※本記事は、AnyMind Group株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
AnyMind Groupは純粋持株会社であり、単体従業員数は0名、グループ連結従業員数は2,160名です。
同社グループは、「Make Every Business Borderless」というミッションのもと、ブランド企業へのソーシャルコマースやソーシャルメディアマーケティング支援を中核に、EC・D2C支援、物流・生産管理を含むバリューチェーン全体を支援するプラットフォームを提供しています。アジア・中東を中心に世界15ヵ国・地域で事業を展開し、30社の連結子会社を通じて、法人ブランド支援とパートナーグロースの2つの領域でサービスを展開しています。
主な国内グループ会社は、AnyMind Japan、フォーエム(パートナーグロース事業)、AnyUp(マーケティング事業)、LYFT(D2C/EC事業)、ENGAWAなどです。
2025年には、法人ブランド支援事業領域においてAnyReach、Vibula、NADESHIKO Beautyの3社がグループに参画し、M&Aによるシナジー創出と成長基盤の強化を図っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、テクノロジーを活用してビジネスの国境をなくすことをミッションとし、アジアを中心に15ヵ国・市場で事業を展開しています。事業の拡大に伴い、従業員数も着実に増加傾向にあります。グローバルな環境で多様な人材が活躍できるような働き方を重視していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社グループは、アジアを中心としたグローバルな事業展開を進めており、従業員数も着実に増加しています。純粋持株会社である同社には従業員が存在しないため、平均年間給与や勤続年数、平均年齢といった単体のデータは開示されていません。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 連結従業員数 | 2,160人 |
退職給付制度
同社グループは確定給付型の退職給付制度を設けています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「Make Every Business Borderless」をミッションに掲げ、テクノロジーの力で国境や産業の制約を超えたビジネスインフラの実現を目指しています。このミッション達成のため、人材を重要な経営資源と位置づけ、持続可能な開発目標(SDGs)への貢献も視野に入れています。
アジアをはじめとする15ヵ国・市場で事業を展開しており、各地域に総勢2,100名を超える従業員を擁しています。全拠点において採用、育成、評価、キャリア形成までの取り組みを平準化し、優秀な人材の積極採用と育成、成長機会の提供に注力しています。
経営陣および役員は11ヵ国以上の国籍のメンバーで構成されており、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ AnyMind Japan株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 86.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 87.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 135.5% |
グループ全体(連結)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職の女性比率 | 37%以上 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
AnyMind Groupは「Make Every Business Borderless」というミッションのもと、ブランド企業やクリエイターのビジネスを支援するプラットフォームを提供しています。EC及びD2C支援、物流・生産管理等を含むバリューチェーン全体を一気通貫で支援する事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループはアジア・中東を中心に世界15ヵ国・地域で事業を展開しており、2025年度の地域別売上収益比率では東南アジアが49.3%と最も大きく、日本及び韓国が40.7%、インド・中華圏等のその他地域が10.0%となっています。同社グループはインターネット関連事業の単一セグメントで事業を行っています。
事業は大きく「ブランドコマース(法人ブランド支援)領域」と「パートナーグロース領域」の二つに分かれています。ブランドコマース領域では、インフルエンサーマーケティングやデジタルマーケティングを支援するマーケティングプラットフォーム「AnyTag」「AnyDigital」を提供しており、2025年度の全社売上収益の43.3%を占めています。また、ECサイト構築・運営、物流管理などを支援するD2C/ECプラットフォーム「AnyX」「AnyChat」「AnyLogi」「AnyLive」等も提供しており、全社売上収益の29.0%を占めています。
パートナーグロース領域では、インターネットメディア運営事業者向けのパブリッシャーグロースプラットフォーム「AnyManager」や、YouTuber・TikToker等のクリエイター向けのクリエイターグロースプラットフォーム「AnyCreator」を提供しています。この領域は2025年度の全社売上収益の27.4%を占めており、広告収益やタイアップ案件による収益が主な収益源となっています。
主要な顧客としては、Google Ireland LimitedとShopeeからの売上収益が大きな割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上収益は、過去5期間にわたり継続的に成長する傾向にあります。当連結会計年度の売上収益は前期から増加しました。
一方で、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、当連結会計年度において前期から減少しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 193億円 | 248億円 | 335億円 | 507億円 | 573億円 |
| 税引前利益 | △5.4億円 | 3.3億円 | 6.3億円 | 25.4億円 | 14.1億円 |
