【平均年収933万円】イオン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収933万円】イオン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

イオンは、イオン東北、サンデーなどを傘下に持つ純粋持株会社です。小売を核に総合金融、ディベロッパーなど多岐にわたる事業を複合的に展開し、多数の従業員を擁する大規模なグループです。直近では過去最高の増収増益を達成しました。


目次

※本記事は、イオン株式会社 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


イオンは純粋持株会社であり、単体従業員数は559名、グループ連結従業員数は179,230名です。

同社グループは、小売事業を中心として、総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店などの各事業を複合的に展開しています。312社の連結子会社を中心に、多岐にわたる事業を手掛けています。

主な国内グループ会社は、イオン東北、サンデー(ホームセンター)、トップバリュコレクション(衣料品の製造・加工・卸売・販売)、イオンバイク(総合自転車店の・運営事業)などです。

直近では、ツルハホールディングスを連結子会社化し、ウエルシアとの経営統合を進めました。また、SM事業の再編も実施しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


イオンは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念のもと、事業活動を通じてサステナビリティを推進しています。同社グループは、従業員一人ひとりの可能性を信じ、自律的な成長を推進するための人材マネジメントに注力しています。多様な人材が最大限のパフォーマンスを発揮できる施策や職場環境づくりを継続的に強化しているのが特徴です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


イオンの単体従業員は、平均年齢が高く、平均勤続年数も長めであることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。人材の定着が進んでおり、安定して働き続けられる傾向にあると言えるでしょう。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 9,329,258円
平均勤続年数 18.5年
平均年齢 49.3歳
単体従業員数 559人
連結従業員数 179,230人
単体のグループ内比率 0.3%


イオンは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を設けています。確定給付型は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額があらかじめ決まる制度です。確定拠出型は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、その運用実績によって将来の給付額が決まる制度です。

これらの制度は、提出会社および主要な国内連結子会社を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務は1,610億円、年金資産は2,424億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


イオンは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という企業理念のもと、企業の発展力は人であると考えています。人間尊重の経営を実現するため、従業員一人ひとりの可能性を信じ、仕事や学びを通じて成長することを後押しする人材育成に取り組んでいます。

同社グループは、賃金制度において性別による処遇の差は一切ないものの、資格等級の高い男性労働者の割合が多いことや、女性パートタイマーの構成比の高さが賃金差異の主な要因であると説明しています。パートタイマーの賃金は4年連続で7%以上引き上げており、今後も積極的な教育投資とDX推進・業務オペレーション改革による生産性向上と賃金改善の好循環を目指しています。

人材育成においては、「教育は最大の福祉」という考えに基づき、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる教育環境を整えています。具体的には、事業変革と持続的成長を支える人材基盤の構築に向け、戦略的採用を強化しており、2026年度からはグループ内の約20社で「職種別スペシャリスト採用」を開始します。

また、ホールディングスとしてグループ各社の人材育成の進化を支援し、「期待人材像」をもとにした新たな人材育成体系の構築や、自律型人材の育成を目的としたグループ共通教育プログラムの導入を進めています。キャリア自律の支援として、イオンキャリアサポーターの養成や全従業員へのリスキリングを促進しています。さらに、グループ経営や事業の成長を牽引する次世代経営人材候補やデジタル人材の育成にも力を入れています。

社内環境整備においては、多様な人材が活躍できる環境の整備を経営戦略の一つと位置付け、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を推進しています。女性活躍、障がい者活躍、LGBTQ+への対応、健康経営、エンゲージメント向上施策など、幅広い取り組みを通じて従業員一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を整備し、持続可能な成長を実現することを目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき、育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 18.1%
男性労働者の育児休業取得率 83.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 63.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 71.2%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 114.3%


労働者の男女の賃金の差異において、提出会社で正規雇用労働者における男女間の賃金差異が生じている主な要因は、賃金制度において性別による処遇の差は一切ないものの、資格等級の高い男性労働者の割合が多いためです。全労働者においても、非正規労働者の93%が女性であることにより、平均年間賃金の算出において賃金差異が大きく発生しています。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ イオンリテール

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 31.2%
男性労働者の育児休業取得率 98.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 63.2%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 79.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 98.2%


▼ イオン九州

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 29.2%
男性労働者の育児休業取得率 67.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 96.1%


▼ イオン東北

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 46.7%
男性労働者の育児休業取得率 27.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 71.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 78.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 99.7%

グループ全体(連結)


従業員が100人を超える連結子会社を主要な連結子会社として算出の対象としており、算出基準は法定の算出方法と異なります。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 28.7%
男性労働者の育児休業取得率 84.5%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.1%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.6%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 108.2%

