※本記事は、ZETA株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月31日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ZETAグループは、ECサイトの商品検索を中核とするCXソリューションを提供するデジタルマーケティングソリューション事業を展開しています。検索・クチコミ・レコメンドで蓄積される1st Party Dataを活用し、EC事業者の顧客体験向上を支援し、国内最大級のコマースCXプラットフォームを目指しています。
単体従業員数は80名、連結従業員数は80名です。同社グループの事業は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略されています。
主な国内グループ会社は、サイジニア(技術の研究等)、LAMBDA(AIコマースメディア事業等)、DELTA(投資事業等)などです。
2024年10月1日付で連結子会社であったデクワス、旧ZETAを吸収合併し、商号をZETAに変更しました。これにより経営資源を集中し、CX改善サービス「ZETA CXシリーズ」の開発・販売に注力しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ZETAは、デジタルマーケティングソリューション事業を展開する企業です。若手社員が多く活躍しており、成長意欲の高い方が働きがいを感じやすい環境がうかがえます。給与水準や働き方の詳細は、以下の各項目で確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活気があり、新しい人材が継続的に加わっている傾向が見られます。若手社員が中心となって事業を推進している様子がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,889,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.6年 |
| 平均年齢 | 30.8歳 |
| 単体従業員数 | 80人 |
| 連結従業員数 | 80人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、デジタルマーケティングソリューション事業において、優秀な人材の確保と育成を経営上の重要な活動と位置付けています。新卒・中途を問わず積極的に採用活動を展開し、人材の獲得に注力しています。
また、共通かつ公平な人事評価制度を構築し、業績や貢献度に応じた評価を行うことで、社員のモチベーション向上と適正な報酬決定を目指しています。人材育成においては、基本オペレーションの丁寧な教育に加え、少人数のユニット制度を通じてグループ内の連携を促進し、課題解決や事業推進の効率化を図っています。
さらに、英語教育や各職種の専門知識習得のための研修などを実施し、社員の多様なスキルアップを支援しています。これにより、個々の成長を促し、組織全体の競争力強化につなげる方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ZETAは、ECサイトの商品検索機能を中核としたCX(顧客体験)ソリューションを提供している企業です。検索、クチコミ、レコメンドといった購買行動から得られる大量の1st Party Dataを活用し、EC事業者の顧客体験向上を支援しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ECサイトの商品検索を中核とするCXソリューションを提供しており、国内最大級のコマースCXプラットフォームを目指しています。これらのデータ資産と検索技術を活かし、リテールメディア広告、AI検索(エージェンティックサーチ)、コマースメディアといったコマースデータを活用した新しい収益機会を創出しています。
同社グループの事業は「デジタルマーケティングソリューション事業」の単一セグメントで構成されています。主なサービスは「ZETA CXシリーズ」と「デクワス・マイビジネス」です。
「ZETA CXシリーズ」は、ECサイトやリアル店舗での購買体験向上を支援し、企業のマーケティング高度化を実現するソリューション群です。高速・高精度なサイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」をはじめ、ハッシュタグ自動生成の「ZETA HASHTAG」、リテールメディア広告の「ZETA AD」、レビュー・Q&A機能の「ZETA VOICE」、パーソナライズされた商品提案を行う「ZETA RECOMMEND」など、多岐にわたるプロダクトを提供しています。さらに、ECと店舗を連携させる「ZETA CLICK」や生成AIを活用した「ZETA TALK」などの新ソリューションも拡充しています。
「デクワス・マイビジネス」は、企業が自社の企業情報を正確に管理し、第三者の情報プラットフォームへ発信することを可能にするサービスです。多数の店舗を展開する大企業から中小規模ビジネス事業者までを顧客としています。
これらのサービスにおける基本的な課金体系は、ライセンス提供や保守・ホスティングサービスに基づく固定型課金と、利用実績に応じた成果報酬型課金があります。当連結会計年度においては、特定の顧客への売上が全体の一定割合を占めています。なお、同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期間で変動が見られます。当連結会計年度の売上高は前期から大きく増加し、大幅な伸びを示しました。
経常利益は前期の損失から当期は黒字に転換し、大幅に改善しています。親会社株主に帰属する当期純利益も前期から増加し、堅調な利益を確保しました。過去には親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありましたが、当期は好調に推移しています。
