※本記事は、株式会社テクノロジーズの有価証券報告書(第12期、自 2025年2月1日 至 2026年1月31日、2026年4月22日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. テクノロジーズってどんな会社?
ITシステム受託開発からSaaS、再生可能エネルギー、スポーツDXまで多様な事業を展開する企業です。
■(1) 会社概要
同社は2014年に就職・転職マッチングサイトの提供を目的として設立され、同年に転職マッチングサービスを開始しました。2018年のAI受託開発企業の買収を機にITソリューション事業を開始し、2019年にはSaaS型の業務管理システム「jobs」をリリースしました。2023年に東京証券取引所グロース市場へ上場を果たし、同年には再エネソリューション事業へ参入しています。2025年にはスポーツDX事業を新設するなど、事業領域を拡大しています。
同社グループは連結従業員数143名、単体従業員数14名で事業を運営しています。筆頭株主は創業者の良原広樹氏で、第2位および第3位は同社子会社の役員およびその近親者である個人株主となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 良原広樹 | 40.03% |
| 伊藤繁三 | 8.21% |
| 伊藤高雄 | 6.50% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は良原広樹氏が務めています。社外取締役比率は25.0%(取締役4名中1名)です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 良原広樹 | 代表取締役社長 | ガイアなどを経て2014年に同社を設立し代表取締役社長に就任。エコ革、マーシャルアーツテクノロジーズなどのグループ会社役員も兼任し、現在に至る。 |
| 畠山学 | 取締役営業部長 | ブリヂストンスポーツを経て2014年に同社に入社し取締役に就任。2021年より取締役営業部長に就任し、現在に至る。 |
| 宮内駿 | 取締役経営管理部長 | あらた監査法人(現PwC Japan有限責任監査法人)を経て2015年に同社に入社し取締役に就任。2021年より取締役経営管理部長に就任し、現在に至る。 |
社外取締役は、賀島義成(エディア代表取締役社長・ティームエンタテインメント代表取締役社長・一二三書房代表取締役会長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ITソリューション事業」「SaaS事業」「再エネソリューション事業」「スポーツDX事業」の4つの報告セグメントを展開しています。
■ITソリューション事業
遊技機向けを中心としたエンターテイメント関連の映像ソフトウェア開発や、AI等のデジタル技術を活用したシステム・アプリケーションの受託開発、および資産運用システムの販売を行っています。
顧客企業や一次請け企業との請負契約に基づき、成果物の対価として収益を得るビジネスモデルです。企画から開発、組み込みまでの一貫したワンストップ体制を強みとし、Cotoriおよび同社が運営を行っています。
■SaaS事業
自社プロダクトとして、中小の人材派遣会社向けクラウド型業務管理システム「jobs」や、企業の営業活動を効率化するSales Enablementツール「Circle」の開発・提供を行っています。
クラウドサービスの利用期間に応じた月額利用料等を継続的に受領するストック型の収益モデルです。同社が販売およびカスタマーサポート業務を担い、Cotoriが開発・保守等の業務を行っています。
■再エネソリューション事業
産業用および家庭用太陽光発電設備の施工、販売、保守といった再生可能エネルギー関連のワンストップサービスを提供しています。
顧客への太陽光発電設備の引き渡しによる販売収益や、請負工事の進捗に応じた収益、発電量に応じた売電収益等を得ています。事業の運営はエコ革および小美玉パワー1号が行っています。
■スポーツDX事業
格闘技ビジネスにおける企画、興行、およびDX化の推進を行っています。初の主催イベント「GOAT」を開催し、地上波テレビ放送やインターネット配信を通じて事業の認知向上を図っています。
スポンサーおよび顧客との契約に基づき、スポーツイベントを興行した際に役務提供の完了として収益を認識するモデルです。マーシャルアーツテクノロジーズおよびファンクラブテクノロジーズが運営を行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5期間の業績推移を見ると、売上高は第10期から第11期にかけてM&A効果等により大幅に拡大しました。第12期は売上高が減少したものの、利益水準は過去最高を更新しており、利益率も16.8%に向上しています。着実な収益性の改善が進んでいる状況がうかがえます。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 8億円 | 11億円 | 71億円 | 139億円 | 101億円 |
| 経常利益 | 0.6億円 | 2億円 | 7億円 | 16億円 | 17億円 |
| 利益率(%) | 7.8% | 15.0% | 9.9% | 11.7% | 16.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 0.8億円 | 0.7億円 | 1億円 | 3億円 | 3億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前期比で減少したものの、収益性の高い案件の販売が進んだことにより、売上総利益は増加し、粗利率も24.7%から34.8%へと大幅に向上しました。これにより、営業利益も増益となっています。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 139億円 | 101億円 |