| 税引前利益率 | △2.8% | 1.3% | 1.9% | 5.0% | 2.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | △8.1億円 | 2.4億円 | 5.6億円 | 23.4億円 | 9.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △20.08 | 4.46 | 9.73 | 39.52 | 15.45 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は、当期において前期から増加しています。これは、従業員数の増加を上回る売上収益の成長があったことを示しています。
一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、当期において前期から減少しています。これは、売上収益の増加に対して営業利益の伸びが鈍化したことを示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 26.1百万円 | 26.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.3百万円 | 0.8百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
AnyMind Groupの財務状況は、成長投資を積極的に進める中で変化しています。手元資金や自己資本の状況、そして資金の流れから、同社グループの現在の財務的な位置づけを把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
AnyMind Groupの財務基盤を見ると、自己資本は増加傾向にあり、手元資金は減少しています。自己資本比率は前期から低下しており、プライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から低下しており、プライム市場平均を下回っています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 166億円 | 169億円 |
| 自己資本比率 | 48.6% | 37.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.5% | 5.5% |
| 現金及び現金同等物 | 96.6億円 | 86.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
AnyMind Groupの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは2.7億円の収入となりました。これは、税引前利益14.1億円の計上や減価償却費及び償却費20.8億円があった一方で、運転資金の増加に伴う支出や法人所得税の支払額があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△58.7億円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出や子会社株式取得に関連した支出があったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは44.1億円の収入となりました。これは主に、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済による支出やリース負債の返済による支出があったことによるものです。結果として、フリーキャッシュ・フローは△56.0億円の支出となっています。同社グループは本業で資金を生み出しているものの、積極的な投資活動により資金を支出しており、その資金を財務活動で調達している状況を示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 24.0億円 | 2.7億円 |
| 投資CF | △13.4億円 | △58.7億円 |
| 財務CF | 21.3億円 | 44.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.6億円 | △56.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが事業を展開するEC市場、インフルエンサーマーケティング市場、デジタルマーケティング市場では、市場成長の鈍化や市場環境の変化が財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、同社グループは海外で創業され、今後もグローバル展開を積極的に行う方針であり、国際情勢や各国特有の政治経済、売掛金の回収リスク等が事業運営に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは今後の企業規模の拡大に伴い、優秀な人材を継続的に採用し、強固な組織を構築していくことが重要であると考えています。求める人材が十分に確保・育成できなかった場合や人材流出が進んだ場合には、同社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
AnyMind Groupは「Make Every Business Borderless」をミッションに掲げ、テクノロジーの力でビジネスの制約を取り払い、社会に貢献することを目指しています。国境や産業、オンラインやオフラインといった枠組みを超え、誰もが簡単にビジネスを行える世界の実現を追求する会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「Make Every Business Borderless」をミッションとし、国境や産業、オンラインやオフラインなどの制約に捉われず、テクノロジーの力で誰もが簡単にビジネスをできる世界を実現するビジネスインフラとなり、社会に貢献していくことを目指しています。このミッションの実現のため、ブランドコマース(法人ブランド支援)及びパートナーグロース領域における様々なソリューションをグローバルに提供しています。中長期的な成長戦略として、プラットフォーム開発を通じた既存事業の更なる成長、ブランドコマース(法人ブランド支援)領域におけるワンストップソリューションの強化、そして海外展開地域の拡大を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、創業当初よりアジア市場に注力し、ローカライズされたパートナーネットワークを重要な経営資産と位置づけています。データ・オペレーション・営業の「三位一体」体制を構築しており、SNSや購買データを基盤としたデータドリブンなアプローチ、年間1万件を超える案件実績に裏打ちされた強固なオペレーション体制、アジア15ヵ国・500名超のプロフェッショナルによる営業ネットワークを融合させています。また、ローカル市場への深い知見を有する多国籍なマネジメントチームが事業を推進しています。M&Aを通じた成長加速と、確立された買収後の統合戦略も同社グループの強みとなっています。
