スミダコーポレーション 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

スミダコーポレーション 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

スミダコーポレーションは、スミダ電機などを傘下に持つ純粋持株会社です。車載用や産業機器用などのコイル関連部品やモジュール製品を、アジア・パシフィックとEUの2つの事業で国内外に展開しています。直近の連結会計年度では増収増益となりました。


目次

※本記事は、スミダコーポレーション株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


スミダコーポレーションは純粋持株会社であり、グループ連結従業員数は14,964名です。

同社グループは、国内外36社の連結子会社で構成され、地域別に「アジア・パシフィック事業」と「EU事業」の2つの事業を展開しています。車載用、産業機器用、家電用などの電子機器に搭載されるコイル関連部品やモジュール製品の研究・開発・設計・製造・販売を手掛けています。

主な国内グループ会社は、スミダ電機(アジア・パシフィック事業)などです。

同社グループは、当連結会計年度において欧州での事業構造改革を完了しました。また、2025年10月1日にはドイツのSchmidbauerの発行済株式80%を取得し、子会社化しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


スミダコーポレーションは、人こそが最も重要な経営資源であると考え、社員一人ひとりを大切にする企業文化を築いています。同社グループは、国境を越えたトランスナショナルな企業として、働く場所を問わず公正な処遇とチームワークを重視する方針です。能力や実績を正しく評価し、社員の成長を支援する環境が整えられています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は純粋持株会社であり、単体での従業員はいないため、平均年間給与、平均勤続年数、平均年齢のデータは開示されていません。同社グループ全体の従業員数は14,964人となっています。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
単体従業員数 0人
連結従業員数 14,964人
単体のグループ内比率 0.0%


同社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「スミダの経営に関する諸原則」において「社員に対するコミットメント」を掲げ、人材を最も重要な経営資源と位置付けています。国籍・人種・性別・信条などによる差別の禁止を徹底し、公正な処遇とチームワークを奨励しています。

社員一人ひとりの能力や志望に応じた職務を提供し、実績を正しく評価することで、会社と社員が共に成長する関係を目指しています。安全で快適かつ生産的な職場環境の整備にも力を入れています。

また、「スミダ・バリュー」として、ダイバーシティを尊重し、個人の成長を積極的にサポートする実力主義の考え方を重視しています。これにより、社員の高いエンゲージメントを促進し、多様な人材の活躍を推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ スミダ電機株式会社

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.9%
男性労働者の育児休業取得率 60.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 46.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 52.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 45.9%

人的資本の指標及び目標

指標 数値
グローバル全社のマネジメント職に占める女性の比率 23.0%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


スミダコーポレーションは、純粋持株会社として国内外の連結子会社を統括し、電子機器に不可欠なコイル関連部品やモジュール製品の研究開発、製造、販売を手がけています。地域別に事業を展開し、グローバルな供給体制を構築しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、車載用、産業機器用、家電用などの電子機器に搭載されるコイル関連の部品やモジュール製品の研究開発、設計、製造、販売を主に行っています。製品用途の約6割を車載関連が占めており、この分野が収益の大きな柱となっています。また、地政学リスクに対応するため、アジア、欧州、北米の各地域内で設計・製造・販売を完結できる地産地消体制を整えています。2025年10月にはドイツのSchmidbauer社を子会社化し、風力発電や太陽光、鉄道、防衛といった高出力用途向けの大型コイル市場への展開も強化しています。

同社グループの事業は、「アジア・パシフィック事業」と「EU事業」の2つの報告セグメントに区分されています。売上収益の10%以上を占める特定の顧客グループが存在し、アジア・パシフィック事業に収益が集中する傾向が見られます。また、ユーロ高円安の影響でユーロ建て資産・負債の評価額が変動するなど、為替の変動も事業に影響を与える要因として注視しています。

アジア・パシフィック事業

この事業では、音響・映像・OA・車載用・産業用機器等の電子部品、高周波コイルの研究・開発・設計・製造・販売を行っています。中国における車載関連の需要が低迷した一方で、その他アジアおよび北米におけるインダストリー関連の需要が伸長しました。収益は、外部顧客への製品販売から得ています。

EU事業

この事業も、音響・映像・OA・車載用・産業用機器等の電子部品、高周波コイルの研究・開発・設計・製造・販売を手がけています。xEV向け急速充電インフラ関連や太陽光発電関連などの需要が減少傾向にありましたが、事業構造改革が計画通り完了し、利益創出に貢献しました。収益は、外部顧客への製品販売から得ています。

