※本記事は、株式会社ブロードエンタープライズ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ブロードエンタープライズは、不動産オーナーや管理会社、ハウスメーカーに対し、戸建て・集合住宅の付加価値向上と入居率向上を目的とした設備・サービスを提供しています。独自のファイナンススキーム「BRO-ZERO」により、初期導入費用ゼロ円で不動産オーナーの経済的負担を軽減することが強みです。
単体従業員数は127名です。同社はインターネットサービス事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ブロードエンタープライズは、不動産オーナーや管理会社、ハウスメーカー向けに、物件の付加価値向上と入居率向上に貢献する設備・サービスを直接提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ブロードエンタープライズはインターネットサービス事業を展開しており、従業員の平均年齢が若く、活気ある組織であることがうかがえます。働きがいのある職場環境の構築や、従業員の心身の健康を重視する健康経営に力を入れていることが特徴です。
子育て支援や多様な働き方を推進する具体的な取り組みも行われており、従業員が安心して長く働ける環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は若手社員が多く活躍しており、平均年齢が比較的若い傾向にあります。平均勤続年数も短めであり、活発な組織であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,465,839円 |
| 平均勤続年数 | 4.0年 |
| 平均年齢 | 29.7歳 |
| 単体従業員数 | 127人 |
| 連結従業員数 | - |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出制度を採用しています。これは、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用する制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ブロードエンタープライズは、CS(顧客満足)、ES(社員満足)、SC(社会貢献)を経営理念に掲げ、利益追求だけでなく、優しさと思いやりを持ってステークホルダーへの貢献を目指しています。多様な人材が働き甲斐を持って活躍できるよう、人材の育成と確保を中長期的な企業価値向上に資すると考えています。
具体的には、研修によるコンプライアンスや企業方針の浸透、100歳雇用、定期昇給、医療費負担、育休明けの対応など、従業員が安心して長期で働ける環境構築に注力しています。また、内部通報窓口制度、会議、カウンセリングを通じて一人ひとりが意見を言える場を構築し、次世代リーダーの育成も推進しています。
健康経営にも積極的に取り組み、8年連続で「健康経営優良法人」に認定されており、福利厚生の充実や傷病・妊娠時の柔軟な就業対応、健康診断項目の追加、脳ドック・大腸検査・帯状疱疹検査代の全額負担など、心身の健康をサポートする施策を展開しています。子育て支援として、子供手当、アニバーサリー休暇、バースデーギフト、出産お祝い金、出産日の慶弔休暇なども提供し、仕事と子育ての両立を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表対象外のため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 18.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | - |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 0歳~15歳以下の子どもがいる社員に対して有給休暇取得率(子どもがいる社員の育児の為の有給休暇消化率) | 83.4% |
| 子どもを育てる社員の為の、始業・終業時刻の繰上げ又は繰下げ(希望があり次第実施) | 3名実施 |
| 短時間正社員等の多様な正社員制度の導入・定着 | 4名実施 |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年次有給休暇取得率(総務部) | 103.8% |
| 年次有給休暇取得率(全社) | 80.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ブロードエンタープライズは、不動産オーナーや不動産管理会社、ハウスメーカーに対し、戸建てや集合住宅の付加価値を高め、入居率を向上させる設備・サービスを提供しています。特に、初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を強みとして、不動産オーナーの経済的負担を軽減しながらサービスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、不動産オーナー、不動産管理会社、ハウスメーカー等が建築・管理する戸建て・集合住宅を対象に、物件の付加価値を高め、入居率を向上させる設備・サービスを提供しています。独自のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を活用し、初期導入費用ゼロ円でサービスを提供することで、不動産オーナーの経済的負担を軽減しています。
主なサービスとして、マンションの全居室にインターネット環境を一斉導入する「B-CUBIC」があります。入居者は無料でインターネットを利用でき、同社はコールセンター運営によるアフターフォローも提供しています。また、「B-CUBIC」を軸に、顔認証付きIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」やスマートカメラ、スマートホームといったIoT商材も組み合わせて提供しています。
「BRO-LOCK」は、マンションのエントランスをオートロック化する顔認証付きIoTインターフォンシステムです。インターネット回線を利用するため配線工事が不要で、「B-CUBIC」の回線と共用することでコスト負担を軽減します。入居者はスマートフォンアプリで外出先から来訪者と応答できるほか、不動産管理会社の業務効率化ツールとしても活用されています。
