※本記事は、株式会社シンカ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シンカは、「ITで 世界をもっと おもしろく」を経営理念に掲げ、クラウド型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を提供しています。顧客対応業務の課題解決を目指し、固定電話着信時の顧客情報ポップアップ、SMS送信、通話録音、ビデオ通話、携帯通話録音、メール連携などの機能で多様なコミュニケーションチャネルを一元管理しています。
単体従業員数は75名です。セグメントはカイクラ事業の単一セグメントです。
国内においてはシンカが生産・販売を一手に担い、海外0社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
同社は当事業年度において、「クレーム・カスタマーハラスメント判定機能」をはじめ、「AI自動要約機能」「会話品質判定機能」「AI自動発着信タグ付け機能」の開発・提供を開始するとともに、「AI感情ラベリング機能」の大幅な機能強化を実施しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シンカは、「ITで世界をもっとおもしろく」という経営理念のもと、社会に新たな価値を提供することを目指しています。従業員が安心して能力を発揮できる環境づくりに注力しており、柔軟な働き方を支援する制度も導入しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的若い人材が中心となって活躍しており、成長フェーズにある企業の特徴が見られます。従業員が定着しつつ、新たな人材も積極的に迎え入れている状況がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,605,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.9年 |
| 平均年齢 | 38.3歳 |
| 単体従業員数 | 75人 |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
シンカは、サステナビリティを重視した経営を行う上で、適切な人材教育と役職員が安心して働ける環境の整備が重要であると考えています。そのため、人事評価においては仕事の成果だけでなく、同社が掲げるValue(行動指針)をどれだけ体現しているかを評価基準としています。これにより、中長期的な視点での従業員の教育を図っています。
また、従業員が柔軟に働ける環境作りの一環として、フレックスタイム制やリモートワーク体制を導入しています。さらに、コンプライアンス研修やコンプライアンス管理体制の整備を通じてハラスメント防止策を講じるなど、従業員が安心して働き、自らの能力を最大限発揮できるような就業環境を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
シンカは、「ITで 世界をもっと おもしろく」という経営理念のもと、クラウド型コミュニケーションプラットフォーム「カイクラ」を提供しています。同社は、中小企業などで課題となっている顧客対応業務のデジタル化を推進しています。
「カイクラ」は、顧客情報をクラウド上で一元管理し、オフィスの固定電話への着信時に顧客情報や過去の会話履歴を画面にポップアップ表示する機能が特徴です。これにより、担当者は質の高い顧客対応が可能となり、業務の属人化解消に貢献しています。
また、SMS送信、通話録音、ビデオ通話、携帯通話録音、メール連携といった多様なコミュニケーションチャネルを統合し、顧客とのやり取りを自動で記録・整理します。さらに、AIを活用した通話内容のテキスト化や要約機能も提供し、顧客コミュニケーションの高度化と効率化を図っています。
同社の主な収益源は「カイクラ」の利用料収入であり、導入時の初期売上、サブスクリプション型の月額売上、従量課金売上から構成されるSaaS型のビジネスモデルです。導入拠点数と利用量の増加に応じて収益が伸びる構造となっています。
海外からの売上高はなく、特定の取引先への収益集中もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
(該当するデータがないため、この項目は省略します)
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
(該当するデータがないため、この項目は省略します)
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
シンカは、高い自己資本比率と安定したキャッシュフローを維持しており、財務基盤は堅固な状態を示しています。事業成長のための投資も行いながら、本業で得た資金で賄えている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が非製造業のプライム市場平均と比較して高い水準にあり、安定性がうかがえます。手元資金も確保されており、不測の事態への耐性がある状態です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 9.8億円 | 10.5億円 |
| 自己資本比率 | 79.6% | 81.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 9.7億円 | 9.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期における営業活動によるキャッシュフローは、税引前当期純利益の計上や減価償却費、未払消費税等の増減により資金を獲得しました。投資活動によるキャッシュフローは、無形固定資産の取得や敷金及び保証金の差入による支出があり、資金の支出超過となっています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の返済による支出があったものの、新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入があり、全体としては支出超過となりました。
本業で安定的に資金を生み出し、事業成長のための投資も行いつつ、自由に使える資金を確保している状況です。この資金の流れは、同社が安定した経営基盤を維持しながら、将来に向けた成長投資も継続していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる傾向があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.0億円 | 0.8億円 |
| 投資CF | △0.6億円 | △0.6億円 |