基本理念の浸透度


基本理念への共感度、未来ビジョンへの共感度は2025年8月に実施したエンゲージメントサーベイの自社アンケート結果から算出したグループ連結のスコアです。5段階にてスコア化(1.0~5.0)しています。

指標 数値
基本理念への共感度 3.77
未来ビジョンへの共感度 3.63
理念研修の参加率 86.2%

従業員の働きがい


エンゲージメントレーティングは、2025年度までに組織の信頼関係が健全な状態であることを示すBランク以上に全社が達することを目標に掲げ、エンゲージメントの改善に取り組んでいます。エンゲージメントスコアの算出は株式会社リンクアンドモチベーション社の「モチベーションクラウド」によって算出されています。他社平均50.0に対し、同社グループ全体で52.3、エンゲージメントレーティング「BB」(全11段階中上から5番目)を獲得しています。離職率は「定年退職」を除いた通常対象者数を算出に用いています。

指標 数値
エンゲージメントレーティング B以上出現率 73.2%
全体(エンゲージメントスコア) BB(52.3)
管理職(エンゲージメントスコア) BBB(57.2)
日給月給(エンゲージメントスコア) BB(52.6)
時間給(エンゲージメントスコア) BB(51.7)
離職率(日給月給) 6.0%
入社5年目定着率 57.5%
健康経営優良法人認定社数 65社

職場の多様性


女性管理職比率は在外子会社を含めて算定しています。国内会社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出しており、在外子会社についても共通のフォーマットで算定しています。女性管理職比率の算出にあたり、GMS事業については「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の基準と照合した際に職責や部下の管理範囲が管理職として妥当と考えられる店舗マネージャーや主任を算出に含めています。

指標 数値
女性管理職比率 28.7%
障がい者雇用率 2.94%

経営幹部育成状況

指標 数値
次期経営幹部の育成 ジュニア(20代) 26名
次期経営幹部の育成 ミドル(30代) 38名

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


イオンは純粋持株会社として、小売事業を核に、総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店など多岐にわたる事業を複合的に展開しています。地域のお客さまの暮らしを支える生活インフラとしての役割を最優先に、商品・サービスにおける価値訴求力の強化と事業構造の高度化を両立させる取り組みを推進しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、純粋持株会社であるイオンのもと、312社の連結子会社と21社の持分法適用関連会社により構成されています。小売事業を中心としながらも、総合金融、ディベロッパー、サービス・専門店といった多様な事業を複合的に展開し、それぞれの事業が収益を上げています。

同社グループの事業は、主に以下のセグメントに分かれています。

GMS事業

総合スーパーや均一価格雑貨販売業などを展開しています。収益は、商品販売やサービス提供から得ています。運営は、イオンリテール、イオン北海道、イオン九州、キャンドゥなどが行っており、前期に比べて増収となりました。

SM事業

スーパーマーケット、コンビニエンスストア、小型スーパーマーケットなどを展開しています。収益は、主に商品販売から得ています。運営は、U.S.M.H、マックスバリュ東海、フジ、ミニストップ、まいばすけっとなどが行っており、前期に比べて増収となりました。

ヘルス&ウエルネス事業

ドラッグストアや調剤薬局などを展開しています。収益は、物販と調剤サービスから得ています。運営は、ウエルシアやツルハなどが行っており、前期に比べて大幅な増収となりました。

国際事業

アセアン地区および中国における小売事業を展開しています。収益は、各地域での商品販売やモール事業収入から得ています。マレーシア、ベトナム、中国などで事業を展開しており、前期に比べて増収となりました。

総合金融事業

クレジットカード事業、フィービジネス、銀行業などを展開しています。収益は、営業債権残高の拡大や金融収益の増加から得ています。運営は、イオンフィナンシャルサービスやイオン銀行などが行っており、前期に比べて増収となりました。

サービス・専門店事業

総合ファシリティマネジメントサービス業、アミューズメント、外食、ファミリーカジュアルファッション・靴などを販売する専門店などを展開しています。収益は、各専門分野でのサービス提供や商品販売から得ています。運営は、イオンファンタジー、イオンディライト、イオンエンターテイメント、コックスなどが行っており、前期に比べて増収となりました。

ディベロッパー事業

ショッピングセンターの開発および賃貸を行っています。収益は、既存モールの専門店売上高やテナント収入から得ています。運営は、イオンモールなどが行っており、前期に比べて増収となりました。

DS事業

ディスカウントストアを展開しています。収益は、低価格訴求による商品販売から得ています。運営は、イオンビッグやビッグ・エーなどが行っており、前期に比べて増収となりました。

