※本記事は、株式会社セイファート の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、美容室経営企業を主要顧客とし、美容業界の発展を支援するサービスを展開しています。美容師の社会的地位向上や美容室経営者の課題解決を経営方針としています。
単体従業員数は122名、連結従業員数は133名です。セグメントはサロンサポート事業の1つです。
セイファートは、美容室経営企業を主要顧客としたサービスを展開しており、「広告求人サービス」、「紹介・派遣サービス」、「教育(その他)サービス」を提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
セイファートは、美容業界に特化したサロンサポート事業を展開しており、その事業特性が働き方にも反映されています。従業員規模は中堅クラスであり、安定した環境で専門性を高めながらキャリアを築くことが期待できるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、従業員が長期的にキャリアを形成しやすい環境にあることがうかがえます。人材の定着を重視し、働きやすい職場づくりに取り組んでいる傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,079,000円 |
| 平均勤続年数 | 10年10ヶ月 |
| 平均年齢 | 38.3歳 |
| 単体従業員数 | 122人 |
| 連結従業員数 | 133人 |
| 単体のグループ内比率 | 91.7% |
同社は確定給付型の退職一時金制度を設けています。これは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度です。
ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、サステナビリティ基本方針の実現に向けて、企業文化に合った人材の採用と育成を重視しています。年齢や性別に関係なく、多様な人材が活躍し成長できる環境や仕組みの整備を進めています。
これにより、従業員が意欲を持って働ける活力ある組織の構築を目指しています。また、健康経営の取り組みとして「健康経営優良法人」の認証を継続しており、従業員の健康増進にも力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男女賃金差異は、職群及び等級ごとの人数分布に差があるため生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 67.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 66.3% |
指標及び目標
指標及び目標は、連結グループ内での算出が困難なため、提出会社単体での数値が記載されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 25.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
セイファートは、美容室経営企業を主要顧客とし、美容業界に特化した多様なサービスを提供する同社グループです。美容師の社会的地位向上や美容室経営者の課題解決を支援することを経営方針としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は「サロンサポート事業」の単一セグメントで構成されています。この事業は、主に「広告求人サービス」、「紹介・派遣サービス」、「教育(その他)サービス」の3つの柱で成り立っています。
広告求人サービスでは、美容師に特化した求人情報サイト「re-quest/QJ navi」や美容学生向けの「re-quest/QJ navi 新卒」、合同会社説明会「re-quest/QJ 就職フェア」などを展開しています。これらのサービスは、美容室経営企業からの求人広告掲載料や出展料金を主な収益源としています。また、美容室をメディアとしたプロモーションサービス「beauqet」やタブレットレンタルサービスも提供しており、プロモーション料やレンタル料、広告掲載料を得ています。直近では、新卒採用関連商品は堅調に推移したものの、中途採用向けサービスやプロモーション関連サービスは売上高が減少傾向にあります。
紹介・派遣サービスでは、美容師に特化した人材紹介「re-quest/QJ agent」や人材派遣「re-quest/QJ casting」、ヘアメイク手配「re-quest/QJ ヘアメイク」を提供しています。収益は、美容室経営企業からの紹介手数料や派遣料金、企業からのヘアメイク手配依頼料が中心です。直近では、人材紹介やヘアメイク手配は好調に推移しましたが、人材派遣サービスは売上高が減少傾向にあります。
教育(その他)サービスでは、英国教育機関「City & Guilds」から認証された美容に係る教育プログラム「資格証明」や「海外研修」を提供しています。これらの収益は、導入美容学校からのプログラム認定関連費用や研修費用が主なものです。また、米国カリフォルニア州で美容室「PIA HAIR SALON」を2店舗運営しており、一般顧客からの美容施術料金等も収益源となっています。このサービスは、直近で売上高が増加傾向にあります。
同社グループの売上高は日本国内が大部分を占めていますが、米国や英国からの売上高も存在します。特定の外部顧客への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は直近の2025年12月期に減少に転じています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、直近の2025年12月期には損失を計上する結果となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローも減少しており、本業によるキャッシュ創出力が低下している状況が示されています。これは、広告求人サービスにおける売上高の低調な推移や、紹介・派遣サービスにおける派遣美容師の人件費上昇などが影響していると説明されています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 22.8億円 | 22.4億円 | 21.7億円 | 21.3億円 | 19.3億円 |
| 経常利益 | 2.5億円 | 2.2億円 | 1.7億円 | 28百万円 | △1.1億円 |
| 経常利益率 | 11.1% | 9.8% | 8.1% | 1.3% | △5.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.5億円 | 1.5億円 | 1.2億円 | 21百万円 | △1.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 161.23 | 116.64 | 93.27 | 15.79 | △136.68 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの稼ぐ力を見ると、従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期の利益から当期は損失に転じています。
これらの指標の減少は、同社グループ全体の生産性や収益体質に変化が生じていることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.4百万円 | 14.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.2百万円 | △0.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
当期は営業活動によるキャッシュフロー、フリーキャッシュフローともにマイナスとなっており、資金の流出が見られます。現在の財務状況と資金の流れから、同社グループの経営の安定性について見ていきます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
セイファートの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROEは当期にマイナスとなっており、前期もプライム市場平均を下回っています。手元資金は前期から減少しているものの、一定の現金を保有している状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 10.8億円 | 8.5億円 |
