※本記事は、グローバル・リンク・マネジメントの有価証券報告書(第21期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. グローバル・リンク・マネジメントってどんな会社?
同社は、環境配慮型マンションの開発・販売からプロパティマネジメントまでをワンストップで展開しています。
■(1) 会社概要
同社は2005年に設立され、同年より不動産ソリューション事業を開始しました。2006年には自社ブランド「アルテシモ」の販売をスタートさせています。2017年に東京証券取引所マザーズへ株式を上場し、2018年に同市場第一部へ市場変更しました。2023年にはDX領域を担うAtPeakを設立しています。
現在の従業員数は連結で155名、単体で132名となっています。筆頭株主は代表取締役社長の金大仲氏の資産管理会社であるG2Aで、第2位は金大仲氏、第3位は個人株主の富永康将氏となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| G2A | 33.94% |
| 金大仲 | 14.09% |
| 富永康将 | 4.25% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性5名、女性1名の計6名で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は金大仲氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 金大仲 | 代表取締役社長 | 商工ファンド、ディベックス等を経て2005年同社設立。グローバル・リンク・パートナーズ代表取締役等を経て2015年より現職。 |
| 笠原一郎 | 取締役 | 日本証券金融執行役員、日本電子計算取締役、日証金信託銀行常勤監査役、セントラル短資監査役等を経て2025年より現職。 |
社外取締役は、杉谷仁司(元ヤマダデンキ執行役員)、琴基浩(琴税理士事務所所長)、中西和幸(田辺総合法律事務所弁護士)、板倉麻貴(公認会計士・税理士)です。
2. 事業内容
同社グループは、「不動産ソリューション事業」および「その他」事業を展開しています。
■(1) 開発事業
東京23区内を中心に環境に配慮した新築レジデンスを展開し、機関投資家や事業会社等へ1棟バルク販売(まとめて販売)を行っています。また、都心型ホテルの開発販売にも事業領域を広げています。
収益源は、開発した物件の販売代金です。運営は主に同社が行っています。
■(2) 土地企画事業
仕入れた土地を物件建設前に企画販売することで資本効率を高め、隣地等の所有者権利調整等によりバリューアップを実現して事業会社などの法人へ販売しています。
収益源は、企画した土地の販売代金です。運営は主に同社が行っています。
■(3) 再生事業
オフィスビルや中古レジデンスの再生販売を行っています。テナント需要の底堅いオフィスビル等を仕入れ、戦略的にバリューアップ期間を確保し、収益の最大化を目指しています。
収益源は、再生・バリューアップした既存不動産の販売代金です。運営は主に同社が行っています。
■(4) その他の事業
マンション管理組合から受託する建物管理業務や不動産ファンド等から受託するビルマネジメント業務のほか、DX事業領域におけるIT関連事業などを展開しています。
収益源は、管理組合やファンドからの管理受託手数料やシステム関連収益です。運営は主にG&G CommunityやAtPeakなどの子会社が行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
過去4期間の連結業績を見ると、売上高は右肩上がりで成長を続けており、約2倍の規模に拡大しています。経常利益も毎年増加しており、利益率も向上傾向にあります。事業規模の拡大と高い収益性を両立させながら、継続的な成長を実現していることがわかります。
| 項目 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 357億円 | 413億円 | 645億円 | 693億円 |
| 経常利益 | 23億円 | 43億円 | 51億円 | 67億円 |
| 利益率(%) | 6.4% | 10.3% | 8.0% | 9.7% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 15億円 | 29億円 | 34億円 | 46億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に加え、高付加価値化や賃料水準の上昇により売上総利益率が改善しています。販売費及び一般管理費の増加を抑制できたことで、営業利益率も向上し、効率的な収益確保が進んでいます。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 645億円 | 693億円 |
| 売上総利益 | 98億円 | 124億円 |
| 売上総利益率(%) | 15.2% | 17.9% |
| 営業利益 | 57億円 | 74億円 |
| 営業利益率(%) | 8.9% | 10.7% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が17億円(構成比35%)、租税公課が9億円(同19%)を占めています。
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社のキャッシュ・フローは、営業CFと投資CFがマイナス、財務CFがプラスとなる「勝負型」の傾向を示しています。本業のキャッシュ創出はマイナスですが、借入等の資金調達により将来成長に向けた投資を継続している局面と言えます。なお、同社は在庫を多く抱える事業を主力としているため、営業CFのマイナスは棚卸資産(商品・販売用不動産等)の増加(事業拡大)に起因している可能性があり、必ずしも業績悪化を意味するものではありません。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 7億円 | -32億円 |