当連結会計年度は、CX改善サービス「ZETA CXシリーズ」の収益向上やリテールメディア広告の伸長が寄与しました。一方で、前期は会計処理の変更に伴う影響や売上計上時期の長期化により、当初計画を下回る結果となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは当期にプラスに転じています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 26.0億円 | 22.4億円 | 14.2億円 | 6.8億円 | 18.6億円 |
| 経常利益 | 3.5億円 | 1.8億円 | 1.6億円 | △1.3億円 | 3.7億円 |
| 経常利益率 | 13.7% | 8.0% | 11.5% | △19.4% | 19.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △11.5億円 | 1.1億円 | 85百万円 | 1.9億円 | 2.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △45.18 | 4.46 | 4.12 | 9.31 | 11.21 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から大きく増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期のマイナスからプラスに転じ、大幅な改善が見られます。これらの指標は、同社グループの事業効率が向上していることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 9.3百万円 | 23.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △1.6百万円 | 5.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ZETAグループは、財務基盤を強化しつつ、事業活動で得た資金を効率的に運用している状況です。本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ZETAグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準にあり、安定した経営を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な収益獲得ができていることがうかがえます。手元資金も十分に確保されており、事業運営における安定性が期待できる状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 8.4億円 | 9.2億円 |
| 自己資本比率 | 30.1% | 30.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 24.6% | 26.5% |
| 現金及び預金 | 14.9億円 | 16.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ZETAグループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を投資に回しつつも、全体として資金が増加している状況です。営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益を計上した一方で、売上債権の増加があったものの、プラスとなっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や投資有価証券の取得による支出があった一方で、投資有価証券の売却による収入があり、マイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や社債の償還による支出があった一方で、長期借入による収入があり、マイナスとなりました。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスであり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出していることが示されています。この資金状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △1.1億円 | 2.9億円 |
| 投資CF | △0.5億円 | △0.4億円 |
| 財務CF | 5.8億円 | △1.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.6億円 | 2.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、EC市場の拡大傾向を背景に事業を展開しています。しかし、インターネットの普及に伴う環境整備や新たな規制の導入、技術革新、その他予期せぬ要因により、EC市場における業界環境が変化した場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、国内BtoCのEC市場は多くの企業が事業展開しており、競合サービスが増加する可能性があります。十分な差別化や機能向上等が行えなかった場合や、新規参入等により競争が激化した場合には、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、事業拡大に伴い優秀な人材の確保とその育成が重要な課題となっています。十分な人材確保が困難になった場合や、人材が外部に流出した場合には、同社グループの業務に支障をきたすおそれがあります。また、代表取締役を含む役員や幹部社員等の専門的な知識、技術、経験を有する従業員が重要な役割を果たしており、特定の分野についてはこれらの人物のノウハウに依存している面があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ZETAは、国内のデジタルマーケティングソリューション領域でNo.1を目指し、企業と消費者の幸福な購買体験を実現することを掲げています。すべてのステークホルダーの視点に立った経営を通じて、企業価値の最大化を追求する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、国内デジタルマーケティングソリューション領域でNo.1を目指すことを経営の基本方針としています。企業と消費者のエンゲージメントを高め、幸福な購買体験を実現するための取り組みを進めています。
