※本記事は、仙波糖化工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
仙波糖化工業は、食料品の製造販売を主な事業内容とし、関連する研究開発活動やその他のサービスも展開しています。同社グループは、子会社6社、関連会社1社、その他の関係会社1社で構成されています。
単体従業員数は317名、連結従業員数は491名です。同社グループは食品製造販売事業の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、仙波包装(食品の包装加工)、東北センバ(冷凍食品及び凍結乾燥製品の製造)、クリエイトインターナショナル(加工食品の輸出入及び国内販売)などです。
当連結会計年度では、特別利益として子会社清算益70百万円を計上しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
仙波糖化工業は、持続的な成長を目指し、人材を最も重要な経営資源と位置づけています。社員が自らチャレンジできる仕組みと、活き活きと働ける環境づくりを推進しており、個人と企業がともに成長する風土を重視しています。多様な働き方を支援する制度や健康経営にも力を入れ、従業員の豊かなライフプランと企業の発展を両立させることを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的勤続年数が長く、安定した人材定着の傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が活躍していることがうかがえる年齢構成となっています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,398,131円 |
| 平均勤続年数 | 16年10ヶ月 |
| 平均年齢 | 41歳1ヶ月 |
| 単体従業員数 | 317人 |
| 連結従業員数 | 491人 |
| 単体のグループ内比率 | 64.6% |
同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の制度を採用しています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は11.5億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「グループ経営力の強化」「自社商材の拡販」「海外市場の開拓」を基本戦略とし、これを実現するために人材を最も重要な経営資源と位置づけています。変化の激しい事業環境で持続的な成長を遂げるため、課題の本質を捉え、自律的に考え行動し、解決へ導くことのできるプロフェッショナル人材の育成に取り組んでいます。
人材確保・定着を重要な経営課題と認識し、専門性を有する人材の採用強化と従業員エンゲージメント向上につながる職場環境整備を推進しています。人材戦略の重点施策として、「挑戦を通じた人材育成」「人が育つ職場環境の整備」「専門人材の積極採用」の3点を掲げています。
報酬制度については、「人材こそが企業価値向上の原動力である」との考えに基づき、優秀な人材の確保・定着を実現できる報酬水準を設定しています。同業他社や同地域の賃金水準を考慮し、市場競争力のある適正な水準の維持に努めています。給与体系は、固定報酬である基本給と業績連動報酬である賞与で構成されており、基本給は年齢給と職能給、賞与は同社グループの業績と個人の業績評価を総合的に勘案して決定されます。
人材育成においては、階層別研修や専門性強化、キャリア形成のための研修機会を提供し、実践の場でのチャレンジ業務を通じて成長を促す方針です。社内環境整備では、定期的なジョブローテーションのほか、在宅勤務制度、短時間勤務制度、時差出勤制度といった多様な働き方を推進しています。また、女性役員・女性管理職・外国籍管理職の登用や男性社員の育児休暇取得推進など、多様性確保の取り組みも行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 11.0% |
| 男性育児休業取得率 | 50.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 70.5% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 71.1% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 76.4% |
人的資本に関する指標及び目標
ダイバーシティの推進を図るため、目標を設定しています。
| 指標 | 目標値 | 期限 |
|---|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 15.0%以上 | 2027年3月 |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 30.0%以上 | 2027年3月 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
仙波糖化工業グループは、食品製造販売事業を主軸に展開しています。この事業では、カラメル製品、乾燥製品類、組立製品類、冷凍製品、その他製品の製造と販売を行っており、これらを通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
仙波糖化工業グループは、食品製造販売事業の単一セグメントで事業を展開しています。顧客のニーズに合わせた新製品や高付加価値製品の開発に注力し、海外戦略の見直しも進めています。
製品の種類別に見ると、カラメル製品は減少傾向にありますが、乾燥製品類、組立製品類、冷凍製品、その他製品は増加傾向にあります。特に組立製品類とその他製品は、前期に比べて大きく伸びています。
同社グループの収益は、主にこれらの製品の製造販売から得られています。国内の外部顧客への売上高が連結売上高の大部分を占めており、海外比率は低い状況です。また、東洋水産株式会社への販売が、同社グループの総販売実績において一定の割合を占める主要な顧客となっています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
仙波糖化工業グループの売上高は、この5年間で緩やかに増加傾向を示しています。利益面では変動が見られるものの、直近の連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加し、好調に推移しました。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 184億円 | 186億円 | 191億円 | 187億円 | 194億円 |
| 経常利益 | 9.0億円 | 3.9億円 | 7.6億円 | 8.2億円 | 8.7億円 |
| 経常利益率 | 4.9% | 2.1% | 3.9% | 4.4% | 4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.4億円 | 2.3億円 | 5.0億円 | 3.2億円 | 5.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 47.44 | 20.46 | 43.52 | 28.08 | 48.74 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
仙波糖化工業グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も同様に増加しています。これは、同社グループ全体の生産性が向上している状況を示しています。効率的な事業運営が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 37.0百万円 | 39.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.5百万円 | 1.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
仙波糖化工業グループは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。事業活動で得た資金を投資に回しつつ、手元資金も確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
仙波糖化工業グループの自己資本比率は当期で59.5%となり、前期の57.3%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均と比較して高い水準を示しており、強固な財務基盤を構築していることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)は当期4.5%で、前期の2.7%から改善していますが、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期33.8億円と、前期の30.8億円から増加しており、事業運営における資金の安定性が保たれている状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 119億円 | 128億円 |
