※本記事は、株式会社ヨンドシーホールディングス の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ヨンドシーホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は11名、グループ連結従業員数は1,047名です。
同社グループは、ジュエリーSPA、高級ブランド時計のリユース販売、アパレルメーカー、デイリーファッション小売を主な事業内容としています。連結子会社8社で構成され、各事業に関する物流及び付帯サービス業務も行っています。
主な国内グループ会社は、エフ・ディ・シィ・プロダクツ、アスティ、アージュ、羅針、ハートフルアクアなどです。
直近では、前期第4四半期より連結子会社となった高級ブランド時計のリユース販売を手がける羅針が通年で業績に寄与し、売上高が大幅に拡大しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社ヨンドシーホールディングスは持株会社として、グループ全体の経営戦略と人材育成に注力しています。同社グループは、従業員の能力開発とキャリア形成を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社単体の平均勤続年数は7.3年、平均年齢は38.1歳となっており、比較的若年層から中堅層の従業員が中心であることがうかがえます。従業員の定着を促し、長期的なキャリア形成を支援する方針が示されています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,875,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.3年 |
| 平均年齢 | 38.1歳 |
| 単体従業員数 | 11人 |
| 連結従業員数 | 1,047人 |
| 単体のグループ内比率 | 1.1% |
同社および一部の連結子会社は、退職給付制度として確定給付型企業年金基金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)、確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)、および退職一時金制度を設けています。これらの制度は国内の従業員に適用されています。
退職一時金制度があり、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。
確定給付制度における退職給付債務は15.0億円、年金資産は15.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人間尊重を基本理念に掲げ、「人財」を最大の財産と認識し、多様な人財の育成に積極的に取り組んでいます。これにより、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。教育プログラムや研修、OJTを通じて従業員の能力開発とキャリア形成を促す機会と環境を提供しています。
性別、障がいの有無、採用形態、働き方等に関わらず、個人が能力を最大限発揮し活躍できるようダイバーシティを推進しています。グループ各社の取締役会で採用計画や人財育成に係る方針を決定し、担当役員の指揮のもと業務部門が施策を実行しています。春闘や定期的な労使協議会を通じて組合とのコミュニケーションを充実させ、革新的な労使関係を構築しています。
安心安全な職場環境の整備を重視し、「ハラスメントを許しません!」を制定し、全社で取り組んでいます。また、将来の成長に必要なスキルを持った人財の育成と確保、エンゲージメントの向上を重要な課題と捉えています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は、育児休業等取得の対象となる男性従業員がないことを示しています。労働者の男女賃金の差異(うち、パート・有期労働者)は、該当する従業員がすべて男性であり、女性が不在のため男女差を算出しておりません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 労働者の男女賃金の差異(全労働者) | 90.4% |
| 労働者の男女賃金の差異(うち、正規雇用労働者) | 74.4% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱エフ・ディ・シィ・プロダクツ
男性育児休業等取得の対象となる男性従業員がないことを示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 37.5% |
▼ ㈱アスティ
男性育児休業等取得の対象となる男性従業員がないことを示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 23.1% |
▼ ㈱アージュ
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 21.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
指標と目標
| 項目 | 現状(2026年2月期) |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 34.4% |
| 離職率 | 20.9% |
| 男性育休取得率 | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ヨンドシーホールディングスは、ジュエリーやアパレル、ファッション雑貨といった幅広い分野で事業を展開する持株会社です。顧客のライフスタイルに寄り添う多様なブランドとサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に「ブランド事業」と「アパレル事業」の二つのセグメントで収益を上げています。それぞれの事業は、企画から製造、販売までを一貫して手掛けるSPA(製造小売)モデルや、メーカー機能、リテール小売など、多様なビジネスモデルで構成されています。国内市場が主な収益源であり、特定の顧客への売上集中は見られません。
