【平均年収557万円】不二精機 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収557万円】不二精機 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

不二精機は、プラスチック加工用の射出成形用精密金型や成形システムの製造・販売を主軸に、精密成形品なども手掛けています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、不二精機株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


不二精機グループは、プラスチック加工用の射出成形用精密金型や成形システムの製造・販売を主軸としています。また、精密成形品などの製造・販売も手掛けています。

単体従業員数は108名、連結従業員数は792名です。事業セグメントは、射出成形用精密金型及び成形システム事業、精密成形品その他事業の2つです。

主な国内グループ会社は、秋元精機工業(精密成形品その他事業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


不二精機は、精密金型や成形システム事業を展開する企業です。同社グループの給与水準や働き方は、事業の特性や規模を反映した傾向が見られます。従業員の定着や育成に対する考え方にも注目し、どのような環境で働くことになるのかを確認していきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も日本の企業としては標準的な水準であり、幅広い年代の従業員が活躍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,573,327円
平均勤続年数 13.8年
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 108人
連結従業員数 792人
単体のグループ内比率 13.6%


同社グループは、確定拠出型年金制度を採用しており、一部の連結子会社では確定給付型の退職給付制度も導入しています。これらの制度は、国内および海外のグループ会社に適用されています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、連結子会社の確定給付制度における退職給付債務は33百万円となっています。また、確定拠出制度への要拠出額は22百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「人材は最も重要な経営資源」であると認識し、従業員一人ひとりの成長が企業全体の競争力向上に直結すると考えています。社内外問わず中核人材の登用においては、多様性の確保とその育成を重視しています。

従来より経営会議において定期的に幹部人材の育成プランを議論しており、今後は各事業における不足人材層を明確化し、これに合った採用計画を具体的に検討しながら多様性の確保と育成に取り組む方針です。サステナビリティに関する取り組みの一環として、コンプライアンス・リスク管理委員会内にサステナビリティ担当を設置し、人材に関するリスクと機会の監視・管理も行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および男女賃金差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


不二精機グループは、プラスチック加工に不可欠な射出成形用精密金型や成形システム、そして精密成形品の製造・販売を手掛けています。グローバルな事業展開を通じて、多様な産業分野に貢献しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主にプラスチックを加工するための射出成形用精密金型及び成形システム、精密成形品その他の製造・販売を行っています。中期スローガンとして「安心をお届けする不二精機グループ」を掲げ、品質管理体制の徹底強化による顧客満足の追求を図っています。精密金型のコア技術を基盤に、自動車や二輪車などの成形事業分野への積極的な展開を進め、高付加価値製品の提供による安定受注の拡大に努めています。また、「『考動』で価値を創る」を行動理念とし、顧客の利益最大化を目標に、新たな価値創造や「5S活動」を基本とする品質改善活動に取り組んでいます。

同社グループの事業は、「射出成形用精密金型及び成形システム事業」と「精密成形品その他事業」の二つの報告セグメントで構成されています。

射出成形用精密金型及び成形システム事業

この事業では、射出成形用精密金型の製造販売、および当該金型と射出成形機等の成形周辺装置を組み合わせたシステムの製造販売を行っています。収益は、主力製品である医療機器用精密金型の売上高が増加しており、利益率の高い製品が好調に推移していることから得ています。運営は、不二精機、常州不二精机有限公司、THAI FUJI SEIKI CO.,LTD.、上海不二精机有限公司、PT.FUJI SEIKI INDONESIAが行っています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。

精密成形品その他事業

この事業では、精密成形品その他の製造販売を行っています。収益は、主力製品である自動車部品用成形品が東南アジア市場を中心に中期的な受注を確保していることから得ています。運営は、不二精機、秋元精機工業、THAI FUJI SEIKI CO.,LTD.、上海不二精机有限公司、PT.FUJI SEIKI INDONESIAが行っています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。

同社グループは日本、中国、タイ、インドネシア、その他の地域で売上高を計上しており、海外での事業展開が広範であることがうかがえます。経営成績の状況の分析において、為替差損の減少が経常利益の増加要因の一つとして挙げられており、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。また、PT Astemo Indonesia Automotive System(旧PT Hitachi Astemo Bekasi Powertrain Systems)が主要な顧客であり、同社グループの売上高に占める割合は10%を超えています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
精密成形品その他事業 56.8億円 56.3億円
射出成形用精密金型及び成形システム事業 25.8億円 30.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益は一時的に減少したものの、直近の期では増加に転じています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、直近の期で増加しています。当連結会計年度では減損損失を計上しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 74.7億円 78.3億円 82.6億円 82.5億円 87.2億円
経常利益 6.2億円 5.0億円 4.0億円 3.3億円 4.2億円
経常利益率 8.2% 6.4% 4.8% 4.0% 4.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 5.1億円 3.4億円 2.3億円 1.4億円 2.3億円
1株当たり当期純利益(円) 63.54 42.08 28.73 17.19 28.50

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から横ばいで推移しています。一方、従業員1人あたり営業利益は前期から増加しています。これらの指標は、同社グループの事業規模拡大と収益性の改善傾向を示しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 11.0百万円 11.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.5百万円 0.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元に資金を残している状況です。財務基盤は堅実であり、事業活動に必要な資金を確保していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の推移、そして手元資金の状況から確認できます。自己資本比率は前期から改善傾向にあり、手元資金も増加しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 35.1億円 37.0億円
自己資本比率 37.2% 37.8%
ROE(自己資本利益率) 4.2% 6.4%
現金及び預金 14.6億円 18.7億円


