【平均年収576万円】セルシス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収576万円】セルシス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

セルシスは、グローバルに拡大するクリエイターエコノミー市場でサービス・プラットフォームの開発・提供を行う企業です。クリエイターの創作活動を支援し、直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社セルシス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月31日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


セルシスは、グローバルに拡大するクリエイターエコノミー市場で、サービス・プラットフォームの開発・提供を行う企業です。「クリエイションで夢中を広げよう」をビジョンに掲げ、クリエイターとオーディエンスの活動をサポートしています。

単体従業員数は260名です。事業セグメントは単一です。

セルシスは、創作活動を行うクリエイター向けのアプリ「CLIP STUDIO PAINT」の企画・開発・運営を全て社内で行っています。また、クリエイターの創作活動を支援する会員向けWEBサービス「CLIP STUDIO」や電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」などの流通ソリューションも提供しています。

セルシスは、当事業年度より連結子会社であった株式会社&DC3を吸収合併し、単体決算へと移行しました。これにより、従来の事業セグメントを見直し、単一セグメントに統合しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


セルシスはクリエイション市場で事業を展開しており、従業員の専門性と成長を重視する企業文化を持つ会社です。働き方においては、多様な人材が活躍できるよう柔軟な制度を導入している傾向が見られます。これらの要素が、同社で働く上での給与水準やキャリア形成に影響を与えていると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が一定の水準を保ち、平均年齢も比較的若めであることから、安定した環境の中でキャリアを築くことができる傾向が見られます。従業員数が前期から増加している点も、事業の拡大に伴う組織の成長を示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 5,756,306円
平均勤続年数 6.9年
平均年齢 38.1歳
単体従業員数 260人


確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を導入しています。この制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


セルシスは「クリエイションで夢中を広げよう」をMISSIONとし、人材育成と社内環境整備を重要な経営課題と捉えています。技術の進化が速い時代において、従来の常識に縛られず柔軟に思考できるイノベーティブな組織・人材を求めており、自らの強みを活かして挑戦し、やり遂げる成長機会を増やすことを育成の大きなテーマとしています。

プロフェッショナルとしての専門性と技術力を高めるため、社内技術勉強会の開催や、成果に対する迅速なフィードバックを実現する年4回の評価制度を運用しています。職場環境においては、フラットな組織風土を重視し、理念に基づくマネジメントを行うためのマネジメントポリシーを策定しています。

多様な人材の活躍を支援するため、居住地や働き方に関して柔軟な制度を運用しており、性別・国籍・年齢等によらない積極的な採用活動を継続し、中途採用を含め優秀な人材を管理職へ積極的に登用しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。正規雇用労働者の男女の賃金の差異の主な要因は、管理職に占める女性労働者の割合の低さ及び時短勤務者に占める女性労働者の割合の高さによるものです。

指標 数値
女性管理職比率 33.3%
男性育児休業取得率 66.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 72.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 70.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 191.4%

グループ全体(連結)


グループ全体の多様性に関する基本情報です。臨時従業員及び休職・休業者を含みます。

指標 数値
男女別従業員数 男性159名、女性137名
新卒・中途採用別の従業員の状況(新卒) 男性40名、女性17名
新卒・中途採用別の従業員の状況(中途) 男性119名、女性120名
男女間賃金差異 72.8%
平均勤続年数 全従業員平均7年1ヶ月
女性管理職比率 33.3%
女性役員比率 9.1%
外国人従業員数 35名
外国人管理職比率 2.1%
年次有給休暇の取得率 75.8%
女性育休取得率 100%
男性育休取得率 66.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


セルシスは、クリエイターエコノミー市場において、クリエイターの創作活動を支援するサービスとプラットフォームを提供しています。イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリを主力とし、グローバルに事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


セルシスは「クリエイションで夢中を広げよう」をビジョンに掲げ、クリエイターエコノミー市場でサービス・プラットフォームの開発・提供を行っています。当事業年度より単体決算へ移行し、事業セグメントを単一に統合しました。

