【平均年収599万円】網屋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収599万円】網屋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

網屋は、サイバーセキュリティ製品やサービスを開発・製造・販売するセキュリティの総合プロバイダです。データとネットワークの安全を自動化する事業を展開しています。直近期はサイバー攻撃対策需要を背景に、大幅な増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社網屋 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


網屋は、サイバーセキュリティ製品やサービスを自社開発・製造・販売するセキュリティの総合プロバイダです。同社グループは「セキュリティの自動化」をビジョンに掲げ、データとネットワークの安全を自動化する二つの事業領域を展開しています。

単体従業員数は183名、連結従業員数は252名です。セグメントはデータセキュリティ事業、ネットワークセキュリティ事業の2つです。

主な国内グループ会社は、グローブテック・ジャパン、ASネットワークセキュリティ(IT技術者派遣)などです。

同社グループは、2025年6月30日に株式会社ASネットワークセキュリティの株式を取得し、連結子会社化しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


網屋は、セキュリティ製品やサービスを提供する企業として、従業員の成長を重視する環境が特徴です。若手社員が多く活躍しており、個人の成長が事業の発展に直結するという考えのもと、多様な人材育成プログラムが提供されています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、平均勤続年数もそれに伴い短めの傾向が見られます。これは、ITセキュリティ分野における活発な人材流動性や、新しい人材の積極的な採用を反映していると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,989,000円
平均勤続年数 5.2年
平均年齢 34.0歳
単体従業員数 183人
連結従業員数 252人
単体のグループ内比率 72.6%


同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型制度である退職一時金制度および確定拠出年金制度(前払退職金制度との選択制)を採用しています。一部の連結子会社では確定給付制度のみを採用しており、同社とは退職給付制度の内容が異なっています。

退職一時金制度では、退職給付として、従業員の役職および等級ならびに勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「高水準のセキュリティを、すべての人が得られる社会に」というビジョンを実現するために、人材を最も重要な資本と位置付けています。従業員やステークホルダーの個々の成長が、製品やサービスの成長、ひいてはミッション達成に繋がるという考え方です。

社会に対しては、セキュリティ技術や人材の成長を促すため、産学連携による人材育成やインターンシップ制度を実施しています。国立大学法人北海道大学や長崎県立大学などと研究開発を行い、学生が実践的なテーマに参画する機会を提供しています。

また、従業員に対しては、各ステージに対応した人的資本価値向上のための人材育成制度を設けています。具体的には、IT経験が少ない人材向けの「実践的ITセキュリティトレーニングの社内展開」や、新卒研修で実施している講座を社内公開する「新卒研修制度の公開によるリスキリング」があります。

さらに、オンラインでの学習環境を全社員に提供し、テレワーク等の自由な働き方においても自己学習やリスキリングを推進しています。執行役員をリーダーとした「自主ゼミ」も開催されており、技術的な勉強や資格取得を支援し、従業員同士が切磋琢磨できる環境を整えています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。当該年度中に配偶者が出産した男性労働者は、全員が育児休業を取得しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.1%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 80.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 119.9%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ (株)グローブテック・ジャパン

指標 数値
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 81.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 81.7%


▼ (株)ASネットワークセキュリティ

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 66.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 92.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 92.1%

グループ全体(連結)

指標 数値
従業員女性比率 30.0%
女性のマネージャー比率 15.4%
女性の役員比率 21.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


網屋は、サイバーセキュリティ製品やサービスを自社で開発し、製造・販売するセキュリティの総合プロバイダです。中堅・中小企業を含む幅広い顧客に対し、「セキュリティの自動化」によって高水準のセキュリティを提供することを目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、サイバーセキュリティとネットワークの両視点から対応できるサイバー集団として、企画から開発、販売までをワンストップで提供しています。企業が直面する多様なセキュリティ課題に対し、その解決策を供給する「セキュリティの総合プロバイダ事業者」を目指しています。

同社グループの事業セグメントは、データの安全を自動化する「データセキュリティ事業」と、ネットワークの安全を自動化する「ネットワークセキュリティ事業」の大きく二つの領域で構成されています。