| 投資CF | 16億円 | -4億円 |
| 財務CF | 4億円 | 68億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は34.8%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は31.3%となっており、いずれも市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「投資により未来価値を創出する」をグループのミッション(Mission)として掲げています。人と事業に積極的な投資を行うことで、環境や社会において持続可能な価値を創出し、豊かな未来を実現することを目指しています。また、不動産領域においては「不動産を通じて豊かな社会を実現する」という使命のもと、世界をリードするサステナブルな企業グループを志向しています。
■(2) 企業文化
グループ理念の実現に向け、大切な価値基準として「Value」と「Culture」を定めています。「Value」には「No.1」「挑戦」「共創」を掲げ、「Culture」としては「Respect」「Speed」「Open」「Clean」を意識し行動すべき指針としています。これらの価値観のもと、従業員一人ひとりが高い倫理観を持ち、環境問題や社会課題に積極的に取り組む文化が醸成されています。
■(3) 経営計画・目標
長期展望のグループ方針「GLM1000」では、2040年まで経常利益の年平均成長率25%を目標とし、経常利益1,000億円以上の実現を目指しています。また、2025年中期経営計画「GLM100」において、以下の数値目標を設定しています。
* 売上高:1,000億円(2027年12月期)
* 経常利益:100億円(2027年12月期)
* 自己資本比率:30%以上
* ROE:25%以上
* 配当性向:30%
■(4) 成長戦略と重点施策
機関投資家とのリレーションを強化し、投資家のニーズを起点としたビジネスモデルの構築を進めています。環境配慮型レジデンスに加え、ホテルやロジスティクス等へのアセットタイプの拡充や、再生・土地企画事業の成長ドライバー化により収益モデルを多様化させます。また、子会社のAtPeakを通じてAI等のDX活用を拡大し、業務プロセスの革新と生産性向上を図ることで、持続的な業績成長を目指しています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
人的資本を最重要資本の一つと位置付け、多様な従業員がスキルを磨き活躍できる環境整備を進めています。グループ理念に共感する「人材採用育成方針」や「社内環境整備方針」を策定し、女性や外国籍など多様な人材の採用・起用を推進しています。また、キャリアチャレンジ制度や各種研修、公平な人事評価制度を通じて、成長意欲のある人材に選ばれる企業となることを目指しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均を大きく上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 37.7歳 | 6.6年 | 13,218,067円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 10.8% |
| 男性育児休業取得率 | 85.7% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 38.4% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 38.4% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | - |
※同社において、パート・有期労働者は該当しないため、表には記載がありません。
また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、年次有給取得率(69.8%)、育休復職率(100.0%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 気候変動・環境リスク
異常気象による自然災害などの物理的リスクや、脱炭素社会への転換に伴う法規制の強化といった移行リスクが存在します。これらへの対応が不十分な場合、事業機会の喪失や対策コストの増加を招く可能性があります。
■(2) 人材に関するリスク
事業領域の拡大に伴い、グループ理念に共感し共に成長できる人材の確保が重要となります。採用や育成が計画通りに進まず、ノウハウや人材が不足した場合、競争優位性の低下や業績への悪影響が生じるリスクがあります。
■(3) 建築コスト上昇・金利上昇等のリスク
建設資材価格の高騰や慢性的な労働力不足による建築コストの上昇、さらには金利上昇や世界的な景気後退により、機関投資家などの不動産投資意欲が低下した場合、開発物件の販売に支障をきたし、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
■(4) 有利子負債への依存リスク
物件の仕入等において、必要資金の大部分を金融機関からの有利子負債で賄っています。財務指標の悪化により資金調達に支障をきたした場合や、市場金利の上昇により資金調達コストが増加した場合、財政状態や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。



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