【平均年収838万円】トリケミカル研究所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

【平均年収838万円】トリケミカル研究所 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

トリケミカル研究所は、半導体等製造用高純度化学化合物事業を主軸とし、グループ各社とともに高純度化学薬品の開発・製造・販売を手掛けています。光ファイバーや太陽電池製造用材料の供給も行い、直近期は生成AI需要の拡大を背景に増収増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社トリケミカル研究所 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


トリケミカル研究所は、半導体等製造用高純度化学化合物事業を主軸とし、これらの付帯業務も手掛けています。半導体メーカー向けに高純度化学薬品の開発・製造・販売を行うほか、光ファイバーや太陽電池製造用材料の供給も行っています。

単体従業員数は265名、連結従業員数は313名です。同社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業の単一セグメントとなっています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


トリケミカル研究所は、半導体等製造用高純度化学化合物事業を主軸とする専門性の高い企業です。同社グループでは、科学技術の発展に貢献するという経営理念のもと、従業員の成長と働きやすい環境づくりに注力しています。安定した事業基盤の上で、専門性を追求できる働き方が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


トリケミカル研究所では、従業員の平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数も9年を超えています。このことから、若手から中堅層まで幅広い世代が活躍し、比較的長期にわたってキャリアを築いている傾向がうかがえます。専門性の高い事業領域において、継続的な人材育成と定着が進んでいると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 8,377,000円
平均勤続年数 9.02年
平均年齢 34.5歳
単体従業員数 265人
連結従業員数 313人
単体のグループ内比率 84.7%


同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる「確定給付型」と、会社が拠出した資金を従業員が運用する「確定拠出型」の両方の退職給付制度を採用しています。確定拠出型制度として、中小企業退職金共済制度および選択型確定拠出制度(従業員の意思による確定拠出年金への拠出またはライフプラン手当としての給与加算)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度に係る退職給付債務は1.6億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


トリケミカル研究所は、企業価値の持続的な向上には従業員の育成と能力発揮が不可欠であると考え、人材を最も重要な経営資本と位置付けています。同社は、従業員一人ひとりの成長をサポートするため、階層別研修や各種スキルアップ研修、資格取得支援を積極的に実施しています。

また、仕事と生活の調和を図りながら能力を最大限に発揮できる職場環境の構築に努めています。特に、ニッチな技術やノウハウの蓄積・継承を重視し、人材の定着化を目標としています。

具体的には、仕事と育児・介護の両立支援を含む福利厚生の充実、多様な人材が意見を出し合える上司部下間のミーティングを重視した人事評価制度、従業員の心身の健康管理を目指した健康経営などに取り組んでいます。山梨県が女性活躍推進に取り組む企業を認定する「山梨クリスタルえるみん」も取得しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.7%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 73.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 87.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 94.3%

人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標


各指標、目標及び実績は、提出会社単体の数値を記載しています。

指標 数値
従業員の離職率 3.5%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


トリケミカル研究所は、半導体製造に不可欠な高純度化学化合物の開発、製造、販売を主軸とする企業です。世界的な半導体需要の拡大を背景に、技術革新を支える材料を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業およびこれらの付帯業務の単一セグメントで構成されています。主な製品は、CVD材料、ドライエッチング材料、拡散材料の3種類です。これらの材料は、半導体デバイスの製造工程において、薄膜の堆積、不要部分の除去、不純物の注入といった重要な役割を担っています。

また、化学薬品用容器の設計販売、新規薬品の受託合成、CVDに関わる受託実験、化学薬品の物性調査や分析といった付帯サービスも提供し、製品の高付加価値化を図っています。設立当初は光ファイバー製造用材料の供給で成長しましたが、現在では半導体製造用材料や太陽電池製造用材料が事業の中心です。

