※本記事は、株式会社サイフューズ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
サイフューズは、2010年創業の再生医療ベンチャーです。細胞のみから立体的な組織・臓器を作製する「3D細胞製品」の実用化を通じて、医療の進歩に貢献することを目指しています。再生医療、創薬支援、デバイスの3つの領域で多角的に事業を展開しています。
単体従業員数は23名です。同社は細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントで事業を展開しています。
サイフューズは、細胞製品等の研究開発、製造販売、およびこれらに付随する業務を単一セグメントとして展開しています。再生医療、創薬支援、デバイスの各領域で、独自の基盤技術を用いた3D細胞製品の実用化を目指しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社サイフューズは、革新的な再生医療分野で事業を展開する企業です。少数精鋭の組織体制で、専門性の高い人材が活躍していることがうかがえます。従業員の平均給与水準や勤続年数からは、安定した環境でキャリアを築ける可能性が見えてきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、専門的な知識や経験を持つ従業員が、比較的落ち着いた環境で長期的に貢献している傾向があることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,351,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.8年 |
| 平均年齢 | 42.8歳 |
| 単体従業員数 | 23人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「細胞から希望をつくる」というミッションのもと、高度な専門的技能と経験を持つ多様な人材の確保と育成を成長戦略の要と位置づけています。人的資本の専門化・多様化・グローバル化を推進するため、様々な施策を通じて人材育成と社内環境整備に積極的に取り組んでいます。
具体的には、創業時より福利厚生制度や中長期的インセンティブプランとしてのストック・オプション制度を継続しています。役職員のワークライフバランスとパフォーマンス最大化を目指し、独自の環境整備活動「まほろばプロジェクト」を実施しています。
また、次世代の研究者や技術者を育成するため、学生を対象とした独自の教育活動「Cycamp:サイキャンププロジェクト」にも取り組んでいます。これらの活動により、従業員の離職率は低く推移し、人材の維持確保に繋がっているとされています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
当社の管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異については、現時点において公表義務の対象ではありません。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
サイフューズは、独自の三次元細胞積層技術を核に、再生医療と創薬支援の分野で革新的な3D細胞製品の実用化を目指す企業です。細胞のみから立体的な組織や臓器を作り出す技術を通じて、医療の進歩に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
サイフューズは、細胞製品等の研究開発、製造販売、およびこれらに付随する業務を単一セグメントとして展開しています。事業活動は主に「再生医療領域」「創薬支援領域」「デバイス領域」の三つの領域に多角的にわたります。
再生医療領域では、人工材料を使わずに細胞のみで立体的な組織や臓器を作製する独自の基盤技術を活用し、再生医療等製品の開発を進めています。具体的には、末梢神経再生、骨軟骨再生、血管再生といったパイプラインにおいて、患者自身の細胞を用いる自家細胞製品と、他人の細胞やiPS細胞を用いる同種細胞製品の両方を開発しています。国内外の大学や研究機関、パートナー企業との共同開発を通じて、臨床開発と研究開発に注力し、製品の実用化と社会実装を目指しています。また、アジア地域での技術展開も進めています。
創薬支援領域では、独自のバイオ3Dプリンティング技術により、ヒト細胞のみから成る3D細胞製品「機能性細胞デバイス(FCD®)」の開発に注力しています。「ヒト3Dミニ肝臓®」をはじめ、脂肪性肝炎(MASH)領域の治療薬開発を支援する「ヒト3Dミニ肝臓®/疾患モデル」の販売を開始しました。さらに、ヒトの腸管のバリア機能を再現する「3Dミニ腸管モデル」作製技術も開発し、製薬企業や食品会社等の創薬活動を支援しています。米国での特許権取得により、日本に加え米国市場での展開も本格化しています。
デバイス領域では、バイオ3Dプリンタ「regenova®」「S-PIKE®」「Cystrix®」を中心としたデバイスおよび消耗品の販売を行っています。また、細胞製品の商業生産を見据えた次世代装置の開発にも注力しており、自動化技術の進展や周辺機器の拡充を通じて、基盤技術の付加価値向上と生産性向上を図っています。
同社は、バイオ3Dプリンタの普及によるベース収益の確保とシーズ探索の拡大、研究用組織による早期マネタイズを実現し、中長期的には再生医療等製品の承認取得を目指す事業戦略を掲げています。複数のパートナー企業との連携を強化し、製造販売体制の構築を進めることで、事業価値の最大化を図っています。当事業年度においては、株式会社Arktus Therapeuticsへの販売実績が総販売実績の70.4%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の売上高は、バイオ3Dプリンタや関連消耗品、3D細胞製品の販売、および各種受託が着実に進展した結果、前年同期に比べて大幅な増加となりました。
営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも損失を計上していますが、前年同期と比較して損失幅は大幅に縮小しています。これは、積極的な研究開発投資を継続しつつも、製造プロセスの開発効率向上とコスト効率化により研究開発費を抑制したことによるものです。また、研究開発や技術開発に係る補助金の獲得による営業外収益の増加も、経常損失の縮小に寄与しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは引き続き支出となっていますが、前事業年度に比べて支出額は減少しました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
サイフューズの従業員の状況を見ると、2025年12月31日時点の単体従業員数は23名です。従業員の平均年齢は42.8歳、平均勤続年数は5.8年となっています。平均年間給与は9,351千円です。
(注)従業員1人あたりの収益および利益に関するデータは開示されておりません。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社サイフューズは、再生医療等製品の研究開発を中核とする事業活動を推進しています。現在は成長投資フェーズにあり、将来の収益基盤構築に向けた資金の動きが見られます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社は再生医療等製品の商業化を目指し、研究開発活動に先行投資を行っています。そのため、利益剰余金はマイナスを計上していますが、純資産は増加傾向にあります。手元資金は増加しており、事業活動を支える流動性を確保している状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 25.4億円 | 27.6億円 |
| 自己資本比率 | 72.3% | 64.6% |