| 自己資本比率 | 62.0% | 57.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.9% | △18.7% |
| 現金及び預金 | 10.7億円 | 9.6億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純損失の計上や契約負債の減少により、18百万円の減少となりました。前連結会計年度は67百万円の増加でした。
投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得による支出があった一方で、有価証券の償還による収入があり、23百万円の減少となりました。前連結会計年度の37百万円の減少から、減少幅は縮小しています。
財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや長期借入金の返済による支出があり、67百万円の減少となりました。前連結会計年度の95百万円の減少から、減少幅は縮小しています。
これらの結果、フリーキャッシュフローは当期に△0.4億円となり、前期の0.3億円からマイナスに転じています。本業での資金創出が減少している中で、投資活動による資金流出も継続しており、資金の使われ方としては注意が必要です。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 0.7億円 | △0.2億円 |
| 投資CF | △0.4億円 | △0.2億円 |
| 財務CF | △1.0億円 | △0.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 0.3億円 | △0.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、就職情報誌「re-quest/QJ」の発行を通じて美容業界でのブランド認知度を高めてきましたが、近年のWeb媒体への移行により、ブランドの認知度及び影響力が低下する可能性があります。また、インターネット求人市場の活発化により競合他社の参入が相次ぎ、競合環境が激化している状況です。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、営業一人ひとりが顧客の声に向き合いサービスを提供することで競合他社との差別化を図っており、営業人員の安定的な確保と育成が不可欠です。十分な人材の確保及び育成ができない場合には、顧客へのアプローチ数減少やサービス品質の低下により、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
セイファートは、美容業界の発展を支援し、新しい価値を創造することを目指す企業です。美容に携わる人々とともに、より良い未来を築くことをミッションとしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「CREDO(クレド)-ミッション」として「美容に携わるひとたちとともに、世の中に新しい価値を創造する」ことを掲げています。このミッションは、美容師の社会的地位向上、美容師への一生を通じたサポート、及び美容室経営者の抱える課題解決を支援することを目的としています。美容を通して世の中を変え、よりよい未来創造のための原動力となることを目指し、美容業界の発展のために事業運営を行っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、サステナビリティ基本方針として「美容に携わるひとたちとともに、事業を通じて美容の可能性を切り拓き、新しい価値を創造することで、持続可能な社会の実現に積極的に取組み、全てのステークホルダーから信頼され必要とされる企業を目指すこと」を掲げています。この方針を実現するため、企業文化に合った人材の採用と育成を重視しています。年齢や性別に関係なく多様な人材が活躍・成長できる環境や仕組みの整備、そして意欲を持って活躍する活力ある組織の構築を図ることで、人材育成と社内環境の推進を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、これからの業界に起こる市場変化及び環境変化に常に適応することを課題としています。美容室経営者の経営課題の解決と美容師・美容学生の夢を叶える商品開発を継続し、「美容に携わるひとたちとともに、世の中に新しい価値を創造する」というミッションの実現に取り組んでいます。サステナビリティ関連のリスク管理においては、同社グループを取り巻く様々なリスクを洗い出し、発生頻度と影響度を考慮して対策を講じています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は業務執行の決定と相互監督を担い、社外取締役も含まれています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主はビューティープロスペリティーです。この会社は代表取締役社長が議決権の半数を保有しており、経営に深く関わる株主が上位を占めていることが特徴です。上位株主には事業会社も名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ビューティープロスペリティー | 23.31% |
| アーム | 14.59% |
| ビューティガレージ | 9.16% |
| 長谷川 美栄 | 3.40% |
| 中川 義一 | 2.77% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は長谷川高志氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長谷川 高志 | 代表取締役社長 | 1987年株式会社東京カレン入社後、1991年より同社代表取締役社長に就任。ビューティープロスペリティー代表取締役社長も務め、2017年より同社代表取締役社長を務めています。 |
| 藤本 宏志 | 専務取締役 経営管理本部管掌 | 1983年日本加工製紙株式会社入社。株式会社ワールド計画管理部長、株式会社ウィズ常務取締役、MARK STYLER株式会社管理本部本部長などを経て、2014年同社入社。2024年より同社専務取締役を務めています。 |
| 鹿島 修司 | 取締役 事業企画本部 本部長 兼 総務人事部管掌 | 2001年株式会社カメガヤ入社。2003年同社入社後、営業部マネージャー、執行役員事業企画本部本部長などを歴任。2019年より同社取締役に就任し、2025年より事業企画本部本部長兼総務人事部管掌を務めています。 |
| 村瀬 慶祐 | 取締役 営業本部管掌 | 2002年同社入社後、営業部マネージャー、執行役員営業本部本部長などを歴任。2019年より同社取締役に就任し、2024年より営業本部管掌を務めています。 |
社外取締役は、柳堀泰志氏(柳堀公認会計士事務所所長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の決定と相互監督、および監査役会による監査を通じて経営監視機能を確保しています。社外取締役1名と社外監査役2名が選任されており、客観的・中立的な視点から経営の助言・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、職務や業務執行の対価として、会社業績や職責、従業員給与水準などを総合的に勘案して決定されています。取締役の報酬は固定報酬を基本としており、業績連動報酬は採用していません。これは、取締役が中長期的に能力を発揮できるよう安定した報酬が必要との判断に基づいています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 45百万円 | 11.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 2.9百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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