販売を行うファインプロセス事業と、メタルスリーブ製品や鍛造部品の製造・販売を行うメタル事業を展開しています。多岐にわたる精密加工技術を基盤とし、国内外の顧客に製品を供給しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、精密な金属加工技術を活かし、幅広い産業分野に製品を提供しています。主に相手先ブランドによる生産(OEM生産)が収益モデルの特徴であり、国内外の主要企業を顧客としています。
ファインプロセス事業
ファインプロセス事業は、ゴルフクラブヘッド、人工関節等の医療機器部品、航空機部品の製造・販売を主な事業としています。製品のほとんどはOEM生産であり、国内企業が主要な供給先となっています。
収益は、ゴルフクラブヘッド、医療機器、航空機部品の製造・販売から得ています。運営は、遠藤製作所が企画・開発、販売を担い、ENDO THAI CO.,LTD.及びENDO FORGING(THAILAND)CO.,LTD.が製造を行っています。
メタル事業
メタル事業は、OA機器等に使用されるメタルスリーブ製品、自動車用部品、自動二輪車用部品、農機具部品、建設機械関連部品、発電用タービンブレード等の鍛造部品の製造・販売を行っています。タイを中心にアジア地域で販売を展開しています。
収益は、メタルスリーブ部品や各種鍛造部品の製造・販売から得ています。運営は、ENDO METAL SLEEVE(THAILAND)CO.,LTD.がメタルスリーブ製品の製造・販売を、ENDO FORGING(THAILAND)CO.,LTD.が鍛造部品の製造・販売を、日亜鍛工が精密型打鍛造全般の製造・販売をそれぞれ行っています。
同社グループの事業は為替変動の影響を受ける傾向があり、円安基調がコスト高騰につながる状況が続いています。また、ファインプロセス事業では住友ゴム工業と株式会社IHIが主要な顧客となっています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| メタル事業 | 81.9億円 | 96.9億円 |
| ファインプロセス事業 | 92.3億円 | 85.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で増加傾向にあります。特に前期から当期にかけては堅調な伸びを示しました。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、変動が見られ、当期は前期から減少する結果となりました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 126億円 | 146億円 | 157億円 | 174億円 | 182億円 |
| 経常利益 | 18.1億円 | 18.3億円 | 11.5億円 | 16.1億円 | 11.5億円 |
| 経常利益率 | 14.4% | 12.5% | 7.3% | 9.3% | 6.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 16.0億円 | 8.0億円 | 7.6億円 | 11.2億円 | 6.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 183.09 | 91.07 | 87.16 | 127.74 | 68.42 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに減少しています。また、従業員1人あたり営業利益は前期から減少する結果となりました。これは、売上高の増加に対して利益の減少幅が大きかったことを示しており、収益性の改善が課題となっている状況がうかがえます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 14.3百万円 | 14.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。財務基盤の安定性と資金の流れから、同社グループの現在地を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が83.3%と高く、プライム市場の製造業平均と比較しても強固な水準を示しています。これは、事業活動における安定性につながる要素です。一方で、ROE(自己資本利益率)は2.6%となっており、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は73.9億円です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 222億円 | 233億円 |
| 自己資本比率 | 83.8% | 83.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.3% | 2.6% |
| 現金及び預金 | 97.6億円 | 73.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは14.6億円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益と減価償却費によるものです。前期と比較すると減少しています。
投資活動によるキャッシュフローは△23.0億円の支出となり、前期よりも支出が増加しました。これは有形固定資産の取得や関係会社株式の取得による支出が主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローは△9.0億円の支出となり、配当金の支払いや短期借入金の純増額の減少が主な要因です。この結果、フリーキャッシュフローは△8.4億円となり、前期のプラスからマイナスに転換しました。
本業で資金を生み出しつつも、積極的な投資活動により手元資金を投じている状況です。これは将来の成長に向けた投資フェーズにあることを示しており、事業の拡大や新たな市場獲得への意欲がうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.6億円 | 14.6億円 |
| 投資CF | △13.1億円 | △23.0億円 |
