※本記事は、株式会社ムゲンエステート の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ムゲンエステートグループは、不動産売買事業と賃貸その他事業を主たる業務としています。中古不動産の買取再販を主力とし、内外装工事、不動産開発、不動産特定共同事業など多岐にわたる不動産関連サービスを提供しています。
単体従業員数は463名、連結従業員数は501名です。セグメントは不動産売買事業、賃貸その他事業、全社(共通)の3つです。
主な国内グループ会社は、フジホーム(賃貸その他事業)、ムゲンファンディング(同)、ムゲンアセットマネジメント(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ムゲンエステートは、人材を重要な経営課題と位置づけ、多様な働き方を推進しながら、従業員一人ひとりの成長と活躍を支援する環境づくりに注力しています。事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するとともに、中長期的な企業価値の向上を目指す中で、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ムゲンエステートでは、従業員の平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は比較的短めとなっています。これは、新しい人材が積極的に加わり、組織が常に活性化している状況を示していると考えられます。多様な人材の確保と育成を重視する同社グループの方針が、このような年齢構成や勤続年数に反映されていると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,487,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.4年 |
| 平均年齢 | 35.4歳 |
| 単体従業員数 | 463人 |
| 連結従業員数 | 501人 |
| 単体のグループ内比率 | 92.4% |
同社グループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型の退職給付制度を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は376百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ムゲンエステートは、「不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する」というミッションの実現に向け、人材を経営上の最重要課題の一つと位置づけています。人材ビジョンや人材ポリシーを策定し、事業拡大を支える人材基盤の構築を推進しています。
同社グループでは、男女間で同一の賃金制度と共通の人事評価基準を適用しており、役割と成果、能力に応じた公正な評価に基づき処遇を決定しています。第3次中期経営計画では「サステナビリティ経営の実現に向けた多様な人材の獲得と育成を強化」を方針に掲げています。
人材戦略の柱として「人材獲得の強化」「人材育成の強化」「リテンションの強化」を掲げ、多様な人材が活躍できる組織風土の構築を目指しています。具体的には、社員紹介制度の導入や、階層別・職能別など4つの研修体系による計画的な人材育成に取り組んでいます。
また、育児と仕事の両立支援や従業員エンゲージメントサーベイ、1on1ミーティング、タウンホールミーティングなどを通じて、従業員の働きがいと定着を促進しています。キャリアチャレンジ制度の導入により、従業員の自律的なキャリア形成も支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は2025年12月31日時点、男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は2025年1月1日から2025年12月31日までの実績です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 69.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 49.7% |
人的資本・多様性に関する指標
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新卒採用比率 | 25.0% |
| キャリア採用比率 | 75.0% |
| 女性社員採用比率 | 32.6% |
| 離職率 | 11.6% |
| 男性管理職比率 | 95.7% |
| 女性管理職比率 | 4.3% |
| 女性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男性育児休業取得率 | 87.5% |
| 有給取得率 | 57.3% |
| 平均残業時間 | 16時間 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ムゲンエステートグループは、不動産売買事業と賃貸その他事業を主軸に、多岐にわたる不動産関連サービスを展開しています。中古不動産の買取再販から賃貸管理、不動産開発、小口化商品の提供まで、幅広いニーズに応えるビジネスモデルを構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、株式会社ムゲンエステートを中核とし、連結子会社3社(株式会社フジホーム、株式会社ムゲンファンディング、株式会社ムゲンアセットマネジメント)で構成されています。主に「不動産売買事業」と「賃貸その他事業」の二つのセグメントで事業を展開し、収益を上げています。
不動産売買事業
