※本記事は、株式会社ストレージ王 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ストレージ王は、セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を手掛けています。同社は「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」を経営理念とし、コンテナ型とビルイン型のトランクルームを全国で展開しています。
単体従業員数は25名です。事業セグメントは、トランクルーム運営管理事業、トランクルーム開発分譲事業、その他不動産取引事業の3つです。
同社は2024年1月期に事業戦略の方向性を変更し、トランクルーム運営管理事業、トランクルーム開発分譲事業、その他不動産取引事業の3区分で事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ストレージ王は、不動産関連事業を主軸に、顧客資産の価値向上と社会貢献を目指しています。少数精鋭のプロフェッショナル集団として、従業員一人ひとりの専門性と自律的なキャリア形成を重視する環境です。多様な人材が活躍できる働きやすい職場環境の整備にも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ストレージ王では、従業員の平均年齢が比較的高く、一定の勤続年数を保っている傾向が見られます。これは、専門性の高い不動産関連事業において、経験豊富な人材が長く活躍していることを示唆していると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,707,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.2年 |
| 平均年齢 | 51.0歳 |
| 単体従業員数 | 25人 |
ストレージ王は、退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度も存在しますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ストレージ王は、「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」という経営理念のもと、人的資本を最も重要な経営資源と位置づけています。持続的な企業価値向上のため、優秀な人材の継続的な確保と育成を経営の重要課題と認識しています。
人材育成においては、少数精鋭のプロフェッショナル集団を目指し、従業員一人ひとりの専門知識習得と自律的なキャリア形成を推奨しています。具体的には、OJTや上長との定期面談に加え、社外セミナーやオンライン学習サービスの活用、資格取得支援などを通じて、従業員の能力向上を図っています。
また、多様な人材が企業の成長と革新を促進すると考え、国籍・宗教・年齢・性別等に関係なく活躍できる環境整備を進めています。従業員が仕事と私生活のバランスを取れるよう、安全で健康的な職場環境の提供や、育児・介護のための休暇・短時間勤務制度など、さまざまな支援策に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
ストレージ王は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員の女性労働者割合 | 48.0% |
人材育成・エンゲージメント
一人当たり営業利益は、期末時点における「営業利益÷従業員」により算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 生産性(一人当たり営業利益) | 765万円 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ストレージ王は、セルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を手掛けています。顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創することを経営理念としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ストレージ王は、トランクルームの企画、開発、運営、管理を一体的に行うことで収益を上げています。トランクルームはアパートや賃貸マンションに比べて運営管理が煩雑であるため、同社がその手間を一手に引き受けることで地主や物件オーナーに利便性を提供し、安定的な収入につなげています。事業は「トランクルーム運営管理事業」「トランクルーム開発分譲事業」「その他不動産取引事業」の3区分で展開しています。
特にトランクルーム開発分譲事業が売上総利益の大部分を占める構造となっています。同社は国内事業に特化しており、海外からの収益はありません。また、特定の顧客への販売実績が売上高の一定割合を占める傾向が見られます。
トランクルーム開発分譲事業
トランクルームを企画・開発し、不動産投資家へ売却することで利益を得ています。用地購入からビルイン型建物の建築、または借地上のコンテナ型建物の建築を行い、土地建物または建物部分を売却します。収益は、トランクルームの売却代金から得ています。当期は前期から売上が減少しました。
トランクルーム運営管理事業
トランクルームを利用者に貸し出し、運営・管理を行うことで利益を得ています。固定家賃型と変動家賃型があり、固定家賃型では同社が稼働率リスクを負い、変動家賃型では管理料を徴収します。収益は、トランクルームの利用料やプロパティマネジメント受託収入から得ています。当期は前期から売上が増加しました。
その他不動産取引事業
トランクルーム以外の不動産に関するコンサルティングフィーの受領、不動産の売買、賃料収入などにより利益を得ています。トランクルーム用地として購入した土地の売買も含まれることがあります。収益は、仲介手数料や売却代金、賃料収入から得ています。当期は前期から売上が大幅に増加しました。
| セグメント | 売上高(2025年1月期) | 売上高(2026年1月期) |
|---|---|---|
| トランクルーム開発分譲 | 33.1億円 | 25.3億円 |
| トランクルーム運営管理 | 8.9億円 | 11.0億円 |
| その他不動産取引 | 60百万円 | 3.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当期(2026年1月期)の売上高は前期から減少しました。一方で、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも前期から増加しています。特に当期純利益は大幅な増加となりました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
ストレージ王の単体従業員数は25名であり、平均年間給与は4,707千円となっています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ストレージ王の財務状況は、事業活動と投資活動において資金を使用しつつ、財務活動で資金を調達している状況です。これは、事業の拡大や成長に向けた投資を継続的に行っている段階にあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ストレージ王の財務基盤を見ると、純資産合計は前期から増加し、当期は1,239百万円となっています。自己資本比率は前期の30.8%から当期は26.3%に減少しました。プライム市場の非製造業平均と比較すると、同社の自己資本比率は同程度の水準を示しています。手元資金である現金及び預金は前期から増加し、当期は915百万円となりました。これらの財務状況は、事業を継続していく上での安定性に関わる要素となります。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 1,119百万円 | 1,239百万円 |
| 自己資本比率 | 30.8% | 26.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金 | 533百万円 | 915百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ストレージ王のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に387百万円の資金を使用しました。これは前期の633百万円の資金使用からマイナス幅が減少しています。主な要因は、税引前当期純利益の計上がある一方で、棚卸資産の増加による資金使用があったためです。
