【平均年収568万円】ナカニシ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収568万円】ナカニシ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ナカニシは、歯科医療用機器や一般産業用切削・研削器の製造・販売を主たる業務とし、医療から産業分野まで幅広く事業を展開しています。海外に連結子会社を持ちグローバルに事業を展開しており、直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社ナカニシ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ナカニシは、歯科医療用機器、歯科チェア、一般産業用切削・研削器の製造・販売を主たる業務とする企業です。同社グループは、これら製品を通じて医療分野から産業分野まで幅広く事業を展開しています。

単体従業員数は1,107名、連結従業員数は2,204名です。セグメントは歯科事業、DCI事業、外科事業、機工事業の4つです。

ナカニシは、歯科医療用機器、外科用骨切削機器、一般産業用切削・研削器の製造・販売を自社で行っています。海外28社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ナカニシは、医療機器メーカーとしてグローバルに事業を展開しており、その働き方や給与水準は、安定性と専門性を重視する傾向が見られます。同社グループは、従業員一人ひとりの成長と多様性を尊重し、働きがいのある職場環境づくりに注力しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ナカニシでは、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定してキャリアを築ける環境であることがうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることが示唆されます。

項目 数値
平均年間給与 5,682,289円
平均勤続年数 11.8年
平均年齢 41.0歳
単体従業員数 1,107人
連結従業員数 2,204人
単体のグループ内比率 50.2%


ナカニシは、従業員向けに確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。

退職一時金制度も設けられており、退職給付として職階と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

直近の退職給付債務は18.4億円、年金資産は20.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ナカニシは、企業にとって「人」が最も重要な資源であり、力の源泉であると位置づけています。従業員一人ひとりが「自分の価値を高めよう」というモットーを掲げ、個人の価値を最大化する人財育成に日々取り組んでいます。

同社は、多様な個性を尊重し、国籍、文化、年齢、性別、学歴、仕事歴、ライフスタイルなど、さまざまな背景を持つ人財の結集を重視しています。性別や年齢、障がいの有無に関わらず公平な登用や活用を積極的に推進し、誰もが活躍できるダイナミックなチームづくりを目指しています。

また、ナカニシ長期ビジョンVISION2030の実現に向け、「ダントツに働きがいのある職場」の実現を目標に掲げ、職場環境の改善や人事制度の整備を進めています。企業理念として「安全性は生産性や効率性に優先する」を掲げ、安全衛生管理規程に基づき、快適な作業環境の形成や心身の健康増進にも積極的に取り組んでいます。さらに、「ナカニシ健康経営宣言」に基づき、「歯」・「体」・「心」の健康に着目した健康増進活動も推進しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 6.7%
男性労働者の育児休業取得率 87.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 71.4%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 91.4%

多様性・登用


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のデータです。障がい者雇用率は毎期6月1日時点のものです。

指標 数値
女性管理職比率 5.4%
障がい者雇用率 2.8%

育児・介護支援


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のデータです。

指標 数値
男性育児休業取得率 87.5%

健康・安全


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のデータです。う歯精検受診率およびがん早期発見につながる精密検査受診率は、前年度の対象者に関する2025年3月31日時点の精検受診率です。

指標 数値
歯科検診受診率 98.6%
う歯精検受診率 55.1%
がん早期発見につながる精密検査受診率(胃/肺/大腸) 71.4%
がん早期発見につながる精密検査受診率(子宮/乳) 95.6%
がん早期発見につながる精密検査受診率(前立腺) 77.8%
高ストレス者割合 14.0%
就業中の死亡事故発生件数 0件

人材育成・エンゲージメント


連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のデータです。

指標 数値
エンゲージメント偏差値 50.0

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ナカニシは、歯科医療用機器、歯科チェア、一般産業用切削・研削器の製造・販売を主たる業務とする同社グループの中核企業です。同社グループは、これらの製品提供を通じて、国内外の医療現場や産業分野に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、製品の種類や販売市場の類似性に基づき、主に4つの報告セグメントで事業を展開しています。それぞれのセグメントが特定の専門分野に特化し、収益を上げています。

