【平均年収624万円】スパイダープラス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収624万円】スパイダープラス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

スパイダープラスは、建設業界の生産性向上に貢献するICT事業を展開しています。ソフトウエア「SPIDER+」とBPO・プロフェッショナルサービス、AIを組み合わせたソリューションで、現場の業務プロセス変革を支援し、グローバルに事業を展開しています。直近期は売上高が増加し、損失は大幅に縮小しました。


目次

※本記事は、スパイダープラス株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、「“働く”にもっと『楽しい』を創造する。」をミッションに掲げ、建設業界の生産性向上に貢献するICT事業を展開しています。ソフトウエア「SPIDER+」とBPO・プロフェッショナルサービス、AIを組み合わせたソリューションで現場の業務プロセス変革を支援しています。

単体従業員数は258名、連結従業員数は260名です。セグメントはICT事業の1つです。

スパイダープラスは熱絶縁工事事業で創業し、自社の生産性改善を通じてICT事業を開始しました。国内においてはスパイダープラスが事業を担い、海外1社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


スパイダープラスグループは、建設業界をテクノロジーで支えるICT事業を展開しており、その事業特性から、従業員の専門性と成長を重視する働き方が特徴です。若手人材が活躍できる環境が整っており、個人の成長を後押しする制度が導入されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若い年齢層の従業員が多く、平均勤続年数も短めであることから、活発な人材の流動性や成長機会が期待できる環境であると考えられます。従業員一人ひとりのキャリア形成を重視し、新たな挑戦を奨励する企業文化がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,240,000円
平均勤続年数 2.6年
平均年齢 35.3歳
単体従業員数 258人
連結従業員数 260人
単体のグループ内比率 99.2%


同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


スパイダープラスグループは、「持続可能な社会基盤を造る建設業界をテクノロジーで支え、未来に続く社会基盤を建設業界と共に創っていくこと」をサステナビリティの考え方としており、人的資本戦略を重要な経営戦略の一つと捉えています。執行役員人事本部長の主導により、「仲間を集める」「成長に向き合う」「組織をつくる」の3点に取り組んでいます。

具体的には、Mission及びVisionに深く共感し、高い専門スキルや経験を持つ即戦力人材の採用を促進するとともに、次世代の成長を担う新卒採用も開始しています。また、Mission及びVision達成に必要な行動指針をValueとして定め、その浸透による企業文化形成も推進しています。

従業員が自身の生産性を高め、継続的に高いパフォーマンスを発揮できるよう、個人の自律的な成長とポテンシャルを最大化する仕組みの構築を重視しています。採用・評価・報酬・育成に関する考え方をまとめた「人材マネジメントポリシー」を策定し、顧客や組織に貢献している従業員が正当に称賛される仕組みの構築にも取り組んでいます。

組織構築においては、経営戦略や事業環境の変化に柔軟に対応できる機動性や適材適所の人材配置に努めています。社内業務へのAI等テクノロジーの積極活用により、従業員一人あたりの生産性を最大化する環境づくりを進めています。さらに、従業員一人ひとりが「自分の居場所がある」「安心して働ける」と感じられるよう、様々なライフイベントに対応できる制度構築やハラスメント防止策の実施にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

組織戦略(人的資本戦略)


エンゲージメントスコアは、株式会社アトラエが提供する組織力向上プラットフォーム「Wevox」のエンゲージメントサーベイのスコアから記載されています。男性育休取得率は、事業年度末の実績が記載されています。

項目 指標の内容 2025年12月
エンゲージメントスコア ミッション・ビジョンへの共感 76点
事業やサービスへの誇り 66点
経営陣に対する信頼 73点
キャリア機会の提供 78点
自己成長への支援 77点
成長機会 71点
称賛への妥当性 75点
部署間での協力 76点
会社方針や事業戦略への納得感 72点
ダイバーシティスコア 女性社員構成比率 34%
女性管理職者比率 16%
男女賃金格差 1,734千円
男性育休取得率 50%

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


スパイダープラスは、建設業界の生産性向上に貢献するICT事業を展開しています。建設現場の課題に対し、ヒトとテクノロジーを組み合わせたソリューションを提供し、現場インフラ企業への発展を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


スパイダープラスは、建設業界の生産性向上を目的としたICT事業を展開しています。熱絶縁工事事業での創業経験から、自社の生産性改善の必要性を感じ、2010年にICT事業を開始しました。

