※本記事は、ノバシステム株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ノバシステムは、ソフトウエア開発事業を単一セグメントとして展開しています。2025年12月期にはシステムインテグレーションが事業全体の98.4%を占め、金融業界向けを中心とした業務用情報処理システムの開発を主力としています。
単体従業員数は510名です。同社はソフトウエア開発事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ノバシステムは、システムインテグレーション事業において、ユーザー企業との直接契約に加え、元請システムインテグレーション企業やユーザー企業系列のシステム開発企業との協業体制を構築し事業を推進しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ノバシステムは、ソフトウェア開発を主軸とする企業であり、従業員の働きがいと成長を重視する環境が特徴です。柔軟な働き方や多様な人材の活躍を推進し、ワークライフバランスの実現にも力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が30代半ばであり、比較的若い世代が中心となって活躍していることがうかがえます。平均勤続年数も一定の長さがあり、従業員が長期的にキャリアを築ける環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,381,614円 |
| 平均勤続年数 | 8.9年 |
| 平均年齢 | 36.2歳 |
| 単体従業員数 | 510人 |
同社は、従業員の退職給付制度として確定拠出型年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ノバシステムは、人的資源を経営資源の根幹と位置づけ、その充実化が企業価値向上とサステナビリティ実現に不可欠であると考えています。多様なバックグラウンドを持つ人材が「よく学ぶ」文化のもとで高め合い、高い価値を提供し続ける技術者集団であることを重視し、性別・国籍・新卒・中途採用の区別なく個人を尊重した採用を推進しています。
人材育成においては、若手からリーダー候補、プロジェクトマネージャーまで、様々な階層に向けた継続的な教育プログラムを提供し、従業員の自己成長とパフォーマンス向上を支援しています。社内環境整備では、働きやすさと働きがいのバランスを重視し、リモートワークや時短勤務による柔軟な勤務形態、男性の育児休業取得、有給休暇取得率の向上によるワークライフバランスの実現に取り組んでいます。
また、健康診断や産業医面談による心身のケア、出産時の手当拡充、女性の活躍推進など、多様な従業員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境整備を進めています。従業員への意識調査も継続的に行い、エンゲージメント向上にも積極的に取り組む方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 81.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 82.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 60.1% |
多様性・登用
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 女性管理職の人数 | 2026年3月までに3人以上 | 2人 |
育児・介護支援
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 男性育児休業の取得率 | 2025年12月までに30.0%以上 | 66.7% |
人材育成・エンゲージメント
リフレッシュ休暇は、年次有給休暇とは別に、1月1日時点で勤続6ヶ月以上の社員が5日間連続で取得できる制度です。
| 指標 | 目標 | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| リフレッシュ休暇の取得率の向上 | 2025年12月までに96.6%超 | 88.3% |
| 有給休暇取得率 | 2025年12月までに63.2%以上 | 70.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ノバシステムは、ソフトウエア開発事業を主軸とし、システムインテグレーションとクラウドサービスの二つのサービスを提供しています。特に金融業界向けのシステム開発に強みを持っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社の事業はソフトウエア開発事業の単一セグメントであり、システムインテグレーションとクラウドサービスの二つのサービスを提供しています。システムインテグレーションが事業全体の大部分を占めています。
システムインテグレーションでは、生命保険会社、損害保険会社、銀行、信託銀行等の金融業界向けを中心とした業務用情報処理システムの開発を行っています。中でも保険業界向けシステム開発は同社の主要事業領域となっており、既存顧客での実績を拡大し、業務知識を蓄積することで優位性の確立に努めています。また、物流業界、エネルギー産業、商社、地方公共団体、公益機関向けシステム開発も手掛けています。システム開発は要件定義から実稼働、保守まで一貫して対応しており、技術的な専門性に加えてプロジェクト運営力や業務知識を持つ人材を擁しています。同業の協力会社との協業体制も構築しており、収益は主に元請システムインテグレーション企業またはユーザー企業系列のシステム開発企業との契約から得ています。