| 自己資本比率 | 57.3% | 59.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.7% | 4.5% |
| 現金及び預金 | 30.8億円 | 33.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
仙波糖化工業グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは12.3億円の獲得となりました。これは税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費などによるものです。前期の10.1億円の獲得から増加しており、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。
投資活動によるキャッシュフローは△4.2億円の使用となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。前期の△14.1億円の使用と比較すると、使用額は減少しています。連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による支出がなかったことなども影響しています。
財務活動によるキャッシュフローは△5.1億円の使用となりました。長期借入金の返済や配当金の支払いによる支出が主な要因です。前期の△64百万円の使用から使用額が増加しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローは8.0億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態です。この安定した資金の流れは、今後の事業展開や雇用・給与の安定性につながる基盤であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.1億円 | 12.3億円 |
| 投資CF | △14.1億円 | △4.2億円 |
| 財務CF | △64百万円 | △5.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4.0億円 | 8.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、海外市場での事業拡大を重要課題の一つとしていますが、外貨の切り上げによる為替リスクやインフレ進行による人件費の高騰などにより、事業成長や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料価格の急騰や安定調達リスク、円安進行に伴うユーティリティーコストや原材料価格の高騰が製造コストの上昇につながり、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、海外市場での事業拡大を進める中で、インフレ進行による人件費の高騰が業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
仙波糖化工業は、すべてのステークホルダーからの信頼拡大とブランド力向上を経営の基本方針としています。持続可能な社会の実現に貢献し、100年企業を目指すことを掲げている会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
仙波糖化工業の経営の基本方針は、すべてのステークホルダーからの信頼を拡大し、ブランド力を向上させることです。同社グループは、より良いものを作り、顧客信頼度を高め、収益を伸ばすことで、株主、従業員、地域社会への還元を増やす企業を目指しています。また、100年企業に向けた強固な基盤構築と持続可能な社会の実現に貢献することをビジョンとしています。地球を守ることを事業活動の根幹と捉え、資源循環型社会への貢献と環境配慮型経営の実現を目標に、サステナビリティへの取り組みを進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
仙波糖化工業グループは、急速に変化する事業環境に即応し、安定的な成長を実現するため、取締役会で重要課題の特定と解決に向けた施策の方向性を決定しています。同社グループは、人材の成長が企業の成長に不可欠であり、組織の活性化には人材の活性化が欠かせないという考えのもと、企業活動を推進しています。社員が自らチャレンジできる仕組みと、活き活きと働き、個人と企業がともに成長する環境と風土づくりを推進している会社です。「人材こそが企業価値を向上させる」を基本とし、人間力を兼ね備えた信頼されるプロフェッショナル人材の育成と、働きやすい組織風土及び環境の整備に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
仙波糖化工業グループは、いかなる経済環境においても安定した収益を確保できる事業構造への転換を図るため、課題解決に積極的に取り組んでいます。特に、サステナビリティ経営の構築と人材の確保育成を重点テーマとしています。同社はSDGs・ESGプロジェクトを発足し、環境への配慮と人的資本を意識した企業活動を推進しています。また、人材を育てられる管理職の育成にも力を入れています。人材の流動性が高まる中、採用競争力の低下や社員の離職による組織総合力の低下を最大のリスクと捉え、社員が活き活きと働きやすい環境を整えることでリスク低減に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
仙波糖化工業は、スピーディーな意思決定と経営の効率性・透明性向上をコーポレート・ガバナンスの基本方針としています。取締役会、監査役会、会計監査人、内部監査室を主たる機関とする監査役会設置会社です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
仙波糖化工業の株主構成を見ると、食品関連の事業会社が上位を占めていることが特徴です。筆頭株主は東洋水産であり、UNITED FOODS INTERNATIONALやユタカフーズといった企業も主要株主として名を連ねています。これらの事業会社が同社の経営を支える基盤となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東洋水産 | 17.61% |
| UNITED FOODS INTERNATIONAL | 12.23% |
| ユタカフーズ | 8.78% |
| 足利銀行 | 4.90% |
| 常陽銀行 | 4.76% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長は小林光夫氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小林 光夫 | 取締役社長(代表取締役) | 1977年4月 同社入社、2006年6月 取締役就任、2016年6月 代表取締役社長就任より現職。 |
| 保坂 晴彦 | 取締役専務営業本部長(代表取締役) | 1986年4月 同社入社、2013年6月 取締役就任、2021年6月 代表取締役専務就任より現職。 |
| 前田 立志 | 常務取締役生産本部長 | 1984年4月 同社入社、2015年6月 取締役就任、2019年6月 常務取締役就任より現職。 |
| 石塚 則行 | 取締役大阪支店長 | 1991年4月 同社入社、2017年6月 取締役就任、2026年4月 取締役大阪支店長就任より現職。 |
| 田中 明子 | 取締役財務本部長営業推進本部長 | 1985年4月 同社入社、2019年6月 取締役就任、2021年6月 取締役財務本部長・営業推進本部長就任より現職。 |
| 市川 剛久 | 取締役管理本部長総務部長中国事業担当 | 1993年4月 同社入社、2019年6月 取締役就任、2024年6月 取締役管理本部長・中国事業担当就任より現職。 |
社外取締役は、川上裕氏(藤井産業取締役相談役)、澤田真由美氏(税理士法人澤田会計事務所代表社員)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役2名を選任することで、経営の健全性維持・強化を図っています。社外役員は、有識者や経営者等から選任され、経営の妥当性・適正性確保のための助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
仙波糖化工業の役員報酬は、固定報酬としての月額報酬と業績連動報酬としての役員賞与からなる金銭報酬で構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、独立性を担保するため固定報酬のみです。業績連動報酬の指標には、同社グループの持続的成長と中長期的な企業価値向上に必要な個別および連結の営業利益が用いられています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 1.3億円 | 21.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 11百万円 | 10.8百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 20百万円 | 4.1百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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