※本記事は、コスモ・バイオ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、ライフサイエンスに関する研究用試薬、機器、および受託サービスの仕入販売を主たる業務としています。国内外の最先端商品を研究者に提供する商社事業と、自社製品の開発・製造および受託サービス事業を展開しています。
単体従業員数は144名、連結従業員数は182名です。同社グループの事業セグメントは単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ビーエム機器.2などです。
国内営業体制の強化として、コスモ・バイオ、ビーエム機器、プロテインテック・ジャパンのグループ3社を同一拠点に集約し、一体的な運営体制を構築しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
コスモ・バイオは、ライフサイエンス分野の研究支援を通じて社会貢献を目指す企業です。従業員が能力を最大限に発揮できるよう、多様な働き方や人材育成に力を入れています。安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も比較的長く、人材が定着しやすい傾向が見られます。多様な働き方を支援する制度も導入されており、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,651,310円 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 平均年齢 | 42.9歳 |
| 単体従業員数 | 144人 |
| 連結従業員数 | 182人 |
| 単体のグループ内比率 | 79.1% |
同社および一部の連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。国内のグループ会社が対象となっています。
退職一時金制度も設けられています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、年金資産は2.8億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「生命科学の進歩に資する」ことを目的とし、ライフサイエンスの研究支援を通じて社会的課題の解決に貢献しています。今後は「ライフサイエンスの力で次代の価値を共創する」というビジョンのもと、研究支援に加え、自ら研究成果を社会実装へと繋げる推進役を担う方針です。
2023年度からの3ヶ年計画では、人的資本の拡充を重要課題の一つと位置付けています。事業成長に必要な人材育成を重点施策とし、従業員が能力を十分に発揮できる環境整備や、多様な働き方への対応を積極的に進めています。ワークライフバランスの向上を図るために、テレワーク制度やコアタイムのないフレックス制度を活用しています。
持続的成長を実現するため、従業員の人権を尊重し、国籍・性別・年齢・文化的背景等に拘らず、創造性に富む多様な人材を採用・育成・登用することが重要だと考えています。能力向上を目的とした教育制度として、目的別研修や階層別研修などを実施し、一人ひとりが成長できる環境を提供しています。
従業員のエンゲージメント向上も重視しており、定期的なエンゲージメントサーベイを実施しています。この結果をもとに、働きやすい環境を整え、心理的安全性の向上を図るとともに、生産性向上につながる施策を講じています。ハラスメント防止のための社内研修や相談窓口の設置も行い、安心して働ける職場環境の提供に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。労働者の男女の賃金の差異は、賃金制度・体系において性別による差異はなく、主に等級・年齢別人数構成の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 39.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 77.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 87.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 62.7% |
多様性・登用
同社グループは、管理職における女性・外国人・経験者採用の割合に関する数値目標は定めていません。管理職への登用は、年齢・性別・社歴等に依存することなく、従業員一人ひとりの能力等を公正に評価する制度を整えています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員の女性比率 | 54.0% |
| 管理職の女性比率 | 39.0% |
| 経験者採用の割合 | 66.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
コスモ・バイオは、ライフサイエンス分野の研究用試薬、機器、受託サービスの提供を通じて、生命科学の進歩に貢献している企業です。国内外の仕入先からの調達品と自社開発品を組み合わせ、日本全国の研究者へ商品とサポートを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ライフサイエンスに関する研究用試薬、機器、及び受託サービスの仕入販売を主たる業務としています。顧客は主に、大学や公的研究機関、企業などのライフサイエンス研究者です。国内外の約500社の仕入先から1,000万品を超える最先端の商品を導入し、研究者のニーズに応えるラインナップの拡充に取り組んでいます。
同社グループのビジネスの特徴は、専門知識を要する膨大な種類の「商品」と「商品情報」、そして多種多様なエンドユーザーの「ニーズ」を効率的にマッチングさせる点にあります。既存の商品で充足できないニーズに対しては、自ら製品を開発し、サービスを提供することでソリューションを提供しています。