ブランド事業
主にジュエリーを中心とした商品群において、企画・製造・販売の一貫したブランドビジネスを展開しています。主力ブランドは「4℃」や「CANAL 4℃」などです。また、高級ブランド時計専門のリユース販売も手掛けています。収益は、ジュエリーや高級ブランド時計の販売から得ています。運営は、エフ・ディ・シィ・プロダクツ及びその子会社、そして羅針が行っています。当期は前期に比べて売上高、営業利益ともに大幅な増加となりました。
アパレル事業
アパレルや雑貨を核に、海外生産背景を強みとした企画提案力のあるメーカー機能を有し、大手アパレル、専門店、GMSを主たるマーケットに事業展開しています。また、婦人服、服飾雑貨、実用衣料品を中心としたリテール小売を西日本を中心に展開しています。収益は、アパレル・雑貨のメーカー機能とデイリーファッション小売から得ています。運営は、アスティ及びその子会社、そしてアージュが行っています。当期は前期に比べて売上高は増加しましたが、営業利益は減少となりました。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| ブランド事業 | 217億円 | 453億円 |
| アパレル事業 | 242億円 | 246億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績は、売上高が継続的に増加傾向にあり、特に当期は大幅な伸びを示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、変動はありつつも当期は前期から大きく増加しました。これは、前期に連結した事業が通年で寄与したことなどが影響しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 381億円 | 395億円 | 395億円 | 459億円 | 700億円 |
| 経常利益 | 22.9億円 | 23.4億円 | 25.1億円 | 23.5億円 | 31.6億円 |
| 経常利益率 | 6.0% | 5.9% | 6.4% | 5.1% | 4.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 14.9億円 | 11.5億円 | 13.0億円 | 13.8億円 | 17.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 69.56 | 53.61 | 60.65 | 64.18 | 83.46 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて大きく増加しました。また、従業員1人あたり営業利益も同様に増加しています。これらの指標の向上は、同社グループ全体の生産性が改善していることを示唆しています。事業環境の変化に対応しながら、顧客提供価値の向上と成長基盤の構築に向けた施策が着実に推進された結果、効率的な事業運営が進んでいる状況がうかがえます。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 42.7百万円 | 66.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.8百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を生み出し、財務基盤を維持している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあります。これは財務の健全性を示しており、事業継続の安定性につながる要素です。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 389億円 | 411億円 |
| 自己資本比率 | 58.5% | 59.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.6% | 4.5% |
| 現金及び預金 | 17.1億円 | 13.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローはプラスで推移していますが、前期からは減少しています。これは主に棚卸資産の増加などによるものです。投資活動によるキャッシュフローは、投資有価証券の償還による収入があり、プラスとなっています。
その結果、自由に使える資金を示すフリーキャッシュフローはプラスであり、前期のマイナスから大きく改善しました。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いによりマイナスとなっています。同社グループは本業で安定的に資金を生み出し、財務活動で資金を減少させている状況です。この資金の流れは、事業活動が安定しており、将来に向けた成長投資の余力も確保されていることを示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 30.2億円 | 11.0億円 |
| 投資CF | △105.4億円 | 22.7億円 |
