※本記事は、株式会社TOKYO BASE の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
TOKYO BASEは、衣料品、身の回り品、雑貨類の小売販売事業を主力としています。「日本発を世界へ」という企業理念のもと、実店舗とインターネット販売の双方を展開しています。
単体従業員数は374名、連結従業員数は402名です。同社グループは衣料品販売事業の単一セグメントとなっています。
国内においてはTOKYO BASEが衣料品、身の回り品、雑貨類の小売販売事業を主力とし、実店舗とインターネット販売の双方を展開しています。海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
TOKYO BASEは、ファッション業界において独自の事業戦略を持つ企業です。従業員の平均年齢や勤続年数から、若手が活躍し、キャリアを築いていく環境がうかがえます。人材を重視し、成果に応じた評価制度を導入している点も特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、若手社員が多く活躍している傾向が見られます。平均勤続年数から、比較的短期間でキャリアを形成していく環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,787,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.1年 |
| 平均年齢 | 27.1歳 |
| 単体従業員数 | 374人 |
| 連結従業員数 | 402人 |
| 単体のグループ内比率 | 93.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、経営ビジョンである「全世界顧客感動」の実現に向けて、「営業力=人材」を最重要資源と位置付けています。年功序列を廃止し、成果に応じて若手にも大きな裁量権を与える環境を整備することで、能力主義に基づく早期の人材成長を促進しています。
国内の労働人口減少や販売職の低賃金化といった業界課題に対応するため、同社では他業種と比較しても高水準の報酬体系を構築・維持しています。これにより、優秀な人材の確保と販売職の社会的地位向上に取り組む方針です。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は在外子会社となるため、記載を省略しており、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 36.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 89.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 89.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 61.0% |
人材育成分野
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 外国人従業員比率 | 7.2% |
| 女性従業員 | 44.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
TOKYO BASEは、衣料品や身の回り品、雑貨類の小売販売を主力事業として展開しています。日本発のファッションブランドを世界に発信するという企業理念のもと、多様なブランドと販売チャネルを通じて顧客に価値を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、衣料品販売事業の単一セグメントで事業を展開しています。実店舗とインターネット販売の双方を主要な販売チャネルとしており、顧客の購買体験を重視した多角的なアプローチが特徴です。
実店舗では、国内の主要都市に路面店とファッションビル内のビルイン店を展開しています。海外においても香港、中国、米国、韓国に店舗を構え、グローバルな事業拡大を進めています。店舗スタッフは単なる販売だけでなく、店舗運営、商品の仕入れ選定、さらにはオリジナル商品の企画にも深く関与しており、顧客ニーズを直接反映した商品展開に貢献しています。
インターネット販売では、自社直営のオンラインストアに加え、国内の主要ECサイトにも出店しています。これにより、幅広い顧客層へのリーチと利便性の高い購買機会を提供し、収益の多様化を図っています。同社グループの収益は、これらの実店舗およびインターネット販売を通じた衣料品等の販売から得ています。
地域別の売上高を見ると、日本が最も大きな割合を占めていますが、香港や中国といった海外地域からの収益も得ています。前期と比較して、日本事業は大きく伸長し、海外事業も増加傾向にあります。特にインバウンド需要の取り込みや新規出店が日本事業の好調を牽引しており、新業態の立ち上げも売上拡大に寄与しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
TOKYO BASEの直近5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向を示しています。特に当期は、売上高が前期から大きく伸び、それに伴い各利益も大幅に増加しました。これは、同社グループの事業拡大戦略が着実に成果を上げていることを示唆しています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 176億円 | 192億円 | 200億円 | 202億円 | 237億円 |
| 経常利益 | 10.8億円 | 2.7億円 | 11.2億円 | 14.8億円 | 18.9億円 |
| 経常利益率 | 6.1% | 1.4% | 5.6% | 7.3% | 8.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.6億円 | △5.4億円 | 3.4億円 | 7.8億円 | 12.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 17.15 | △11.76 | 7.31 | 17.85 | 27.81 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたり営業利益は前期から横ばいの水準を維持しています。これは、従業員数の増加があった一方で、売上高の伸びが従業員数の増加率を下回ったこと、しかし利益率は維持されたことを示唆しています。組織全体の効率性や収益体質を維持しつつ、事業規模の拡大と人材投資を進めている状況がうかがえます。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 72.7百万円 | 59.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 5.3百万円 | 4.9百万円
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社TOKYO BASEは、本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている段階にあります。財務基盤は比較的良好な水準を維持しており、事業拡大への意欲がうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、収益性を示すROEもプライム市場平均を上回っています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性を示すものとなっています。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 51.1億円 | 62.7億円 |
| 自己資本比率 | 44.5% | 42.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 14.6% | 21.3% |
| 現金及び預金 | 36.7億円 | 44.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持していますが、前期と比較すると減少しています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や差入保証金の差入れなどにより、前期よりも支出が増加しマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れや短期借入れによる収入が増加したことでプラスに転じました。
この結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況です。これは、同社グループが事業拡大に向けた投資を積極的に行っている成長フェーズにあることを示しています。本業で資金を生み出しつつ、将来の成長に向けた投資を継続している状況であり、事業拡大に伴う機会が期待できます。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 17.4億円 | 13.1億円 |
