【平均年収702万円】かっこ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収702万円】かっこ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

かっこは、データサイエンス技術を活かしたSaaS型アルゴリズム提供事業を展開しています。特にEC分野の不正検知サービスを中核事業とし、売上高は増加しましたが、損失が継続しています。早期黒字化に向け、新規顧客獲得やM&Aを推進しています。


目次

※本記事は、かっこ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


かっこは、データサイエンスの技術とノウハウを活かし、アルゴリズムとソフトウェアを開発・提供するSaaS型アルゴリズム提供事業を展開しています。特にEC分野では、オンライン決済の不正対策としてSaaS型サービス「O-PLUX」を主力とする不正検知サービスを中核事業としています。

単体従業員数は36名です。同社はSaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントで事業を展開しています。

同社は、データサイエンスの技術とノウハウを基盤に、不正検知サービス「O-PLUX」や不正ログイン検知サービス「O-MOTION」を提供するほか、BNPL事業者向けの決済コンサルティングサービス、およびマーケティングや生産効率向上に資するデータサイエンスサービスを展開しています。

当事業年度より、同社は不正検知サービスの販売戦略をプロダクト単体からECや金融ドメインに最適化されたソリューション提供へと転換しました。また、新たな市場獲得に向けた業務提携やM&Aも積極的に活用する方針です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


かっこはSaaS型アルゴリズム提供事業を展開しており、少数精鋭の組織体制が特徴です。従業員一人ひとりの成長を重視し、多様な働き方を支援する制度を積極的に導入しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数は6.0年、平均年齢は36.9歳となっています。これは、比較的若い年齢層で構成され、一定の定着傾向が見られることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 7,019,527円
平均勤続年数 6.0年
平均年齢 36.9歳
単体従業員数 36人
連結従業員数 -


なお、退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は、『未来のゲームチェンジャーの「まずやってみよう」をカタチに』を経営ビジョンとし、持続的な企業価値向上のために人材への積極的な投資が不可欠であると考えています。社員一人ひとりが自律的に成長し、多様な働き方で能力を最大限に発揮できる環境整備を推進しています。

具体的には、「自己申告制度」「ストレングスファインダー研修」「360度サーベイ」「コーチング制度」といった育成プログラムを推進しています。また、働きやすい就業環境を整備するため、「フルフレックス制度」「テレワーク制度」「遠隔地居住制度」を導入しています。加えて、「クラブ活動制度」「書籍購入補助制度」を通じて、社員のコミュニケーション活性化と自己啓発を支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 36.4%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 87.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 78.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 529.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


かっこは、データサイエンスの技術とノウハウを活かし、企業の課題解決やチャレンジを支援するSaaS型アルゴリズム提供事業を展開しています。特にEC分野での不正対策に強みを持ち、多様な業界にサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げ、SaaS型アルゴリズム提供事業を主軸としています。この事業は、データサイエンスの技術とノウハウを用いてアルゴリズムやソフトウェアを開発・提供し、企業の課題解決を支援するものです。

主力サービスは、EC分野におけるオンライン決済での不正対策を行う「不正検知サービス」です。特に、代金未払いとなり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型サービス「O-PLUX」は、同社事業の中核を担っています。また、本人になりすました不正なアクセスを検知する「O-MOTION」も提供しており、金融機関や大手チケットサイトなどで導入が進んでいます。

不正検知サービスと連携する形で、「決済コンサルティングサービス」も展開しています。これは、BNPL(Buy Now Pay Later)事業者向けに、決済システムの提供や事業の立ち上げ・運用のコンサルティングを行うものです。さらに、EC分野に留まらず、小売・流通業や製造業など多様な分野向けに、マーケティングや生産効率向上に資するアルゴリズムを開発・提供する「データサイエンスサービス」も手掛けています。

同社の不正検知サービスにおける収益構造は、月額料金と審査件数に応じた従量課金からなるストック収益が大部分を占めています。これに初期導入料金などのスポット収益が加わるモデルです。ストック収益の割合が高いことで、安定的な収益基盤の構築を目指しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の直近の業績は、売上高が増加傾向にある一方で、営業損失、経常損失、当期純損失が継続して計上されています。前事業年度と比較すると、売上高は増加し、各損失額は縮小する傾向にあります。これは、前々事業年度に発生した主要取引先の解約による売上高減少の影響が継続しているためです。

同社は、新規顧客の獲得を推進し、早期の黒字化に向けた収益基盤の再構築に注力しています。また、既存の事業領域にとどまらず、新たな市場獲得に向けた業務提携やM&Aを積極的に活用し、非連続的な成長を目指す方針です。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


かっこは現在、事業の成長と収益基盤の再構築に注力しており、財務面では資金の出入りが活発な状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


かっこは、自己資本比率が前期から減少しているものの、依然として高い水準を維持しています。手元資金は増加傾向にあり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産合計 8.3億円 7.0億円
自己資本比率 81.2% 70.1%
ROE(自己資本利益率) - -
現金及び預金 7.3億円 7.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