この事業では、中古不動産の買取再販を主力としています。投資用不動産や居住用不動産を仕入れ、内外装工事によるバリューアップを施し、「再生不動産」として販売しています。また、不動産内外装工事、不動産流通、賃貸マンションやオフィスビルを中心とした不動産開発、不動産の小口化商品を提供する不動産特定共同事業も手掛けています。収益は、これらの不動産の販売や関連サービスから得ています。運営は、ムゲンエステートが中心となり、一部の仲介業務をフジホームが行っています。
賃貸その他事業
この事業では、不動産賃貸事業、不動産管理事業、その他事業を展開しています。買取した投資用不動産や同社グループが保有する固定資産物件を賃貸し、賃料収入を得ています。また、これらの物件の賃貸管理業務も行い、不動産投資利回りの向上に貢献しています。その他事業として、クラウドファンディング事業者との連携による小口不動産投資サービスや、私募ファンドの組成及びアセットマネジメント事業も手掛けています。収益は、賃料収入や各種不動産関連サービスから得ています。運営は、ムゲンエステート、フジホーム、ムゲンファンディング、ムゲンアセットマネジメントが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 不動産売買事業 | 598億円 | 653億円 |
| 賃貸その他事業 | 24.3億円 | 29.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期と比較して増加となりました。これは、主力である不動産買取再販事業の好調な販売や、賃貸その他事業の売上高増加が寄与しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 340億円 | 312億円 | 516億円 | 622億円 | 683億円 |
| 経常利益 | 17.7億円 | 23.1億円 | 52.4億円 | 88.6億円 | 99.5億円 |
| 経常利益率 | 5.2% | 7.4% | 10.2% | 14.2% | 14.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 12.8億円 | 15.6億円 | 36.5億円 | 60.9億円 | 66.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 53.25 | 66.56 | 155.27 | 259.51 | 285.15 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益(連結)も前期から増加しています。これらの指標の向上は、同社グループの事業活動における生産性が高まっていることを示しています。組織全体の効率化や事業規模の拡大に伴う収益性の向上が、従業員一人ひとりの稼ぐ力に良い影響を与えている状況です。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 133.4百万円 | 136.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 20.7百万円 | 22.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動と投資活動を通じて資金を使用しており、成長に向けた投資フェーズにあることがうかがえます。現在の財務基盤と資金の流れから、同社グループの安定性を見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な資本活用がうかがえます。手元資金の状況と合わせて、事業継続性や将来の成長に向けた安定性を判断する上での重要な要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 321億円 | 358億円 |
| 自己資本比率 | 36.6% | 33.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 20.4% | 19.7% |
| 現金及び預金 | 220億円 | 207億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが資金の使用となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上はあったものの、販売用不動産を含む棚卸資産の増加額が大きかったことによるものです。投資活動によるキャッシュフローも資金の使用となっており、有形固定資産や投資有価証券の取得に資金を充てています。財務活動によるキャッシュフローは資金の獲得となっており、長期借入れや社債の発行により資金を調達しています。これらの資金の流れは、事業拡大に向けた積極的な仕入れや投資が行われている状況を示しています。
この資金調達を伴う成長投資の状況は、今後の事業展開や雇用・給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.6億円 | △67.6億円 |
| 投資CF | △312百万円 | △49.8億円 |
| 財務CF | △825百万円 | 104億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 22.9億円 | △117億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
事業構造・収益性に関するリスクの記載はありません。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ムゲンエステートは、「夢現 -夢を現実に-」という経営理念のもと、不動産事業を通じて社会課題の解決と持続的な企業価値向上を目指しています。多様な価値観を尊重し、挑戦を続ける企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、経営理念として「夢現 -夢を現実に-」を掲げています。お客さまの夢を実現することで企業としての成長を遂げ、すべてのステークホルダーの価値向上に貢献することを目指しています。ミッションは「不動産に新たな価値を創造し、すべての人の豊かな暮らしと夢に挑戦する」です。