空室に悩む不動産オーナー向けには、1戸単位で空室対策を行う内装リノベーションサービス「BRO-ROOM」を提供しています。同社独自のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を最大限に活用し、初期投資を同社が立て替えることで、不動産オーナーは毎月のお支払いのみでリスクを抑えた空室対策が可能です。
さらに、賃貸・分譲・ビル・戸建て等の不動産修繕に関わる建築工事を初期導入費用ゼロ円で実現する「BRO-WALL」も展開しています。老朽化した建物を修繕し、魅力的な物件へとバリューアップを支援しています。同社はインターネットサービス事業の単一セグメントであり、これらのサービス提供を通じて収益を得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の売上高は前事業年度から大幅に増加し、過去最高値を更新しました。営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ増加傾向を示しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ブロードエンタープライズは、事業拡大局面において積極的な投資を行っています。そのため、資金調達を伴う成長投資フェーズにあることが財務状況から読み取れます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ブロードエンタープライズの財務基盤を見ると、純資産は増加傾向にあります。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して低い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金は、事業運営に必要な水準を確保していると説明されています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 12.1億円 | 16.3億円 |
| 自己資本比率 | 15.2% | 15.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 28.7% | 25.6% |
| 現金及び預金 | 10.0億円 | 9.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ブロードエンタープライズのキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローが支出となっています。これは主に売上債権の増加額や前受金の減少額によるものです。
投資活動によるキャッシュフローも支出となっており、有形固定資産の取得による支出などが見られます。フリーキャッシュフローはマイナスであり、事業活動と投資活動で資金が流出している状況です。
この資金流出は、主に短期借入金の純増加額や長期借入れによる収入といった財務活動によるキャッシュフローの収入によって賄われています。同社は事業拡大局面において通信設備投資が増加傾向にあると説明しており、借入金による資金調達で成長投資を支えている状況です。このような資金の流れは、事業拡大に向けた積極的な投資が行われていることを示していますが、本業での資金創出力の強化が今後の安定性につながると考えられます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △11.0億円 | △25.2億円 |
| 投資CF | △0.3億円 | △1.3億円 |
| 財務CF | 10.5億円 | 25.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △11.2億円 | △26.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ブロードエンタープライズは、収益の多くをインターネットサービス事業から得ており、特定事業への依存に関するリスクを認識しています。主力事業である「B-CUBIC」を取り巻く事業環境の変化や、新規事業の成長が想定通りに進まない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネットサービス事業が参入する市場には多数の競合他社が存在しており、競争激化による収益力低下のリスクも挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
ブロードエンタープライズは、優秀な人材の採用と育成、および社員が働きやすい職場環境づくりによる人員の定着を推進しています。しかし、採用計画や人材育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材が想定を超えて流出した場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ブロードエンタープライズは、顧客満足、社員満足、社会貢献を経営理念に掲げ、不動産領域の社会課題解決を通じて持続的な成長を目指しています。優しさと思いやりを大切にし、ステークホルダーへの貢献を重視する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は、「CS=Customer Satisfaction(顧客満足)」「ES=Employee Satisfaction(社員満足)」「SC=Social Contribution(社会貢献)」を経営理念として掲げています。お客様の笑顔と社員の笑顔を追求し、優しさと思いやりを持って地域・社会に貢献することを目指しています。
不動産領域における社会課題に対する解決策を提供し、社会に貢献する事業を通じて、継続的な発展と企業価値の向上を実現していくことをビジョンとしています。利益のみを追求するのではなく、優しさと思いやりを持ち、地域・社会、そして関わるすべてのステークホルダーへの貢献が持続的な成長に繋がると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、経営理念であるCS(顧客満足)、ES(社員満足)、SC(社会貢献)を軸に、優しさと思いやりを持って事業活動を行うことを重視しています。サステナビリティを重要な経営課題と捉え、リスクの減少だけでなく収益機会にもつながると認識しています。
