※本記事は、株式会社Casa の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Casaグループは、家賃債務保証事業を主軸に展開しています。賃貸借契約における家賃等の支払いを保証し、未収リスク軽減を図るストック型ビジネスモデルです。自主管理家主向けの賃貸経営プラットフォーム開発や養育費保証事業も手掛けています。
単体従業員数は260名、連結従業員数は276名です。セグメントは家賃債務保証事業の1つです。
主な国内グループ会社は、COMPASS、プロフィットセンターなどです。
なお、Casaグループは2025年3月31日付で、株式会社GoldKeyの全株式を売却し、連結の範囲から除外しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社Casaは、家賃債務保証事業を主軸とする企業です。安定した住環境の提供を通じて社会に貢献しており、従業員の働き方や給与水準もその事業特性を反映していると考えられます。ここでは、同社の給与水準や人材の定着傾向、そして多様な働き方を支える人的資本に関する取り組みについて見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が期待できる環境がうかがえます。平均年齢も一定の水準にあり、経験豊富な人材が多数活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,098,000円 |
| 平均勤続年数 | 10.3年 |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 単体従業員数 | 260人 |
| 連結従業員数 | 276人 |
| 単体のグループ内比率 | 94.2% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長のために適切な人材の確保と育成が不可欠であると考えています。企業理念に共感する人材を確保し、「三方よし」の精神のもと、「専門性」「部門間の協調」「挑戦マインド」を重視した風土の醸成に取り組んでいます。
事業環境の変化や業務の高度化に対応できる組織体制を構築するため、採用、育成、配置、評価の各面から人的資本の充実を図り、組織全体の生産性向上と企業価値の向上につなげていく方針です。お客様の信頼を大切にし、探求心を持って成長し、社員一人ひとりを尊重する行動規範を掲げています。
また、環境負荷の軽減策としてWEB申込や電子契約の利用促進、社内申請書類の電子化による紙資源の削減を進めています。ひとり親世帯の安定した生活を支援するため、家賃債務保証や養育費保証事業を展開するなど、社会課題の解決にも貢献しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は常時雇用する労働者数が100人以下であるため、記載を省略しています。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.3% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 76.0% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 78.7% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | 67.2% |
指標及び目標
同社グループは、創造性豊かな企業文化の醸成と多様な人材の活用を通じて、持続的な成長を実現する組織づくりを推進しています。その一環として、女性管理職の採用及び登用に取り組んでおり、目標と実績を開示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 24.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社Casaは、家賃債務保証事業を主軸に事業を展開しています。同社グループは、住まいの確保における信用不安の解消を通じて、賃貸市場の円滑な流通と社会的セーフティネットの機能を担うことを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、賃貸借契約において入居者と保証委託契約を結び、連帯保証人として家主への賃料等の支払いを保証することで、家主の未収リスク軽減を支援しています。この事業は、契約時に受け取る初回保証料と、契約後1年目から毎年受け取る継続保証料を主な収益源としています。
また、同社グループは、家主や不動産会社の家賃管理を効率化するため、集金代行サービスも提供しています。さらに、家賃支払いや生活に不安を抱える入居者に対しては、相談窓口の設置や行政によるセーフティネットの案内、就労支援の提案などを行い、滞納の未然防止と早期解消に努めています。
その他にも、自主管理家主向けに、客付け、家賃管理、退去対応など賃貸経営に必要な業務をIT活用でワンストップ提供するサービスの開発を進めています。社会課題解決の一環として、養育費保証事業も展開しており、ひとり親の自立支援にも取り組んでいます。同社グループの事業は日本国内に限定されており、特定の主要な顧客への収益集中はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で概ね増加傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の連結会計年度で大幅な減少となりました。特に営業利益は損失に転じています。
これは主に、貸倒引当金繰入額の増加が利益を押し下げたことによるものです。しかし、営業活動によるキャッシュ・フローは収入となっており、本業でのキャッシュ創出力は維持されています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 103億円 | 103億円 | 112億円 | 122億円 | 128億円 |
| 経常利益 | 11.5億円 | 9.0億円 | 9.7億円 | 15.6億円 | 45百万円 |
| 経常利益率 | 11.1% | 8.7% | 8.6% | 12.9% | 0.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.5億円 | 2.5億円 | 6.1億円 | 6.0億円 | 1.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 64.90 | 25.61 | 60.35 | 59.78 | 12.58 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、従業員数の減少と売上高の増加が影響していると考えられます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく減少しており、直近では損失となっています。これは、貸倒引当金繰入額の増加などにより、利益水準が低下したことが影響しています。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 41.9百万円 | 46.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.5百万円 | △0.2百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの経営の安定性を評価するためには、財務基盤の健全性と資金の流れを多角的に分析することが重要です。現在の財務状況とキャッシュフローの動向から、同社グループの事業運営の現状を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が43.5%となっており、前期の47.6%から減少しています。これはプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は1.7%で、前期の8.2%から低下しており、プライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は28.2億円で、前期の29.9億円から減少しています。これらの数値は、同社グループの財務の健全性と収益性の現状を示しています。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 75.2億円 | 66.0億円 |
| 自己資本比率 | 47.6% | 43.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.2% | 1.7% |