事業活動を通じて、地球温暖化や少子高齢化、空き家問題、住宅ストックの老朽化など、不動産業界が直面する社会課題の解決に取り組んでいます。2030年に向けた長期ビジョンとして「不動産事業を通じた持続可能な経済価値・社会価値の創造」を掲げています。この目標達成のため、第3次中期経営計画では「資本コストと株価を意識した経営」と「サステナビリティ経営」の2軸を経営方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、ミッションの実現に向けた行動指針として、5つのバリュー(価値観)を掲げています。具体的には、『速さを追求』『あくなき挑戦』『多様な連携』『先を見通す』『貫く責任』です。これらのバリューを通じて企業の競争力を高めています。
サステナビリティを重要な経営課題の一つと位置付け、事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。人材の確保及び育成を経営上の最重要課題の一つとし、「人材ビジョン」を策定しています。このビジョンは「ムゲンエステートグループの原動力は、自ら構想し、挑戦し、変化に対応できる人の力です。多様な価値観を認め合い、誠実に、粘り強く、強い覚悟を持つ人材を輩出することで、社会に新たな価値を創造し、提供してまいります。」というものです。
また、ダイバーシティの推進を重要な経営戦略の一つとし、多様な人材が個性や能力を発揮できる機会と環境の整備に取り組んでいます。女性活躍推進も重要な経営課題として、マネジメント層の意識改革やキャリア形成支援を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、サステナビリティ経営の強化と推進を優先的に対処すべき課題の一つとしています。気候変動をはじめとする環境課題への対応、人材の採用・育成、組織力の強化が重要であると認識しています。環境に配慮した事業活動の推進や、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示を通して、透明性の向上に努めています。
また、コーポレート・ガバナンスの強化も重要な経営課題です。経営の透明性と健全性を確保し、事業環境の変化に迅速かつ適切に対応できる体制構築に取り組んでいます。取締役会の多様性確保にも努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ムゲンエステートは監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役を配置することで、経営の透明性と公正性を確保する体制を構築しています。取締役会は迅速な意思決定と活性化を図り、監査役会は客観的で中立的な経営監視機能を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ムゲンエステートの株主構成は、代表取締役会長である藤田進氏が筆頭株主であり、その親族や創業家の資産管理会社が上位株主として名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 藤田 進 | 17.39% |
| ドリームカムトゥルー | 8.94% |
| 夢現企画 | 6.22% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役会長は藤田進氏、代表取締役社長は藤田進一氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 藤田 進 | 代表取締役会長 | 1975年6月三和商事株式会社入社。1990年5月同社設立、代表取締役社長。2013年3月より同社代表取締役会長。2022年3月より同社執行役員。 |
| 藤田 進一 | 代表取締役社長 | 1994年4月株式会社大塚商会入社。1997年4月同社入社。2000年2月同社取締役。2001年2月同社専務取締役。2013年3月より同社代表取締役社長。2021年4月より同社取締役開発事業本部長。2022年3月より同社執行役員。 |
社外取締役は、仁田雅志氏(元東急文化村専務取締役)、前川研吾氏(RSM汐留パートナーズ代表取締役社長)、富所幸子氏(ネオファースト生命保険常務執行役員)です。
ムゲンエステートは監査役会設置会社です。社外取締役3名を含む取締役5名で構成される取締役会が意思決定と業務執行の監督を行い、客観的で中立的な経営監視機能を備えています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ムゲンエステートの取締役の報酬は、社外取締役を除き、固定報酬、賞与、株式報酬の3つの要素で構成されています。社外取締役の報酬は固定報酬のみです。社外取締役を除く取締役の報酬比率は、固定報酬が35%、賞与が28%、株式報酬が37%となっています。監査役の報酬は固定報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 2.6億円 | 1.28億円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 13百万円 | 13.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 33百万円 | 5.5百万円 |
なお、取締役の支給額には執行役員報酬が含まれております。非金銭報酬は、譲渡制限付株式として付与した当事業年度中の費用計上額であります。
個人別報酬が開示されている役員は、藤田進氏(1.40億円)、藤田進一氏(1.16億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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