同社グループは「Make Every Business Borderless」のミッションのもと、データとテクノロジーを活用したイノベーション創出や革新的な価値提供を通じて、社会にサステナブルなインパクトを与えることを重視しています。持続可能な開発目標(SDGs)に賛同し、さまざまな事業を通じてできるだけ多くの目標に貢献することを目指しています。企業価値向上と株主利益最大化のため、コーポレート・ガバナンスの確立を不可欠と認識しており、経営の効率性、健全性、透明性を高める組織体制を構築し、株主への価値還元を最大化することを最重要視しています。
同社グループはアジアをはじめとする15ヵ国・市場で事業を展開し、各地域に総勢2,100名を超える従業員を擁しています。全拠点において採用・育成・評価・キャリア形成までの取り組みを平準化しており、経営陣及び役員は11ヵ国以上の国籍のメンバーで構成されています。多様性と包容性を重視し、各ローカルにおける優秀な人材の積極採用と育成、成長機会の提供を通して、アジアを中心とする社会課題の解決に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、新規サービス・事業の創出及び開発体制の強化を重要な課題としています。ソフトウェアとオペレーションを組み合わせたBPaaSモデルを基盤として、既存サービスの高度化や新規サービス創出、生成AIの活用、M&Aを通じた技術・ノウハウの統合、テクノロジー人材の確保及び育成を推進しています。サービスの認知度及びブランド力の向上も課題であり、顧客基盤の拡大と各国市場における信頼の向上を目指し、TikTok Shop等の主要プラットフォームとのパートナーシップ強化や営業戦略の高度化に取り組んでいます。
多様な人材の確保と組織文化の統一も重点テーマです。各国拠点におけるローカルチームの強化や、多国籍な人材が連携し機動的に事業を推進できる組織体制の構築を進めています。専門領域における人材確保と育成、円滑なコミュニケーションと意思決定プロセスの整備、生成AIを活用した業務変革の定着も重要視しています。コーポレート・ガバナンスの強化も課題であり、各国の法規制への対応、コンプライアンス徹底、リスクマネジメント高度化、情報セキュリティ対策の継続的強化を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
AnyMind Groupは、代表取締役CEO、取締役CFO、社外取締役の3名で構成される取締役会と、3名の監査等委員で構成される監査等委員会を設置しています。同社は2024年3月29日付で監査等委員会設置会社へ移行しました。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
AnyMind Groupの株主構成を見ると、代表取締役CEOである十河宏輔氏が筆頭株主として大きな割合を占めています。創業に関わる個人が上位株主として名を連ねており、経営に対する強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 十河 宏輔 | 37.69% |
| 小堤 音彦 | 9.61% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 8.43% |
| 日本グロースキャピタル投資法人 | 4.89% |
| JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 4.12% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは十河宏輔氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 十河 宏輔 | 代表取締役CEO | 2010年4月株式会社マイクロアド入社、MicroAd Vietnam JSC CEO、MicroAdSEA Pte. Ltd. COOなどを経て、2016年4月同社グループ創業、AdAsia Holdings Limited CEOに就任。2020年3月同社代表取締役CEOより現職。 |
| 大川 敬三 | 取締役CFO | 2006年4月デロイトトーマツコンサルティング合同会社入社、2012年8月三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社入社。2018年2月同社グループ入社、CFO就任。2020年3月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、池内 省五氏(JIC キャピタル代表取締役)、北澤 直氏(Coinbase CEO)、岡 知敬氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化と迅速な意思決定を目指しています。社外取締役は経営戦略や計画の妥当性を検証し、監査等委員である取締役は取締役の職務執行を監査・監督する役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
AnyMind Groupの役員報酬は、株主総会で定められた報酬限度額の範囲内で決定されています。現状は固定報酬としての基本報酬を支払う方針であり、業績連動報酬については今後導入を検討するとしています。監査等委員である取締役の報酬は、経営状況や業務分担を考慮し、監査等委員会の協議によって決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 12百万円 | 6.0百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 13百万円 | 4.3百万円 |
上記のほか、連結子会社において、取締役3名が報酬50百万円の支給を受けております。連結報酬等が1億円以上である役員が存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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