※本記事は、アトラグループ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アトラグループは、接骨院・鍼灸院の経営支援を主軸とするA-COMS事業と、玩具販売事業を展開しています。同社グループは、「世界中の人を健康にしたい。」という企業理念の下、鍼灸接骨院の基幹システムであるA-COMSを核に、業界のIT化と経営支援を推進しています。
単体従業員数は64名、連結従業員数は131名です。セグメントはA-COMS事業、玩具販売事業の2つです。
主な国内グループ会社は、アトラファイナンス、アトラケア、アトラプランニング(建設業、宅地建物取引業)、ハッピーライフ(訪問介護事業)、ペリカン(玩具販売業)などです。
同社グループは、鍼灸接骨院への経営支援プラットフォームであるA-COMS事業を成長の柱とする組織再編を行い、サービス内容の拡充を図っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アトラグループは、従業員の平均年齢や勤続年数から、比較的安定した環境で働くことができる会社であると見られます。給与水準については、後続の項目で詳細な数値を確認できます。同社グループは、人材を持続的な成長に必要な要素と認識し、働きやすい職場環境の整備に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が40歳を超え、平均勤続年数も8年を超える水準となっています。これは、一定の経験を持つ人材が定着し、安定して業務に取り組んでいる傾向を示していると言えます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,802,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.4年 |
| 平均年齢 | 40.4歳 |
| 単体従業員数 | 64人 |
| 連結従業員数 | 131人 |
| 単体のグループ内比率 | 48.9% |
同社グループは、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を設けています。
退職一時金制度も採用されています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材を持続的な成長に不可欠な要素と認識し、人材戦略を推進しています。採用や役職者の登用においては、性別、国籍、社会的身分を問わず、優秀な人材を積極的に採用することを原則としています。
また、子育て世代にも働きやすい職場環境を整備することで、将来を担う人材の流出防止に努めています。これにより、多様な背景を持つ従業員が能力を発揮できる環境を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アトラグループは、鍼灸接骨院の経営支援を行うA-COMS事業と、玩具販売事業の二つの柱で事業を展開しています。世界中の人々の健康への貢献を目指し、手あてをとおしたサービス提供に注力しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、鍼灸接骨院業界の課題解決と、玩具販売事業の収益改善に取り組んでいます。特にA-COMS事業を成長の柱と位置づけ、鍼灸接骨院の基幹システムであるA-COMSの拡張性を活かしたサービス拡充を進めています。
A-COMS事業
この事業では、鍼灸接骨院の経営支援プラットフォームとして、多岐にわたるサービスを提供しています。自費施術に関するセミナー開催、機材・消耗品の販売、療養費請求代行サービス「アトラ請求サービス」と基幹システム「A-COMS」の提供、物販支援システム「HONEY-STYLE」の運営などを行っています。また、「ほねつぎチェーン」や「ほねつぎデイサービス」のフランチャイズ展開、フィットネスジムの運営も手掛けています。
収益は、これらのサービス提供や商品販売、加盟金やロイヤリティ収入から得ています。運営は、アトラグループ、アトラファイナンス、アトラケア、アトラプランニング、ハッピーライフが行っています。前期と比較して売上高は減少しています。
玩具販売事業
この事業では、玩具や文具などの販売を行っています。リアル店舗での経営指導ノウハウを活かし、不採算店舗の閉店や既存店の売上増加に注力しています。
収益は、玩具や文具などの商品販売から得ています。運営は、ペリカンが行っています。前期と比較して売上高は減少しています。
同社グループの事業はすべて日本国内で展開されており、海外からの売上高はありません。また、特定の顧客に収益が集中している状況は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| A-COM事業 | 24.5億円 | 23.6億円 |
| 玩具販売事業 | 17.9億円 | 15.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で減少傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期において大幅に改善し、利益を大きく伸ばしています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 31.6億円 | 46.7億円 | 45.0億円 | 42.3億円 | 39.3億円 |
| 経常利益 | △2.2億円 | 15百万円 | 62百万円 | 1百万円 | 1.5億円 |
| 経常利益率 | △7.1% | 0.3% | 1.4% | 0.0% | 3.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △3.5億円 | 2百万円 | 54百万円 | △37百万円 | 2.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △36.76 | 0.22 | 5.43 | △3.59 | 25.16 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期からわずかに増加しています。また、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく増加しており、同社グループの生産性が向上している傾向が見られます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 29.8百万円 | 30.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.0百万円 | 1.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性は、企業が持続的に成長し、従業員にとって安心して働ける環境を提供するための基盤となります。同社グループの財務状況と資金の流れから、その安定性を見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から安定していることがうかがえます。自己資本比率は前期から増加し、プライム市場の非製造業平均と比較しても高い水準を示しています。また、ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び預金も増加しており、不況時への耐性も確保されている状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 14.4億円 | 17.0億円 |
| 自己資本比率 | 34.9% | 41.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 16.5% |