クラウドサービスとしては、飲食店向け店舗運営支援システム「Order Revolution」、受付業務支援システム「アイウェルコ」、AI顔認証入退室管理システム「アイウェルコトール」を提供しています。これらのサービスはSaaS型で提供され、機能追加等の更新を機動的に行うことで最新のソフトウエアを提供しています。販売は飲食店やユーザー企業への直接販売と販売代理店への販売があり、新規導入後のサブスクリプション型でのサービス提供により、新規導入設置料と月額利用料で収益を構築しています。
同社は本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外比率はありません。特定の相手先への販売実績があり、日本アイ・ビー・エム、ニッセイ情報テクノロジー、SCSKへの販売が一定の割合を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績では、売上高は前期から増加傾向にあります。これはシステムインテグレーションとクラウドサービスの両事業が伸長したことによるものです。
一方で、営業利益、経常利益、当期純利益は前期から減少傾向を示しています。売上総利益も前期から減少しています。販売費及び一般管理費は前期から増加しており、社員寮の取得に伴う租税公課の増加や中途採用に伴う求人費の増加などが影響しています。これらの要因により、営業利益率も前期から低下しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ノバシステムは、本業で得た資金を成長のための投資に充てている状況です。手元資金は確保されており、将来に向けた事業拡大への意欲がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が前期から当期にかけて上昇しており、純資産も増加しています。手元資金も一定水準を維持しており、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。このような財務状況は、事業の安定性を示す一つの指標となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 22.3億円 | 25.5億円 |
| 自己資本比率 | 59.9% | 62.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 7.6億円 | 7.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは4.0億円の収入となり、本業で安定的に資金を生み出しています。これは税引前当期純利益の計上や売上債権の減少などが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは△4.6億円の支出となり、有形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュ・フローは34百万円の収入であり、長期借入れによる収入と長期借入金の返済による支出が主な内訳です。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは△60百万円の支出となりました。本業で得た資金を成長のための投資に充てている状況であり、将来の事業拡大に向けた取り組みがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.5億円 | 4.0億円 |
| 投資CF | 1.6億円 | △4.6億円 |
| 財務CF | △2.7億円 | 34百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.1億円 | △60百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はシステム開発を主たる事業としており、経済情勢や市場環境の悪化により顧客企業のIT投資が縮小した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、売上高の62.5%を主要顧客3社が占めており、特定顧客企業への依存もリスクとして認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
優秀な人材の確保、育成及び定着が事業活動を拡大する上で重要であると認識されています。IT人材の争奪により優秀な人材の確保や定着につながらない場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ノバシステムは、「スマートに働き、よく学び、よく遊び、夢や理想に近づく」という独自の働き方を追求し、全てのステークホルダーの幸せを目指している会社です。情報技術を活用し、能力を最大限に発揮できる環境づくりに力を入れています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ノバシステムの経営理念は、「私たちは、『スマートに働き、よく学び、よく遊び、夢や理想に近づく』という考えを基にした働き方を通じて、全てのステークホルダーにとっての幸せを追求し続けます。」と掲げられています。同社は、情報処理システム及びソフトウェアという無形の価値を顧客に提供しており、その価値を最大化するために「能力で働く」ことを重視しています。
