【平均年収575万円】イフジ産業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収575万円】イフジ産業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

イフジ産業は、液卵や凍結卵の製造販売を主軸に、業務用調味料やオーガニック商品のEC販売も展開する食品メーカーです。売上高は過去最高を更新し増収となりましたが、利益は減少しました。


目次

※本記事は、イフジ産業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


イフジ産業は、鶏卵を割卵した「液卵」「凍結卵」の製造販売を主軸とする食品メーカーです。業務用粉体・顆粒調味料の製造販売や、オーガニック商品のEC販売も手掛けています。

単体従業員数は135名、連結従業員数は184名です。セグメントは液卵事業、調味料事業、オーガニックEC事業の3つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)日本化工食品、(連結子会社)HORIZON FARMSなどです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


イフジ産業は、液卵業界における「食のインフラ」を支える企業として、持続的な成長を目指しています。従業員の自律的な成長を促し、個々の能力が最大限に発揮される環境づくりに注力しており、給与水準の向上にも積極的に取り組む姿勢が見られます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着とキャリア形成を重視している傾向があります。平均勤続年数と平均年齢から、比較的長く勤める従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 5,747,000円
平均勤続年数 12.3年
平均年齢 38.5歳
単体従業員数 135人
連結従業員数 184人
単体のグループ内比率 73.4%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続的成長と競争力向上に向け、人材を重要な経営資源と位置付けています。中期経営計画「Speed Growing 閾値を超え突き抜ける」を掲げ、人材育成の高度化と迅速化に資する施策や投資を推進しています。社員一人ひとりの自律的成長を促進し、個々の能力が最大限発揮される環境の整備を基本方針としています。

給与や賞与については、優秀な人材の確保と定着、従業員エンゲージメントの向上、そして従業員の持続的な所得向上を目的に、水準と内容を決定しています。直近では、全正社員を対象としたベースアップを8期連続で実施しており、諸手当の拡充も行っています。

人材育成では、新入社員研修、管理者研修、社外アドバイザーを招聘しての研修、Eラーニング、DX人材育成の強化など、多様なプログラムを提供しています。また、新入社員の育成と早期離職低減のため、OJTリーダー制度に加え、独自の「伴走型支援」体制を構築し、教育長が精神的支柱およびスキル習得の責任者として1対1の対話を通じてサポートしています。社員のスキルアップを支援するため、資格取得費用を会社が全額負担し、報奨金を支給する「自己啓発助成制度規程」も設けています。社内環境整備としては、年1回のエンゲージメント調査結果を踏まえた処遇改善や、事業部間・職種横断のプロジェクト推進による自律的な環境作りを行っています。健康経営にも取り組み、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」の認定を受けています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 8.7%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 49.3%
男女賃金差異(正規雇用) 68.1%
男女賃金差異(非正規雇用) 64.3%

グループ全体(連結)

指標 数値
女性従業員比率 60.0%
外国人従業員比率 15.0%

多様性・登用

指標 数値
女性管理職比率(目標) 15.0%

育児・介護支援

指標 数値
社内託児所設置数 3箇所

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


イフジ産業グループは、液卵事業、調味料事業、オーガニックEC事業の3つの事業を柱として、幅広い顧客層に製品やサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、鶏卵を加工した液卵や凍結卵の製造販売を主軸に、業務用調味料、そしてオーガニック商品のEC販売を手掛けています。それぞれの事業が異なる顧客層と収益モデルを持っています。

液卵事業

この事業では、鶏卵を割卵して卵殻を取り除いた「液卵」や「凍結卵」を製造販売しています。多くの業務用加工食品に使用される「食の半導体」とも称され、主に大手食品メーカーや外食産業向けに安定した品質と供給力を提供しています。
収益は、液卵販売数量の増加に加え、鶏卵相場に連動した販売単価の高値推移、および原料調達コスト上昇などに対応するための販売単価改定から得ています。運営は、イフジ産業が行っています。前期と比較して、売上高は大きく増加しています。

調味料事業

この事業では、業務用粉体調味料や顆粒調味料などを製造販売しています。開発力や商品力が評価され、主に大手食品メーカーに納入されています。
収益は、健康食品向けの販売が好調に推移したことなどから得ています。運営は、日本化工食品が行っています。前期と比較して、売上高は減少しています。