| 売上総利益 | 34億円 | 35億円 |
| 売上総利益率(%) | 24.7% | 34.8% |
| 営業利益 | 17億円 | 19億円 |
| 営業利益率(%) | 12.5% | 18.4% |
販売費及び一般管理費のうち、その他(支払手数料等を除く)が10億円(構成比58%)、給与手当が4億円(同25%)、支払手数料が2億円(同9%)を占めています。
■(3) セグメント収益
主力である再エネソリューション事業は売上が減少したものの、高利益案件への注力により増益を達成しました。ITソリューション事業とSaaS事業は、先行投資やコスト負担により減益または損失を計上しています。当期より新設されたスポーツDX事業は初年度から黒字を確保しました。
| 区分 | 売上(2025年1月期) | 売上(2026年1月期) | 利益(2025年1月期) | 利益(2026年1月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 再エネソリューション事業 | 126億円 | 87億円 | 17億円 | 19億円 | 21.3% |
| ITソリューション事業 | 12億円 | 11億円 | 2億円 | 0.6億円 | 5.7% |
| SaaS事業 | 2億円 | 2億円 | -1億円 | -0.7億円 | -32.4% |
| スポーツDX事業 | - | 1億円 | - | 0.2億円 | 19.6% |
| 連結(合計) | 139億円 | 101億円 | 17億円 | 19億円 | 18.4% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
当期のキャッシュ・フローは、本業は赤字だが、将来成長のため借入で投資を継続する「勝負型」の傾向を示しています。
| 項目 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 4億円 | -7億円 |
| 投資CF | -3億円 | -9億円 |
| 財務CF | -14億円 | 19億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は19.2%で市場平均を上回る一方、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は6.5%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「テクノロジーでより面白く、より便利な世の中を創造する」というビジョンを掲げています。映像ソフトウェア開発やAIといった技術領域、および再生エネルギーなどのビジネス領域において、顧客にとって最大限の価値を創造できるサービスの提供に取り組むことを使命としています。
■(2) 企業文化
同社は、急激な社会環境の変化や少子高齢化を柔軟に受け止め、社会に必要とされる時代に即した企業環境を整えることを重視しています。また、コンプライアンスを最優先にする組織と風土を何よりも重視しており、社会のルールを尊重しながら健全な企業活動を持続的に行う文化を有しています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、売上高と営業利益を重要な経営指標として管理しています。企業として一定の売上高規模を確立し、安定した利益成長を継続することで、新規領域への機動的な投資や株主への安定的な利益還元を実現することを目指しています。また、各事業において受託契約高、売上高、営業利益率などをKPIに設定しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
既存事業の拡大に加え、関係企業とのアライアンスを通じたSaaS事業の早期拡大や、ITソリューション事業における高単価案件の獲得を目指しています。さらに、シナジー効果等が見込まれる案件については、異業種であっても積極的にM&Aを行い、中長期的な戦略としてストック型ビジネスの拡大と利益率の向上に努めています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社グループが顧客に付加価値の高いサービスを提供し続けるため、デザインやプロジェクトマネジメント、マーケティング等で高い技能を持つ優秀な人材の確保と育成を重要課題としています。中途採用による即戦力の確保を中心に採用を強化するとともに、社内での技術講習や研修を通じて人材育成を図っています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月期 | 37.9歳 | 3.1年 | 4,763,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 再エネ事業の法的規制・施策変更
再生可能エネルギー関連事業は、建設業法や固定価格買取制度(FIT)等の法的規制を受けています。将来的な法令改正や買取価格の変更が行われた場合、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。これに対し、法令動向を注視し柔軟に対応できる体制を構築しています。
■(2) SaaS事業の競合他社の動向
人材派遣会社向けシステム「jobs」等の領域には複数の競合が存在します。価格競争の発生や大手企業の参入により、同社サービスの優位性が低下するリスクがあります。これに対し、カスタマーサポートの充実やサービス品質の向上により競争優位性の確保に努めています。
■(3) 優秀な人材の確保と育成
事業の成長には高度な技能を持つ人材が不可欠ですが、人材採用競争の激化により必要な人材を確保できない場合や、人件費が高騰した場合、事業活動に支障をきたすリスクがあります。リファラルや人材紹介など多様な採用チャネルを活用し、適切な人員確保を進めています。



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