※本記事は、monoAI technology株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
monoAI technologyは、XR事業を単一セグメントとして展開しています。オンラインゲーム開発で培った通信技術とAI技術をコアに、メタバースサービス、XRイベントサービス、XR周辺サービスを提供し、あらゆる産業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。
単体従業員数は126名、連結従業員数は126名です。セグメントはXR事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ロボアプリケーションズ(アプリケーション開発)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
monoAI technologyは、XR事業を単一セ事業として展開する企業です。同社グループは、持続的な成長と企業価値向上を実現するため、「人材」を最も重要な経営資源と位置づけ、多様な働き方を支援する環境整備に注力しています。柔軟な勤務制度や公平な評価制度を通じて、従業員のモチベーション向上とエンゲージメント強化を図る方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、新しい技術分野で活躍する人材が定着し、キャリアを築いている傾向にあることを示しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,804,482円 |
| 平均勤続年数 | 5.0年 |
| 平均年齢 | 34.6歳 |
| 単体従業員数 | 126人 |
| 連結従業員数 | 126人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長と企業価値の向上において「人材」を最も重要な経営資源と捉え、競争力の源泉としています。多様なスキルとバックグラウンドを持つ人材を年齢や性別を問わず採用し、中途採用者を含め優秀な人材を積極的に管理職に登用する方針です。
優秀な人材の採用と定着のため、リモートワークを取り入れた勤務制度を導入し、場所や時間に対する裁量を拡大することで、従業員個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を可能にしています。また、従業員の継続的なモチベーション向上とエンゲージメント強化を図るため、成果に見合った公平・公正な評価制度や成長支援を促す教育研修制度の整備を進めています。AI等を活用した業務改善ツールの導入による生産性向上も推進し、多様化する価値観に対応した働きやすい環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法・育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
人材育成・エンゲージメント
リモートワーク率は単体のみで集計されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| リモートワーク率(2025年12月期) | 88.9% |
| リモートワーク率(2024年12月期) | 82.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
monoAI technologyは、XR(VR、AR、MRの総称)技術とAI技術をコアに、あらゆる産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するXR事業を展開しています。オンラインゲーム開発で培った通信技術とAI技術を基盤とし、仮想空間共有技術プラットフォーム「XR CLOUD」や独自AI基盤「monoAI Agent」を開発・提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、XR事業の単一セグメントで事業を展開しています。この事業は、メタバースサービス、XRイベントサービス、XR周辺サービスの3つのサービスに区分されます。
メタバースサービスでは、仮想空間内で行われるライブや展示会などの需要に対し、顧客ごとのシステム開発やオンラインゲーム開発、イベント運営支援などを行っています。また、「XR CLOUD」をOEM提供することで、顧客独自の仮想空間構築やオンラインゲーム開発を迅速かつ安価に実現しています。収益は、カスタマイズ開発による初期収益に加え、プラットフォーム利用におけるライセンス料や運営費などによる中長期的な収益モデルとなっています。
XRイベントサービスは、「XR CLOUD」を活用し、あらかじめ構築された仮想空間をベースに、誰でも簡単にイベントを開催できるサービスです。採用説明会や社内懇親会、展示会など多様なイベントをパッケージ化し、低コストかつ短納期での提供を実現しています。ライセンス料やイベント制作・運営委託による収益が主な収益源です。
XR周辺サービスでは、「XR CLOUD」の実績を基盤としたXRソリューション開発事業やXRコンサルティング事業を展開しています。子会社のロボアプリケーションズ株式会社では、ロボットの制御アプリケーション開発も行っています。また、独自開発のAIエージェント基盤「monoAI Agent」を核としたビジネス向けAIエージェント「SuperCat」の提供も開始しており、企業の業務自律化を支援しています。
同社グループの売上高は、当連結会計年度においてメタバースサービスが最も大きく、次いでXR周辺サービス、XRイベントサービスとなっています。前期と比較すると、全てのサービス区分で売上高が減少しています。主要な顧客としては、大日本印刷株式会社、パルス株式会社、株式会社オッドナンバーなどが挙げられ、特定の顧客への売上集中が見られます。本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外比率や為替リスクは発生していません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増減を繰り返しており、直近の当連結会計年度では減少となりました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去数期にわたり損失が続いています。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、前期と比較して減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度においても支出となっていますが、前期と比較すると支出額は減少しています。当期は関係会社株式売却益を特別利益として計上した一方で、減損損失を特別損失として計上しており、これらの要因が当期純損失に影響を与えています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 12.9億円 | 14.5億円 | 12.4億円 | 14.3億円 | 9.8億円 |
| 経常利益 | △1.7億円 | 56百万円 | △1.7億円 | △2.9億円 | △3.8億円 |
| 経常利益率 | △13.5% | 3.9% | △13.5% | △20.1% | △39.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.8億円 | 72百万円 | △2.0億円 | △5.9億円 | △3.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △25.40 | 8.22 | △19.80 | △51.57 | △27.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しており、損失が拡大する結果となりました。これらの指標の推移は、同社グループの売上高の減少や営業損失の拡大が、従業員一人ひとりの生み出す収益や利益に影響を与えていることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 9.9百万円 | 7.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △2.0百万円 | △3.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、現在、収益構造の改革と事業転換を進めている段階にあります。財務の安定性や資金の流れから、現在の経営状況を読み解くことができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準を示しています。一方で、ROEはマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金は一定の厚みがあり、短期的な資金繰りには懸念がないと判断されています。これらの財務状況は、同社グループが事業構造の転換期にあることを示しており、今後の事業展開が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 15.6億円 | 12.2億円 |