同社グループは、建設業界が直面する需要拡大と担い手減少の課題に対し、「ヒト」と「テクノロジー」を組み合わせたアプローチで現場の業務プロセスを変革しています。具体的には、主力サービスであるソフトウエア「SPIDER+Workspace」による標準化、BPOサービスによる外部化、プロフェッショナルサービスによる高度化、そしてAIを活用した自動化を統合的に提供しています。

これらのサービスを通じて、建設業界の抜本的な生産性向上に貢献しています。顧客は大手ゼネコンやサブコンが中心であり、導入実績が新規開拓にも繋がっています。

収益は、継続的に発生するストック収益が大部分を占めており、これに加えてフロー収益も得ています。事業展開は主に日本国内であり、特定の主要顧客への収益集中は見られません。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近の業績は、売上高が前期から増加傾向にあります。一方で、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失は前期に引き続き計上されていますが、その損失額は大幅に縮小しました。

前期にはプロダクト戦略の変更に伴うソフトウエア仮勘定の減損損失が特別損失として計上されており、これが前期の純損失に影響を与えました。当期は営業活動によるキャッシュ・フローがプラスに転じており、本業での資金創出力が改善している状況です。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 - - - 40.7億円 49.0億円
経常利益 - - - △5.3億円 △41百万円
経常利益率 - - - △12.9% △0.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - - △7.7億円 △17百万円
1株当たり当期純利益(円) - - - △21.92 △0.49

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。従業員1人あたり営業利益は、前期の損失から当期はほぼ横ばいとなりました。

これは、売上高の増加と営業損失の大幅な縮小が影響していると考えられます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化が進んでいることを示しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 16.3百万円 18.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) △2.1百万円 △0.0百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、当期に営業活動によるキャッシュ・フローがプラスに転換したものの、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっており、成長投資を継続している状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は当期に64.0%となり、前期の62.8%から増加しました。これはプライム市場の製造業平均46.8%、非製造業平均24.2%と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期に△0.7%となりました。手元資金を示す現金及び預金は、当期末に24.8億円となり、前期末の27.4億円から減少しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 26.5億円 26.6億円
自己資本比率 62.8% 64.0%
ROE(自己資本利益率) - △0.7%
現金及び預金 27.4億円 24.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、当期に0.8億円の資金獲得となりました。これは前期の△3.7億円の使用からプラスに転換しています。主な内訳は、売上債権の増加による資金の減少と、減価償却費による資金の増加です。

投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に△1.8億円の資金使用となりました。これは前期の△0.5億円の使用から増加しています。主な内訳は、無形固定資産の取得による支出です。

財務活動によるキャッシュ・フローは、当期に△1.6億円の資金使用となりました。前期は3.2億円の資金獲得でした。主な内訳は、新株予約権の行使による株式の発行による収入と、長期借入金の返済による支出です。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期に△1.0億円となり、前期の△4.2億円からマイナス幅が縮小しました。同社グループは本業で資金を獲得しつつ、将来に向けた投資を継続している状況を示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △3.7億円 0.8億円
投資CF △0.5億円 △1.8億円
財務CF 3.2億円 △1.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △4.2億円 △1.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの事業はICT事業の単一セグメントであり、売上高の大部分を「SPIDER+」が占めています。このサービスに深刻な問題が生じた場合や、競合企業との競争激化が生じた場合には、同社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、同社グループは売上高成長率を重視し、先行投資を継続してきました。2026年12月期においては通期黒字化を見込んでいますが、これらの先行投資が想定どおりの成果に繋がらなかった場合、同社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループにおいて、優秀な人材の確保、育成及び定着は最重要課題であると認識しています。必要な人材が十分に確保、育成できなかった場合、または採用後の人材流出が進んだ場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


スパイダープラスは、「“働く”にもっと『楽しい』を創造する。」というミッションを掲げ、建設業界のDXを推進する企業です。現場の課題解決を通じて、誰もが仕事に夢中になれる社会の実現を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


スパイダープラスグループは、「“働く”にもっと『楽しい』を創造する。」をミッションとして掲げています。お客様の課題を解決する喜びや楽しさを通じて、誰もが仕事に夢中になれる世の中を作り続けることを究極的な目標としています。

