マイネット 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

マイネット 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

マイネットは東京証券取引所スタンダード市場に上場する企業です。ゲームメーカーから仕入れたタイトルの運営を行うゲーム事業や、現実連動型のファンタジースポーツ、異業種向けのコンサルティング事業を主軸としています。直近の業績は既存タイトルの好調維持も一部案件の期ズレ等により減収減益となっています。


※本記事は、マイネットの有価証券報告書(第20期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. マイネットってどんな会社?


マイネットは、ゲームタイトルの長期運営やファンタジースポーツ、異業種向けコンサルティングを展開しています。

(1) 会社概要


同社は2006年に設立され、2012年にスマートフォンゲームをリリースしました。2015年に東京証券取引所マザーズへ上場を果たし、2016年には持株会社体制へ移行しています。近年はスポーツコンテンツ領域も強化しており、2023年にはプロバスケットボールリーグ公認のファンタジースポーツの提供を開始しました。

現在の従業員数は連結で262名、単体で227名です。大株主については、筆頭株主が創業者の上原仁氏であり、第2位および第3位は証券会社となっています。特定の事業会社への過度な依存はなく、独立した経営体制を維持しています。

氏名 持株比率
上原仁 14.53%
SBI証券 5.02%
楽天証券 4.96%

(2) 経営陣


同社の役員は男性5名、女性0名の計5名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は岩城農氏が務めており、全役員のうち60.0%を社外取締役が占めています。

氏名 役職 主な経歴
岩城農 代表取締役社長 2006年セガ入社。2016年セガゲームス取締役、ミラティブ最高戦略責任者などを経て、2022年マイネットゲームス代表取締役社長。2023年1月より現職。
西村拓也 取締役副社長 2012年マイネット入社。マネージャー、ゲームプロデューサーを歴任し、2020年執行役員。コーポレート本部長、常務執行役員などを経て2024年3月より現職。


社外取締役は、和田洋一(元スクウェア・エニックス代表取締役社長)、太田雄貴(国際オリンピック委員会選手委員)、栗原正和(元フィールズ執行役員)です。

2. 事業内容


同社グループは、「ゲーム事業」および「異業種事業」を展開しています。

ゲーム事業


ゲームメーカーから仕入れたタイトルの運営を主軸とし、タイトルの運営力や企画・開発力を活かした初期開発や受託開発、現実連動型のファンタジースポーツを提供しています。顧客はゲームユーザーやスポーツファン、開発を委託する企業など多岐にわたります。

ユーザーへの課金や、他社との共同運営による収益、運営受託に伴う手数料などが主な収益源です。事業の運営は主にマイネットゲームス、パレットソリューションズ、PARADE、GAMEDAY Interactiveなどが担当しています。

異業種事業


ゲーム業界で培ったデータ分析やシステムインフラのノウハウを活用し、ゲーム業界以外の企業向けに戦略コンサルティングやキッティングなどのビジネスプロセスアウトソーシングといったソリューションを提供しています。

顧客企業からコンサルティングサービスに伴う受託費用を受け取る収益モデルとなっています。本事業の運営は主にマイネットやDigonなどが担い、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを包括的に支援しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は不採算事業の整理や重点領域への選択と集中の影響もあり減少傾向にありますが、コスト構造の改革により経常利益は黒字転換を果たし安定的な水準を確保しています。直近では一部案件の期ズレ等により減収となりましたが、着実に利益を生み出す構造へと転換しています。

項目 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 105億円 87億円 88億円 75億円
経常利益 -4億円 1億円 4億円 3億円
利益率(%) -4.0% 1.4% 4.2% 4.1%
当期利益(親会社所有者帰属) -10億円 -4億円 2億円 2億円

(2) 損益計算書


売上高は減少したものの、プラットフォーム手数料の減少などにより売上原価が抑制され、売上総利益率は改善傾向にあります。また、コスト最適化の継続により販売費及び一般管理費も減少しており、営業利益率も堅調に推移しています。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 88億円 75億円
売上総利益 36億円 34億円
売上総利益率(%) 40.2% 44.9%
営業利益 4億円 4億円
営業利益率(%) 4.8% 5.0%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が15億円(構成比52%)を占めています。

