※本記事は、株式会社サンセイランディック の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サンセイランディックは、旧借地法・借家法が適用される底地等に係る不動産販売事業を主たる業務としています。権利関係が複雑な不動産を買い取り、権利調整を通じて価値を高めて販売する事業を展開しており、不動産仲介や土地活用コンサルティングも手掛けています。
単体従業員数は190名、連結従業員数は190名です。セグメントは不動産販売事業の1つです。
主な国内グループ会社は、サンセイランディックファンディング(不動産販売事業)、八幡平観光活性化(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
サンセイランディックは、不動産販売事業を主軸に、権利調整業務を通じて社会貢献性の高い事業を展開しています。従業員の成長と働きやすい環境づくりを重視しており、人的資本を経営の中核と捉える姿勢が見られます。新たな人事制度の導入や研修制度の整備を通じて、長期的な視点で人材育成に取り組む会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が39.4歳、平均勤続年数が9.9年となっており、比較的落ち着いた年齢構成で、一定の定着感がある職場環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,522,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.9年 |
| 平均年齢 | 39.4歳 |
| 単体従業員数 | 190人 |
| 連結従業員数 | 190人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
同社は確定拠出年金制度及び前払退職金制度の選択制を採用しています。この制度は国内の従業員に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人的資本を会社の中核を成す重要な経営資源と捉え、競争力の強化及び持続可能な成長基盤の構築に不可欠なものと考えています。そのため、従業員のスキルやモチベーション向上に積極的に投資し、人的資本を最大限に活用することを目指しています。
人的資本の強化の一環として、2025年度に新たな人事制度を導入しました。会社が社員に期待する役割と提供する価値を明確にし、社員がその期待に応えることで成長する好循環を生み出し、社員一人当たりの生産性向上を図る考えです。
研修については、コンピテンシーに基づき、全社研修と各事業部の研修・OJTを役割分担する形で運用しています。全社共通で必要な「スタンス」「ポータブルスキル」は全社研修として提供し、職種固有の「テクニカルスキル」は各事業部の研修・OJTで育成します。また、2025年度にはサンセイ従業員持株会を割当先として譲渡制限付株式を付与しており、従業員の中長期的な財産形成支援、企業価値向上へのインセンティブ付与、株主との価値共有、従業員エンゲージメント向上を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出されています。2025年度の女性の育児休業等取得対象者は該当者がいませんでした。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 19.6% |
| 男性育児休業等取得率 | 100% |
| 女性の育児休業等取得率 | - |
| 育児休業復帰率 | 100% |
育児・介護支援
2025年度の女性の育児休業等取得対象者は該当者がいませんでした。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性の育児休業等取得率 | 100% |
| 女性の育児休業等取得率 | - |
| 育児休業復帰率 | 100% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社グループは、主に旧借地法・借家法が適用される底地等の不動産販売事業を主軸としています。複雑な権利関係を持つ不動産を買い取り、権利調整を通じてその価値を高めて販売することで利益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、不動産販売事業を主要なビジネスとして展開しています。この事業では、一つの不動産に複数の権利者がいるために活用が制限され、資産価値が低くなっている物件を土地所有者から取得します。その後、権利関係を調整することで不動産の価値を向上させ、販売しています。
取り扱う物件は、主に土地所有者が第三者に土地を貸し地代収入を得ている「底地」、老朽化して収益を上げにくいアパートやビルなどの「居抜き」、そして所有者の完全所有権である「所有権」の3種類です。同社グループは、これらの物件の売買のほか、不動産の仲介や土地活用のコンサルティングサービスも提供しています。また、地代の集金業務代行や土地賃貸借契約更新手続きなど、土地賃貸管理業務を一括して請け負う「オーナーズパートナー」サービスも展開しており、オフィスビルやマンションなどの賃貸不動産を所有し、賃料収入も得ています。
同社グループの事業セグメントは不動産販売事業の単一セグメントであり、海外の外部顧客への売上高はありません。当連結会計年度においては、サムティ株式会社と大和ハウス工業株式会社が主要な顧客となっており、それぞれ売上高の10%以上を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一時的に減少したものの、その後大きく伸長し、直近の当連結会計年度では再び減少に転じています。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の前期に一時的な減少が見られたものの、当連結会計年度では増加に転じ、堅調な推移を示しています。
