※本記事は、リリカラ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
リリカラは、インテリア事業、スペースソリューション事業、不動産投資開発事業を展開しています。内装材の企画・販売からオフィス空間の設計・施工、不動産開発まで幅広く手掛けています。
単体従業員数は545名です。事業セグメントはインテリア事業、スペースソリューション事業、不動産投資開発事業の3つです。
同社は、インテリア事業において自社開発商品「リリカラ」をメーカーに製造委託し、代理店等を通じて販売しています。スペースソリューション事業ではオフィス空間の設計・施工、不動産投資開発事業では物件の保有・賃貸などを手掛けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
リリカラは、インテリア事業を主軸に、スペースソリューション事業や不動産投資開発事業を展開しています。同社では、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境が整えられています。また、多様な働き方を推進し、従業員一人ひとりが能力を発揮できる職場づくりを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員が長く働き続けられる環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数は16.0年と長く、従業員の定着性がうかがえます。平均年齢は43.0歳であり、幅広い年齢層の従業員が活躍していることが示されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,686,575円 |
| 平均勤続年数 | 16.0年 |
| 平均年齢 | 43.0歳 |
| 単体従業員数 | 545人 |
退職給付制度
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は10.4億円、年金資産は9.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、人的資本を経営上の重要な課題と位置づけ、「人財への積極的な投資」を基本戦略の一つに掲げています。多様な個性を持つ従業員が、それぞれの働き方で能力を存分に発揮できる職場づくりと人事制度の整備を着実に進めることを「リリカラ人財投資宣言」として制定しています。
具体的には、「育児休業等に関する規程」や「介護休業等に関する規程」を定め、性別に関係なく柔軟な働き方ができる職場環境を整備しています。また、女性の活躍促進を含む多様性を確保するため、「ダイバーシティ委員会」およびその下部組織である「ダイバーシティ検討会議」を設置し、多様な働き方支援や育児休業取得、健康経営、定年再雇用制度、人材育成など、人財への積極的な投資を推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。賃金制度上の男女差はないものの、男女間の賃金差異は女性従業員の非正規人員割合や低賃金従業員の割合が高いことが主な要因と説明されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 160.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 72.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 82.0% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合(目標) | 15.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率(目標) | 100.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
リリカラは、インテリア事業、スペースソリューション事業、不動産投資開発事業の3つの柱で事業を展開しています。これらの事業を通じて、快適な空間づくりと不動産価値の向上に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、内装材の企画・販売からオフィス空間の設計・施工、さらには不動産開発まで、多角的な事業を展開しています。顧客のニーズに応じた幅広いサービスを提供し、空間の価値を高めることを目指しています。
インテリア事業
壁装材、カーテン、床材を中心とした内装材商品の仕入れと販売を行っています。同社独自で開発した商品「リリカラ」をメーカーに製造委託し、主に代理店を通じて販売しています。収益は、これらの内装材商品の販売から得ています。前期と比較して売上高は増加傾向にあります。
スペースソリューション事業
オフィス空間や施設のインテリア設計・施工、プロジェクト管理、家具、間仕切り、事務用品などの提案・販売、不動産売買・賃貸の仲介業務を手掛けています。新しい働き方に対応したオフィス空間の構築や、施設のバリューアップを検討する顧客企業に対し、ニーズに寄り添った提案活動に注力しています。収益は、設計・施工サービスや関連商品の提供から得ています。前期と比較して売上高は減少傾向にあります。
不動産投資開発事業
不動産の買取再販を通じて不動産価値の最大化を図るバリューアッド、多様なアセットタイプの開発、都心の集合住宅やオフィスなどの市場ニーズに対応した物件の保有・賃貸を行っています。収益は、不動産の売買や賃貸から得ています。前期と比較して売上高は大幅に増加しました。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| インテリア事業 | 242億円 | 247億円 |
| スペースソリューション事業 | 95.4億円 | 74.3億円 |
| 不動産投資開発事業 | 20百万円 | 10.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高が前期からわずかに減少したものの、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも大幅な増加を示しています。特に利益面では、前期と比較して大きく改善する傾向が見られます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動を通じて得た資金を元手に、財務基盤の安定と将来への投資を行っています。ここでは、同社の財務状況から、経営の安定性について見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は、当期で40.0%、前期で40.4%となっています。これは、非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準を示しており、財務基盤の安定性を示す指標の一つです。安定した財務基盤は、企業の持続的な成長を支え、従業員の雇用や給与の安定にもつながる要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 40.4% | 40.0% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当事業年度における同社の営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなっており、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュ・フローもプラスであり、主に投資有価証券の売却による収入が要因となっています。一方、財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスで、借入金の返済が収入を上回ったことによるものです。