| 財務CF | 6.2億円 | △4百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 0.4億円 | 0.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、クラウドサービス市場の拡大鈍化や縮小、新制度導入による競争優位性の低下の可能性をリスクとして認識しています。また、競合他社の存在や新規参入による競争激化、技術革新への対応遅れも事業運営に影響を及ぼす可能性があります。さらに、売上高が特定のサービス「カイクラ」に依存しているため、その売上が著しく減少した場合に経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性も示されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、高い専門性を備えた人材の採用、育成、維持が重要であると認識しています。必要とする人材の確保が計画どおりに進まない場合、事業上の制約要因となり、事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シンカは、「ITで世界をもっとおもしろく」を経営理念に掲げ、コミュニケーションテクノロジーの進化を通じて、企業の生産性と幸福度を追求する会社です。人と人とのつながりを強化し、ビジネスにおけるあらゆる会話を豊かにすることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
シンカは、「ITで 世界をもっと おもしろく」を経営理念に掲げています。この理念を実現するため、顧客とのコミュニケーションを自動で記録・整理し、一元管理する「カイクラ」を提供しています。
同社は「カイクラ」を通じてコミュニケーションテクノロジーを進化させ、人と人のつながりを強化し、あらゆる企業のコミュニケーションエラーを解消することを目指しています。ビジネスにおける会話を豊かにし、顧客、社員、その家族が幸せで、毎日が楽しいと思える社会の実現を追求しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
シンカは、経営理念の実現と企業ミッション「企業のあらゆる会話をおもしろくする」の達成に向け、サステナビリティを重視した経営を行っています。株主や役職員、取引先だけでなく、社会全体の環境や経済を尊重し、長期的な視点で事業拡大を目指しています。
同社では、人事評価において仕事の成果に加え、掲げるValue(行動指針)の体現度を評価基準としています。従業員が安心して能力を発揮できるよう、フレックスタイム制やリモートワーク体制を整備し、コンプライアンス研修を通じたハラスメント防止策も講じています。社員が一体感を持って事業に取り組める組織づくりを重視し、ミッション・ビジョン・バリューの浸透に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
シンカは、事業拡大に伴う人員不足と組織体制の強化を重要な経営課題として認識しています。事業部門におけるハイレイヤー人材の確保を進め、事業推進力の向上を図っています。
また、社員が一体感を持って事業に取り組める組織づくりを目指し、ミッション・ビジョン・バリューの浸透や組織体制の最適化、教育制度の拡充、人事評価制度の高度化、賃金体系の見直し、従業員持株会の活用促進等を通じて、人的資本への投資を強化しています。さらに、企業としての社会的責任の高まりを受け、内部管理体制の強化にも継続的に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シンカは監査役会設置会社として、経営の意思決定機能と経営監視機能を分離した体制を採用しています。これにより、各監査役が独立した立場から取締役の職務執行を監視し、経営の効率性と客観性を担保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はINTERACTIVE BROKERS LLCであり、機関投資家が上位を占める一方で、代表取締役社長である江尻高宏氏も主要な株主の一人です。江尻高宏氏の所有株式数には、同氏の資産管理会社であるナンディの保有分も含まれています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| INTERACTIVE BROKERS LLC | 20.92% |
| 江尻 高宏 | 12.21% |
| DCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合 | 9.32% |
| ナンディ | 8.73% |
| SBI AI&Blockchain投資事業有限責任組合 | 7.79% |
なお、前事業年度末において主要株主であったDCIベンチャー成長支援投資事業有限責任組合は、当事業年度末現在では主要株主ではなくなり、INTERACTIVE BROKERS LLCが新たに主要株主になりました。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性5名・女性3名)で構成され、女性役員比率は37.5%です。代表取締役社長は江尻高宏氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 江尻 高宏 | 代表取締役社長 | 2000年4月 日本総合研究所入社、2007年9月 船井総合研究所入社、2014年1月 同社 代表取締役社長より現職。2023年7月 ナンディ 代表取締役社長より現職。 |
| 笹田 直紀 | 取締役CTO | 2005年4月 日本総合研究所入社、2019年8月 同社入社、2021年3月 同社 執行役員CTO、2022年3月 同社 取締役CTOより現職。 |
社外取締役は、阿久津聡氏(一橋大学大学院経営管理研究科教授)、三木聡氏(フィックスターズ代表取締役社長CEO)、田邉愛氏(弁護士法人堂島法律事務所入所)です。
同社は監査役会設置会社を採用しており、経営の効率性と客観性を確保する体制を構築しています。社外取締役が取締役会の過半数を占めることで、経営の透明性と監視機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、株主総会で決定された総額限度内で、各役員の職務・職責・成果や同社の経営状況を総合的に考慮して決定されます。取締役の報酬は代表取締役が原案を作成し、社外取締役の意見を聴取した上で取締役会で決定されます。監査役の報酬は監査役会で協議され決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 45百万円 | 14.9百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 23百万円 | 3.2百万円 |
報酬等の総額は67百万円であり、対象となる役員の合計は10名です。
また、同社は2026年3月27日開催予定の定時株主総会において、在任条件型および業績条件型の譲渡制限付株式報酬制度の導入を提案しています。これにより、対象取締役に対して年額200百万円を上限とする譲渡制限付株式を割り当てる報酬を、金銭報酬とは別枠で支給する予定です。金銭報酬と非金銭報酬の割合は、同業種・同規模企業の水準や同社業績等を踏まえ、取締役会が決定します。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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