※本記事は、株式会社セルシード の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
セルシードは、日本発の「細胞シート工学」を基盤技術とし、細胞シートを用いた再生医療の世界的な普及を目指しています。同社は「再生医療支援事業」と「細胞シート再生医療事業」の2つの事業を展開しています。
単体従業員数は36名です。セグメントは再生医療支援事業、細胞シート再生医療事業、全社(共通)の3つです。
セルシードは、日本発の「細胞シート工学」を基盤技術とし、従来の治療では治癒が困難な疾患や障害に対する「細胞シート再生医療」の世界的な普及を目指しています。同社は、国内にグループ会社を持たず、自社で「再生医療支援事業」と「細胞シート再生医療事業」を展開しています。
セルシードは、連結子会社の清算に伴い、第22期より非連結決算に移行しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セルシードは、再生医療支援事業と細胞シート再生医療事業を展開する企業です。専門性の高い研究開発を担う人材を重視し、柔軟な働き方を推奨する社内環境を整備しています。従業員のワークライフバランスを支援し、多様な人材が活躍できる環境づくりに注力している点が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
セルシードは、再生医療分野という専門性の高い領域で事業を展開しており、従業員の平均年齢は40代前半、平均勤続年数は5年程度となっています。このデータからは、特定の専門性を持つ人材がキャリアを築きながら、比較的安定して在籍している傾向がうかがえます。従業員数は36人と少数精鋭の組織体制であり、個々の専門性が重視される環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,114,728円 |
| 平均勤続年数 | 5.2年 |
| 平均年齢 | 43.1歳 |
| 単体従業員数 | 36人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
セルシードは、持続的成長と事業価値向上において人材を最も重要な経営資源と位置づけています。再生医療等製品の研究開発には多様な専門スキルが必要であり、特に細胞シート再生医療は工学・細胞生物学・化学などの学際分野に属するため、ジェンダーレスで多様性ある専門人材の採用・育成を積極的に進める方針です。
日本国内だけでなくグローバルで活躍できる人材の採用・育成にも注力しており、今後も組織規模の拡大・多様化に対応した会社組織としてのガバナンス、従業員サポート、教育の質向上にも尽力していく考えです。社内環境整備としては、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入し、柔軟な働き方を推奨することでワークライフバランスを実現しやすい環境を構築しています。同社はこれらの取り組みを継続して推進していく方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 31.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 86.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 90.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 84.8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セルシードは、日本発の「細胞シート工学」を基盤技術とし、再生医療の世界的な普及を目指して事業を展開しています。主に「再生医療支援事業」と「細胞シート再生医療事業」の二つの柱で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
セルシードは、細胞シート工学を基盤技術として、従来の治療では治癒が困難であった疾患や障害に対する再生医療アプローチである「細胞シート再生医療」の普及を目指しています。収益は、主に再生医療の研究開発や事業化を支援する活動と、細胞シート再生医療等製品の研究開発・製造・販売から得ています。
再生医療支援事業
細胞シート再生医療の基盤ツールである「温度応答性細胞培養器材」及びその応用製品の研究開発・製造・販売を行っています。また、再生医療に関する総合的なサポートを通じて、再生医療の研究開発及び事業化を支援しています。
収益は、細胞培養器材の販売や再生医療受託サービスから得ています。当事業年度の売上高は前事業年度から減少しており、特に海外市場での研究環境の変化や地政学的な混乱が影響しています。
細胞シート再生医療事業
細胞シート再生医療等製品及びその応用製品の研究開発・製造・販売を推進しています。患者自身の細胞や同種細胞を用いて組織を作製し、これを患者に提供するものです。
現在、当該事業は事業化準備段階にあり、同種軟骨細胞シートの第3相試験が計画に従い進行しています。収益は、細胞シート再生医療等製品の研究開発・製造・販売活動から得ています。当事業年度の売上高は前事業年度から増加しています。
当事業年度の海外売上高の割合は39.1%となっており、前事業年度の76.1%から減少しました。主要な輸出先は欧州です。特定の販売先として、Thermo Fisher Scientific Inc.、フナコシ、NPTが挙げられます。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 再生医療支援事業 | 1.9億円 | 82百万円 |
| 細胞シート再生医療事業 | 1百万円 | 2百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
セルシードの業績は、2021年12月期に売上高を計上していますが、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は損失となっています。2022年12月期以降は非連結決算に移行したため、連結財務諸表は作成されておらず、連結経営指標等のデータは開示されていません。当事業年度(2025年12月期)の単体決算では、売上高は前事業年度から減少しました。営業損失、経常損失、当期純損失はいずれも前事業年度から増加しています。営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純損失の計上などにより、資金の支出が増加しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1.6億円 | - | - | - | - |
| 経常利益 | △8.9億円 | - | - | - | - |
| 経常利益率 | △548.7% | - | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △9.1億円 | - | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | △53.18 | - | - | - | - |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
セルシードは、再生医療分野の研究開発を推進しており、事業の成長に向けた投資が先行するフェーズにあります。そのため、財務面では継続企業の前提に関する重要な疑義が生じている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
セルシードの自己資本比率は、当期が76.6%、前期が88.9%となっています。これはプライム市場の製造業平均と比較して高い水準を示しています。
手元資金である現金及び預金等は、当期末に13.2億円、前期末に21.3億円と減少傾向にあります。しかし、新株予約権の行使による資金調達も行われており、当面の資金繰りに支障はないと判断されています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 88.9% | 76.6% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 21.3億円 | 13.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
セルシードのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが△9.9億円、投資活動によるキャッシュフローが△0.3億円の支出となっています。同社は研究開発活動を推進しているため、営業キャッシュフローは継続してマイナス傾向にあります。
投資活動では有形固定資産の取得による支出が見られます。財務活動によるキャッシュフローは2.0億円の収入となっており、新株予約権の行使による株式の発行が主な要因です。フリーキャッシュフローは当期△10.2億円とマイナスであり、事業活動と投資活動で資金が流出している状況です。
同社は研究開発投資を継続的に推進しており、エクイティ・ファイナンス等の多様な資金調達手段を確保する方針を示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △11.1億円 | △9.9億円 |
| 投資CF | △0.4億円 | △0.3億円 |
| 財務CF | 8.6億円 | 2.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △11.5億円 | △10.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
セルシードは、当事業年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると判断しています。同社は、細胞シート再生医療第1号製品の早期事業化と事業提携の推進により、この状況の解消を図る方針です。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、細胞シート工学を基盤技術として研究開発を進めていますが、技術進歩のスピードが速く、後発製品が優位性を持つ可能性や競争激化のリスクがあります。また、研究開発が計画どおりに進展しない場合や、製品化までに長期間を要し追加費用が発生する場合には、事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、経営陣や各部門の責任者・専門人材の能力に大きく依存しており、優秀な人材の確保と育成に努めています。しかし、必要な人材を適時に確保できない場合や、計画どおりに育成が進まない場合には、事業推進力の低下により事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セルシードは、革新的な再生医療技術「細胞シート工学」を基盤に、人々の健康と福祉に貢献することを目指しています。細胞の力を通じて世界に笑顔と希望を提供し、新たな医療の未来を創造する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
セルシードは、「細胞の力で、世界に笑顔と希望を提供します」をミッションとして掲げています。また、「私たちは細胞シート工学を基盤に新たな医療の未来を創造します」をビジョンとしています。同社はこれらの理念に基づき、再生医療の発展に貢献していくことを経営方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
セルシードは、「技術革新と創造性を発揮し、質の高い優れた製品とサービスの提供を通じ、人々の健康と福祉に貢献する」ことを使命としています。同社は人材を最も重要な経営資源と捉え、ジェンダーレスで多様性ある専門人材の採用・育成を積極的に推進しています。国内だけでなく、グローバルで活躍できる人材の確保・育成にも注力する方針です。
また、同社はフレックスタイム制度や在宅勤務制度を導入し、柔軟な働き方を推奨しています。これにより、従業員がワークライフバランスを実現しやすい社内環境の構築に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
セルシードは、再生医療等製品の研究開発に不可欠な高度かつ多様な専門性を持つ人材の採用と育成を重要な課題としています。特に細胞シート再生医療は学際分野にまたがるため、多様な専門人材の確保に注力しています。グローバルに活躍できる人材の育成も重点テーマです。
また、組織規模の拡大と多様化に対応するためのガバナンス体制の整備、従業員支援の充実、教育の質的向上にも継続的に取り組んでいます。臨床用細胞シートの培養を適正かつ安全に行うため、細胞シート培養技術者の確保・育成も不可欠であり、臨床培養士資格の取得を積極的に推進しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社セルシードは、技術革新と創造性を追求し、質の高い製品とサービスの提供を通じて人々の健康と福祉に貢献することを使命としています。同社は、株主総会、取締役会、監査等委員会を設置し、経営会議を通じて迅速な意思決定を図る体制を構築しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、取締役会と監査等委員会を軸とした企業統治体制を構築しています。社外取締役が経営の意思決定における客観性を高め、健全性と透明性の向上に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、上位には複数の機関投資家が名を連ねています。特定の創業家や事業会社が上位を占める形ではなく、幅広い投資家によって支えられていることが特徴です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| JPモルガン証券 | 1.17% |
| モルガン・スタンレーMUFG証券 | 1.03% |
| NOMURA INTERNATIONAL PLC A/C JAPAN FLOW | 0.51% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は橋本せつ子氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 橋本 せつ子 | 代表取締役 社長 | 1984年ヘキストジャパン株式会社入社、1998年ビアコア株式会社マーケティング部及び開発部部長、2008年株式会社バイオビジネスブリッジ設立代表取締役社長、2014年同社代表取締役社長より現職。 |
| 前田 敏宏 | 取締役 開発戦略部門長 | 1980年財団法人化学及血清療法研究所入所、1992年同法人医薬開発部部長、2017年同社入社海外事業室長、2025年同社取締役開発戦略部門長より現職。 |
| 中岡 圭一郎 | 取締役 経営管理部門長 | 2000年北里薬品産業株式会社入社、2011年同社管理本部経理課課長補佐、2019年同社入社人事総務部マネージャー、2025年同社取締役経営管理部門長より現職。 |
社外取締役は、大江田憲治氏(元内閣府大臣官房審議官・監査等委員)、遠藤幸子氏(ベリタス法律事務所代表弁護士・監査等委員)、間野哲臣氏(間野公認会計事務所開設・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査等委員会を設置しています。監査等委員である社外取締役3名を含む6名の取締役で取締役会が構成されており、効率的な意思決定と監督体制を整えています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、取締役(監査等委員である取締役を除く)については固定報酬としての基本報酬とストックオプションから構成されています。一方、監査等委員である取締役の報酬は、独立性の確保の観点から金銭による固定の月額報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 33百万円 | 11.1百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 10百万円 | 2.5百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
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