データセキュリティ事業

この事業では、自社開発のセキュリティ製品「ALogシリーズ」を提供しています。ITシステムの操作や稼働履歴を「ログ」として集め、内部不正防止やサイバー攻撃の自動検知に活用するものです。収益は、製品の販売、サイバー攻撃対策を代行する「セキュサポ」などのサービス提供、およびセキュリティ教育事業から得ています。

ネットワークセキュリティ事業

この事業では、企業内LAN/WANで構成されるICTインフラ環境をクラウドから運用代行するSaaSサービス「Network All Cloud」を提供しています。また、お客様の個別のニーズに合わせたオーダーメイドの企業LAN/WANネットワークを設計・構築するインテグレーション事業も展開しています。収益は、ネットワーク機器の販売やレンタル、およびサブスクリプション型のクラウドサービスから得ています。

同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が中心です。また、特定の主要な顧客への収益集中は見られません。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
ネットワークセキュリティ事業 28.5億円 34.6億円
データセキュリティ事業 19.2億円 24.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、過去3期にわたり順調に増加傾向を示しています。特に当期は、サイバー攻撃の巧妙化を背景としたランサムウェア対策製品やサービスへの需要が堅調に推移し、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも前期から大幅に増加しました。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 - - 35.6億円 47.7億円 59.4億円
経常利益 - - 4.3億円 5.4億円 10.5億円
経常利益率 - - 12.0% 11.4% 17.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 - - 3.3億円 3.8億円 7.5億円
1株当たり当期純利益(円) - - 40.17 46.69 90.84

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、当期に前期から減少しました。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から増加しています。これは、事業拡大に伴う従業員数の増加と、利益率の改善が同時に進んだことを示しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 24.3百万円 23.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.7百万円 4.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


網屋グループは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行いながら、健全な経営状態を保っていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)の両面で安定性を示しています。手元資金も潤沢であり、事業運営に必要な資金を確保している状況です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 21.3億円 28.3億円
自己資本比率 39.4% 40.8%
ROE(自己資本利益率) 19.6% 30.3%
現金及び預金 35.8億円 45.6億円


同社グループの自己資本比率は当期で40.8%となっており、非製造業のプライム市場平均である24.2%と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)も当期で30.3%と、プライム市場平均の9.4%を大きく上回る水準です。

現金及び預金は当期で45.6億円と、前期の35.8億円から増加しています。これらの数値は、同社グループが安定した財務基盤を構築しており、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる要素であると言えます。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローがプラスであり、投資活動によるキャッシュフローを上回るフリーキャッシュフローを確保しています。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは13.0億円の収入となり、前期と比較して増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上、売上債権、前渡金、契約負債の増加によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは△86百万円の支出となり、前期と比較して支出が減少しています。これは主に有形固定資産の取得、無形固定資産の取得、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったためです。

財務活動によるキャッシュフローは△2.3億円の支出となり、前期と比較して減少しました。これは自己株式の処分による収入があった一方で、長期借入金の返済や自己株式の取得による支出があったためです。

これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが本業で安定した資金を創出し、それを将来の成長に向けた投資に充てつつ、財務的な健全性も維持していることを示しています。これにより、入社後の雇用や給与の安定性、そして会社の成長性への期待が持てる状況です。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 11.8億円 13.0億円
投資CF △1.3億円 △86百万円
財務CF 6.2億円 △2.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 10.5億円 12.2億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

サイバーセキュリティ市場は成長業界である一方で、競合他社が多く、通信メガキャリアなどの巨大企業とも競合しています。競争環境の激化により、同社グループの製品やサービスが他社に劣後する可能性があります。

また、同社グループの主力事業領域は技術革新が著しい市場です。研究開発の遅れや想定を上回る速度での技術革新により、既存製品やサービスの陳腐化を招く可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、事業規模の拡大に伴う業務量の増加に対応するため、優秀な人材の確保・育成を重要な経営課題と認識しています。セキュリティシステムの開発者やネットワークを担当するシステムエンジニアについては、人材市場に経験保有者が少ないため、優秀な人材の確保が容易ではない状況です。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