当連結会計年度においては、売上高は前年同期から減少しましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増加となりました。これは、居抜きの販売が減少した一方で、売上総利益が増加したことによるものです。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 168億円 | 155億円 | 233億円 | 256億円 | 233億円 |
| 経常利益 | 10.0億円 | 12.8億円 | 17.7億円 | 15.9億円 | 18.5億円 |
| 経常利益率 | 5.9% | 8.3% | 7.6% | 6.2% | 7.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.1億円 | 10.6億円 | 11.8億円 | 10.5億円 | 12.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 73.56 | 129.61 | 143.79 | 127.22 | 158.93 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたりの営業利益は増加しました。これは、売上高が減少する中でも、利益を生み出す効率性が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 134.1百万円 | 122.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 9.9百万円 | 11.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社サンセイランディックの財務状況は、事業活動と投資活動において資金を使用している状況を示しています。これは、将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあることを示唆しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率やROEの推移からその健全性を確認できます。自己資本比率は、企業の安定性を示す重要な指標の一つです。また、手元資金の状況は、不測の事態への対応力や事業継続の安定性に関わります。
自己資本比率は、当期が33.3%で前期の38.5%から減少しています。しかし、非製造業のプライム市場平均と比較すると、引き続き高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は当期が9.8%で前期の8.5%から増加しており、プライム市場平均を上回る水準となっています。
現金及び預金は当期に47.2億円となり、前期の50.1億円から減少しました。これらの指標は、同社グループが安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動に必要な資金を確保している状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 128億円 | 136億円 |
| 自己資本比率 | 38.5% | 33.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.5% | 9.8% |
| 現金及び預金 | 50.1億円 | 47.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動における資金の流れを示しています。当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは資金の減少となりました。これは主に棚卸資産の増加による支出が要因となっています。
投資活動によるキャッシュフローも資金の減少を示しており、定期預金の預入や有形固定資産、賃貸不動産の取得に資金を投じている状況です。財務活動によるキャッシュフローは資金の増加となっており、短期借入金や長期借入金の増加が主な要因となっています。
これらの資金の流れは、同社グループが不動産販売事業における不動産取得資金を主に金融機関からの借入金で調達し、事業活動に積極的に資金を投入していることを示しています。この状況は、事業拡大に向けた投資が活発に行われていることを示唆しており、将来的な成長性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 11.4億円 | △59.7億円 |
| 投資CF | △7.1億円 | △4.6億円 |
| 財務CF | 12.2億円 | 60.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.3億円 | △64.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、景気動向や金利動向等の経済情勢の変動が、不動産販売事業の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると認識しています。特に、不動産価格と事業損益は密接に関係しており、想定を超える変動は経営成績に影響を与える可能性があります。
また、所有する販売用不動産や賃貸不動産の価格や稼働率、賃料等は、景気動向や不動産市況、税制変更等の影響を受けやすい傾向があります。これらの要因により販売価格が下落したり、賃料収入が減少したりするリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、不動産販売事業において専門的な知識と高いコミュニケーション能力が求められるため、優秀な人材の確保と育成が重要であると認識しています。計画通りに人材の確保・育成が進まない場合や、既存人材の流出等により業務に支障が生じる場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サンセイランディックは、「人と人の未来を繋ぐ先駆者となる」というミッションを掲げ、不動産の既成概念を打ち破りながら社会課題の解決に貢献することを目指しています。自立自走の精神とプロフェッショナル思考を大切にし、変化を楽しみながら持続的な成長を追求する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「人と人の未来を繋ぐ先駆者となる」ことをミッションとしています。創業以来培ってきたノウハウを最大限に活用し、世界と繋がり、生み出される不均衡を解消することを目指しています。様々な社会課題と真摯に向き合い、社会に潤いや豊かさを提供する企業であり続けることを誓っています。