グループ会社としては、ライフサイエンス研究用の機器類・消耗品を主とする輸入商社のビーエム機器、日本で製造したライフサイエンス研究用の試薬・機器等を日本以外の全世界に向けて販売するCOSMO BIO USA,INC.、そしてProteintech Group, Inc.との合弁会社であるプロテインテック・ジャパンがあります。国内営業体制の強化のため、コスモ・バイオ、ビーエム機器、プロテインテック・ジャパンのグループ3社を同一拠点に集約し、一体的な運営体制を構築しています。
当連結会計年度の地域別売上高を見ると、日本が大部分を占めていますが、その他の地域への販売も行っています。特定の販売先への収益集中は見られません。品目別では研究用試薬が全体の約8割を占めており、機器がこれに続いています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は期間中に変動が見られますが、直近の当連結会計年度では前期から増加に転じています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 92.3億円 | 95.5億円 | 93.4億円 | 100億円 | 108億円 |
| 経常利益 | 11.0億円 | 7.9億円 | 6.5億円 | 3.6億円 | 4.9億円 |
| 経常利益率 | 11.9% | 8.3% | 7.0% | 3.6% | 4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.4億円 | 5.2億円 | 4.4億円 | 2.6億円 | 3.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 126.94 | 89.13 | 75.97 | 45.05 | 59.26 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、組織全体の収益創出力が高まっている傾向が見られます。これらの指標の改善は、効率的な事業運営や従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 57.7百万円 | 59.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.8百万円 | 1.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
コスモ・バイオは、本業で安定した資金を生み出し、投資活動でも資金を確保している状況です。財務基盤の安定性や資金の流れから、同社グループの現在地を見ていきましょう。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高く、不況時にも耐えうる体力を備えていると言えます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 95.5億円 | 99.5億円 |
| 自己資本比率 | 76.5% | 74.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.0% | 3.6% |
| 現金及び預金 | 23.9億円 | 27.5億円 |
自己資本比率は前期の76.5%から当期は74.0%となっています。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較して高い水準です。
ROE(自己資本利益率)は前期の3.0%から当期は3.6%に増加しました。プライム市場平均の9.4%を下回る水準です。
現金及び預金は前期末の23.9億円から当期末には27.5億円に増加しており、手元資金が厚い状態を示しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、投資活動でも資金を確保している状況です。営業活動によるキャッシュフローは前期から増加し、投資活動によるキャッシュフローもプラスに転じています。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは595百万円の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益504百万円や減価償却費167百万円などによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは43百万円の収入となりました。これは有価証券の売却及び償還による収入300百万円が主な要因です。
財務活動によるキャッシュフローは283百万円の支出となりました。これは主に配当金の支払348百万円などによるものです。
これらの結果、フリーキャッシュフローは638百万円のプラスとなり、本業で得た資金と投資活動で得た資金で、配当金などの支出を賄い、手元資金を増加させている状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した財務運営を行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 241百万円 | 595百万円 |
| 投資CF | △217百万円 | 43百万円 |
| 財務CF | △479百万円 | △283百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 24百万円 | 638百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ライフサイエンス研究関連費用の支出動向にかかわるリスクを認識しています。エンドユーザーである大学・公的研究機関及び企業の研究費の減少は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、ライフサイエンス研究関連商品の国内市場における競合激化もリスク要因です。価格競争に陥ることで、同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、複数の関係会社から成るグループとして、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しています。事業の急速な拡大等により、関係会社の統治ガバナンスに不足が生じた場合、同社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