このミッションを建設業界で実現するため、「つくる人の“働く”を夢中にする、現場インフラ」という中期コーポレートビジョンを策定しています。建設現場の特定の業務課題を解決するSaaS企業にとどまらず、現場のあらゆる課題を網羅的に解決する現場インフラ企業へと進化していくことを、中期的な基本的な経営方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


スパイダープラスグループは、Mission及びVisionを達成するために必要な行動指針等をValueとして定め、その浸透による文化形成を推進しています。同社グループのIdentityである「& Co.(共に)」の考え方を取り入れ、「顧客」「社会」「社員」の3つを重要課題(マテリアリティ)として注力しています。

また、同社は「人材マネジメントポリシー」を策定し、顧客や組織に貢献する従業員が正当に称賛される仕組みの構築に取り組んでいます。組織構築においては、経営戦略や事業環境の変化に柔軟に対応できる機動性や適材適所での人材配置に努めています。

AI等のテクノロジーを積極的に活用し、従業員一人ひとりの生産性を最大化する環境づくりを進めています。さらに、従業員が「自分の居場所がある」「安心して働ける」と感じられるよう、様々なライフイベントに対応できる制度構築やハラスメント防止策の実施にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


スパイダープラスグループが対処すべき課題として、優秀な人材の確保と育成を挙げています。成長性と収益性を両立するフェーズにおいて、事業拡大と建設業界の課題解決を実現するため、優秀な人材の継続的な雇用と定着が重要であると認識しています。

人的基盤を強化するため、採用体制の強化、教育・育成、研修制度、人事評価制度の充実等の施策を進めています。また、AI等のテクノロジーを全社員が使いこなすことで、組織全体の生産性を底上げする組織開発に注力しています。

さらに、内部管理体制の強化も重要な課題です。事業規模や成長ステージに合わせたバックオフィス機能の拡充や、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでいます。事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用・監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実も進めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


スパイダープラスは、株主総会、監査役会、内部監査機能を通じて、法令に則った運営を行っています。経営の意思決定と業務執行を明確に区分するため、執行役員制度と執行役員会議を導入しています。役員の指名・報酬の決定には、独立社外取締役が過半数を占める指名報酬諮問委員会を設置し、透明性と公正性を確保しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


スパイダープラスの株主構成を見ると、筆頭株主は創業者の伊藤謙自氏であり、同氏が過半数の株式を保有しています。このことから、創業者が経営に強い影響力を持つ資本構成であることがうかがえます。

株主名 持株比率
伊藤 謙自 52.90%
THE BANK OF NEW YORK 133652 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 5.86%
株式会社CHIYOMARU STUDIO 2.28%
THE BANK OF NEW YORK MELLON 140051 (常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 1.73%
増田 寛雄 1.51%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役社長は伊藤謙自氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
伊藤 謙自 代表取締役社長 1992年4月株式会社昭和コーポレーション入社。1997年9月伊藤工業創業。2000年2月有限会社ケイ・ファクトリー設立(現同社)代表取締役より現職。
鈴木 雅人 取締役副社長コーポレート推進本部長 1997年4月リコーテクノシステムズ株式会社入社。2010年12月同社入社。2017年3月同社取締役。2025年3月同社取締役副社長より現職。
藤原 悠 取締役執行役員CFO 経営管理本部長兼事業企画本部長 2008年12月新日本有限責任監査法人入所。2021年4月同社入社。2022年3月同社取締役。2022年4月同社取締役執行役員より現職。


社外取締役は、吉田淳也氏(KUSABI(Wedge株式会社)代表パートナー)、広木大地氏(株式会社レクター代表取締役)、森竜太郎氏(アノン株式会社代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は監査役の出席のもと、経営上の意思決定と業務執行の監督を行っています。また、指名報酬諮問委員会を設置し、コーポレートガバナンスの充実を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


スパイダープラスの役員報酬は、株主総会で決議された報酬限度額の範囲内で、職責や貢献度などを総合的に勘案して決定されています。報酬の決定方針は指名報酬諮問委員会の答申を踏まえ、取締役会で決定されています。当事業年度における取締役および監査役の報酬は、固定報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 63百万円 15.8百万円
社外取締役 - 18百万円 -
社外監査役 3名 14百万円 4.8百万円


なお、当事業年度における同社の取締役及び監査役の報酬等の種類は、固定報酬のみとなっています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

💬キャリコネで会社の実態を確認する

決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。

ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。

企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。


この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。