【平均年収912万円】ヘリオス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収912万円】ヘリオス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ヘリオスは、幹細胞技術を基盤に、難治性疾患に対する再生医療等製品の研究・開発・製造をグループ各社とともに展開しています。直近の連結会計年度では売上収益が減少しましたが、損失額は縮小しました。


目次

※本記事は、株式会社ヘリオス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


ヘリオスは、幹細胞技術を活用し、難治性疾患に対する体性幹細胞再生医薬品およびiPS細胞関連の再生医療等製品の研究・開発・製造を行う企業です。同社グループは「『生きる』を増やす。爆発的に。」をミッションに掲げ、医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。

単体従業員数は66名、連結従業員数は75名です。同社グループの事業セグメントは医薬品事業の単一です。

主な国内グループ会社は、プロセルキュア(医薬品の開発等)、(持分法適用共同支配企業)サイレジェン(iPSC再生医薬品の製造等)などです。

2024年1月、ヘリオスグループは米国Athersys, Inc.からMultiStem®のグローバル開発権を買収。2025年1月にはAkatsuki TherapeuticsとeNK®細胞を用いたがん免疫細胞療法の共同事業契約を締結し、研究開発体制を再編しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ヘリオスは、再生医療という新しい産業を創生し、難治性疾患に挑む研究開発型の企業です。専門性の高い人材が活躍できる環境が整っており、個々の能力を最大限に発揮しながら成長できる働き方が期待できます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ヘリオスでは、比較的高い平均年齢の従業員が活躍しており、専門性の高いキャリアを築いていることがうかがえます。平均勤続年数は6年程度となっており、特定の分野で経験を積んだ人材が、同社でその能力を発揮している傾向が見られます。

項目 数値
平均年間給与 9,115,000円
平均勤続年数 6.1年
平均年齢 46.4歳
単体従業員数 66人
連結従業員数 75人
単体のグループ内比率 88.0%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ヘリオスは、「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションのもと、再生医療という新しい産業を創生し、グローバルリーディング企業を目指す上で人材を最も重要な資源と位置付けています。世界中からポテンシャルの高い人材を確保し、活躍できる場を提供することで、企業価値向上に貢献する仕事と成果に応じた報酬を提供し、従業員の能力開発を促進する方針です。

具体的には、高スピードな成長を支えるタレントマネジメントを重視しており、新たな価値創造を推進し、競争に勝ち抜く人材の育成と獲得を目指しています。また、多様な文化や背景を持つ人材が能力を最大限に発揮できるよう、ダイバーシティマネジメントを推進し、切迫感と積極的なチャレンジを生み出す組織風土の醸成に取り組んでいます。人事制度は「等級」「報酬」「評価」「育成」の4要素で構成され、これらを推進するための諸制度を整備・運用している状況です。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ヘリオスは、「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションを掲げ、幹細胞技術を用いて難治性疾患の治療法開発に取り組む企業です。体性幹細胞再生医薬品分野とiPSC再生医薬品分野の二つの主要な領域で事業を推進しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しています。体性幹細胞再生医薬品分野では、現在有効な治療法がない疾患に対する新たな治療法の開発を目指しています。急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳梗塞急性期、外傷といった疾患に対する治療薬HLCM051の開発を進めており、ARDSではグローバル第Ⅲ相試験の準備を進め、国内での条件及び期限付承認申請を目指しています。また、脳梗塞急性期では引き続き規制当局との協議を進め、外傷では米国で第Ⅱ相試験を実施しています。

さらに、再生医療等製品の生産に伴い産出される培養上清の活用にも注力しており、本格生産に対応するための施設稼働や、複数の企業との供給・販売契約を締結しています。iPSC再生医薬品分野では、iPS細胞を分化誘導して作製した細胞を移植することで、機能回復を目指す製品の開発を進めています。がん免疫領域では、遺伝子編集技術により機能を強化した他家iPS細胞由来のナチュラルキラー細胞(eNK®細胞)を用いた次世代がん免疫細胞療法の研究開発を推進しており、共同事業契約も締結しています。