| 投資CF | △7.6億円 | △16.8億円 |
| 財務CF | △15.0億円 | 10.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.9億円 | △3.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、流行の影響を受けやすい衣料品・服飾品を中心に商品展開を行っています。顧客の嗜好や生活様式の変化に対応しきれない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、特定の企業グループが運営する商業施設への出店が集中しており、出店先の集客力が変動した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループでは、社員が商品選定にも関与し、店舗スタッフの業務は単なる販売オペレーションに留まらないと認識されています。商品企画担当者やバイヤー等、専門的業務に従事する従業員も多く、人材は重要な経営資源です。このため、人材市場の需給が引き締まった場合や、重要な人材が外部に流出した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
TOKYO BASEは、「日本発を世界へ」というスローガンを掲げ、ファッションを通じて顧客、従業員、取引先、株主の幸せと夢の実現を目指す企業です。独自の価値観と明確なビジョンに基づき、持続的な成長と社会貢献を追求する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
TOKYO BASEグループは、「日本発を世界へ」を企業スローガンに掲げています。企業理念として「日本発を世界に発信するファッションカンパニーを創造するとともに、事業拡大を通じて、顧客、従業員、取引先、株主の幸せと夢を実現します」を掲げています。
この理念に基づき、「全世界顧客感動」「ファッションプロフェッショナル集団」「Next Made in Japan」「世界10大都市展開」の5つのVISIONを掲げています。同社グループは、商品力強化、店舗開発、サービス向上、人材育成、社会貢献を通じて企業価値の向上を図ることを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
TOKYO BASEグループは、企業理念の達成に向けて行動することを重視しています。特に「全世界顧客感動」と「ファッションプロフェッショナル集団」をVISIONとして掲げ、顧客への感動提供と専門性の高い人材集団であることを追求しています。
同社グループは「営業力=人材」を最重要資源と捉え、人的資本を重視する考え方です。年功序列を廃し、成果に応じて若手にも大きな裁量権を与える環境を整備し、能力主義に基づく育成制度により早期の人材成長を促進しています。
また、他業種と比較しても高水準の報酬体系を構築・維持し、優秀な人材の確保と販売職の社会的地位向上に取り組む企業風土があります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
TOKYO BASEグループは、中長期的な企業価値向上を見据え、収益性と成長性のバランスを取りながら、いくつかの重要課題に取り組んでいます。その一つが「人材の確保と育成」です。
同社グループは、業界トップ水準の給与体系を目指し、生産性向上や人材定着率の改善に資する人事制度・評価制度の整備を進めています。実力主義・成果主義に基づいた教育・報酬制度の強化を通じて、持続的な組織力の向上を図る方針です。
また、「M&Aの検討と実施」も重点テーマとしています。事業との相乗効果が期待されるブランド・企業を対象に、戦略的なM&Aを推進し、ブランド補完や海外展開、商品力強化を通じて中長期的な企業価値の向上を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
TOKYO BASEは、2017年5月26日より監査等委員会設置会社に移行しており、取締役会が実効性の高い監督を行う体制を構築しています。取締役会は社外取締役を多く含む構成となっています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
TOKYO BASEの筆頭株主は代表取締役CEOの谷正人氏です。株式会社MT7も上位株主であり、創業家や関連会社が上位に並ぶ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 谷 正人 | 23.06% |
| MT7 | 6.93% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 6.63% |
| K Asset Management | 3.93% |
| BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC) | 3.55% |
なお、2025年6月20日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、SMBC日興証券他共同保有者1名が2025年6月13日現在で1,591,838株(保有割合3.66%)を所有している旨が記載されています。また、2025年12月5日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書において、野村アセットマネジメント他共同保有者1名が2025年11月28日現在で2,190,915株(保有割合5.04%)を所有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役CEOは谷正人氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 谷 正人 | 代表取締役 CEO | 2006年4月株式会社デイトナ・インターナショナル入社、2008年12月同社設立、代表取締役CEO就任。TOKYO BASE HONG KONG.,Ltd.取締役、東百国際貿易(上海)有限公司董事、TOKYO BASE NEWYORK. Inc President、TOKYO BASE KOREA CO., LTD.代表理事を兼任し現職。 |
| 髙木 克 | 取締役 CFO | 1996年4月株式会社ワールドテキスタイル入社、2012年9月株式会社ポイント入社。ADASTRIA KOREA CO.,Ltd.取締役社長、方針(上海)商貿有限公司董事総経理を経て、2019年4月同社入社。2025年4月同社取締役CFO就任し現職。 |
| 久保 歩史 | 取締役 | 2011年3月同社入社、STUDIOUS南堀江店店長、STUDIOUS営業部長、教育推進室長、A+ TOKYO事業部長、営業本部長を歴任。2024年4月取締役就任し現職。 |
社外取締役は、高下浩明氏(株式会社246代表取締役)、佐々木陽三朗氏(中小企業診断士・常勤監査等委員)、徐進氏(株式会社エスプール常勤監査役)、松本高一氏(株式会社アッピア代表取締役)、澁谷宗紀氏(合同会社伸梯社代表社員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は迅速かつ機動的な意思決定と職務執行の監督を行っています。監査等委員会は全員が社外取締役で構成され、独立した客観的な立場から取締役の職務執行を監査・監督する体制です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
TOKYO BASEの役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。取締役(監査等委員である取締役および社外取締役を除く)の報酬は、固定報酬としての基本報酬と、短期および中期の会社業績を反映した譲渡制限付株式報酬で構成されます。一方、監督機能を担う監査等委員である取締役および社外取締役の報酬は、固定報酬としての基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 97百万円 | 32.5百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 17百万円 | 3.4百万円 |
なお、報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、個別の役員報酬は記載されておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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