※本記事は、窪田製薬ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
窪田製薬ホールディングスは純粋持株会社であり、単体従業員数は7名、グループ連結従業員数は8名です。
同社グループは、世界中で眼疾患に悩む人々の視力維持と回復に貢献する眼科医療ソリューション・カンパニーです。イノベーションを医薬品・医療機器の開発及び実用化に繋げ、医療機器と低分子化合物の両分野でパイプラインの価値最大化を図っています。連結子会社2社を中心に事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、クボタビジョン・ジャパンなどです。
窪田製薬ホールディングスは2024年に研究開発拠点を米国から日本に移転し、革新的な治療薬・医療技術の探索及び開発に取り組んでいます。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、世界中の眼疾患に悩む人々の視力維持と回復に貢献することを目的とした眼科医療ソリューション・カンパニーです。高度な専門知識を持つ多様な人材の確保と育成を重視し、働きやすい環境づくりに力を入れています。フレックスタイム制度やストック・オプション制度の導入により、従業員が能力を最大限に発揮できるような環境整備を進めているのが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が47.6歳と比較的高く、平均勤続年数は1.88年となっています。これは、専門性の高い人材が短期間で入れ替わる傾向があるか、あるいは比較的新しい組織である可能性を示唆しています。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,350,329円 |
| 平均勤続年数 | 1.88年 |
| 平均年齢 | 47.6歳 |
| 単体従業員数 | 7人 |
| 連結従業員数 | 8人 |
| 単体のグループ内比率 | 87.5% |
同社グループは確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しており、国内および海外のグループ会社に適用されます。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、世界中で眼疾患に悩む皆さまの視力維持と回復に貢献することを目的とした眼科医療ソリューション・カンパニーです。成長戦略を実現するためには、高度な専門知識、技能、経験を持つ多様な人材の確保と育成が不可欠であると位置付けています。人的資本を重要な経営資源と位置付け、従業員が能力を最大限発揮できる環境を整えることを重視しています。
具体的には、ワークライフバランスを実現しやすいフレックスタイム制度の導入、人材確保のためのストック・オプション制度の整備、及び社内外の機会を活用した社員教育を推進しています。また、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を通じた実践的なスキル習得の機会提供や、ダイバーシティの推進を図り、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる職場環境の整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社および連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
窪田製薬ホールディングスは、眼疾患に特化した医療用医薬品と医療機器の研究開発を行う眼科医療ソリューション・カンパニーです。世界中の人々の視力維持と回復に貢献することを目指し、革新的な治療薬や医療技術の探索と開発に取り組んでいます。
同社グループの事業は、主に医療機器と低分子化合物の二つの分野で構成されています。医療機器分野では、独自のアクティブスティミュレーション技術「クボタメガネ・テクノロジー」を用いたウェアラブル近視デバイス「Kubota Glass」の開発・販売を進めています。また、在宅で網膜の状態を測定できる遠隔眼科医療モニタリングデバイス「eyeMO」の開発も行っています。
低分子化合物分野では、視覚サイクルモジュレーション技術に基づくエミクススタト塩酸塩をコア開発品とし、スターガルト病や糖尿病網膜症の治療薬として開発を進めています。同社グループは、自社開発に加え、外部パートナーシップやM&Aを通じてパイプラインの拡充も図っています。
収益は、これらの医療機器や開発品に関連する事業活動から得ています。特定の顧客への収益集中が見られ、当連結会計年度においてはIQVIAサービシーズ ジャパン合同会社への事業収益が連結事業収益の10%以上を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
窪田製薬ホールディングスグループの過去5期間の業績推移を見ると、事業収益は変動しながらも直近では減少傾向にあります。一方で、税引前当期損失および親会社の所有者に帰属する当期損失は、継続して計上されているものの、その額は着実に縮小しています。
これは、研究開発費や販売費及び一般管理費の減少が主な要因として挙げられます。同社グループは、事業収益の減少が見られる中で、費用削減努力により損失の改善を進めている状況です。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | - | 8百万円 | 40百万円 | 27百万円 | 21百万円 |
| 税引前利益 | △26.2億円 | △20.2億円 | △14.9億円 | △13.3億円 | △6.8億円 |
| 税引前利益率 | - | △24423.4% | △3734.6% | △4902.2% | △3169.7% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | △26.2億円 | △20.2億円 | △14.9億円 | △13.3億円 | △6.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △57.46 | △40.92 | △26.79 | △23.65 | △10.59 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの収益性を見ると、従業員1人あたり売上収益は前期から増加しています。これは、連結従業員数が減少した一方で、事業収益の減少幅が相対的に小さかったことによるものです。
一方で、従業員1人あたり営業利益は、前期に比べて損失額が拡大しています。これは、連結従業員数の大幅な減少があったものの、営業損失の絶対額が依然として大きく、1人あたりの負担が増加した傾向を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 1.4百万円 | 2.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △70.8百万円 | △111.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
窪田製薬ホールディングスグループは、研究開発型の事業を展開しており、現在は事業収益の早期立ち上げとコスト削減、資金調達の施策に取り組んでいます。本業での資金流出が続いているものの、財務活動による資金調達で手元資金を確保し、事業の継続性を図っている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が非常に高い水準にあります。これはプライム市場の平均と比較しても高い水準です。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び現金同等物は増加しており、一定の流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 13.9億円 | 18.1億円 |
| 自己資本比率 | 90.1% | 91.6% |
| ROE(自己資本利益率) | △66.0% | △42.2% |