同社グループの自己資本比率は当期で37.8%となっており、前期の37.2%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較すると低い水準ですが、着実に改善している傾向を示しています。

ROE(自己資本利益率)は当期で6.4%となり、前期の4.2%から上昇しました。プライム市場平均の9.4%を下回る水準ですが、収益性の改善が見られます。

現金及び預金は当期末で18.7億円となり、前期末の14.6億円から増加しています。手元資金が厚くなっていることは、不測の事態への耐性や今後の事業展開における柔軟性につながる要素です。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を獲得し、それを成長のための投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、事業の収益性が資金創出に貢献しています。投資活動によるキャッシュフローは、主に有形固定資産の取得による支出があり、将来に向けた設備投資を継続していることがうかがえます。

財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済やリース債務の返済も行われ、前期の支出から当期は獲得に転じています。フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で稼いだ資金が投資を上回り、手元に残る資金が増加している状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 8.6億円 9.3億円
投資CF △6.2億円 △6.3億円
財務CF △19百万円 1.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.4億円 3.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、精密成形品の一部製品を特定の取引先に販売しているため、その取引先の経営成績悪化や事業撤退、大幅な値下げ要求等が生じた場合には、売上減少が生じる可能性があります。また、海外諸地域での製品販売及び生産が相当程度含まれているため、為替レートの大幅な変動が生じた場合、円換算後の売上高の減少やコスト上昇、価格競争力の低下が発生するリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


不二精機グループは、「安心をお届けする不二精機グループ」を中期スローガンに掲げ、精密金型のコア技術を基盤として事業を展開しています。顧客満足の追求と持続可能な社会への貢献を重視する企業文化が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、中期スローガンとして「安心をお届けする不二精機グループ」を掲げています。品質管理体制の徹底強化により、グループ一体となった顧客満足のさらなる追求を図っています。

精密金型のコア技術をもとに、高生産性・高付加価値製品の提供に努めています。また、株主、顧客、取引先、地域社会、従業員等の利害関係者の信頼と期待に応えるべく、透明性の高い情報開示を目指しつつ、積極的な事業活動を展開する方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは「人材は最も重要な経営資源」であるとの認識のもと、従業員一人ひとりの成長が企業全体の競争力向上に直結すると考えています。中核人材の登用に際しては、多様性の確保とその育成が重要であるとしています。

サステナビリティに関する考え方として、「安心をお届けする」経営に積極的・能動的に取り組むことで、中長期的な企業価値の向上とサステナビリティ課題の解決の両立を目指しています。コーポレート・ガバナンスを通じて、経営の透明性の向上を図り、全てのステークホルダーからの信頼を高めることを重視しています。

環境リスクの管理と持続可能な事業運営を推進するため、「ISO14001」を取得しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、安定的・継続的な受注の確保を最大の課題としています。顧客での付加価値を生む技術革新を継続し、医療関連製品分野への集中や研究開発による新技術の提案、生産性向上によるコスト競争力強化に取り組んでいます。

的確な顧客情報の収集体制の整備により、競合メーカーとの差別化を図っています。アジア市場での人件費上昇に対しては、海外工場での生産工程の自動化・半自動化を進めるとともに、全拠点での5S活動(改善活動)の徹底的な実施によるグループ全体の生産性の向上を目指しています。

各事業における不足人材層を明確化し、採用計画を具体的に検討しながら、多様性の確保とその育成に取り組む方針です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


不二精機は、取締役会と監査役会を設置する体制で経営の意思決定と監督を行っています。少人数による活発な議論と迅速な意思決定を重視し、経営の透明性向上に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


不二精機の株主構成を見ると、筆頭株主は一般社団法人千尋会であり、その他に海外の証券会社や金融機関、個人株主が上位に名を連ねています。特定の株主グループが上位に複数存在していることが特徴です。

株主名 持株比率
一般社団法人千尋会 11.80%
PHILLIP SECURITIES (HONG KONG) LIMITED LIM WAH SAI 4.77%
三菱UFJ銀行 2.96%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は伊井剛氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。

氏名 役職 主な経歴
伊井 剛 取締役社長 (代表取締役) 1985年4月同社入社、1996年6月取締役就任、2008年3月代表取締役社長就任より現職。
藤本 由数 常務取締役 成形事業部 兼 金型事業部 兼 ユニット事業部 兼 管理本部 担当 -
塩井 寿史 取締役 金型事業部長 -
北林 勝博 取締役 成形事業部長 -


社外取締役は、高橋秀昭氏(ダブルオーエイト取締役)、社外監査役は、梅田浩章氏(梅田浩章公認会計士事務所所長)、橋本豊嗣氏(はしもと経営研究所代表)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督、監査を担っています。独立社外取締役1名と独立社外監査役2名が、経営の透明性向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


不二精機の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、株式報酬により構成されています。監督機能を担う社外取締役には原則として基本報酬のみを支払い、監査役の報酬は監査役の協議により決定されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 78百万円 19.4百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 5.8百万円
社外役員 3名 5百万円 1.8百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。