| ROE(自己資本利益率) | △34.3% | △27.7% |
| 現金及び現金同等物 | 20.5億円 | 23.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローは、本業の事業活動による資金が支出超過となっています。これは主に税引前当期純損失を計上したことによるものです。投資活動による資金も支出超過となっており、定期預金の預入による支出が主な要因です。一方、財務活動では新株予約権の行使に基づく株式の発行により資金を得ています。これらの資金の動きは、同社が成長投資を継続しつつ、エクイティファイナンスによって資金調達を行っている状況を示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △7.6億円 | △5.3億円 |
| 投資CF | △86百万円 | △4.0億円 |
| 財務CF | △5.2億円 | 12.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △7.7億円 | △9.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は再生医療領域という先端医療分野で事業を展開しており、技術革新の進展により将来的に技術が陳腐化する可能性があります。また、再生・細胞医療等製品の市場は現在形成過程にあり、市場規模が予測を下回る事態となった場合には、事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の事業活動は、高度な専門性を有する経営陣及び事業を推進する各部門のキーパーソンに依存する側面があります。計画通りに人材確保や育成が進まない場合、あるいは主要な役職員が流出した場合には、事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
サイフューズは、「細胞から希望をつくる」というミッションを掲げ、革新的な三次元細胞積層技術の実用化を通じて医療の飛躍的な進歩に貢献することを目指しています。同社は、独自の技術と人材を基盤に、再生・細胞医療分野で社会貢献を果たすことを企業使命としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「細胞から希望をつくる」というミッションと、「細胞のみから成る立体的な組織・臓器を患者さまへお届けする」という経営方針を掲げています。企業理念は「革新的な三次元細胞積層技術の実用化を通じて医療の飛躍的な進歩に貢献する」ことです。
2010年の創業以来、「細胞だけで」立体的な組織・臓器を作製し、再生医療・創薬分野をはじめとする再生・細胞医療分野において社会貢献することを企業使命としています。将来的には、日本発の技術をグローバルに展開し、再生・細胞医療分野での中心的存在になることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「革新的な技術の実用化を通じて医療の飛躍的な進歩に貢献する」という企業理念のもと、多様なステークホルダーとミッション実現へ向け共創することを重視しています。独自の持続可能な企業活動を通じて永続的に社会的価値を循環創出していくことを、サステナビリティに関する基本方針としています。
人的資本経営を成長戦略の要と位置づけ、高度な専門的技能と経験を有する多様な人材の確保・育成、組織体制の強化に注力しています。役職員自らが価値創造へ向けた最適な環境を構築する独自の環境整備活動『まほろばプロジェクト』を実施し、すべての社員がライフステージに合わせた柔軟な働き方で能力を発揮できる体制を構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、さらなる企業成長へ向けた重要なフェーズにおいて、新しい医療や新産業の創出を目指し、複数の領域で事業活動に取り組んでいます。具体的には、組織体制の強化、そして人的資本経営の拡充に重点的に取り組んでいます。
持続的な企業成長と価値創造の源泉を「人」と捉え、独自の技術情報を継承する高度専門人材の確保や、事業化・グローバル展開を牽引する次世代リーダーの育成に注力しています。多様な人材が活躍できる組織文化の醸成を図りながら企業成長を目指す人的資本経営が極めて重要であると考えています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
サイフューズの取締役会は、社外取締役を含む構成で、監査役会制度を採用しています。
経営の意思決定における客観性と健全性の確保を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
サイフューズの株主構成を見ると、機関投資家や個人株主が上位に名を連ねています。
筆頭株主はSBI証券であり、複数の株主が同社の経営を支えている状況です。
代表取締役である秋枝静香氏も主要な株主の一人として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SBI証券 | 5.56% |
| 秋枝 静香 | 5.31% |
| SBI Ventures Two株式会社 | 4.81% |
| 三條 真弘 | 3.99% |
| 小西 正夫 | 3.25% |
なお、SBI証券は2025年9月24日現在で464,100株(4.71%)を所有している旨が変更報告書に記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。
代表取締役は秋枝静香氏が務めています。
社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 秋枝 静香 | 代表取締役 | 2004年4月九州大学大学院医学研究科研究員、2010年10月同社入社、2018年3月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 三條 真弘 | 取締役CFO経営管理部長 | 2000年8月株式会社リソー教育入社、2015年12月同社経営管理部長、2018年3月同社取締役執行役員・CFO経営管理部長より現職。 |
| 岸井 保人 | 取締役事業推進部長 | 2003年4月マイクロンジャパン株式会社入社、2015年4月同社システム開発部マネージャー、2026年3月同社取締役執行役員・事業推進部長より現職。 |
社外取締役は、吉岡康弘氏(元富士フイルム株式会社フェロー R&D統括本部)、鈴木邦彦氏(株式会社メディネット顧問)です。
同社は監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会、コンプライアンス・リスク委員会及び会計監査人を設置しています。
全員が社外監査役で構成される監査役会が独立した立場から取締役の職務執行を監査することで、経営の効率性と健全性を確保する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、社外取締役を除く取締役に対して月額固定報酬のほか、業績連動報酬やストックオプション等の非金銭報酬を支給する体系です。
社外取締役および監査役の報酬は、その役割と独立性の観点から定額報酬のみで構成されています。
持続的な成長へのインセンティブとして機能するよう設計されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.3億円 | 42.4百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 39百万円 | 6.6百万円 |
なお、総額には期中に退任した監査役1名の報酬が含まれます。
個人別報酬が開示されている役員は存在しません。
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