取締役会において、これらの課題に積極的かつ能動的に取り組み、迅速で有効な意思決定と業務執行、リスク及び機会の監視、適切な組織運営に努める企業風土です。優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)として、「DXによる社会・産業の構築」「社会や情勢の変化への適応」「ガバナンスの強化」「職場環境改良」「働きがいのある職場」を掲げています。これらの課題に取り組むことで、社会的価値の創造と企業価値向上の両立を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、空き家問題が続く中で既存不動産の価値向上ニーズが高まっていることを経営課題として認識しています。内装・外装のリノベーション・修繕を中核施策とし、不動産オーナーの課題解決に取り組んでいます。
具体的には、「BRO-ROOM」「BRO-WALL」を通じたリノベーション及び大規模修繕・改修案件の拡大に注力しています。また、「B-CUBIC」「BRO-LOCK」によるインフラ整備・IoT連携を組み合わせることで、入居率・賃料改善につながるトータルソリューションを提供しています。
さらに、初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を積極的に活用し、導入障壁を低くすることで戸建・分譲・ビル等の幅広い市場への展開を加速しています。成長段階にあるため、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化、コンプライアンスの徹底、内部統制の強化、人的補充によるコーポレート・ガバナンス機能の充実も重要な課題として取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ブロードエンタープライズは、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重のチェック機能を持つ監査役会設置会社です。独立した外部の視点を取り入れ、経営の透明性と公正性を確保する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ブロードエンタープライズの株主構成を見ると、代表取締役社長である中西良祐氏が筆頭株主であり、同氏の資産管理会社と合わせて支配株主に該当します。このため、同氏が経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 中西 良祐 (注)2 | 71.31% |
| 吉岡 裕之 | 1.40% |
| 楽天証券(共有口) | 0.83% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性12名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.7%です。代表取締役社長は中西良祐氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 中西 良祐 | 代表取締役社長 | 2000年12月同社設立、代表取締役社長に就任。2024年1月アドバイザーナビ社外取締役に就任し現職。 |
| 中西 美津代 | 取締役副社長 | 1994年4月三宝工業入社。2012年7月同社入社後、2019年1月同社取締役副社長に就任し現職。 |
| 上田 大介 | 専務取締役 | 2000年4月山陽地学入社。2000年12月同社入社後、2024年3月同社専務取締役に就任し現職。 |
| 金子 俊二 | 常務取締役 | 1995年4月EB international japan入社。2006年10月同社入社後、2024年3月同社常務取締役に就任し現職。 |
| 山口 哲央 | 常務取締役 | 2001年4月大成社入社。2006年12月同社入社後、2024年3月同社常務取締役に就任し現職。 |
| 畑江 一生 | 常務取締役 経営企画室長 | 2001年6月アチーブメント入社。2003年12月同社入社後、2024年3月同社常務取締役 経営企画室長に就任し現職。 |
| 山本 和生 | 取締役 提携推進室長 | 2000年4月山陽地学入社。2000年12月同社入社後、2024年3月同社取締役 提携推進室長に就任し現職。 |
| 渡邊 宗義 | 取締役 経理部長 | 2007年12月有限責任あずさ監査法人入所。2020年12月同社入社後、2024年3月同社取締役 経理部長に就任し現職。 |
社外取締役は、井上北斗氏(coromo代表取締役)、木村俊雄氏(元伊藤忠丸紅テクノスチール代表取締役会長)です。
ブロードエンタープライズは監査役会設置会社であり、取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重のチェック機能を有しています。社外取締役と社外監査役が独立した外部の視点から経営陣の業務執行を監督し、経営の透明性と公正性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ブロードエンタープライズの役員報酬は、役位や職責に基づく基本報酬と、成果や業績に基づく業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は最終利益をベースに算定され、管理部門管掌取締役と社外取締役には付与されない方針です。監査役の報酬は、株主総会で承認された総額の範囲内で監査役会が決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 8名 | 1.6億円 | 19.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 3.6百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
同社の役員報酬総額は1億7,083万円であり、対象となる役員の合計は13名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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