投資活動によるキャッシュフローは、当期に143百万円の資金を使用しており、有形固定資産の取得や敷金の差入による支出が主な要因です。営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期もマイナスとなっていますが、前期に比べてマイナス幅は減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは、当期に907百万円の資金を得ており、主に長期借入れによる収入が増加しました。同社は事業活動と投資活動で資金を使用し、財務活動で資金を調達している状況であり、事業拡大に向けた投資を継続していることがうかがえます。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △633百万円 | △387百万円 |
| 投資CF | △152百万円 | △143百万円 |
| 財務CF | 365百万円 | 907百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △784百万円 | △530百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ストレージ王の事業構造・収益性に関するリスクとして、まず顧客ニーズや不動産市況等の経営環境リスクが挙げられます。景気動向や金利水準、地価の水準といったマクロ経済要因の変動が、トランクルームの賃料や稼働率、土地の購入代金などに影響を及ぼす可能性があります。
また、開発分譲事業で利益の大部分を確保しているため、販売用不動産が計画通りに売却できない、あるいは売却が遅延する場合には、経常赤字となる可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクとして、同社は少数の人員体制であり、効率性を重視した運営組織である点が挙げられています。今後、急速な事業拡大や新規事業への進出、または突発的な事故や退職等による従業員の減少があった場合、適切かつ十分な組織的対応ができず、事業展開速度や社会的信用、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ストレージ王は、「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」ことを経営理念に掲げています。不動産所有者の資産価値向上とトランクルーム利用者の利便性向上を通じて、豊かな社会の実現を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ストレージ王は、「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」ことを経営理念としています。この理念に基づき、「不動産所有者の資産価値の向上と、トランクルーム利用者の利便性の向上と満足感を通じて、人々の暮らしや社会の未来を豊かにする」ことをミッションに掲げています。
同社はセルフストレージ方式のトランクルームの企画、開発、運営、管理を行う事業を展開しており、このミッションの達成を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ストレージ王は、少数精鋭のプロフェッショナル集団を目指す企業風土を大切にしています。従業員には不動産に関する専門知識の習得に加え、それぞれの担当分野で高い専門性を身につけるための自己研鑽や自律的キャリア形成を推奨しています。
多様なバックグラウンドを持つ人材が企業の成長と革新を促進すると考え、国籍、宗教、年齢、性別等に関係なく、様々な人材が活躍できる環境整備を進めています。従業員が仕事と私生活のバランスを取れるよう、安全で健康的な職場環境や育児・介護支援制度の提供にも取り組んでいます。
同社はコーポレート・ガバナンスの強化に努め、事業を通じて地域社会に貢献し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ストレージ王は、いくつかの重要な経営課題に取り組んでいます。物件開発力の強化においては、新規物件獲得と開発力強化に向けて開発部の人員強化を進めています。
新規事業の拡大では、既存建物の有効活用や様々な形態での出店を通じて、利用者に身近で利便性の高いトランクルームの提供に努めています。
また、お客様の利便性を高めるため、運送業者との連携による荷物の集配サービスの強化を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ストレージ王は、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な経営課題と位置づけています。経営の透明性、客観性の確保に努め、効率的かつ健全な経営を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ストレージ王の株主構成を見ると、複数の事業会社が上位に名を連ねています。筆頭株主はケイ・エル・アイであり、その他にもデベロップや寺田倉庫といった事業会社が主要な株主となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ケイ・エル・アイ | 24.00% |
| デベロップ | 9.86% |
| 寺田倉庫 | 2.70% |
| 細谷工業所 | 2.70% |
| 九州リースサービス | 2.10% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長執行役員は荒川滋郎氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 荒川 滋郎 | 代表取締役社長執行役員 | 1983年新日本製鐵株式会社入社。株式会社パルコ、寺田倉庫株式会社、株式会社デベロップを経て、2019年4月同社代表取締役社長就任。2023年4月同社代表取締役社長執行役員より現職。 |
| 佐藤 芳紀 | 取締役常務執行役員 開発部長兼 経営企画室長 | 2011年株式会社フィナンシャル・エージェンシー入社。株式会社デベロップを経て、2019年11月同社入社。開発部長、執行役員、常務執行役員を歴任し、2025年4月同社取締役常務執行役員開発部長兼経営企画室長より現職。 |
| 坂口 亮一 | 取締役執行役員 営業部長 | 1999年タイガー魔法瓶株式会社入社。株式会社ティエラコム、株式会社マウンテン・ルーツ、医療法人社団稜歩会、株式会社デベロップを経て、2015年6月同社取締役就任。2023年4月同社取締役執行役員営業部長より現職。 |
社外取締役は、兼平愼氏(元乃村工藝社常務執行役員)、田中公子氏(チャーム・ケア・コーポレーション社外取締役・指名・報酬諮問委員会委員長)です。
同社は監査役会設置会社です。取締役会が業務執行の決定と監督を行い、監査役会が公正かつ独立の立場から監査を実施しています。社外取締役は取締役会に出席し、経営の監督と助言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ストレージ王は、役員の報酬額を経営内容や世間水準、社員給与とのバランス、責任の度合いを考慮して決定する方針です。取締役の報酬は指名・報酬諮問委員会の審議を経て取締役会で決定され、監査役の報酬は監査役会で決定されます。報酬は主に固定報酬で構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 41百万円 | 10.3百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 4百万円 | 1.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 7.4百万円 |
| 社外監査役 | 4名 | 6百万円 | 1.5百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
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