歯科事業

治療用ハンドピース、技工用マイクロモーター&ハンドピース、外科用ハンドピース、滅菌器などの製造・販売を行っています。収益は、これらの歯科医療用機器の提供から得ています。

DCI事業

歯科チェアなどの製造・販売を行っています。収益は、歯科医院向けの設備提供から得ています。

外科事業

脳神経外科をはじめとする外科領域で必需品となっている骨切削機器などの製造・販売を行っています。収益は、高度な医療機器の提供から得ています。

機工事業

手作業用グラインダーや機械装着用スピンドルなどの製造・販売を行っています。収益は、一般産業向けの切削・研削器の提供から得ています。

同社グループの事業は、海外売上高比率が当連結会計年度で88.4%と非常に高く、グローバル市場に強く依存しています。そのため、為替の変動が経営成績に影響を及ぼす傾向があります。特定の顧客への売上集中も見られ、Henry Schein, Inc.への売上高が当連結会計年度の総売上高の13.1%を占めています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
歯科事業 465億円 482億円
DCI事業 195億円 205億円
機工事業 67.4億円 69.1億円
外科事業 43.2億円 55.4億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移

同社グループの売上高は、過去5年間で着実に増加傾向にあります。一方で、直近の当連結会計年度では、売上高は増加したものの、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は減少に転じ、親会社株主に帰属する当期純利益は損失となりました。これは、当連結会計年度に計上された多額の減損損失が主な要因となっています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 449億円 487億円 597億円 770億円 812億円
経常利益 140億円 176億円 172億円 173億円 169億円
経常利益率 31.1% 36.3% 28.8% 22.4% 20.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 101億円 125億円 228億円 85.8億円 △24.0億円
1株当たり当期純利益(円) 116.73 145.48 267.62 101.37 △28.70

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る

同社グループの従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度において前期から増加しています。これは、従業員一人ひとりの生産性が向上していることを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しており、売上高の増加が利益に直結しにくい状況が見られます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 35.3百万円 36.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 6.7百万円 6.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も継続しています。手元資金も厚く、事業運営の安定性を支える財務基盤を構築している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率を維持しており、安定した状態を示しています。当期の自己資本比率は71.0%であり、プライム市場上場製造業の平均(46.8%)を大きく上回っています。手元資金である現金及び預金も前期から増加しており、事業運営の安定性を支える要因となっています。

ただし、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。プライム市場上場企業の平均(9.4%)と比較すると、収益性の改善が今後の課題であると言えます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 1,212億円 1,141億円
自己資本比率 76.3% 71.0%
ROE(自己資本利益率) 7.3% -2.0%
現金及び預金 461億円 613億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定して資金を生み出している状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは166億円の収入となり、前期から増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは△86.8億円の支出となり、前期よりも支出が増加しています。これは主に有形固定資産の取得によるものです。本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況がうかがえます。

財務活動によるキャッシュフローは6.8億円の収入となり、前期から増加しました。これは長期借入れによる収入が主な要因です。結果として、営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを合わせたフリーキャッシュフローは79.7億円のプラスとなっており、事業活動で生み出した資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。この資金状況は、事業の安定的な運営と将来への投資余力を示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 153億円 166億円
投資CF △79.4億円 △86.8億円
財務CF 6.0億円 6.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 73.6億円 79.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループはグローバルに事業を展開しており、海外売上高の比率が高い傾向にあります。そのため、為替レートの変動が業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、特定地域における地政学的緊張の高まりや、経済安全保障の観点からの各国規制・制裁措置、輸出規制等が、原材料や部品の安定調達、生産活動、販売活動に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ナカニシは、創業以来「顧客のニーズにより新製品を開発し、堅牢、優美にして廉価な製品づくりで社会の信頼に応える」ことを経営の基本に据えています。革新的な「削るテクノロジー」を通じて、グローバルな医療と産業の発展に貢献することを目指す企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、1930年の創業以来「顧客のニーズにより新製品を開発し、堅牢、優美にして廉価な製品づくりで社会の信頼に応える」ことを経営の基本に据えています。