| 現金及び預金 | 10.5億円 | 11.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行いつつ、財務活動で資金を返済している状況です。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の計上が主な収入要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の売却による収入が主な増加要因となり、全体として収入超過となりました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済による支出が主な要因となり、支出超過となっています。これらの資金の流れから、同社グループは本業で得た資金を効率的に運用し、財務の健全性を保ちながら事業活動を行っていることがうかがえ、雇用や給与の安定性にもつながる状況です。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.0億円 | 2.8億円 |
| 投資CF | △0.3億円 | 0.4億円 |
| 財務CF | △2.6億円 | △2.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.7億円 | 3.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが属する鍼灸接骨院業界では、療養費が減少傾向にあり、接骨院の開設要件も厳格化の方向に進んでいます。今後、療養費のさらなる減少や開設要件の厳格化が進んだ場合、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、玩具販売事業においては、少子化やネット販売の拡大、都市部での競合増加といった課題を抱えています。売れ筋商品の確保や販売予測を誤った場合、経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業遂行において、優秀な人材の確保と定着は重要な戦略の一つです。新卒採用と中途採用を並行し、スキルアップを含めた社内環境や社内風土の確立に努めています。しかし、これらの人事上の課題を充足できない場合、優れた人材を確保・定着させることが難しくなり、同社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アトラグループは、「世界中の人を健康にしたい。」という企業理念を掲げ、人々の健康と子どもの健全な成長に貢献することを目指しています。社会貢献とコンプライアンスを重視する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
アトラグループは、「世界中の人を健康にしたい。」という企業理念を掲げています。同社グループは、A-COMS事業と玩具販売事業を通じてこの理念の実現を目指しています。
鍼灸接骨院業界ではコンプライアンス経営を徹底し、業界の発展と柔道整復師、鍼灸師の社会的評価向上に貢献する方針です。また、自費施術の拡大により市場規模を広げ、世界中の人々の健康に貢献することを目指しています。玩具販売事業では、知育玩具等の販売を通じて子どもの健全な成長に貢献しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
アトラグループは、「世界中の人を健康にしたい。」という企業理念のもと、事業活動を通じて社会課題の解決に寄与することを重視しています。同社グループは、コンプライアンス経営を徹底し、企業の社会的責任を果たすことを重要な価値観としています。
内部統制やリスク管理体制の強化、法令遵守の徹底に取り組む企業風土です。また、人材を持続的な成長に必要な要素と捉え、性別・国籍・社会的身分を問わず優秀な人材を積極的に採用しています。子育て世代にも働きやすい職場環境を整備し、多様な人材が活躍できるカルチャーを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
アトラグループは、事業拡大に対応する人材の確保と育成を重要な経営課題としています。優秀な人材を安定的に確保し、経験・ノウハウを次世代に継承するための活動を積極的に行っています。
また、内部統制、リスク管理体制の整備・強化、コンプライアンスの徹底も重点テーマです。企業の社会的責任を果たすため、取締役会やリスク・コンプライアンス委員会の機能強化、社内の情報共有化に取り組んでいます。さらに、鍼灸接骨院業界における療養費不正請求防止にも注力しており、巡回指導やA-COMSを通じたツール提供を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アトラグループは、取締役会と監査等委員会を軸としたガバナンス体制を構築しています。経営の透明性と意思決定の迅速化を図るため、監査等委員会設置会社へ移行しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アトラグループの株主構成を見ると、筆頭株主は一般社団法人みどり会です。また、代表取締役会長兼社長である久世博之氏が上位株主の一人として名を連ねており、同社の経営に深く関わる個人株主の存在が特徴的です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 一般社団法人みどり会 | 21.73% |
| 久世 博之 | 5.72% |
| サイエンス | 4.87% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は久世博之氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 久世 博之 | 代表取締役会長兼社長兼A-COMS事業部担当兼社長室長 | 2000年八幡屋整骨院を開業。2005年アトラ株式会社(現 同社)を設立し代表取締役に就任。2021年同社取締役会長、同年代表取締役会長兼社長に就任。2025年より社長室長を兼任し現職。 |
| 田中 克典 | 取締役経理財務部担当兼総務人事部長 | 1997年JA大阪中河内に入組。2005年アトラ株式会社(現 同社)に入社し、2006年より同社取締役に就任。2023年より経理財務部担当兼総務人事部長を兼任し現職。 |
| 片田 徹 | 取締役開発企画部担当兼情報システム部担当 | 1984年歯科技工所関西歯研に入社。2006年アトラ株式会社(現 同社)取締役に就任。2022年より同社取締役、情報システム部担当。2024年より開発企画部担当を兼任し現職。 |
| 荒谷 宗弘 | 取締役第一営業部担当兼第二営業部担当 | 1989年有限会社広島事務代行に入社。2010年アトラ株式会社(現 同社)に入社。2024年より同社執行役員。2025年より同社取締役に就任し、第一営業部担当兼第二営業部担当を兼任し現職。 |
| 中村 智広 | 取締役 | 1990年ソニー株式会社(現 ソニーグループ株式会社)に入社。2012年クオンタムリープ・アジア株式会社を設立し代表取締役に就任。2022年クオンタムリープ株式会社代表取締役社長。2026年より同社取締役に就任し現職。 |
| 萩原 一禎 | 取締役 | 1994年三菱商事株式会社に入社。2010年musica株式会社を設立し代表取締役社長に就任。2022年クオンタムリープ株式会社パートナー。2026年より同社取締役に就任し現職。 |
社外取締役は、髙田明夫氏(弁護士・監査等委員)、岩田潤氏(公認会計士・税理士・監査等委員)、奥村佳文氏(税理士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が業務執行の監督と監査を担う体制です。これにより、経営の透明性と意思決定の迅速化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アトラグループの取締役報酬は、基本報酬と譲渡制限付株式報酬で構成されています。監査等委員である取締役の報酬は基本報酬のみです。譲渡制限付株式報酬は、中長期的なインセンティブ付与と株主価値の共有を目的としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 71百万円 | 17.9百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 12百万円 | 3.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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