【平均年収573万円】アプリックス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収573万円】アプリックス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

アプリックスは、スマートモバイルコミュニケーションズなどを傘下に持つ持株会社です。ICTと最新テクノロジーの融合による豊かな生活体験の創出を目指し、多様なサービスを展開しています。直近期の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社アプリックス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


アプリックスは持株会社であり、単体従業員数は43名、グループ連結従業員数は53名です。

同社グループは、「テクノロジーの力でワクワクの共有と価値創造」を経営理念に掲げ、ICTと最新テクノロジーの融合による豊かな生活体験の創出を目指しています。組込み&エッジからクラウドまでワンストップで開発できるシステム開発サービスや、MVNO・光プロバイダーなどの通信サービス、車両運行管理サービス「AORINO」、リテールメディアプラットフォーム「BRIDGE AD」など多様なサービスを提供しており、連結子会社1社とともに事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、スマートモバイルコミュニケーションズなどです。

同社グループは、MVNO事業の終了・縮小を検討する事業者から事業を引き継ぐサービス「まかせるMVNO」をベースとしたロールアップM&Aの全国展開を開始しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を担い、人的資本を重視した多様な働き方を推進しています。社員一人ひとりの働きがい向上とパフォーマンス発揮を目指し、柔軟な働き方やキャリア形成支援に力を入れている点が特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


アプリックスの単体従業員は、比較的高い平均年齢と長い平均勤続年数を示しており、安定した環境でキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。多様な働き方を促進する制度も導入されており、長期的な視点での働きやすさを重視していることがうかがえます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 5,726,000円
平均勤続年数 12.06年
平均年齢 47.21歳
単体従業員数 43人
連結従業員数 53人
単体のグループ内比率 81.1%


同社グループは、確定拠出型の退職給付制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を導入しています。国内グループ会社が厚生年金保険の確定拠出型制度に加入しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アプリックスは「人的資本」を重要視し、社員の働きがい向上と多様な価値観を尊重した働き方の実現を目指しています。そのために「ワークライフ・コラボレーション・プログラム」を構築し、社員が高いパフォーマンスを発揮できる環境作りに取り組んでいます。このプログラムは「多様な働き方の促進」「「個」を生かす組織作り」「学習機会の提供やコミュニケーション活性化」の3つの柱で構成されています。

具体的には、完全テレワークやフレックスタイム制度の導入、有給休暇の取得推進、育児・介護制度の整備、副業・兼業制度の実施など、柔軟な働き方を支援しています。また、女性社員の活躍推進や、社員同士をID(ニックネーム)で呼び合うことで上下関係や組織の壁を取り払う試み、個人の成果を適正に評価する人事評価制度の構築にも力を入れています。キャリア形成支援としては、資格取得支援制度によるリカレント教育の推進や、社員間の親交を深めるためのイベント実施、交流イベントへの補助金支給制度なども設けています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

アプリックスは、現時点において具体的な指標及び目標を設定していませんが、取締役会及び業務執行会議において定性的・定量的観点から継続的にモニタリングを行い、必要と判断された場合に指標及び目標を定める方針です。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アプリックスは、ICTと最新テクノロジーを融合し、多様なサービスを提供する持株会社グループです。継続課金モデルを推進する「ストックビジネス事業」と、組込み開発技術を活かした「システム開発事業」の2つの事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


アプリックスグループは、「テクノロジーの力でワクワクの共有と価値創造」を経営理念に掲げ、ICTと最新テクノロジーの融合による豊かな生活体験の創出を目指しています。組込み&エッジからクラウドまでワンストップで開発できるシステム開発サービスをはじめ、MVNO・光プロバイダーなどの通信サービス、車両運行管理サービス「AORINO」、リテールメディアプラットフォーム「BRIDGE AD」など、多岐にわたるサービスを提供しています。

同社グループの収益モデルは、継続課金モデルの製品・サービス等の開発・提供を推進する「ストックビジネス事業」と、これまでの自社及び他社からの受託開発経験で培った知見を活かす「システム開発事業」の2つが柱となっています。