創業100周年を迎える2030年に向け、グローバル市場において、革新的「削るテクノロジー」による新製品を生み出し、全世界の人々の健康寿命の延伸に大きく貢献できるONLY ONEの医療機器メーカーになることを目指しています。

グループの価値観「Our Core」では、「革新的『削るテクノロジー』による『美しい進歩』の創造」をミッションに掲げ、医療の発展や人々の豊かな暮らしの実現に貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、品質基本方針として「品質第一を基本とし全員参加の品質管理により顧客の満足と信頼に応える」ことを掲げ、徹底した品質保証体制を図っています。

人的資源を最も重要な資源と考え、「私たちのモットー自分の価値を高めよう」を人財育成の基本方針としています。

多様な個性を尊重し、文化・習慣・言語・民族などの多様性を結集し、公平な人財の登用や活用を積極的に推進しています。

『「思いと努力の共有」と「個性の結集」でブレイクスルーするダイナミックなチーム』を通じて、新しい価値の創造を目指しています。

企業理念では「安全性は生産性や効率性に優先する」ことを掲げ、快適な作業環境の形成に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、国内外の経済動向や市場環境を注視しつつ、事業ポートフォリオの最適化、競争力のある製品の継続的な投入、グローバルオペレーションの高度化を通じて、変化に柔軟に対応できる経営体制の構築に取り組んでいます。

品質・安全性の確保、コスト競争力の強化、人材基盤の充実を図ることで、グローバルな競争環境において持続的な成長を目指しています。

サステナビリティに関する重点テーマを特定し、各施策を実行しています。

国内生産拠点で2030年度を目標に、自社で直接消費する温室効果ガス排出量を2019年比で100%削減することに取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ナカニシは監査役会設置会社として、取締役会、監査役会、会計監査人を設置しています。経営意思決定機関である取締役会は、指名・報酬委員会を諮問機関としています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ナカニシの株主構成を見ると、筆頭株主はナカニシE&N、次いで中西千代氏、公益財団法人NSKナカニシ財団が上位に名を連ねています。創業家や関連会社が主要な株主として存在しており、同社の経営基盤を支えていることがうかがえます。

株主名 持株比率
ナカニシE&N 5.45%
中西千代 5.25%
公益財団法人NSKナカニシ財団 4.48%
日本カストディ銀行(信託口) 3.91%
オフィスナカニシ 3.76%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長執行役員は中西英一氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
中西 英一 代表取締役 社長執行役員 1990年7月 同社入社、1993年10月 同社取締役副社長、2000年5月 同社代表取締役社長、2004年11月 NSK EURO HOLDINGS S.A.代表取締役社長、2010年3月 同社代表取締役社長執行役員より現職。
中西 賢介 代表取締役 副社長執行役員 1989年7月 コパル(現 ニデックプレシジョン)入社、1994年2月 同社入社、1994年4月 同社専務取締役、2004年11月 NSK EURO HOLDINGS S.A.取締役、2010年3月 同社代表取締役副社長執行役員より現職。
鈴木 正孝 取締役 専務執行役員 1973年4月 オリンパス入社、執行役員、取締役、専務執行役員等を歴任。2012年6月 同社グローバル経営戦略室長、執行役員を経て、2020年3月 同社取締役専務執行役員より現職。


社外取締役は、野長瀬裕二氏(摂南大学経済学部教授)、荒木由季子氏(日立製作所理事)、汐見千佳氏(富士フィルター工業代表取締役社長)です。

ナカニシは監査役会設置会社を採用しており、社外取締役3名と社外監査役2名が独立した立場から経営の監督・監査を行っています。社外取締役はそれぞれの見識に基づき、取締役会における意思決定に助言をしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ナカニシの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして設計されています。社外取締役を除く取締役の報酬は、固定報酬、業績連動報酬、非金銭報酬で構成されており、業績連動報酬の指標には売上高、EBITDA、ROEが用いられています。非金銭報酬は株式報酬型ストックオプションと譲渡制限付株式報酬で構成されます。一方、社外取締役と監査役の報酬は、独立性の確保の観点から固定報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 3.0億円 1.00億円
監査役(社外除く) 1名 4百万円 4.5百万円
社外役員 6名 30百万円 5.1百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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