オーガニックEC事業

この事業では、オーガニック商品およびオールナチュラル商品を仕入れ、ECサイトを通じて販売しています。主に個人顧客向けに販売を行っています。
収益は、冷凍フルーツの販売が好調に推移したことなどから得ています。運営は、HORIZON FARMSが行っています。前期と比較して、売上高は増加しています。

同社グループは、本邦以外の外部顧客への売上高はなく、海外に所在する有形固定資産もありません。また、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先はありません。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
液卵事業 237億円 305億円
調味料事業 12.4億円 12.1億円
オーガニックEC事業 6.4億円 8.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあり、当期は5期連続の増収で過去最高を更新し、初めて300億円を超えました。一方で、当期の営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と比較して減少しています。この利益の減少は、中期的な成長戦略として進めている設備投資の拡大に伴う減価償却費の増加が主な要因となっています。なお、設備投資の影響を除いたEBITDAは過去最高を更新しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 174億円 209億円 245億円 256億円 326億円
経常利益 13.6億円 16.1億円 18.1億円 30.5億円 28.6億円
経常利益率 7.8% 7.7% 7.4% 11.9% 8.8%
親会社株主に帰属する当期純利益 10.0億円 11.2億円 16.0億円 21.0億円 20.0億円
1株当たり当期純利益(円) 121.46 135.65 193.49 254.66 245.90

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大がうかがえます。一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の増加があったものの、設備投資に伴う減価償却費の増加や、人材採用促進のための初任給引き上げ、従業員エンゲージメント向上のための賃上げなど、人的資本への投資が増加したことが影響していると考えられます。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 152.1百万円 177.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 17.8百万円 15.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


イフジ産業は、財務基盤の安定性を保ちつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。現在の資金の流れから、同社グループの成長戦略と財務の健全性を確認できます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


イフジ産業の財務基盤は、高い自己資本比率とROEを示しています。自己資本比率は66.7%と、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)も16.8%と、プライム市場平均を上回る水準です。手元資金である現金及び預金は35.1億円となっています。これらの指標は、同社グループが安定した財務体質を維持していることを示しており、事業活動を継続するための基盤が整っていると言えます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 112億円 126億円
自己資本比率 66.6% 66.7%
ROE(自己資本利益率) 20.2% 16.8%
現金及び預金 40.5億円 35.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


イフジ産業のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが11.7億円のプラスとなりました。これは税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費の増加などによるものです。一方で、棚卸資産の増加や法人税等の支払額が資金の減少要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が増加したため、22.5億円のマイナスとなりました。これは主に液卵事業の液卵製造設備への設備投資を目的としたものです。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の借入れによる収入や短期借入金の純増加額により、5.2億円のプラスとなっています。結果として、フリーキャッシュフローは10.8億円のマイナスとなり、本業で得た資金を上回る積極的な投資を行っている成長投資フェーズにあることが示されています。この状況は、将来の事業拡大に向けた投資が活発であり、長期的な成長とそれに伴う雇用機会の創出が期待できることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 40.3億円 11.7億円
投資CF △18.7億円 △22.5億円
財務CF △12.8億円 5.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 21.6億円 △10.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの液卵事業は、主原料である鶏卵の相場変動が業績に影響を与える可能性があります。また、主要な販売先が製パン業界であり、当連結会計年度における同業界に対する売上高比率が約4割を占めているため、特定の業種への販売依存リスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


イフジ産業は、高い倫理観と質実剛健な社風を重んじ、社会貢献を経営の旨とする企業です。市場に流通しない規格外卵を「食の半導体」として活用し、持続可能な食の供給を追求しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