これらの資金の流れは、同社が事業活動で得た資金を元に、財務の健全性を維持しつつ事業運営を行っていることを示しています。資金の出入りは、企業の安定性や将来の成長性を判断する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の業績は、需給の変化等に起因する市況変動の影響を受ける傾向があります。また、主力である壁装材のビニルは石油化学関連製品の価格変動の影響を受けるため、原油価格の上昇はコスト高の要因となり、業績に影響を及ぼすおそれがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
リリカラは、快適な生活空間の創造と提案を通じて、人々の豊かな暮らしを支えることを目指しています。多様な個性を尊重し、持続的な成長を追求する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「快適な生活空間を創造し、提案する」という経営理念を掲げています。この理念のもと、「お客様に豊かな生活を提案し、持続的な成長を実現する会社」を目指しています。
また、自らの存在意義を示すパーパスとして「まだ誰も気づいていない空間の魅力で、人の心を彩り続ける。」を掲げています。これらの経営理念とパーパスを基軸に、様々なステークホルダーへの価値創造に配慮した経営を推進し、中長期的な企業価値向上を図る方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は人的資本を経営上の重要な課題と捉え、新中期経営計画において「人財への積極的な投資」を基本戦略の一つに掲げています。多様な個性を持った従業員が、それぞれに相応しい働き方で、個性を生かしながら能力を存分に発揮できる職場づくりや人事制度整備を着実に進めることを目指す「リリカラ人財投資宣言」を制定しています。
育児休業等に関する規程や介護休業等に関する規程を定め、性別に関係なく柔軟な働き方ができる職場環境を整備しています。また、女性の活躍促進を含む多様性を確保するため、ダイバーシティ委員会およびダイバーシティ検討会議を設置しています。これらを通じて、DE&I(多様な働き方支援・育休取得、健康経営・定年再雇用制度)や人材育成を推進し、エンゲージメントの向上に取り組んでいます。
環境課題に対してはTCFD提言に賛同し、ESG推進会議の下にサステナビリティ委員会を設置しています。気候変動を重要事項と捉え、対応策や取り組み内容を経営会議・取締役会に報告する体制を構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、中期経営計画における最終年度の事業見通しが当初目標を下回る見込みであることを受け、今回の未達を構造的課題として真摯に受け止め、抜本的な改革に着手する方針です。具体的には、固定費構造の見直しおよび徹底した生産性向上を推進します。
また、利益率を重視した事業ポートフォリオの再構築、販売体制改善および生産性向上施策のスピード感ある実施を進めます。経営体制の在り方の検証および機動的な組織運営の実行も速やかに推進していくとしています。
財務健全性とのバランスを踏まえつつ、持続可能な利益体質の確立を最優先課題として取り組む考えです。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会が経営に関する重要事項を決定しています。監査等委員会が業務執行の監視機能を担う体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はティーケーピーであり、同社は事業会社です。この筆頭株主が過半数の株式を保有しており、同社の資本構成に大きな特徴を与えています。また、リリカラ従業員持株会も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ティーケーピー | 53.01% |
| 本間 | 1.85% |
| リリカラ従業員持株会 | 1.24% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長執行役員は山田俊之氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山田 俊之 | 代表取締役 社長執行役員 | 1985年三菱銀行(現三菱UFJ銀行)入行後、1993年同社入社。経営企画部長、常務取締役、専務取締役を経て、2006年代表取締役社長に就任。2023年7月より代表取締役社長執行役員として現職。 |
| 末松 博貴 | 取締役 副社長執行役員 | 1995年同社入社。インテリア営業本部長、執行役員、代表取締役社長執行役員インテリア事業統括などを歴任。2023年7月より取締役副社長執行役員インテリア事業部長として現職。 |
| 岡田 卓哉 | 取締役 副社長執行役員 | 1999年株式会社バルス(現フランフラン)入社。2007年株式会社ティーケーピー入社後、執行役員、常務執行役員を歴任。2025年10月より取締役副社長執行役員インテリア営業本部担当として現職。 |
| 平山 雅也 | 取締役 専務執行役員 | 1985年住友銀行(現三井住友銀行)入行。インドネシア三井住友銀行社長、日本電産(現ニデック)グループ会社管理部長などを経て、2024年3月より取締役専務執行役員コーポレート本部長として現職。 |
| 髙木 寛 | 取締役 | 1989年日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)入行。イートラスト信託代表取締役社長、株式会社ティーケーピー執行役員などを経て、2025年7月より同社取締役として現職。 |
| 渋谷 守浩 | 取締役 | 1986年渋谷木材工業(現株式会社渋谷)取締役。株式会社渋谷代表取締役社長、株式会社エスクリ代表取締役社長CEOなどを歴任。2025年11月より同社取締役として現職。 |
社外取締役は、原井武志氏(原井武志公認会計士事務所代表・監査等委員)、内田るみ子氏(三宅坂総合法律事務所パートナー・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名のうち2名が社外取締役です。社外取締役は独立した立場で業務執行の監督機能を強化し、取締役会の活性化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を目的とした報酬体系を採用しています。業務執行取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。監督機能を担う社外取締役については、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われる方針です。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決定された限度額内で、監査等委員である取締役の協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 78百万円 | 19.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.5百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 17百万円 | 2.8百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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