同社の主力サービスは、イラスト・マンガ・Webtoon・アニメーション制作アプリ「CLIP STUDIO PAINT」です。このアプリは企画・開発・運営を全て同社社内で行っており、その80%以上が海外のクリエイターに利用されています。提供形態は、インターネットサイトを通じた提供のほか、App StoreやGoogle Play等のストアを通じたダウンロード、各種デバイス業者や小売業者を通じた提供、使用許諾による提供など多岐にわたります。一般消費者向けにはダウンロード提供やサブスクリプションモデルの定額利用サービスを提供し、プロのアニメーション制作スタジオや教育機関等にはボリュームライセンス形式で提供しています。

また、同社はクリエイターの創作活動を支援する会員向けWEBサービス「CLIP STUDIO」や、電子書籍ビューア「CLIP STUDIO READER」などの流通ソリューションも提供しています。クリエイターのマネタイズを支援する新規プラットフォームやユーザーコミュニティ強化のための新サービス開発も進めており、これらは2026年以降に順次提供開始される予定です。同社が提供するクリエイタープラットフォームサービスの全世界での利用者数は、1,100万人を超えています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の連結業績は、過去4期において売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに変動がありながらも増加傾向を示しています。売上高は継続的に伸長しており、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、一時的な変動はあるものの、全体としては拡大の方向性が見られます。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 68.9億円 75.4億円 80.9億円 82.0億円 -
経常利益 14.2億円 16.1億円 14.0億円 22.8億円 -
経常利益率 20.6% 21.3% 17.4% 27.8% -
親会社株主に帰属する当期純利益 12.2億円 10.5億円 6.3億円 14.0億円 -
1株当たり当期純利益(円) 37.49 29.83 18.46 44.26 -

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社の従業員1人あたりの売上高および経常利益は、前期において一定の水準を維持しています。これらの指標は、従業員一人ひとりが生み出す収益や利益の規模を示すものであり、組織全体の生産性や収益体質を測る上で重要な要素となります。

指標 2024年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 32.4百万円
従業員1人あたり経常利益(連結) 9.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社は、クリエイターエコノミー市場でサービス・プラットフォームを提供する事業を展開しています。財務基盤は、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。これらの指標は、同社の事業が安定した基盤の上で展開されていることを示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
自己資本比率 63.4% 54.0%
ROE(自己資本利益率) 23.6% 35.5%

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出し、その資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローはプラスであり、事業が着実に収益を上げていることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローはマイナスですが、これは主にソフトウエア等の無形固定資産の取得によるものであり、事業拡大のための積極的な投資が行われていることを示しています。

財務活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、自己株式の取得や配当金の支払いといった株主還元策が実施されていることが要因です。フリーキャッシュフローはプラスであり、本業で得た資金が投資を上回る余力がある状態です。これらの資金の流れは、同社が安定した事業運営を行いながら、将来の成長に向けた投資も継続しており、雇用や給与の安定性にもつながる財務状況にあることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 37.3億円 26.2億円
投資CF △16.5億円 △9.0億円
財務CF △23.0億円 △30.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 20.9億円 17.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は、主力であるクリエイターサポート分野における「CLIP STUDIO PAINT」の販売への依存が大きいことをリスクとして認識しています。また、ソフトウェア業界の技術革新の速度が著しいこともリスク要因として挙げています。同社はこれらのリスクに対し、サブスクリプションモデルの強化や研究開発の継続で対応しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、事業拡大には急速な技術革新への対応や継続的な研究開発が不可欠であり、これらに対応する優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると認識しています。必要とする能力のある人材を計画どおりに採用または育成できなかった場合、業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があるとしています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


セルシスは、デジタルコンテンツの創作活動をトータルに支援し、クリエイターの夢中を広げることを目指しています。クリエイター一人ひとりの情熱がつながり、よりカラフルな世界を創造する企業文化を育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「デジタルによるコンテンツの創作から利用・活用に至るまでの諸活動をトータルに支援できる環境の提供」を経営理念に掲げています。

「クリエイションで夢中を広げよう」をMISSION(日々果たすべき使命)とし、「一人ひとりの夢中がつなぐ、もっとカラフルな世界」をVISION(実現したい未来)として企業活動を行っています。クリエイターの支援を通じて、創作されたコンテンツが世界中の人々の夢中を広げ、新しいコミュニティや世代、国境、文化を超えたつながりを生み出すことを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は「夢中をつくりだす3つのバリュー」として、「オンリーワンで、ナンバーワン」「ハイスピードで、ハイクオリティ」「ストイックで、フレンドリー」を掲げています。これらのバリューは、同社のVISION実現に向けた重要テーマとして位置づけられています。