セグメント 売上収益(2024年12月期) 売上収益(2025年12月期) セグメント利益(2024年12月期) セグメント利益(2025年12月期) 利益率
アジア・パシフィック事業 947億円 990億円 31.5億円 47.5億円 4.8%
EU事業 562億円 568億円 26.8億円 34.0億円 6.0%

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上収益が概ね増加傾向にあり、直近の連結会計年度では前期から回復を見せています。親会社の所有者に帰属する当期利益は変動が大きいものの、当連結会計年度は大幅な増加となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは安定してプラスを維持しており、本業での資金創出力を示しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上収益 1,049億円 1,386億円 1,477億円 1,440億円 1,472億円
税引前利益 39.0億円 65.3億円 58.6億円 12.9億円 48.3億円
税引前利益率 3.7% 4.7% 4.0% 0.9% 3.3%
親会社の所有者に帰属する当期利益 26.3億円 51.0億円 50.6億円 5.9億円 36.2億円
1株当たり当期純利益(円) 96.68 187.54 167.46 17.96 109.47

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上収益は前期から横ばいで推移しています。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から増加しており、組織全体の収益効率が改善している傾向が見られます。これは、事業構造改革や経費節減の取り組みが生産性の向上に寄与していることを示唆しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 9.8百万円 9.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.3百万円 0.5百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


スミダコーポレーションは、本業で安定したキャッシュフローを生み出しつつ、将来に向けた投資も行いながら財務基盤を強化しています。これにより、事業の安定性と成長性を両立させている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本は前期から増加し、自己資本比率は37.9%となっています。これはプライム市場の製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は6.0%であり、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び現金同等物は増加傾向にあり、財務の健全性を保っています。これらの財務状況は、同社グループの事業活動を支える基盤であり、今後の事業展開や雇用安定性にも影響を与える要素となります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
自己資本 586億円 620億円
自己資本比率 39.7% 37.9%
ROE(自己資本利益率) 1.0% 6.0%
現金及び現金同等物 42.9億円 61.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは164.6億円の収入となり、前期から増加しています。これは税引前当期利益や減価償却費及び償却費の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△128.9億円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは主に有形固定資産の取得や子会社の取得によるものです。

その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは35.7億円のプラスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは△19.6億円の支出となり、前期から支出が減少しました。これは借入に伴う資金純増による収入があった一方で、配当金の支払いやリース負債の返済による支出があったためです。

同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、それを将来の成長に向けた設備投資やM&Aに充てている状況です。フリーキャッシュフローもプラスを維持しており、事業の安定性と成長への意欲がうかがえます。このような資金の流れは、同社グループの持続的な事業運営と、それに伴う雇用や給与の安定性につながる可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 149.3億円 164.6億円
投資CF △88.3億円 △128.9億円
財務CF △52.7億円 △19.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 60.9億円 35.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの売上収益の約6割が車載関連の顧客群向けであり、当該顧客群の動向により売上収益が大きく変動する可能性があります。また、製品はコイルとその応用部品であり、特に車載関連市場のxEV化に伴い、高い耐電圧、小型化、高い品質基準が求められています。xEV化市場の拡大により競合他社も多く参入し、価格競争が厳しくなっている状況です。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループはグローバルに生産拠点を有しており、人件費や社会保険料の上昇、制度変更等による生産コストアップが事業展開や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、生産の自動化を進めることで労働生産性の向上に取り組んでいます。

④ 雇用安定性・リストラ

同社グループは、欧州拠点における人員削減による合理化に伴い発生する費用の見積額として事業構造改革引当金を計上しており、当連結会計年度には9.9億円が目的使用により減少しました。また、前連結会計年度には構造改革費用として10.9億円を計上しています。これらの費用は事業再編や人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


スミダコーポレーションは、電子部品のコイル製品を通じて社会に貢献する企業です。グローバルな視点と技術力を基盤に、持続可能な社会の実現を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループのビジョンは、時代を超越した企業として、想像力に富んだアイディアを実現し、世の中にパワーと勇気を与えるためのソリューションを提供する業界のリーダーとなることです。その使命は、お客様に、人々の生活の質を向上させる製品や技術の開発を可能とするソリューションを提供し続けることとしています。具体的には、生活をより楽に、安全に、健康に、楽しく、そして環境にやさしくすることを目指しています。

