※本記事は、株式会社シンシア の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シンシアグループは、コンタクトレンズ事業を主軸に、コンサルティング事業、システム事業を展開しています。コンタクトレンズでは使い捨てクリアレンズやカラーコンタクトレンズの販売に注力し、シリコーンハイドロゲル素材の「シンシアSシリーズ」を主力商品としています。
単体従業員数は44名、連結従業員数は60名です。セグメントはコンタクトレンズ事業、コンサルティング事業、システム事業の3つです。
主な国内グループ会社は、シンシア、タロスシステムズなどです。
シンシアグループは2025年3月、フリュー株式会社よりECサイト「Mew コンタクト」を含むカラーコンタクトレンズ事業を譲受し、コンタクトレンズ事業の基盤強化を図りました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シンシアは、コンタクトレンズ事業を主軸に、コンサルティングやシステム事業も展開する企業です。従業員数は比較的小規模ながら、多様な事業領域で専門性を活かせる環境が特徴です。人材の多様性を重視し、従業員のライフスタイルに合わせた社内制度の拡充にも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢と平均勤続年数から、比較的落ち着いた年齢構成と、一定の定着感がある職場環境であることがうかがえます。多様な事業を展開する中で、従業員が長期的にキャリアを築けるような基盤が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,095,127円 |
| 平均勤続年数 | 8.6年 |
| 平均年齢 | 45.2歳 |
| 単体従業員数 | 44人 |
| 連結従業員数 | 60人 |
| 単体のグループ内比率 | 73.3% |
同社には退職給付制度として、確定拠出型の制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)が導入されています。具体的には、確定拠出年金制度と前払退職金制度の選択制を設けています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、従業員全員を重要な経営資源と位置づけ、その多様性を確保し、受け入れる意識の醸成に注力しています。事業活動を通じてSDGsの達成に貢献し、企業価値の向上に取り組む中で、人的資本への投資も重視しています。
人材の育成と社内環境整備に関する方針として、グループ従業員の多様性に合わせ、そのライフスタイルに対応すべく各種社内制度の拡充を図ることで、人材の多様性確保に努めています。具体的には、中途採用だけでなく、外国籍を有する方の雇用も適材適所で行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性従業員の割合 | 32.0% |
| 女性管理職比率 | 25.0% |
| 外国人の割合 | 3.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
シンシアグループは、コンタクトレンズ事業を主軸とし、コンサルティング事業とシステム事業を展開しています。多様なニーズに応える製品・サービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、コンタクトレンズの販売を主力事業としています。加えて、自由診療クリニック向けのコンサルティングや、リユース業界向けのPOSシステム提供も行っています。
コンタクトレンズ事業
同社は創業以来、1日使い捨て、2週間交換、1ヶ月交換タイプといった使い捨てクリアコンタクトレンズの販売に注力してきました。2009年11月以降は、サークルレンズやカラーコンタクトレンズにも事業を拡大しています。現在はシリコーンハイドロゲル素材の「シンシアSシリーズ」が主力商品となっています。
2025年3月には、フリュー株式会社よりECサイト「Mew コンタクト」を含むカラーコンタクトレンズ事業を譲受し、事業基盤の強化を図りました。収益は、コンタクトレンズの製造及び販売から得ています。この事業は同社グループの売上高の大部分を占めており、前期に比べて売上高を伸ばしています。主要な顧客として、株式会社パレンテや株式会社ビジョナリーホールディングスがあります。
コンサルティング事業
2022年11月に事業譲受により開始した自由診療クリニックのコンサルティング事業です。カラーコンタクトレンズで培った10~20代向けのブランディングノウハウを活かし、医療脱毛クリニックのWEBマーケティング及び運営管理サポートを行っています。収益は、医療脱毛クリニックの運営管理サポート料から得ています。昨今の業界環境悪化を受け、サポート料の見直しを行った結果、前期に比べて売上高は減少しています。
システム事業
地球にやさしい環境、社会づくりへの貢献を目指し、2023年11月に株式会社タロスシステムズを子会社化して開始した事業です。リユース業界向けPOSシステムのリーディングカンパニーとして、パッケージシステムの設計、開発、販売及び保守を行っています。収益は、リユース業界向けPOSシステムの提供から得ています。成長するリユース市場の需要を取り込み、前期に比べて売上高を伸ばしています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| コンタクトレンズ事業 | 60.7億円 | 69.8億円 |
| システム事業 | 4.1億円 | 4.5億円 |
| コンサルティング事業 | 60百万円 | 31百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期にわたり増加傾向にあります。経常利益も第15期から第16期にかけて大きく伸び、その後も堅調に推移しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、第16期から第17期にかけて増加しましたが、当期は減少となりました。これは、コンサルティング事業の受注先である医療脱毛クリニックの経営環境悪化に伴う貸倒引当金繰入額の計上が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 45.6億円 | 55.9億円 | 59.6億円 | 65.4億円 | 74.6億円 |
| 経常利益 | 1.1億円 | 1.1億円 | 4.5億円 | 4.7億円 | 5.1億円 |
| 経常利益率 | 2.5% | 2.0% | 7.5% | 7.2% | 6.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 84百万円 | 66百万円 | 3.0億円 | 3.0億円 | 2.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 13.39 | 10.50 | 46.68 | 47.25 | 40.72 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期と比較して増加しています。これは、売上高の伸びが従業員数の増加を上回ったことを示しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少となりました。これは、売上高の増加に対して営業利益の伸びが緩やかであったこと、およびコンサルティング事業における特別損失の計上などが影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 118.9百万円 | 124.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 8.8百万円 | 8.7百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シンシアグループの財務状況は、事業活動で得た資金を元手に投資を行い、安定した資金の流れを維持していることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
シンシアグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)も平均を上回る水準で推移しています。手元資金は前期から減少していますが、事業活動に必要な資金は確保されている状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した事業運営を行っていることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 27.0億円 | 28.2億円 |
| 自己資本比率 | 49.1% | 52.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.8% | 9.6% |
| 現金及び預金 | 18.9億円 | 16.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
シンシアグループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが3.7億円の収入となり、前期から減少しています。これは主に法人税等の支払額や仕入債務の減少が要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは△2.5億円の支出となり、前期と比較して支出が減少しています。これは主に事業譲受による支出や貸付けによる支出が要因です。
財務活動によるキャッシュフローは△3.4億円の支出となり、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因で、前期から支出が増加しています。結果として、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資も行っていることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.4億円 | 3.7億円 |
| 投資CF | △4.2億円 | △2.5億円 |
| 財務CF | △3.3億円 | △3.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 14百万円 | 1.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業を営むコンタクトレンズ業界では、日本の人口減少に伴う市場の縮小や構造変化が予想されています。また、海外協力工場からの商品調達において、仕入額の約半数が米国ドル建てで決済されているため、為替相場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シンシアは、「ひとみに、誠実に」という企業理念のもと、コンタクトレンズを通じて人々の生活を豊かにすることを目指しています。高品質な商品を適正価格で提供し、多様なニーズに応えることを重視する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「さまざまな事情で暮らす、さまざまな方にとって、購入先や価格帯で手に入れやすいコンタクトレンズを提供したい。」というポリシーを掲げています。より高品質な商品をよりお求めやすい価格で提供できるよう、商品開発力の向上を図っています。同社グループの強みである「WEBマーケティング」、「品質管理」及び「営業力」を活かせる事業をM&Aにより取得し、事業規模の拡大を目指しています。また、「ひとみに、誠実に」という企業理念のもと、更なる品質向上に努め、同社ブランド商品の認知度向上を図ることを必要と考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、事業活動を通じて環境・社会・人の3つの側面からSDGsの達成に貢献し、企業価値の向上に取り組んでいます。従業員全員を重要な経営資源と位置づけ、その多様性を確保し、受け入れる意識の醸成に注力しています。グループ従業員の多様性に合わせ、そのライフスタイルに対応すべく、各種社内制度の拡充を図ることで人材の多様性確保に努めています。役員及び社員は、常に倫理観を持って行動するよう、定期的にコンプライアンスに関する研修を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、商品開発力の強化を重要な課題としています。新素材を活用した高機能なコンタクトレンズの開発や、細分化するニーズを捉えた商品スペック、デザインの整備に努めています。多種多様な優秀な人材の確保も重要な経営課題であり、ニューノーマルの時代を見据え、多彩な人材が多様な働き方を選択できる人事制度や環境整備を進めています。システム事業においては、高度専門人材の確保が急務であり、企業認知度の向上や開発力の強化を通じた採用力の強化、戦略的な人材育成に努めています。
また、内部管理体制の維持・強化も課題としています。業務フローの共通化やコンプライアンスの遵守徹底、コーポレートガバナンス・コードに沿った各種施策に取り組んでいます。コンプライアンス経営体制の強化のため、内部監査部門、監査等委員会、会計監査人との連携を強化し、内部統制の充実を図っています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シンシアは監査等委員会設置会社であり、取締役会は、監査等委員でない取締役と監査等委員である取締役で構成されています。この体制により、経営の透明性と公正性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シンシアの筆頭株主はユカリアであり、発行済株式の過半数を保有しています。また、代表取締役執行役員社長の中村研氏も上位株主の一人として名を連ねています。特定の事業会社が大株主として同社グループを支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ユカリア | 61.99% |
| 中村 研 | 4.24% |
| 萩原 隼人 | 1.71% |
| 相原 輝夫 | 1.09% |
| JPモルガン証券 | 0.70% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
シンシアの役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役執行役員社長は中村研氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中村 研 | 代表取締役執行役員社長 | 1997年中央監査法人入所、2001年公認会計士登録。2006年キャピタルメディカ(現ユカリア)入社後、2008年同社代表取締役社長に就任。2016年より代表取締役執行役員社長として現職。 |
| 荒井 慎一 | 取締役執行役員管理部長 | 1991年日本ディジタルイクイップメント入社。2012年同社入社後、2016年より取締役執行役員管理部長として現職。 |
社外取締役は、早川聡之氏(元三菱UFJ銀行法人コンプライアンス部上席調査役・常勤監査等委員)、加瀨豊氏(加瀨公認会計士事務所開設・監査等委員)、小川宏氏(四谷外濠法律事務所パートナー・監査等委員)です。
シンシアは監査等委員会設置会社を採用しています。監査等委員である取締役が取締役会の構成員となることで、監督機能の強化と経営の意思決定の迅速化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
シンシアの役員報酬は、基本報酬と譲渡制限付株式による非金銭報酬で構成されています。業績連動報酬は支給されず、固定報酬のうち30%を上限に譲渡制限付株式が支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 47百万円 | 23.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 13百万円 | 3.3百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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