(3) セグメント収益


ゲーム事業は、既存タイトルの長期的かつ安定的な運営により堅調に推移したものの、一部案件の成約期ズレ等により減収減益となりました。一方、異業種事業は戦略コンサルティングに加えキッティングBPOサービスの提供を開始し、サービスラインナップの拡充により大幅な増収となっています。

区分 売上(2024年12月期) 売上(2025年12月期) 利益(2024年12月期) 利益(2025年12月期) 利益率
ゲーム事業 84億円 68億円 4億円 3億円 4.7%
異業種事業 5億円 7億円 1億円 1億円 8.3%
連結(合計) 88億円 75億円 4億円 4億円 5.0%

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う優良企業といえる健全型のキャッシュ・フロー状況です。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 3億円 8億円
投資CF -2億円 -3億円
財務CF 7億円 -5億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は15.6%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は32.4%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「Make COLOR -毎日に感動を-」をミッション(経営の基本方針)として掲げています。ゲームというエンターテインメントの力を通じて、人々の日常生活に色彩と感動を提供し続けることを目指しており、この方針に基づき事業を展開しながら、持続的な成長と株主価値の最大化を図ることを使命としています。

(2) 企業文化


同社は、社員同士が協力し合いながら生き生きと働ける組織作りを大切にしています。個人の思考行動特性に関する診断や研修などを通じて、異なる価値観を理解し、互いに尊重しあえる風土を醸成しているのが特徴です。また、活躍する個人やチームを称賛する表彰制度を設け、互いの成果を認め合う文化が根付いています。

(3) 経営計画・目標


「事業成長の実現」「適切な株主還元」「資本効率の改善」のバランスを重視した経営を行っています。中期ビジョン「GATE26」の最終年度となる2026年12月期を「再成長フェーズ」への転換期と位置づけ、以下の業績目標を掲げています。

・売上高:90億円
・営業利益:4億円
・経常利益:3億円
・親会社株主に帰属する当期純利益:3億円

(4) 成長戦略と重点施策


中期ビジョンに基づき、これまでに構築した収益基盤を強固にしつつ、重点領域への選択と集中を進めています。ゲームのセカンダリー領域で安定的なキャッシュ・フローを創出する一方、人材マッチングや開発ソリューションの拡大により新たな成長基盤を構築します。また、プロスポーツ連動型のファンタジースポーツによる収益化や、異業種向けのDX支援事業によるストック型収益の積み上げにも注力しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材の総合力が企業の持続的な成長に寄与するという考えのもと、個人と組織の能力を最大化するための人材投資を重視しています。管理職向けの次世代人材育成や、推奨される行動を評価項目に組み込んだ評価制度を運用することで社員の成長を後押しし、多様な人材が働きがいを持って活躍できる職場環境の実現を目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 38.7歳 6.9年 6,566,976円

※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 12.6%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全社員) 78.8%
男女賃金差異(正規雇用) 78.2%
男女賃金差異(非正規雇用) 95.0%


また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、有給休暇の消化率(73.5%)、産休・育休の取得率(100.0%)、産休・育休復帰半年後の就業継続率(100.0%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 競合の激化
ゲームのセカンダリー領域や人材マッチング、BtoBソリューション領域において、類似サービスを提供する企業や新規参入者との競争が激化した場合、同社グループの事業拡大や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 主要取引先の方針変更
プラットフォーム事業者やゲームメーカー、スポーツ団体などとの友好的な関係維持に努めていますが、提携先の方針変更によって手数料率の引き上げやライセンス契約が終了した場合、事業展開に支障をきたす恐れがあります。

(3) 業界の急速な技術革新
スマートフォンゲーム業界をはじめとするIT分野は技術革新のスピードが速く、新サービスの創出が相次いでいます。予期せぬ技術革新に対して迅速な対応が遅れた場合、サービスの競争力低下を招くリスクがあります。

(4) 新規事業における不確実性
ファンタジースポーツや異業種向けの戦略コンサルティングなど、新たな収益の柱となる事業の育成を図っています。しかし、追加的なシステム投資や広告宣伝費の増加、あるいは計画通りに市場へ定着しなかった場合、投資回収が遅れる可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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