イフジ産業は、「高い倫理観を保ち、浮利を追わず、質実剛健と先憂後楽の社風を確立して、社業の発展に努め、以って取引先、従業員並びに株主に対する企業責任を全うし、社会に貢献すること」を経営理念としています。同社の存在意義(パーパス)は、市場に流通しない規格外卵を「食の半導体」ともいうべき液卵や凍結卵にし、安定した品質と適正価格で提供する「サステナブルサプライ」を実現し社会に貢献することです。また、「食のインフラ」として国民の豊かな食生活に貢献することを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念として「高い倫理観を保ち、浮利を追わず、質実剛健と先憂後楽の社風」を確立することを掲げています。品質を最優先とする方針のもと、お客様に寄り添った販売戦略を推進しています。また、全社的なコスト意識の醸成やデジタルリテラシーの向上にも取り組んでいます。サステナビリティへの取り組みを重要な課題と認識し、製品の品質向上や環境問題への対応に、従業員一丸となって取り組む企業風土があります。社員一人ひとりが自律的に成長し、個の力が活かされる環境を構築することを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、中長期的な経営戦略のもと、企業価値の向上に努めています。組織・文化・人材面では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進による業務効率化を重要な課題と認識しています。具体的には、DX人材の育成に継続的に取り組み、全社的なデジタルリテラシーの向上を図っています。また、既存業務の見直しや運用改善を通じて、社内システムの最適化を進め、業務の標準化および効率化を推進しています。全社的なコスト意識の醸成のため、従業員からの提案制度を導入しています。液卵事業では、卵殻や卵殻膜も含めた鶏卵の新たな価値創造に向けた研究開発を強化しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


イフジ産業は監査等委員会設置会社であり、取締役会、監査等委員会、会計監査人、指名・報酬諮問委員会で企業統治体制を構成しています。取締役会の約半数を社外取締役が占める体制により、ガバナンスの強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


イフジ産業の筆頭株主は将コーポレーションです。その他、宇髙氏といった個人株主が上位に複数名を連ねています。複数の個人株主が上位を占める資本構成となっています。

株主名 持株比率
将コーポレーション 14.47%
宇髙 紫乃 8.88%
宇髙 真一 5.20%


なお、上記大株主の宇髙真一氏は、2026年3月19日付で住所変更の大量保有報告書(変更報告書)を提出されていますが、2026年3月31日現在における株主名簿上の住所で記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は藤井宗徳氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
藤 井 宗 徳 代表取締役社長 1999年4月同社入社。2007年6月同社取締役就任、2008年3月常務取締役、2009年11月専務取締役。2014年6月より同社代表取締役社長。日本化工食品株式会社代表取締役社長も兼任より現職。
池 田 賢次郎 常務取締役関東事業部長東日本(関東事業部・名古屋事業部)担当 1981年4月同社入社。1996年4月同社関東事業部長、1998年6月同社取締役就任。2003年6月より同社常務取締役。東日本(関東事業部・名古屋事業部)担当より現職。
原 敬 常務取締役管理本部長 1994年4月同社入社。2011年6月同社取締役総務部長就任。2023年6月常務取締役経営企画部長兼総務部担当。2024年4月より同社常務取締役管理本部長より現職。
本 司 義 博 取締役 購買統轄部長西日本(関西事業部・福岡事業部)担当 1996年2月同社入社。2000年6月同社名古屋事業部購買グループ グループ長。2019年7月同社関西事業部長。2025年6月より同社取締役、西日本(関西事業部・福岡事業部)担当より現職。


社外取締役は、川原正孝氏(ふくや代表取締役会長・指名・報酬諮問委員会委員長)、中川正裕氏(元Qsol代表取締役社長・監査等委員)、桝本美穂氏(桝本法律事務所代表弁護士・監査等委員)、上村勝則氏(元西日本シティ銀行支店長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社を採用しています。社外取締役が取締役会の約半数を占める体制により、独立的な立場から業務執行の厳正な監視や提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


イフジ産業の役員報酬は、固定報酬と変動報酬で構成されています。変動報酬は短期インセンティブ報酬と中長期インセンティブ報酬からなり、短期インセンティブ報酬は全社利益に基づき、中長期インセンティブ報酬は株式報酬として株主との価値共有を図る目的で導入されています。社外取締役および監査等委員である取締役には固定報酬のみが支給され、業績連動の変動報酬はありません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.6億円 32.8百万円
監査等委員(社外除く) 2名 5百万円 2.5百万円
社外役員 6名 16百万円 2.7百万円


業績連動報酬のうち賞与は、前連結会計年度の連結経常利益達成度係数2.00を乗算した額が支給されています。また、非金銭報酬等として、社外取締役を除く取締役に対して譲渡制限付株式報酬が支給されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。