| 財務CF | 76.5億円 | △37.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △75.1億円 | 33.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ジュエリー等のファッション商品において国内外の多くのブランドと競合しており、新規ブランドの台頭や消費者嗜好の変化等により、ブランド競争力やイメージが低下する可能性があります。また、海外生産品における決済通貨は主に米ドルであり、円/米ドルの為替変動は仕入原価や為替差損益に影響する為替リスクも存在しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、各種会員やEC利用者、従業員等の個人情報を保有・管理しています。システム障害、不正アクセス、人的ミス、従業員による不正な持ち出し等により、個人情報が漏洩・紛失・改ざんされるリスクがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ヨンドシーホールディングスは、人間尊重の基本理念を掲げ、変革を恐れず挑戦し続ける企業文化を大切にしています。お客様、社員、社会、株主といったステークホルダーへの責任を果たすことを重視し、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、商品やサービスの提供を通じて人々の快適な生活づくりに貢献することを最大の使命としています。経営理念として「お客様に信頼される企業」「社員に夢を与える企業」「社会に貢献できる企業」「株主に期待される企業」を目指すことを掲げています。顧客、社員、取引先、株主など、同社グループを取り巻く人々に対する責任を果たすため、高収益企業を目指し、グループの結束力を強化していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人間尊重を基本理念とし、「人財」を最大の財産と認識しています。多様な人財の育成に積極的に取り組み、企業価値の向上と持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。性別、障がいの有無、採用形態、働き方などに関わらず、個人が能力を最大限発揮できる環境整備に努め、ダイバーシティを推進しています。また、「ハラスメントを許しません!」という方針を制定し、安心安全な職場環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、第7次中期経営計画の最終年度となる2027年2月期に向けて、「Challenge for Future 未来への挑戦~2030年に向けて~」をスローガンに掲げています。2030年に向けた持続的な成長を支える基盤構築に引き続き取り組んでいく方針です。組織ビジョンとしては、「企業価値の向上」「グループガバナンス体制の強化」「グループ人財育成の推進」「DXの推進」を通じて、企業の永続性に向けた強固な事業基盤の構築を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ヨンドシーホールディングスは、グループ会社の事業を統括する持株会社として、健全で透明性の高い企業グループを目指しています。取締役会の監督機能強化のため、監査等委員会設置会社を採用し、執行役員制度を導入することで意思決定と業務執行を明確に分離しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ヨンドシーホールディングスの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)です。上位株主には複数の金融機関が名を連ねています。また、同社グループの子会社と密接な取引関係にある取引先によって結成された4℃ホールディングスグループ共栄会も上位株主となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 7.16% |
| 広島銀行(常任代理人日本カストディ銀行) | 4.94% |
| 4℃ホールディングスグループ共栄会 | 4.00% |
| 伊予銀行(常任代理人日本カストディ銀行) | 3.41% |
| 大田 敏子 | 2.93% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は増田英紀氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 増田 英紀 | 代表取締役社長 | 2003年5月 ㈱アージュ入社 常務取締役、2017年3月 同社執行役員アージュ担当、2021年5月 同社代表取締役社長・COO、2022年3月 同社代表取締役社長より現職。 |
| 岡藤 一朗 | 代表取締役専務 | 1987年4月 同社入社、2015年3月 同社執行役員三鈴担当、2022年3月 同社代表取締役専務専務執行役員業務担当、2024年3月 同社代表取締役専務より現職。 |
| 西村 政彦 | 常務取締役 常務執行役員 財務担当 | 1985年4月 同社入社、2008年5月 同社取締役、2022年5月 同社常務取締役常務執行役員財務担当、2025年3月 同社常務取締役常務執行役員財務担当より現職。 |
| 新井 宏 | 取締役 執行役員アスティ担当 | 1993年4月 同社入社、2015年3月 ㈱アスティ執行役員第一事業部長、2023年3月 ㈱アスティ代表取締役社長、2024年5月 同社取締役執行役員アスティ担当より現職。 |
社外取締役は、児玉直樹氏(M&Sコンサルティング代表)、北川展子氏(島田みらい法律事務所弁護士・監査等委員)、河添博氏(河添博税理士事務所税理士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化のため3名の社外取締役を選任しています。社外取締役は、専門的な知識や経験に基づき、公正かつ中立な立場から経営の監督とチェック機能を果たしています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ヨンドシーホールディングスの役員報酬は、基本報酬、賞与、ストック・オプション、信託型株式報酬で構成されています。基本報酬は役位や職責に応じた固定報酬であり、賞与は連結営業利益を指標とした業績連動報酬です。また、業績向上や企業価値増大へのインセンティブとして、ストック・オプションと信託型株式報酬も導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外役員 | 3名 | 14百万円 | 4.7百万円 |
連結報酬等の総額が1億円以上である役員は存在しないため、個人別の報酬開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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