ストックビジネス事業

この事業では、継続課金モデルの製品・サービス等の開発・提供を推進し、業績の安定化を図っています。具体的には、MVNO事業やMVNE事業の運営、モバイルWiFiルーターや通信機能付きAIドライブレコーダー、光コラボレーションサービスなどを提供しています。新サービスとしてリテールメディアプラットフォーム「BRIDGE AD」の提供を開始し、電子マネーサービス「さガッツ!マネー」も展開しています。

収益は、移動通信サービスや製品・サービス販売から得ています。運営は、スマートモバイルコミュニケーションズが行っています。

システム開発事業

この事業では、同社がこれまでの自社及び他社からの受託開発経験で培ってきた知見を最大限に活かしています。ロケーションビーコン「MyBeaconシリーズ」の拡販に努めるほか、Bluetooth Low Energy通信機能を搭載するハードウェアの試作開発支援、クラウド関連システムの開発、顧客のニーズに応じたフロントエンドシステムやバックエンドシステムの開発支援、テクニカルサポートなどを行っています。

収益は、システム開発等や製品・サービス販売から得ています。

同社グループの売上収益は、ストックビジネス事業がシステム開発事業を上回る規模となっています。当連結会計年度においては、ストックビジネス事業、システム開発事業ともに売上収益が前期から減少しました。また、ストックビジネス事業においては、特定の顧客への収益集中が見られます。

セグメント 売上収益(2024年12月期) 売上収益(2025年12月期)
ストックビジネス事業 31.6億円 25.2億円
システム開発事業 5.8億円 3.7億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


アプリックスグループの直近5期の業績を見ると、売上収益は前期から減少に転じました。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、当期に損失を計上しています。

当期は営業損失を計上しましたが、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しています。これは主に減損損失や減価償却費の計上によるものであり、本業からのキャッシュ創出は継続している状況です。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上収益 35.0億円 35.0億円 37.6億円 37.1億円 28.7億円
税引前利益 - 94百万円 3.2億円 2.1億円 △69百万円
税引前利益率 - 2.7% 8.5% 5.7% △2.4%
親会社の所有者に帰属する当期利益 - 1.9億円 3.4億円 1.6億円 △1.4億円
1株当たり当期純利益(円) - 8.39 15.17 7.18 △6.31

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


アプリックスグループの従業員1人あたりの売上収益は、前期から減少しています。従業員1人あたりの営業利益も、前期はプラスでしたが当期はマイナスとなりました。

これは、当連結会計年度において売上収益が減少し、営業損失を計上したことによる影響が反映されています。減損損失などの一時的な要因も利益に影響を与えています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 72.7百万円 54.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.3百万円 △1.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況と資金の流れから、現在の経営状態と将来に向けた取り組みの方向性が見えてきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、プライム市場の平均と比較して高い水準にあります。手元資金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)は前期からマイナスに転じており、収益性の改善が課題となっています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
自己資本 25.9億円 23.5億円
自己資本比率 66.8% 66.8%
ROE(自己資本利益率) 6.1% △5.6%
現金及び現金同等物 13.2億円 13.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、減損損失や減価償却費及び償却費を主な要因として、前連結会計年度と比較して減少しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出が主な要因となり、減少幅が縮小しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払額により、前連結会計年度の増加から減少に転じています。

フリーキャッシュ・フローは前連結会計年度のマイナスからプラスに転じており、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金が増加している状況です。この資金の流れは、同社グループが本業で資金を生み出しつつ、投資活動を継続しながらも財務的な健全性を維持していることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 3.2億円 2.8億円
投資CF △10.6億円 △87百万円
財務CF 2.6億円 △1.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △7.4億円 2.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、MVNO市場の競争激化や飽和状態を事業リスクとして認識しています。差別化に失敗した場合には、市場から淘汰されるリスクがあることを示しています。また、ストックビジネス事業において、特定の取引先であるスターサービス株式会社への売上依存度が高い状況です。将来的に同社との取引関係が解消された場合、同社グループの収益性が大きく低下する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、代表取締役を含む役員等の特定の経営者の知識・経験が経営において重要な役割を果たしていることをリスクとして挙げています。これらの経営層が不測の事態により執務が困難になった場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アプリックスは、継続課金モデルの製品・サービスを通じて顧客のビジネス実現に貢献し、社会資本の整備と新たな価値創出を目指しています。社員の多様な働き方を尊重し、個を活かす組織作りを推進する企業風土を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、継続課金モデルの製品・サービス(ストックビジネス)の開発・提供を推進することで、業績の向上と安定化を図ることを経営戦略としています。同社グループの強みであるシステム面から顧客が求めるビジネスを実現し、グループ全体の事業の柔軟性や対応力を強化することを目指しています。