理念に基づくマネジメントが組織を進化させるカルチャーを生み出す土台となると考え、組織風土改革に取り組んでいます。2023年以降は、MISSION、VISION、VALUEから構成される理念体系を再整理し、理念に基づくマネジメントを行うためのマネジメントポリシーを策定しています。また、国内外にサービスを広く展開し、多様な「クリエイション」を通じてつながりをつくりだすため、フラットな組織風土を整えることを重視しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、優先的に対処すべき課題として「人材の確保及び育成」を挙げています。急速な技術革新に対応し、継続的な研究開発を行うため、優秀な人材の確保と育成、従業員のエンゲージメント向上を事業発展の根幹と捉えています。

また、「経営の効率化」も重要な課題です。生産性・収益性の高いオペレーションを実現するため、組織の統廃合やオペレーションの見直しによる効率化を継続的に推進しています。製品開発部門の集約化を進めることで、自社製品開発の効率化と収益性の改善を図っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能を強化したガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、機関投資家が上位に名を連ねています。また、資本業務提携先の子会社であるLINE Digital Frontierが主要株主の一つとして名を連ねており、事業連携を通じた関係性が見られます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 11.01%
LINE Digital Frontier 10.67%
ワコム 6.12%
日本証券金融 4.31%
日本カストディ銀行(信託口) 4.30%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は成島啓氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
成島 啓 代表取締役社長 1997年4月 同社(旧株式会社セルシス)入社、2001年2月 同社取締役、2016年3月 同社代表取締役社長、2022年9月 同社代表取締役社長より現職。
稲葉 遼 取締役 2012年4月 同社(旧株式会社セルシス)入社、2023年1月 同社執行役員、2023年3月 同社取締役より現職。
髙橋 雅道 取締役 2020年4月 同社(旧株式会社セルシス)入社、2023年2月 &DC3代表取締役社長、2023年3月 同社取締役より現職。
伊藤 賢 取締役 1991年4月 ピーアーク入社、2001年2月 同社(旧株式会社セルシス)入社、2012年4月 同社取締役、2022年9月 同社取締役より現職。
池田 真樹 取締役 2006年10月 同社(旧株式会社セルシス)入社、2019年6月 シージェイ代表取締役副社長、2024年3月 同社取締役より現職。


社外取締役は、木下耕太氏(元ドコモ・テクノロジ代表取締役社長)、髙橋将峰氏(LINE Digital Frontier代表取締役CEO)、野﨑愼也氏(元セルシス代表取締役社長・常勤監査等委員)、鈴木伸佳氏(鈴木伸佳法律事務所弁護士・監査等委員)、宮原孝行氏(清令監査法人パートナー・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで監督機能を強化しています。独立社外取締役は、企業経営や法務、会計に関する専門的な知見に基づき、経営の透明性向上とガバナンス強化に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と、非金銭報酬としての譲渡制限付株式報酬を組み合わせた体系となっています。譲渡制限付株式報酬には、株主との価値共有を促進する継続勤務型と、中期的な業績向上を目指す業績連動型が導入されています。社外取締役は、その独立性の観点から基本報酬のみが支給されます。

役員区分 報酬等の総額(千円) 報酬等の種類別の総額(千円) 対象となる役員の員数(名)
基本報酬 譲渡制限付き株式報酬 賞与 退職慰労引当金繰入額
取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。) 738,294 144,930 19,824 - 573,540 6
監査等委員である取締役(社外取締役を除く。) 28,560 15,030 - - 13,530 1
社外役員 23,730 22,530 - - 1,200 6


なお、報酬等の総額は7.9億円であり、報酬の支給対象となった人数は合計13名です。この人数には事業年度中に退任した監査等委員である取締役3名が含まれています。また、退職慰労引当金繰入額には、創業者功労金555百万円が特別損失として計上されています。

個人別報酬が開示されている役員は、川上陽介氏(5.85億円)です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 7.4億円 1.23億円
監査等委員(社外除く) 1名 29百万円 28.6百万円
社外役員 6名 24百万円 4.0百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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