| 現金及び預金 | 29.9億円 | 28.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは5.4億円の収入となり、前期から増加しています。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や貸倒引当金の増加額、未収入金の減少額などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△1.8億円の支出となり、前期から支出が減少しています。これは主に無形固定資産や有形固定資産の取得による支出があったためです。その結果、フリーキャッシュフローは3.6億円のプラスとなり、前期のマイナスから改善しています。財務活動によるキャッシュフローは△5.2億円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは主に自己株式の取得による支出や配当金の支払額があった一方で、短期借入金の純増加額があったことによるものです。本業で資金を生み出し、投資活動を賄えている状況は、事業の持続的な運営と成長の基盤を示しています。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 14百万円 | 5.4億円 |
| 投資CF | △3.3億円 | △1.8億円 |
| 財務CF | △4.0億円 | △5.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △3.2億円 | 3.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、景気や賃貸市場の変動による影響をリスクとして認識しています。賃貸市場の縮小や賃貸需要の減少は、新規契約件数の減少や保証引受機会の縮小につながり、収益に影響を及ぼす可能性があります。
また、代理店である不動産管理会社等からの新規賃借人の紹介が減少した場合にも、同社グループの業績及び財務状況に影響が生じる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、持続的な成長のために必要な知識と経験を有する人材の確保及び育成を重要な課題と認識しています。採用競争の激化や人材不足、育成の遅れなどにより、必要な人材を十分に確保・育成できない場合、業務運営の効率やサービス品質、組織運営力が低下し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Casaは、「誰もが安心して暮らせる社会」の実現を目指し、不動産賃貸管理の課題解決に取り組む企業です。お客様本位のホスピタリティと「三方よし」の精神を基盤に、社会貢献と企業価値向上を両立させる経営を推進しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
Casaは、「誰もが安心して暮らせる社会」の実現を経営の基本方針としています。不動産賃貸管理における様々な課題に対応するソリューションサービスを提供し、社会インフラとしての役割を果たすことを目指しています。
「三方よし」の精神を基盤に、お客様本位のホスピタリティと信頼・安心を提供し、新たなサービスの創出に挑戦していく方針です。健全な住環境の維持と生活文化の発展を支えることを通じて、豊かな社会の実現に貢献することを使命としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「三方よし」の精神を基盤とし、関わるすべての人々にとって価値あるサービスを提供することを使命としています。人的資本戦略においては、企業理念に共感する人材を確保し、「専門性」「部門間の協調」「挑戦マインド」を重視する風土の醸成に取り組んでいます。
社員一人ひとりが「やり甲斐」と「誇り」を持って積極的に挑戦できる環境づくりを目指しています。行動規範として、「お客様の信頼を大切にし、常に誠実な姿勢で対応します」「探求心を持ち、成長し続け、自らの夢を実現する意欲を持ちます」「社員一人ひとりを尊重し、活気ある職場環境をつくります」の三点を掲げています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長を支える人的基盤の強化を重要な課題としています。専門人材を体系的に育成するためCasaアカデミーを設立し、教育体制の充実を通じて早期戦力化と専門性向上を図る方針です。働きやすい環境整備を通じて人材の定着率向上につなげる取り組みも行っています。
また、家賃債務保証事業や養育費保証事業を通じて社会課題の解決に貢献することも重要な使命と位置づけています。コーポレート・ガバナンスの強化も重要課題であり、経営の透明性、公正性、実効性を高めるため、内部統制、リスク管理、コンプライアンスの実効性向上に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
Casaは、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社であり、社外役員が経営の監督・監査機能を担っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主はリコーリースであり、代表取締役社長の宮地正剛氏も主要株主の一人として名を連ねています。複数の事業会社や投資組合、そして同社従業員持株会が上位株主として同社グループを支える構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| リコーリース | 15.33% |
| 宮地 正剛 | 10.33% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 4.52% |
なお、前事業年度末において主要株主でなかった宮地正剛氏は、当事業年度末現在では主要株主となっております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は宮地正剛氏が務めています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 宮地 正剛 | 代表取締役 社 長 | 2004年4月 ㈱リプラス入社。2008年10月 レントゴー保証㈱(旧同社)代表取締役社長。2014年2月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 松本 豊 | 取 締 役 営業本部長 | 1991年4月 藤和不動産㈱入社。2018年12月 同社執行役員営業部担当部長。2023年10月 同社取締役営業本部長兼首都圏営業部長より現職。 |
| 鹿島 一郎 | 取 締 役 顧客管理本部長 | 1999年4月 サンクス㈱入社。2008年10月 レントゴー保証㈱(旧同社)入社。2023年10月 同社取締役顧客管理本部長兼首都圏顧客管理部長より現職。 |
社外取締役は、打込愛一郎氏(元リコーリース取締役副社長執行役員・指名・報酬委員会委員長)、嶋田一弘氏(元日本信用情報機構 代表取締役社長・指名・報酬委員会委員)、飯田亜子氏(飯田亜子公認会計士事務所 代表)です。
同社は監査役会設置会社です。取締役会は取締役6名で構成され、うち3名が社外取締役であり、経営の意思決定と業務執行の監督を行っています。また、監査役会は3名の監査役で構成され、うち2名が社外監査役として独立した立場から監査を実施しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役報酬は、中長期的な成長と企業価値向上を目的としたインセンティブとして設計されています。業務執行取締役には固定報酬としての基本報酬と譲渡制限付株式による非金銭報酬が支給されます。監査機能を担う社外取締役には基本報酬のみが支払われる構成です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.2億円 | 40.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 10百万円 | 5.0百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 23百万円 | 7.8百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 7百万円 | 3.6百万円 |
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