網屋は「高水準のセキュリティを、すべての人が得られる社会に」をビジョンに掲げ、独自の技術力とサービスで社会に貢献することを目指しています。顧客のあらゆるセキュリティ課題を包括的に解決する「総合セキュリティプロバイダ」として、安全・安心な社会の実現に貢献しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


網屋は「顧客が抱えるあらゆるセキュリティへの課題」を包括的に請け負う「総合セキュリティプロバイダ」を目指しています。独自の技術力による「セキュリティの自動化」で社会に貢献することを経営方針としています。

また、「高水準のセキュリティを、すべての人が得られる社会に」をビジョンとし、安全をすべての人が享受できる社会の実現を目指しています。このミッションは、SDGs(持続可能な開発目標)の理念である「地球上の誰一人として取り残さない」世界の実現に呼応するものと考えています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、ビジョンである「高水準のセキュリティを、すべての人が得られる社会に」を実現するために、人材を最も重要な資本と位置付けています。従業員やステークホルダー個々の成長が、個別の製品やサービスの成長、ひいてはミッション達成に繋がるという考え方を大切にしています。

ガバナンスにおいては、取締役及び執行役員で構成される経営会議等で、サステナビリティやESGに関する様々なリスクと機会を一元的に俯瞰し、監視・管理に努める体制を構築しています。重要事項は取締役会に報告又は取締役会で議論を行う体制となっています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、事業規模の拡大に伴い、優秀な人材の確保と育成を重要な経営課題としています。学生インターンや大学との共同研究を通じてIT技術者を採用する方針です。また、サイバーセキュリティ対策知識やAIスキル、プログラム開発教育の受講を促進し、従業員のモチベーション向上を図っています。

さらに、日々進化する技術や製品展開のための研究開発活動、継続的な発展のための内部管理体制の強化、情報管理体制の更なる強化も重要なテーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


網屋は、経営の透明性向上と監督機能の強化を重視し、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は、業務執行の決定と監督を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


網屋の筆頭株主はチャクルであり、発行済株式の総数に対する所有株式数の割合は27.40%です。代表取締役社長である石田晃太氏も上位株主の一人として名を連ねています。その他、日本カストディ銀行(信託口)や日本マスタートラスト信託銀行(信託口)といった信託銀行も主要な株主となっています。

株主名 持株比率
チャクル 27.40%
石田 晃太 13.10%
日本カストディ銀行(信託口) 5.70%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 4.30%
グローバルセキュリティエキスパート 4.10%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長は石田晃太氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
石田 晃太 代表取締役社長 2002年3月 同社入社 WCM事業部マネジャー、2008年6月 同社 取締役SAプロダクト事業部長、2020年3月 同社 代表取締役社長より現職。
佐久間 貴 取締役セキュリティプロダクト事業部長 1999年4月 ㈱コスメディア入社、2014年10月 同社 取締役ITソリューション本部長、2019年4月 同社 入社 監査プロダクト営業部長、2021年3月 同社 取締役データセキュリティ事業部長、2025年1月 同社 取締役セキュリティプロダクト事業部長より現職。
寺園 雄記 取締役セキュリティサービス事業部長 2001年11月 同社入社、2008年4月 同社 サービス事業部S情報基盤部長、2021年3月 同社 取締役ネットワークセキュリティ事業部長、2025年1月 同社 取締役セキュリティサービス事業部長より現職。


社外取締役は、森雅司氏(森公認会計士事務所 代表・監査等委員)、権浩子氏(子どもの食卓 代表取締役・監査等委員)、森詩絵里氏(インテグラル法律事務所パートナー弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能と業務執行の適正性を確保しています。独立した立場の社外取締役が監査等委員会を構成し、経営の健全性及び透明性の向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


網屋の役員報酬は、企業価値の持続的向上と株主利益との連動を重視した体系です。基本報酬を固定金銭報酬とし、これに加えて業績連動賞与、業績連動報酬(PSU)、および非金銭報酬(RS)で構成されています。監査等委員である取締役および社外取締役の報酬は、その職務に鑑み基本報酬のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.1億円 26.5百万円
監査等委員(社外除く) 1名 1百万円 1.0百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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