同社グループは、台湾、韓国、中国に連結子会社や関連会社を置き、グローバルに事業を展開しています。地域別売上高では中国、台湾、日本が大きな割合を占めており、製品用途別ではSi半導体向けが大部分を占めています。特定の顧客への販売実績も大きく、TOPCO Scientific Co., Ltd.、日本エア・リキード(同)、Changxin Xinqiao Memory Technologies, Inc.が主要な取引先となっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに変動が見られます。特に当期は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から増加となりました。これは、生成AIの普及に伴う先端半導体の需要拡大やデータセンター投資の拡大が好調に推移したことによるものです。

売上総利益率は前期から低下しましたが、韓国関係会社の業績が堅調に推移したことなどにより、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は期初計画を上回る結果となりました。同社グループは、売上高および売上高営業利益率を重視すべき経営指標としており、売上高営業利益率25%程度への回復・維持を目標としています。

項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期
売上高 116億円 138億円 112億円 189億円 239億円
経常利益 52.9億円 61.9億円 32.8億円 65.8億円 70.9億円
経常利益率 45.7% 44.8% 29.1% 34.8% 29.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 41.0億円 48.3億円 24.7億円 49.6億円 55.2億円
1株当たり当期純利益(円) 126.33 148.70 76.03 152.69 169.72

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は当期に増加しており、事業規模の拡大がうかがえます。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は当期に減少しています。これらの指標は、同社グループの事業拡大に伴う収益構造の変化と、生産性への影響を示しています。

指標 2025年1月期 2026年1月期
従業員1人あたり売上高(連結) 69.0百万円 76.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 19.2百万円 18.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充てている段階を示しています。これにより、事業拡大と競争力強化を図っている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率とROEを維持しており、安定した経営状況を示しています。自己資本比率はプライム市場の製造業平均(46.8%)を大きく上回る水準であり、強固な財務体質がうかがえます。ROEもプライム市場平均(9.4%)を上回っており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金は減少傾向にありますが、事業活動と投資活動のバランスを考慮した資金運用が行われていると考えられます。

指標 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
純資産 316億円 361億円
自己資本比率 85.5% 76.5%
ROE(自己資本利益率) 16.8% 16.3%
現金及び預金 94.4億円 72.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の営業活動で安定的に資金を生み出している状況を示しています。当期における営業活動によるキャッシュフローは増加しており、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費が主なプラス要因となっています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、南アルプス事業所等の設備投資に伴う有形固定資産の取得や関係会社株式の取得による支出が増加したため、大幅なマイナスとなっています。これにより、フリーキャッシュフローはマイナスとなり、事業活動で得た資金を上回る規模で将来に向けた成長投資を行っていることがうかがえます。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の増加によりプラスに転じており、成長投資を資金調達で支えている状況です。この資金の流れは、同社グループが事業拡大と競争力強化に積極的であり、将来的な成長が期待できる経営姿勢を示しています。

項目 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
営業CF 36.8億円 38.0億円
投資CF △31.2億円 △70.5億円
財務CF △16.2億円 10.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.6億円 △32.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、売上高の大部分を半導体市場向けが占めており、半導体業界の動向に大きく影響される傾向があります。特に半導体製造前工程のCVD工程及びエッチング工程、高誘電率絶縁膜材料への依存度が高い状況です。今後、市況が大きく変化したり、業界の技術革新に追随できない場合には、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、高度な研究開発を継続していくために優秀な人材の確保と維持を重要な事項としています。必要とする人材の獲得が困難になったり、人材が社外に流出したりした場合には、同社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


トリケミカル研究所は、最先端テクノロジーの発展に貢献し、人々にゆとりを創造することを目指す企業です。科学技術を基盤に、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を追求する経営を行っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


トリケミカル研究所は、1978年12月の設立以来、「科学技術を通じて最先端テクノロジーの発展に貢献し、人々にゆとり創造を実現する」を経営理念として掲げています。同社グループは、開発力の向上と生産技術の改善に取り組み、顧客満足の最大化を目指しています。

また、持続した健全性・成長性を兼ね備えた事業に取り組み、企業価値の最大化に努めています。最先端・高純度化学材料の開発・製造・販売を行う企業として、環境保全活動を経営の最重要課題の一つと位置づけています。顧客や社員の安全性向上、健康増進を常に念頭に置き、事業活動を行っています。