細胞置換の分野では、免疫拒絶のリスクを低減する次世代iPS細胞であるユニバーサルドナーセル(UDC)の作製を進め、眼科領域では加齢黄斑変性の治療を目指したiPS細胞由来網膜色素上皮細胞の開発を共同で進めています。肝疾患領域では、肝臓原基を用いた治療法開発の研究を進めていますが、こちらはカーブアウトの方針が決定しています。同社グループの収益は、主に実施許諾契約等に基づく契約一時金やマイルストン収入、およびその他の収益から得ています。直近では、特定のライセンス契約に基づく一時金収入が減少したことにより、売上収益が大きく減少しました。主要な顧客構成も変化しており、特定の顧客への収益集中が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上収益は、過去5年間で変動が見られます。直近の連結会計年度では、前期と比較して売上収益が大きく減少しました。一方で、税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、過去5年間一貫して損失を計上していますが、直近の連結会計年度では損失額が前期よりも縮小する結果となりました。

研究開発費は引き続き高水準で推移しており、パイプラインの推進に向けた投資が継続されています。営業活動によるキャッシュ・フローは継続して資金を使用する状況にありますが、直近の連結会計年度では財務活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加し、現金及び現金同等物の残高は増加しています。これは主に新株発行による収入が要因となっています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上収益 41百万円 90百万円 1.2億円 5.6億円 1.0億円
税引前利益 △44.6億円 △53.3億円 △36.3億円 △40.6億円 △21.3億円
税引前利益率 △10882.9% △5922.2% △2996.7% △725.2% △2044.2%
親会社の所有者に帰属する当期利益 △49.1億円 △51.7億円 △38.2億円 △42.4億円 △22.2億円
1株当たり当期純利益(円) △93.36 △90.67 △56.22 △47.86 △20.59

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は、前期と比較して減少しています。これは、売上収益全体の減少が影響していると考えられます。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期に引き続き損失を計上しており、損失額はわずかに増加しています。

これらの数値は、同社グループが研究開発段階にある再生医療分野に注力しており、先行投資が継続している事業フェーズであることを示しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 8.6百万円 1.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △43.7百万円 △44.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社ヘリオスは、再生医療分野の研究開発を推進しており、現在は将来の収益獲得に向けた投資フェーズにあります。財務状況からは、事業拡大のための資金投入が続いていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期に28.7%となり、前期の14.5%から増加しました。これはプライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して同程度の水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期に△63.8%となり、前期の△143.1%から改善傾向にあります。
現金及び現金同等物は当期末に56.8億円を保有しており、前期末の36.7億円から増加しています。これらの財務状況は、事業活動を継続するための資金を確保しつつ、将来に向けた投資を続けていることを示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
自己資本 20.6億円 48.9億円
自己資本比率 14.5% 28.7%
ROE(自己資本利益率) -143.1% -63.8%
現金及び現金同等物 36.7億円 56.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは△31.7億円となりました。これは主に税引前当期損失の計上等によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは△11.1億円となり、主に投資有価証券の取得による支出が要因となっています。
フリーキャッシュフローは△42.8億円となり、本業での資金創出が投資活動の支出を下回る状況です。
財務活動によるキャッシュフローは63.4億円の収入となり、主に新株の発行による収入が資金獲得に貢献しました。
これらの資金の流れは、同社グループが研究開発への投資を継続し、その資金を外部からの調達で賄っている成長投資フェーズにあることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △18.2億円 △31.7億円
投資CF △14.2億円 △11.1億円
財務CF 77百万円 63.4億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △32.4億円 △42.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

同社グループは、当連結会計年度末において営業損失および営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在していました。しかし、新株式および新株予約権の発行による資金調達や、継続的な収益源の確保、ARDS治療薬の開発推進、既存パイプラインにおける提携先の開拓、コスト削減などの対応策を講じています。これらの対応策により、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性はないものと判断されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、体性幹細胞/iPSC再生医薬品分野の研究開発を進めており、製品上市までは収益が上がらず損失を計上し続ける見込みです。そのため、多額の資金が必要となり、追加の資金調達を行う可能性があります。
また、iPSC再生医薬品に係る研究開発領域は技術革新が活発な分野であり、競合他社が新技術を開発したり先行して上市したりするリスクがあります。これらの要因は、同社グループの経営成績および今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは小規模な組織であり、業務拡大に応じて人員の増強や社内管理体制の充実を図る方針です。しかし、想定通りに人材の確保ができない場合や人材の流出が生じた場合、または社内管理体制に不備が生じた場合には、研究開発の推進や社外との連携関係の構築に支障が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ヘリオスは、iPS細胞等の幹細胞技術を核に、難病に苦しむ患者さんに新たな治療法を届けることを目指すバイオ企業です。革新的な再生医薬品を通じて、人々の「生きる」を増やすことをミッションに掲げています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか

同社グループは「『生きる』を増やす。爆発的に。」というミッションを掲げています。ビジョンとしては「iPSC再生医薬品を活用し、世界中の患者さんに治癒と希望を届ける。世界中に承認販売まで自社で行う体制を構築し、全ての人からRespectを受けるバイオ企業を確立する。」ことを目指しています。

iPS細胞等の優れた幹細胞技術を用いて、世界中の難治性疾患の罹患者に新たな治療法を届けるべく、研究開発から製造販売承認の取得、製造・販売までを自社、関係会社及び提携会社で実現する体制の確立を進めています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー

同社グループは、株主をはじめとするステークホルダーの利益を重視した経営を使命としています。経営の健全性及び透明性の向上を目的としたコーポレート・ガバナンスの強化に積極的に取り組んでおり、指名委員会等設置会社制度を採用しています。

再生医療という新しい産業を創生し、グローバルリーディング企業を目指す上で、人材を最も重要な資源と位置づけています。高スピードな成長を目指し、自ら積極的に関わり、新たな価値創造をあきらめることなく推進し続ける人材の育成と獲得に注力しています。

高い専門性や多様な文化・背景・価値観を持つ人材が互いの能力を最大限発揮しあうことを促進しています。切迫感と積極的なチャレンジを生み出す組織風土を醸成し、タイムリーかつフレキシブルな人材活用を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ

同社グループは、既存パイプラインの開発推進において、共同開発パートナーや提携先、治験実施施設等とのスムーズな連携による着実な開発を課題としています。また、再生医療業界における競争環境の中で、革新的なプラットフォーム技術の取得が重要であると考えています。

国際的な情報ネットワークを一層強化し、国内外の公的研究機関や企業等から新規技術・ノウハウを積極的に取り入れ、強固な提携関係を築くことを課題としています。さらに、再生医療という新しい産業を牽引するため、ポテンシャルの高い人材を世界中から確保し、活躍できる場を提供することも重要な課題です。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ヘリオスは、指名委員会等設置会社として、監督と執行を分離したコーポレート・ガバナンス体制を採用しています。取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ヘリオスの株主構成を見ると、創業者が筆頭株主として名を連ねています。上位には海外の機関投資家も複数見られ、多様な株主によって支えられていることが特徴です。創業者が大株主であることから、経営に対する強いコミットメントがうかがえます。

株主名 持株比率
鍵本 忠尚 24.05%
MSIP CLIENT SECURITIES (常任代理人 モルガン・スタンレーMUFG証券) 5.24%
BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) (常任代理人 三菱UFJ銀行) 3.76%


なお、フィデリティ投信は2025年7月31日現在で3,558,000株(3.25%)を、アトス・キャピタル・リミテッドは2025年7月14日現在で24,265,500株(20.75%)を所有している旨が変更報告書に記載されていますが、同社として2025年12月31日現在における実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表執行役社長CEOは鍵本忠尚氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
鍵本 忠尚 代表執行役 社長 CEO 2003年5月九州大学病院入職、2005年4月アキュメンバイオファーマ㈱(現 アキュメン㈱)設立代表取締役社長、2011年2月同社設立、2018年3月同社取締役兼代表執行役社長CEOより現職。
リチャード・キンケイド 執行役 CFO(Chief Financial Officer) 2000年6月ゴールドマン・サックス証券㈱入社、2004年8月Nezu Asia Capital Management Limited社長兼COO、2019年7月同社取締役兼執行役CFOより現職。


社外取締役は、樫井正剛氏(元アステラス製薬常勤監査役・監査委員長・指名委員・報酬委員)、余語裕子氏(元フィデリティ・ホールディング会社代表執行役・指名委員・監査委員・報酬委員)、グレン・ゴームリー氏(元第一三共Global Head, Research and Development and Senior Executive Officer・指名委員・監査委員・報酬委員長)です。

同社は指名委員会等設置会社であり、経営の監督機能強化と業務執行の迅速化を図っています。社外取締役が取締役会の過半数を占めることで、経営の透明性、客観性及び適正性の確保に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ヘリオスでは、取締役と執行役で異なる報酬体系を採用しています。取締役の報酬は基本報酬とストック・オプションで構成され、執行役の報酬はこれに加えて役員賞与(業績連動報酬)が含まれます。業績連動報酬は、パイプラインの進捗や収益化、事業基盤確立への貢献度を評価指標としています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外取締役 3名 50百万円 16.7百万円
執行役 4名 1.7億円 41.5百万円


なお、同社取締役兼執行役の人員及び報酬は執行役の欄に含めて記載されています。役員賞与(業績連動報酬)は当事業年度に係る役員賞与引当金繰入額及び役員賞与です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。