ビジョンとしては、「自立自走」「プロフェッショナル思考」「変化を楽しもう」の3つを掲げています。強い意志と主体性を持ち、未来を見据えた思考・行動で機動力のある会社を目指すことが「自立自走」です。専門性を高め、あらゆる期待に応え、誇り高く仕事に取り組むことでWIN/WIN/WINを実現するのが「プロフェッショナル思考」です。
また、どのような環境にも適応できる柔軟な感性を育み、現状を否定する勇気とポジティブな挑戦を賞賛し、時代の一歩先を進む会社を目指すのが「変化を楽しもう」というビジョンです。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、これまでの社訓であった「中庸」「質実」「不断」を新たなポリシーとして位置付けています。「中庸」は世の中の動きに対応し、バランスのとれた経営を維持することです。「質実」は華美を排し、スリムな会社創りに徹することを意味します。
「不断」は永久に存続するため、八分の力で邁進するという考え方です。同社グループは、事業活動を通じて持続可能な社会の実現を目指すサステナビリティ経営を実践しています。サステナビリティに関する活動を促進・管理するため、「サステナビリティ委員会」を設置し、定期的に委員会を開催しています。
人的資本を会社の中核を成す重要な経営資源と捉え、競争力の強化及び持続可能な成長基盤の構築に不可欠なものと考えています。コンプライアンス委員会やリスクマネジメント委員会を定期的に開催し、コンプライアンス意識の醸成とリスクに関する意識の浸透を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営計画(2024年8月~2027年12月)の2年目にあたる2026年12月期を「実行の年」と位置付け、社会課題の解決に向けた事業の拡大を図っています。既存事業の強化として、権利調整を中心とした付加価値の高いメニューの拡充と、事業運営の効率性を高める仕組みづくりを推進しています。
派生事業及び地域活性化推進事業の拡大も重点テーマの一つです。共有持分及び期間保有事業のスケール化に向けた検証と方針策定を進めるとともに、使用貸借及び借地権事業の事業化を目指しています。地域活性化推進事業では、岩手県八幡平市、長崎県平戸市、伊豆エリアを中心に、地域の特性を生かした事業展開を継続しています。
経営基盤の強化として、人的資本をはじめとした経営基盤の強化を継続的に推進しています。サステナビリティの推進を図るほか、次期役員候補を対象とした役員研修の実施や取締役会の実効性評価を踏まえた改善策の実施により、ガバナンス体制の強化に取り組んでいます。社員還元においては、多様な働き方に対応した職場環境の整備をはじめ、働きやすさの向上に向けた各種施策を継続して実施しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サンセイランディックは監査役監査制度を採用しており、取締役会による経営上の意思決定と業務執行の相互監督、監査役による業務執行の監査を通じて効率的な経営を目指しています。取締役会は社外取締役を含み、監査役会は社外監査役で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
サンセイランディックの筆頭株主は代表取締役社長の松﨑隆司氏であり、経営陣が主要な株主として会社を支える体制となっています。上位株主には個人株主が複数名を占め、従業員持株会も名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 松﨑 隆司 | 15.86% |
| 松浦 正二 | 5.60% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.81% |
| 小澤 順子 | 3.53% |
| サンセイ従業員持株会 | 3.37% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は松﨑隆司氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松﨑 隆司 | 代表取締役社長 | 1993年5月同社入社。2000年4月土地事業部部長、2001年4月営業第一部部長、2002年12月営業本部長を歴任。2003年7月より代表取締役社長に就任し現職。 |
| 太木 眞 | 専務取締役営業管掌兼第二営業本部長兼企画本部長 | - |
| 今福 規之 | 取締役第一営業本部長 | - |
| 森岡 俊陽 | 取締役第三営業本部長 | - |
| 三浦 玄如 | 取締役管理本部長 | - |
社外取締役は、高橋廣司氏(プロネット代表取締役社長)、村崎直子氏(ノブリジア代表取締役社長)です。
サンセイランディックは監査役会設置会社です。社外取締役は企業経営や会計に関する専門的な知見に基づき、経営の透明性向上とコーポレート・ガバナンス強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
サンセイランディックの役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬等、非金銭報酬等の3つの要素で構成されています。基本報酬は固定額で、業績連動報酬は連結経常利益額に連動し、非金銭報酬は自社株の付与によって構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.9億円 | 37.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 14.4百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 26百万円 | 6.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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