さらに、従業員一人ひとりが高い誇りと責任感をもって働くことのできる、公正かつ開かれた企業風土を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、持続可能な社会を構築することを社会的責任と考え、サステナビリティのある経営を目指しています。経営理念を実現するため、マテリアリティ(重要課題)に積極的に取り組み、「持続可能な社会の実現」と「持続的な成長」をサステナビリティ基本方針としています。

従業員の健康と安全を企業成長の基盤と考え、多様性を尊重し、想像力豊かな発想を生み出すことのできる職場づくりに努めています。また、公正・公明かつ自由な競争を通じて取引先との持続可能なサプライチェーン構築に努めています。

地球環境への配慮として、技術・製品開発による温室効果ガス排出量削減や環境負荷軽減、生物多様性保全に取り組んでいます。地域社会との連携や株主・投資家との相互対話を通じた企業価値向上も重視しており、多様な従業員が活躍できる組織づくりや働き方改革推進による職場環境の整備も進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、品質管理体制の強化や環境負荷の軽減、作業安全性の向上といったサステナビリティの追求に関する取り組みを継続して推進しています。将来的な収益力を確固たるものにするため、経費削減や新規材料の市場投入、既存材料の生産性向上を図る必要があります。

財務体質の健全化を推し進め、強固な経営基盤の構築に努めていく方針です。コーポレートガバナンス体制をより一層整備・強化し、経営の透明性と効率性を高めることにも取り組んでいます。

企業倫理や法令等の遵守にも誠実に取り組むことで、企業価値の向上に努めていくことを重点テーマとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


トリケミカル研究所は、取締役会と監査役制度を採用しており、経営執行の透明性確保と内部統制体制の強化に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


トリケミカル研究所の筆頭株主は個人である竹中潤平氏であり、同社の創業に関わった人物であると考えられます。上位株主には信託銀行の信託口が複数名を占めており、安定した資本構成を示しています。また、従業員持株会も上位に名を連ねています。

株主名 持株比率
竹中 潤平 12.81%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.48%
日本カストディ銀行(信託口) 10.90%
山梨中央銀行 4.30%
MSIP CLIENT SECURITIES 3.97%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長執行役員は太附聖氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
竹中 潤平 代表取締役会長 1966年日東弗素工業入社、1978年同社設立時に代表取締役社長に就任。2016年より代表取締役会長として現職。
太附  聖 代表取締役社長執行役員 1987年同社入社後、営業部門の要職を歴任。2014年に代表取締役社長に就任し、2022年より代表取締役社長執行役員として現職。
大杉 宏信 取締役執行役員 1995年同社入社後、製造部門の要職を歴任。2017年に取締役製造・生産技術担当に就任し、2023年より取締役執行役員として現職。
鈴木 欣秀 取締役執行役員 1994年同社入社後、経営企画室長や管理部長を歴任。2018年に取締役総務・システム管理・品質管理担当に就任し、2024年より取締役執行役員として現職。


社外取締役は、橋本利久氏(JMP法律事務所パートナー弁護士)、飯田仁氏(古河電子取締役会長・指名・報酬委員会議長)、加藤京子氏(ブルカージャパンマーケティングコミュニケーションマネージャー)です。

同社は監査役会設置会社であり、独立性を有する社外取締役の選任により、経営意思決定・経営監督機能の強化と責任の明確化を図る体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬体系は基本報酬と賞与で構成されており、社外取締役および監査役の報酬は基本報酬のみとなっています。業績連動報酬は、同社グループの売上高および営業利益の業績予想に対する達成度を考慮し、各人の管掌する組織等の業績も反映して支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.7億円 42.8百万円
監査役(社外除く) 1名 23百万円 22.7百万円
社外役員 5名 33百万円 6.6百万円


同社の役員報酬等の総額は2.3億円であり、対象となる役員は合計10名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。