この方針のもと、株主、顧客、社員を含むすべてのステークホルダーの視点に立った経営を行い、同社グループの企業価値の最大化を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、優秀な人材の確保を最重要な経営課題の一つと認識しています。企業風土を固定せず、社員全員の価値を最大化できるような企業へと、経営陣も含めた企業文化の最適化を追求し続けることを重視しています。
人材採用においては、採用時点のスキルだけでなく将来獲得すると思われるスキルを重視し、同社グループ全体における教育・育成の質を向上していく予定です。共通かつ公平な人事評価制度を構築し、業績や貢献度に応じた評価を行っています。
人材育成では、基本オペレーションの教育を丁寧に行い、少人数のユニット制度でグループ間連携を促進しています。英語教育や各職種の専門知識習得のための研修などを通じて、人材の多様性とスキルアップを図っています。また、法令違反やハラスメント行為に対応するため、グループ内部通報窓口を設置し、通報者保護も周知しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループが持続的に成長し企業価値を高めるため、いくつかの課題に取り組んでいます。サービスに関する課題としては、CX改善サービスへの経営資源集中投下や自社サービスの展開、規模拡大を目指す適切な事業領域の選択を挙げています。
また、膨大な行動履歴を集合知やUGCとして活用するデータの管理と活用、そして検索履歴やレビューデータの活用に関する投資も重要なテーマです。組織能力に関する課題としては、同社グループ自体のマーケティング強化による収益力向上と、それによって得られた超過収益をさらに投資する正の事業成長スパイラルの獲得を掲げています。
さらに、優秀な人材の確保と、継続的な成長をコントロールし顧客に安定したサービスを提供し続けるための経営管理体制の構築も重点的に対処すべき課題としています。特に人材確保においては、企業文化の最適化と教育・育成の質向上に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ZETAは、監査役会設置会社として、独立性の高い社外取締役を含む取締役会が業務執行を監督し、社外監査役を含む監査役会が経営監視機能を果たす体制を採用しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ZETAの株主構成を見ると、合同会社アイ・アセットマネジメントが筆頭株主となっています。また、代表取締役執行役員上級副社長CSOの吉井伸一郎氏や取締役執行役員上級副社長CFOの森川和之氏といった同社の役員も上位株主として名を連ねています。さらに、代表取締役社長CEOの山﨑徳之氏が創業したレッドポイントも主要な株主の一つです。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社アイ・アセットマネジメント | 18.60% |
| レッドポイント | 9.40% |
| 吉井 伸一郎 | 8.40% |
| 北城 恪太郎 | 4.91% |
| 森川 和之 | 3.05% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長CEOは山﨑徳之氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山﨑 徳之 | 代表取締役社長CEO | 2006年ZETA創業代表取締役。2012年レッドポイント創業代表取締役。2024年より同社代表取締役社長CEO(現職)。 |
| 吉井 伸一郎 | 代表取締役執行役員上級副社長CSO | ソフトバンクグループ、北海道大学大学院助教授を経て、2007年ZETA代表取締役社長。2024年より同社代表取締役執行役員上級副社長CSO(現職)。 |
| 森川 和之 | 取締役執行役員上級副社長CFO | 2002年プラネックスコミュニケーションズ入社。2006年ZETA創業取締役。2024年より同社取締役執行役員上級副社長CFO(現職)。 |
| 出張 純也 | 取締役執行役員上級副社長CTO | 2012年ゴーガ入社。2015年ZETA入社後、執行役員、執行役員副社長を経て、2026年より同社取締役執行役員上級副社長CTO(現職)。 |
社外取締役は、伊藤健吾氏(01STUDIO代表取締役)、渡辺英治氏(渡辺税理士事務所代表税理士)、松園詩織氏(AND OWNERS代表取締役CEO)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が業務執行を決定・監督し、監査役会が経営監視機能を担っています。独立性の高い社外取締役が取締役会の審議に参加し、客観的な視点から助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ZETAの役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を重視した体系です。業務執行取締役に対しては、基本報酬に加えて業績連動報酬や株式報酬が支給され、企業業績や株価向上へのインセンティブを高める設計となっています。一方、監督機能を担う社外取締役には、その職務に鑑み基本報酬のみが支払われます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.5億円 | 48.4百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 32百万円 | 4.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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