これらの活動を通じて、顧客企業の課題解決と企業価値向上に貢献するとともに、社会資本の整備と新たな剰余価値の創出に向けて取り組んでいます。持続的な収益性の向上を目的として、事業利益やEBITDAを経営指標として重視しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは「人的資本」を重要視し、社員の働きがい向上を目的とした社内プロジェクト「ワークライフ・コラボレーション・プログラム」を構築しています。このプログラムは「多様な働き方の促進(WORK)」「個を生かす組織作り(DIVERSITY)」「学習機会の提供やコミュニケーション活性化によるチームワークの強化とモチベーションの向上(CAREER&COMMUNICATION)」の3つに注力しています。

具体的には、完全テレワークやフレックスタイム制度の導入、育児・介護制度の整備、副業・兼業制度の実施を通じて多様な働き方を促進しています。また、女性社員の活躍推進や社員間のID(ニックネーム)呼びによる組織の壁を取り払う試み、個人の成果を適正に評価する人事評価制度の構築にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、長年にわたる業績不振による時価総額の低迷という経営課題に直面しています。この状況を解消するため、「株式会社グローバルキャストとのM&Aを通じたグループ一体経営の推進」と「M&Aやアライアンスの推進」の二つの施策に取り組んでいます。

具体的には、グローバルキャストとの株式交換を通じて、製品・サービス開発力と顧客接点・販売基盤を一体化し、シナジーを発現させることで企業価値の向上を目指しています。また、企業価値及び時価総額を向上させるため、成長ステージごとに「ヒト・モノ・カネ」の経営資源を確保し、M&Aやアライアンスを通じた外部リソースの取り込み・活用を急務としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アプリックスは、取締役会設置会社であり、監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。経営の健全性・透明性の確保と、的確な意思決定および迅速な業務執行の実現を基本方針としています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アプリックスの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である光通信です。また、光通信KK投資事業有限責任組合も上位株主として名を連ねており、光通信グループが複数の名義で株式を保有していることが特徴です。

株主名 持株比率
光通信 5.06%
チャールズ レーシー 4.38%
光通信KK投資事業有限責任組合 無限責任組合員 光通信 3.98%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は倉林聡子氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
倉林 聡子 代表取締役社長 1997年CSK(現SCSK)入社、2005年アプリックス入社。内部監査室長、プロセス改善推進室長、経営管理部長を経て、2018年執行役員、2019年取締役。2022年より同社代表取締役社長を務める。
鳥越 洋輔 取締役 2009年テレコムサービス入社。ガゼルにてマネージャー、統轄部長を歴任。2018年Mobile Style代表取締役、スマートモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長。2019年より同社執行役員、2022年より同社取締役を務める。


社外取締役は、平松庚三氏(元ライブドア代表取締役)、田口勉氏(元アイネット取締役副社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役の選任により事業体制の強化を図っています。取締役会は社外取締役2名を含む計4名の取締役で構成され、重要事項の審議・決定および取締役・執行役員の監督を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の個人別の報酬は、月例の固定報酬を内容とする基本報酬のみで構成されています。報酬委員会は社外取締役で構成されており、取締役の個別の報酬案について公正性・妥当性を審議し、取締役会に報告する体制となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 37百万円 18.3百万円
監査役(社外除く) 1名 8百万円 8.0百万円
社外役員 4名 14百万円 3.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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