かっこは、営業活動によるキャッシュフローが前期に引き続きマイナスとなっていますが、その支出額は前期から減少しています。これは主に当期純損失の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローもマイナスであり、有形固定資産の取得に資金を支出しています。一方、財務活動によるキャッシュフローはプラスに転じており、長期借入れにより資金を調達している状況です。フリーキャッシュフローはマイナスであり、事業活動と投資活動を合わせた資金は外部からの調達に頼っている状態を示しています。同社は現在、収益基盤の再構築と事業拡大のための投資を継続しており、今後の事業成長に向けた資金の動きが見られます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △199百万円 △74百万円
投資CF △2百万円 △3百万円
財務CF △6百万円 1.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △201百万円 △77百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は、不正検知サービスの売上高が全体の83.6%を占め、主にEC事業者を取引先としているため、特定の市場への依存度が高い状況です。また、EC市場、セキュリティ市場、データサイエンス市場において、今後多くの企業の参入が見込まれ、競合サービスが増加する可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は、経営に不可欠な資源を「ヒト」と位置づけており、優秀な人材の確保と従業員満足度の向上に努めています。しかし、人材の確保、活用、育成強化に十分対応できない事象が発生した場合、経営判断や成長力、競争力が影響を受ける可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


かっこは、データサイエンスの技術を核に企業の課題解決やチャレンジを支援する会社です。ここでは、同社がどのような価値観や文化のもとで経営を行い、どのような組織を目指しているのかを紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社は「未来のゲームチェンジャーの『まずやってみよう』をカタチに」という経営ビジョンを掲げています。AI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術とノウハウを活用し、アルゴリズム及びソフトウエアの開発・提供を通じて企業の課題解決やチャレンジを支援することを目指しています。

特に、不正検知サービスを中核サービスと位置づけ、決済コンサルティングサービス及びデータサイエンスサービスとのシナジー効果を発揮することで持続的な成長を図っています。セキュリティ・ペイメント・データサイエンスの技術で新しい価値を作り上げる会社として、企業価値の最大化を目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は、持続的に企業価値を高めるために人材への積極的な投資が不可欠であると考えています。社員一人ひとりが自律的に成長できるよう、「自己申告制度」「ストレングスファインダー研修」「360度サーベイ」「コーチング制度」といった取り組みを推進しています。

また、多様な人材が能力を最大限に発揮できるよう、「フルフレックス制度」「テレワーク制度」「遠隔地居住制度」などを推進し、働きやすい就業環境を整備しています。社員のコミュニケーション活性化や自己啓発に資する「クラブ活動制度」「書籍購入補助制度」も実施している会社です。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、優先的に対処すべき課題として「優秀な人材の確保及び更なる社員の能力向上」を挙げています。業容拡大に伴い、即戦力の人材確保を目的とした中途採用と、将来を担う人材確保及び組織活性化を目的とした新卒採用を積極的に行っています。

加えて、社員の能力向上を目的とした人材育成・人材開発を強化し、持続的な成長を支える組織の構築に取り組んでいます。また、「内部管理体制の強化」も重要な課題であり、コンプライアンス体制の強化と内部管理体制の構築を通じて、業務の標準化・効率化を図り、企業価値の最大化に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


かっこは、取締役会制度と監査等委員会制度を採用しており、取締役会と監査等委員会が経営の意思決定、業務執行、監督・監査を担っています。取締役会は、取締役間の相互牽制により職務の執行を監督する体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、代表取締役社長である岩井裕之氏が持分を保有する資産管理会社が筆頭株主となっています。また、岩井裕之氏個人も上位株主として名を連ねており、創業家が同社の経営に一定の影響力を持つ資本構成であると言えます。

株主名 持株比率
Symbolキャピタル合同会社 17.01%
岩井 裕之 15.94%
中沢 雄太 8.12%


Symbolキャピタル合同会社は、同社代表取締役社長である岩井裕之氏が持分を保有する資産管理会社であり、同社株式に係る同氏の共同保有者であります。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は岩井裕之氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
岩井 裕之 代表取締役社長 1995年4月株式会社星光堂入社、2005年5月株式会社ネットプロテテクションズ入社。2011年1月同社設立、代表取締役社長より現職。
関根 健太郎 専務取締役 執行役員 金融領域担当 1997年4月株式会社ダイヤコンサルタント入社、2006年5月パシフィックマネジメント株式会社入社。2015年1月同社入社、2018年3月専務取締役より現職。
成田 武雄 取締役 執行役員 EC領域担当 1997年4月株式会社星光堂入社、2004年9月株式会社アルファブリッジ入社。2014年1月同社入社、2018年3月取締役より現職。
岡田 知嗣 取締役 執行役員 プロダクト担当 2001年4月日本ヒューレット・パッカード株式会社入社、2012年7月丸紅情報システムズ株式会社入社。2013年10月同社入社、2020年3月取締役より現職。


社外取締役は、小川弦一郎氏(国内大手金融機関取締役・常勤監査等委員)、中山寿英氏(公認会計士・監査等委員)、志村正之氏(複数企業経営・財務経験・監査等委員)です。

同社は、取締役会制度と監査等委員会制度を採用しています。社外取締役は、経営者や専門家としての豊富な経験や幅広い見識に基づき、客観的な立場から適時適切な意見を述べることで、経営監督の実効性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬と非金銭報酬で構成されています。非金銭報酬には、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬が導入されており、勤務継続型と業績連動型の2種類があります。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 59百万円 14.7百万円
社外役員 4名 13百万円 3.3百万円


取締役の報酬等の額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれておりません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。