| 自己資本比率 | 83.2% | 86.5% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △24.1% |
| 現金及び預金 | 13.0億円 | 11.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失の計上などにより支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の売却による収入があり、収入となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済により支出となりました。これらの結果、フリーキャッシュ・フローも支出となっています。同社グループは現在、収益構造の改革と事業転換を進めている段階であり、キャッシュ・フローの状況は、本業の収益改善とコスト構造改革の進捗が、今後の雇用や給与の安定性に影響を与えることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4.8億円 | △1.1億円 |
| 投資CF | △0.7億円 | 0.4億円 |
| 財務CF | 9.1億円 | △0.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △5.5億円 | △0.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社グループは、当連結会計年度において3期連続で営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。また、3期連続で営業キャッシュ・フローもマイナスとなっています。これらの事象により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が存在しています。同社グループは、新経営体制への移行や収益獲得の拡大、早期の営業黒字化に向けた構造転換を推進しており、継続企業の前提に関して重要な不確実性は認められないと判断しています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの売上高は特定顧客への依存度が高く、当連結会計年度において販売高上位4社の売上高が53.39%を占めています。また、XR市場におけるサービス開発のスピードは速く、競合他社がより魅力的・画期的な新規サービスを開発した場合や価格競争が激化した場合には、同社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業発展のために優秀な人材の獲得及び育成を継続することが重要であると認識しています。特にエンジニア人材のニーズが高まる中で、人材の確保及び育成が計画通りに進まなかった場合、同社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
monoAI technologyは「先進技術で、社会の未来を創造する」ことをミッションに掲げ、通信技術とAI技術を核としたサービス開発を通じて社会の未来を創造することを目指しています。ゲーム産業で培った先進技術をあらゆる産業に展開し、企業価値の最大化を図ることを経営方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
monoAI technologyは「先進技術で、社会の未来を創造する」ことをミッションとしています。同社グループは通信技術とAI技術をコアとし、ゲーム産業で培った先進技術をあらゆる産業に展開することで、企業価値の最大化を目指しています。
XR技術とAIを組み合わせた企業の業務自律化支援「産業AX」の確立を推進しており、XR技術の優位性を活用し、既存事業で培った知見を国内外へ展開していく方針です。特定の産業に依存せず、まだXR技術の活用が始まっていない新たな産業分野への適用も視野に入れています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、持続的な成長と企業価値向上において「人材」を最も重要な経営資源と位置づけています。多様なスキルとバックグラウンドを持つ人材を年齢や性別を問わず採用し、中途採用者を含め優秀な人材を積極的に管理職に登用する方針です。
リモートワーク制度を導入し、場所や時間に対する裁量を拡大することで、従業員個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を可能にしています。また、成果に見合った公平・公正な評価制度や成長支援を促す教育研修制度の整備、AIを活用した業務改善ツールの導入により、生産性高く働ける環境づくりに努めています。
コーポレート・ガバナンス体制の構築と高度化にも取り組み、サステナビリティ課題への対応を重要な経営課題と認識し、取締役会で迅速な意思決定と適切な組織運営を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、XR技術の開発を競争力の源泉と捉え、開発体制の継続的な強化を課題としています。国籍を問わず優れた能力を持つエンジニアの採用と育成に注力し、AIによる開発工程の効率化を推進することで、高付加価値なサービスを迅速に提供できる体制を維持・強化する方針です。
エンジニアが働きやすい環境を整備し、長期的なコミットメントを引き出すための投資を続けることで、次世代技術の社会実装を支える強固な組織基盤の構築を目指しています。また、事業拡大に応じた内部管理体制の強化も重要な課題であり、経営の公正性と透明性確保のため、コーポレート・ガバナンスを強化し、適切な内部統制システムの構築に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社グループは、取締役会が経営の基本方針や重要な業務執行を決定し、監査役が独立した立場から業務執行を監査する体制を構築しています。これにより、経営の健全性・効率性・透明性の確保に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主は、創業家である本城嘉太郎氏です。大株主には事業会社である大日本印刷や、本城氏の資産管理会社であるロータスが名を連ねています。このように、創業家およびその関連会社が上位株主として同社グループを支える資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 本城 嘉太郎 | 17.98% |
| 大日本印刷 | 14.64% |
| ロータス | 10.03% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山下真輝氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 本城 嘉太郎 | 代表取締役会長 | 1997年にNHS入社後、株式会社DropWaveの代表取締役などを歴任し、2013年に同社代表取締役に就任しました。2025年3月より同社代表取締役会長を務めています。 |
| 山下 真輝 | 代表取締役社長 | 2000年にフリーメージ株式会社を設立し代表取締役に就任。ライヴエイド株式会社の代表取締役などを経て、2020年10月に同社に入社し執行役員に就任しました。2025年3月より同社代表取締役社長を務めています。 |
社外取締役は、谷間真氏(公認会計士谷間真事務所開業、T-REVIVEコンサルティング代表取締役)、植田修平氏(ゲームポット代表取締役、日本オンラインゲーム協会共同代表理事)、辰己光平氏(大日本印刷コンテンツ・XRコミュニケーション本部インタラクティブデザインユニット長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会が経営の基本方針や重要事項の決定、取締役の業務執行の監督を行っています。社外取締役は、取締役会において監査役監査や内部監査の結果報告を受け、経営の現状と課題を把握し、意思決定の適正性を確保するための助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役の報酬等に関する手続きの客観性および透明性を確保するため、指名報酬委員会を設置しています。同委員会は過半数が社外役員で構成されており、公正かつ厳格な答申を経て報酬が決定されます。業務執行を担当する取締役の報酬は、企業価値向上への意欲を高めることを目的とし、業務執行を担当しない取締役の報酬は、経営の監督機能を発揮できるよう独立性を担保した構成となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 37百万円 | 18.3百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 18百万円 | 3.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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