同社グループは2035年にありたい姿として“Top Position in Multiple Niches”を掲げています。これは、カスタム性の高い製品が必要で、同社グループの強みを活かせる複数のニッチ市場において、シェア50%以上を確立し主導的な地位を目指すことを意味しています。この実現に向け、ニッチトップ戦略を推進しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営における重要な価値観として「グローバル、スピード、フォーカス」を定義し、世界中の市場に対応し、迅速な意思決定と実行力をもってビジネスを展開しています。また、『スミダの経営に関する諸原則』では「社員に対するコミットメント」として、人を最も重要な経営資源と捉え、社員一人ひとりを大切にする企業を目指しています。国境を超えたトランスナショナルな企業として、働く場所を問わず公正な処遇を保証し、社員同士のチームワークを奨励しています。

国籍・人種・性別・信条・身体的特徴等による差別の禁止を徹底し、本人の能力や志望に応じた適正かつチャレンジングな職務を提供し、実績を正しく評価し処遇する方針です。社員が能力を最大限発揮できる安全で快適かつ生産的な職場環境を整え、人材の継続的な育成を通じて「会社と社員が共に成長する関係」を築くことを目指しています。スミダ・バリューとして、グローバル全社員共通の6つの価値を理念としており、特にダイバーシティを尊重し、個人の成長を奨励する実力主義の考え方を重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、現時点における事業環境の認識に立脚した成長戦略を再提示し、これを着実に実行していくことを責務と認識しています。2035年にありたい姿である“Top Position in Multiple Niches”に向けたニッチトップ戦略の推進を重点テーマとしています。

コーポレート・ガバナンス体制の強化にも継続的に取り組んでおり、2003年には日本の上場企業で初めて委員会等設置会社に移行しました。ESGの取り組みも重要課題と認識しており、同社グループの技術開発と製品を通して二酸化炭素削減に貢献することを目指しています。資源の有効活用、廃棄物の削減、代替エネルギーの活用を推進し、国連開発計画が策定した17の持続可能な開発目標の達成に努めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


スミダコーポレーションは指名委員会等設置会社です。取締役会は業務執行の監督に特化し、業務執行機能に専従する機関として執行役を置いています。これにより「執行」と「監督」を明確に分離し、機動性と柔軟性に富んだグループ経営を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


スミダコーポレーションの株主構成は、信託銀行が上位を占める機関投資家中心の構成となっています。また、同社取締役会議長が兼務する関連会社も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 14.97%
株式会社日本カストディ銀行(信託口) 5.26%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 3.96%
ヤワタビル 3.36%
Yawata Zaidan Limited 2.29%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表執行役CEOは堀寬二氏が務めています。社外取締役比率は75.0%です。

氏名 役職 主な経歴
八幡 滋行 取締役 1977年11月同社入社。1988年3月同社取締役、1992年3月同社代表取締役社長。2003年4月同社取締役、同社代表執行役CEOより現職。


社外取締役は、梅本龍夫氏(㈲アイグラム代表取締役・取締役会副議長・指名委員会議長・報酬委員会議長)、范仁鶴氏(チャイナ・エバーブライト・エンバイロメント・グループ非業務執行独立取締役・指名委員・報酬委員)、早川亮氏(アクサス・アドバイザーズ代表取締役兼マネージング・パートナー・監査委員会議長)、アルバートキルヒマン氏(トレイトン SE 社外取締役・指名委員・報酬委員)、上野佐和子氏(ジャパン・インテグリティ代表取締役・監査委員)、土地順子氏(DOCHI 法律事務所代表弁護士・監査委員)です。

同社は指名委員会等設置会社であり、取締役会は業務執行の監督に特化しています。取締役8名のうち6名が社外取締役で構成され、多様な経験と見識に基づき経営の監督とチェック機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


スミダコーポレーションは、社外取締役が過半数を占める報酬委員会を設置し、透明性の高い報酬決定プロセスを採用しています。執行役の報酬は、固定報酬である基本報酬に加え、業績連動報酬として短期インセンティブとストック・オプションで構成されています。一方、取締役および社外取締役の報酬は、経営監督の立場を考慮し、固定報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
執行役 4名 2.2億円 56.0百万円
取締役(社外除く) 2名 36百万円 18.0百万円
社外取締役 6名 45百万円 7.5百万円


なお、報酬等の総額は同社グループの連結報酬等であり、短期インセンティブは連結営業利益目標の達成率に応じて算出されています。当事業年度において報酬等の総額が1億円以上である役員は存在していません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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