これは、単に時間を費やすのではなく、豊富な知識や高度な技術力、的確な思考力、生産性の高さといった能力によって成果を得る働き方を意味しています。情報処理システム及びソフトウェア開発のプロフェッショナルとして学び続け、自身の時間を有効活用して文化的に充実した生活を送ることで、夢や理想の実現を目指すという好循環を追求しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ノバシステムでは、「スマートに働くこと・よく学ぶこと・よく遊び、夢や理想に近づくこと」が相互に繋がり、より大きな夢や高い理想の実現へと繋がる好循環を大切にしています。この考え方が、経営理念の実践であり、全てのステークホルダーの幸せ追求に繋がるとされています。
同社は、持続的な成長と価値創造のため、多様なバックグラウンドを持つ人材が「よく学ぶ」文化のもとで高め合い、高い価値を提供し続ける技術者集団であることを重視しています。性別・国籍・新卒・中途採用等の区別なく個人を尊重した採用を推進し、多様性の確保に努めています。従業員の働きやすさと働きがいのバランスの取れた環境整備も方針として掲げ、柔軟な勤務形態の実現やワークライフバランスの向上に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ノバシステムは、事業上及び財務上の課題として、人材の確保と育成を優先的に対処すべきテーマとしています。システム開発技術者の採用を継続的に行い、働きやすい環境の整備、人事制度の充実化、研修体制の強化を通じて、人材の確保と定着に努めています。
また、「能力で働く」という考え方に基づき、プログラミング研修やマネジメント研修、資格取得講座、データサイエンティスト養成プログラム等の各種研修制度を充実させています。上流工程から参画できる人材や、AI分野の開発に従事可能な高度人材の育成も重要課題と認識しており、中長期的に全社員の30%に相当する高度人材の育成に取り組む方針です。プロジェクト管理の充実化や、テレワークやハイブリッド型勤務といった多様化する働き方に対応した就業環境の整備も重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ノバシステムは、健全な事業活動と企業価値向上を追求するため、コーポレート・ガバナンスの正常な機能を重視しています。取締役会は経営の重要事項を決定し、相互牽制による監督機能を果たしています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ノバシステムの筆頭株主は、同社代表取締役社長芳山政安氏が代表を務める資産管理会社であるシリウスです。同社の資本構成は、従業員持株会も上位株主として名を連ねており、特定の株主グループが経営に影響力を持つ体制となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| シリウス | 33.71% |
| ノバシステム従業員持株会 | 8.61% |
| 清板 大亮 | 3.08% |
| 河 鳳基 | 2.86% |
| 林 潤 | 1.72% |
なお、前事業年度末において主要株主であった芳山政安氏は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなっています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は芳山政安氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 芳山 政安 | 代表取締役社長 | 1976年4月 株式会社内田洋行入社。1982年9月 同社設立、代表取締役社長より現職。 |
| 川上 秀樹 | 取締役副社長 クラウドサービス部長 | 1983年4月 川上彫刻所入社。1988年10月 同社入社。2012年2月 取締役副社長。2024年3月 取締役副社長クラウドサービス部長より現職。 |
| 加藤 博久 | 取締役 | 1987年4月 株式会社大トウ入社。1989年6月 同社入社。2012年2月 取締役経営企画部長。2026年1月 取締役より現職。 |
| 川上 貴之 | 取締役 | 2001年4月 同社入社。2012年1月 ITソリューション大阪事業部ブロックマネージャー。2024年3月 取締役SI第2事業部長。2026年1月 取締役より現職。 |
| 福島 将介 | 取締役 | 2007年6月 同社入社。2015年1月 大阪事業部システム部課長。2019年1月 大阪事業部開発部長。2024年3月 取締役SI第1事業部長。2026年1月 取締役より現職。 |
社外取締役は、新谷庄司氏(株式会社湘南ライフプランニング代表取締役)、倉田亨氏(一般社団法人PaLaNA Initiative専務理事)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会には社外取締役2名、監査役会には社外監査役2名が参加しています。社外役員は東京証券取引所の独立性判断基準に準拠して選任されており、経営陣から独立した立場で職務を遂行しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ノバシステムは、役員報酬の決定において客観性と透明性を重視し、持続的な成長への健全なインセンティブとして機能するよう方針を定めています。報酬は固定報酬を基本とし、金銭報酬とは別に株式報酬制度も導入されています。業績連動報酬は一時的に廃止されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.1億円 | 23.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 19百万円 | 4.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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