| 現金及び現金同等物 | 14.5億円 | 19.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に引き続きマイナスとなっていますが、当期は使用した資金が減少しました。これは、研究開発費及び一般管理費等の支払いが減少したことが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローもマイナスですが、有形固定資産の取得に関する支払いが減少したことにより、使用した資金は前期より減少しています。
フリーキャッシュ・フローはマイナスが継続している状況です。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期のマイナスから当期はプラスに転じました。これは、普通株式の発行による収入が増加したことによるものです。全体として、研究開発型の事業特性から営業活動による資金流出が続いているものの、資金調達により手元資金を確保している状況がうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △11.9億円 | △5.8億円 |
| 投資CF | △43百万円 | △4百万円 |
| 財務CF | △88百万円 | 10.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △12.4億円 | △5.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが継続していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しています。しかし、ウェアラブル近視デバイスの販売ネットワーク拡充や臨床試験の早期開始、エミクススタト塩酸塩の早期収益化、人件費削減、資本業務提携等の施策により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、眼科領域向けの医薬品、医療機器の研究開発を行うスペシャリティ・ファーマです。研究開発のプロセスにおいて、医薬候補物質や医療機器の有効性や安全性が承認に必要な要件を充たさない場合、研究開発の中止や上市の遅れ、パイプライン価値の棄損により業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、研究開発型のベンチャー企業であるため、今後数年間は当期損失を計上するものと見込んでおり、開発の進捗状況によっては当期損失を計上する期間が長くなる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは少数精鋭でグローバルに組織を運営しており、そのパフォーマンスは経営陣や各部門の責任者、構成員に依存しています。優秀な人材の獲得競争が激しく、必要な有能な人材を維持または採用できない場合、事業計画の遂行が困難となり、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
窪田製薬ホールディングスは、世界中の眼疾患に悩む人々の視力維持と回復に貢献することを目的としています。医療革新と社会貢献、そしてイノベーションを生み出す職場環境を大切にする企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
窪田製薬ホールディングスグループは、世界中で眼疾患に悩む人々の視力維持と回復に貢献することを目的としています。最先端のサイエンスを通じて、有効な治療法がない眼疾患に医療革新をもたらすことを目指しています。
また、社会に貢献し続ける企業であること、イノベーションを生み出す職場環境を構築し、社員の生活向上を目指すことを経営指針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
窪田製薬ホールディングスグループは、イノベーションを医薬品・医療機器の開発と実用化に繋げることを重視しています。人的資本を重要な経営資源と位置付け、多様な人材が活躍できる環境の整備を進めています。
従業員の能力向上を目的とした研修やスキル開発を支援し、働きやすい職場環境の構築に努めています。ワークライフバランスを実現しやすいフレックスタイム制度の導入や、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を通じた実践的なスキル習得の機会提供も行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
窪田製薬ホールディングスグループは、研究開発活動への先行投資を継続し、革新的な製品の開発を促進することを重要な課題としています。事業基盤の整備・確立を通じて、イノベーションと成長の実現を目指しています。
また、知的財産の創造と保護が事業の成功に不可欠であると考えており、強力な特許ポートフォリオの維持に努めています。グローバルな事業展開において、優秀な人材の確保とグローバルな経営体制の強化も重点テーマです。さらに、最先端技術や法規制、市場の動きを継続的に情報収集し、開発方針や事業戦略に活かしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
窪田製薬ホールディングスは、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は経営の意思決定と監督を担い、監査等委員会が独立した立場から監査・監督を行います。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は4名(男性4名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。
代表取締役会長、社長兼最高経営責任者は窪田良氏が務めています。社外取締役比率は75.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 窪田 良 | 取締役 代表取締役会長、社長兼最高経営責任者 | 2002年にアキュセラ・インクを設立し、社長兼最高経営責任者、取締役会長を歴任。2015年よりクボタビジョン・インク会長、社長兼最高経営責任者、取締役を務め、2015年12月より同社代表取締役会長、社長兼最高経営責任者より現職。 |
社外取締役は、中川祐輝氏(クリアデラ代表取締役・監査等委員)、藤原正明氏(凜研究所代表取締役・監査等委員)、澁谷太志氏(渋谷キャピタルグループ代表取締役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役が区別されて選任されます。これにより、独立性の高い立場からの経営監査・監督と、経営と監督の責任分担の明確化が図られています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、役員の報酬等の額またはその算定方法に関する方針を定めています。社外取締役の報酬は固定報酬と株式型報酬で構成され、取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は固定報酬、賞与、株式型報酬、その他の経済的利益で構成されています。
賞与(業績連動報酬)の支給割合は、独立アドバイザーの調査結果に基づき、同社の類似企業群における報酬慣行等を勘案して取締役会が決定しています。同社は開発先行型のバイオベンチャーであるため、研究開発プロジェクトの主要マイルストーン達成状況、事業提携の進捗、新規プロジェクトの導入、キャッシュマネジメントを中心とする財務指標等が業績連動報酬の指標として設定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 37百万円 | 18.6百万円 |
| 社外取締役 | 6名 | 16百万円 | 2.7百万円 |
業績連動報酬の金額は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する金銭による報酬として当事業年度に会計上計上した費用の額を記載しています。非金銭報酬等の内容は、取締役会決議に基づき取締役に対して付与された新株予約権であり、その評価額と付与個数に基づき当事業年度に期間対応する費用が計上されています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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