コスモ・バイオは、生命科学の進歩に貢献することを目的とし、未来の価値を共創する企業を目指しています。研究支援を通じて社会課題の解決に貢献し、従業員の働きがいも重視する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「生命科学の進歩に資する」ことを目的としています。ライフサイエンスに携わるすべての人に科学を届け、信頼されるパートナーとして社会に貢献することを目指しています。
10年後のあるべき姿を見据え、新たに「ライフサイエンス(生命科学)の力で次代の価値を共創する」というビジョンを掲げています。このビジョンの実現に向け、「研究成果の創出を加速させ、社会課題の解決に貢献する」「信頼できる情報・知見を、世界の研究者と社会へ届ける」「挑戦と共創を通じて、やりがいと生きがいを実現する」という3つのグループ方針を推進しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続的な成長のために、従業員の人権を尊重し、国籍・性別・年齢・文化的背景等に拘らず、創造性に富む多様な人材を採用・育成・登用することが重要であると考えています。従業員が能力を十分に発揮できる環境整備や、多様な働き方への対応を積極的に進めています。
ワークライフバランスの向上を図るため、テレワーク制度やコアタイムのないフレックス制度を活用しています。また、従業員のエンゲージメント向上を重要視しており、定期的なエンゲージメントサーベイを実施し、働きやすい環境を整えるとともに、ハラスメント防止のための施策も行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、2023年度からの3ヶ年計画において、人的資本の拡充を重要課題(マテリアリティ)の一つと位置づけています。事業成長に必要な人材育成を重点施策とし、従業員の能力向上を目的とした教育制度として、目的別研修や階層別研修などを実施しています。
また、サステナビリティへの貢献と企業価値の向上を目指し、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の取り組みを推進しています。具体的には、環境負荷軽減、研究活動のサポート、新規事業基盤の強化、次世代への支援、働きがいのある職場づくり、ガバナンスの向上、コンプライアンスの徹底など、多岐にわたるテーマに取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
コスモ・バイオは監査等委員会設置会社であり、独立性を保持した監査等委員である社外取締役が取締役会で議決権を行使する体制を採用しています。これにより、取締役会の監督機能の強化と経営の透明性・健全性の向上を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
コスモ・バイオの株主構成を見ると、筆頭株主は東京中小企業投資育成であり、中小企業への投資育成を目的とする機関投資家が上位に位置しています。また、信託銀行や投資事業有限責任組合も主要な株主として名を連ねており、多様な機関投資家によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東京中小企業投資育成 | 20.30% |
| みずほ信託銀行 退職給付信託 コスモ石油口 再信託受託者 日本カストディ銀行 | 10.15% |
| UH Partners 2 投資事業有限責任組合 無限責任組合員UH Partners 2 | 7.72% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.2%です。代表取締役社長は柴山法彦氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 柴山 法彦 | 代表取締役社長 | 1994年4月丸善石油化学入社、2000年10月同社入社。2017年3月同社取締役総務部長兼情報システム部長を経て、2024年3月同社代表取締役社長より現職。 |
| 栃木 淳子 | 常務取締役 企画部長 | 1998年4月同社入社。2017年3月同社取締役製品情報部長、2023年3月同社常務取締役企画部長より現職。COSMO BIO USA,INC.取締役CEOも務めています。 |
| 林 政徳 | 取締役 財務部長 | 1999年4月協和発酵工業(現協和キリン)入社、2012年5月同社入社。2023年3月同社取締役財務部長より現職。ビーエム機器取締役財務部長も務めています。 |
社外取締役は、佐藤和寿氏(元丸善石油化学取締役執行役員総務部長・常勤監査等委員)、佐々木治雄氏(佐々木会計事務所所長・監査等委員)、島村和也氏(島村法律会計事務所代表・監査等委員)、原口純一郎氏(東京中小企業投資育成特任参事役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、独立社外取締役が監査等委員として取締役会の議決権に参加することで、経営の監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
コスモ・バイオの役員報酬は、固定報酬、単年度業績を反映した業績連動型報酬、そして中長期的な企業価値向上を目的とした譲渡制限付株式報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、金銭による月例の固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 85百万円 | 28.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 33百万円 | 8.2百万円 |
なお、非金銭報酬等の総額は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)3名に対する譲渡制限付株式報酬に係る費用計上額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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