| 財務CF | △2.9億円 | △9.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.4億円 | △8.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業はOEM生産の形態をとっており、相手先メーカーの営業施策や外注施策、特定取引先への販売依存度が高いことが業績に影響を与える可能性があります。また、タイ国に子会社を有しているため、連結財務諸表作成時の円換算後の価値が為替変動の影響を受けるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
遠藤製作所は、1950年の創立以来、金属加工技術を核に市場が求める製品を創出し、新たな市場を切り拓いてきた企業です。同社グループは「限りない未来の創造」という経営理念のもと、持続可能な社会の実現を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「限りない未来の創造」を経営理念に掲げています。お客様のニーズにかなう高品質で信頼性のある製品を創造し続けること、技術を企業活動の源泉とすること、社会のニーズの変化への適応力を不可欠とすることを基本方針としています。
「鍛造技術と塑性加工技術を中核とした金属製品加工業」と位置付け、ゴルフクラブヘッド、医療機器、航空機部品、メタルスリーブ製品、自動車等鍛造部品の製造を主体に事業基盤の拡充と収益力強化を目指しています。技術開発成果を事業に活かし、新たな分野の研究と設備投資を進める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念である「限りない未来の創造」の実践を通じて、持続可能な社会の実現を目指すことをサステナビリティ基本方針としています。ものづくりに磨きをかけ、お客様に満足を超える感動を届けるとともに、環境・社会・ガバナンスに関する課題に積極的に取り組むことを重視しています。
グループ全体のCSR方針では、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「人権に関する方針」を策定し、バリューチェーン全体での人権尊重を表明しています。また、人材育成と流動性、戦略的健康経営の実施、魅力的な働く環境づくり、ダイバーシティの推進を掲げ、多様な社員が強みを発揮し共創する集団となることを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な経営戦略として「経営基盤の強化」を重点テーマの一つに設定しています。具体的には、遠藤製作所が目指す姿を実現するための人材戦略の実行に取り組んでいます。
また、グローバルレベルでのシームレスな組織運営の基盤構築も推進しています。サステナビリティにおいては、「環境課題の解決に向けた取り組み推進」「より豊かな地域社会の実現に向けた取組」「グローバルガバナンスの更なる高度化」に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
遠藤製作所は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営監視機能を担っています。取締役会は4名で構成され、うち2名が社外取締役です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
遠藤製作所の筆頭株主は遠藤栄松ファンデーションであり、21.70%の株式を保有しています。また、専務取締役の遠藤新太郎氏も上位株主の一人です。このように、創業家に関連する株主が上位に複数名を占めており、同社の資本構成において一定の影響力を持つことがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 遠藤栄松ファンデーション | 21.70% |
| 清原達郎 | 7.60% |
| 遠藤新太郎 | 5.00% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は渡部大史氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 渡部 大史 | 取締役社長 (代表取締役) ファインプロセス事業兼経理財務部担当 | 2017年4月同社入社 顧問、2017年6月同社取締役副社長兼タイ駐在室担当、2018年3月同社代表取締役社長兼経営企画部兼医療機器・新分野事業部担当、2026年3月同社代表取締役社長兼ファインプロセス事業兼経理財務部担当より現職。 |
| 遠藤 新太郎 | 専務取締役 メタル事業兼タイ駐在室兼経営戦略本部担当 | 2014年4月東レ(株)入社、2020年3月同社取締役経営戦略室担当、2025年3月同社常務取締役メタル事業兼タイ駐在室兼経営戦略本部担当、2026年3月同社専務取締役メタル事業兼タイ駐在室兼経営戦略本部担当より現職。 |
社外取締役は、根本修一郎氏(クレセント・パートナーズ マネージング・ディレクター)、石塚かおり氏(フリーアナウンサー)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名が経営の監視機能を担っています。これにより、外部からの客観的かつ中立的な経営監視体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
遠藤製作所の役員報酬は、固定報酬、賞与、株式報酬の3つの要素で構成されています。固定報酬は役員報酬体系表に基づき決定され、賞与は前連結会計年度の業績を考慮して支給されます。株式報酬は信託を用いた業績連動型株式報酬制度であり、社外取締役および監査役を除く取締役に対しては、連結営業利益の対計画比に連動する仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.0億円 | 25.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 15百万円 | 3.8百万円 |
ストックオプション制度は採用していません。取締役の報酬等には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。株式報酬(非金銭報酬等)は、信託を用いた業績連動型株式報酬制度に基づく当事業年度に計上した役員株式給付引当金繰入額です。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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