その他の事業セグメント

モバイルマーケティング事業やデジタル事業などを展開しています。収益は、これらの事業活動から得ています。前期に比べて大幅な増収となりました。

同社グループの営業収益は、日本国内が全体の約91.3%を占めており、海外事業は約8.8%となっています。海外事業の内訳では、アセアン地域が約5.7%、中国地域が約3.1%を占めています。

セグメント 営業収益(2025年2月期) 営業収益(2026年2月期)
GMS 3兆4,607億円 3兆6,049億円
SM 3兆398億円 3兆704億円
ヘルス&ウエルネス 1兆3,220億円 1兆6,325億円
国際 5,443億円 5,636億円
サービス・専門店 5,212億円 5,319億円
総合金融 4,670億円 4,862億円
ディベロッパー 4,093億円 4,315億円
DS 4,102億円 4,292億円
その他の事業セグメント 154億円 254億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の業績を見ると、営業収益は一貫して増加傾向にあり、当連結会計年度には過去最高を更新しました。経常利益も同様に増加し、過去最高を更新しています。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から大幅な増益となりました。これは、ヘルス&ウエルネス事業の堅調な推移や、ディベロッパー事業、サービス・専門店事業の収益成長、グループ全体のコストコントロールの徹底、DXを活用した業務プロセス改革などが寄与しています。また、ツルハホールディングスの連結子会社化による段階取得に係る差益も、当期純利益の大幅な増加に貢献しました。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
営業収益 8兆7,160億円 9兆1,168億円 9兆5,536億円 10兆1,349億円 10兆7,153億円
経常利益 1,671億円 2,037億円 2,375億円 2,242億円 2,430億円
経常利益率 1.9% 2.2% 2.5% 2.2% 2.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 65.0億円 214億円 447億円 272億円 727億円
1株当たり当期純利益(円) 2.56 8.37 17.42 10.57 26.87

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの営業収益(連結)は、前期からわずかに減少しました。一方で、従業員1人あたりの営業利益(連結)は前期から増加しており、組織全体の収益性向上がうかがえます。

これらの指標は、同社グループが事業規模を拡大しつつ、効率的な経営を目指している傾向を示しています。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
従業員1人あたり営業収益(連結) 60.3百万円 59.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.4百万円 1.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


イオンは、本業で安定した資金を創出し、投資活動も行いながら、自由に使える資金を確保している状態です。これは、事業の持続的な成長と財務の健全性を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


イオンの財務基盤を見ると、純資産は2兆2,043億円、現金及び預金は1兆3,500億円となっています。自己資本比率は7.9%であり、プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は6.4%で、プライム市場平均を下回っています。手元資金は厚く、不況時への耐性がある状態です。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 2兆1,353億円 2兆2,043億円
自己資本比率 7.7% 7.9%
ROE(自己資本利益率) 2.6% 6.4%
現金及び預金 1兆2,584億円 1兆3,500億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1兆1,266億円の増加となりました。これは、その他の資産・負債の増減額や仕入債務の増減額が増加した一方で、銀行業における預金の増減額が減少したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは1兆887億円の減少となりました。これは、銀行業における有価証券の取得による支出が増加し、前連結会計年度にあった支配喪失会社からの貸付金の回収による収入が当連結会計年度にはなかったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは401億円の増加となりました。これは、長期借入れによる収入や社債の発行による収入が増加した一方で、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が増加したことによるものです。

フリーキャッシュ・フローは379億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資活動を賄い、なお余剰資金を生み出している状態です。同社グループは、本業で安定的に資金を創出しながら、将来に向けた投資も継続していることがうかがえます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 5,662億円 1兆1,266億円
投資CF △4,788億円 △1兆887億円
財務CF 8.8億円 401億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 874億円 379億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、日本経済の悪化や個人消費の落ち込み、人口減少による市場の縮小、業種・業態を超えた競争激化により売上が低迷する可能性があります。また、為替変動やインフレ、異常気象等により調達コストや運営コストが上昇する一方で、販売価格への転嫁が困難となる場合があります。商品の開発及び調達においては、原材料価格や物流コストの上昇、急激な為替変動、天候不順等により、商品調達に支障が生じたり、売上原価が上昇したりするリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、少子高齢化の進行による人口構成の変化等により、人材確保・育成計画が予定通りに進まないリスクがあります。また、労働需給の逼迫や急激な賃金の引き上げにより、従業員にかかる費用が増加する可能性も指摘されています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


イオンは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念を掲げ、持続可能な成長と地域社会への貢献を目指しています。一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造することをビジョンとしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


イオンは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念を定款に掲げています。この理念に基づき、「すべてはお客さまのために」という視点から、持続可能な成長と地域社会への貢献を目指しています。また、「一人ひとりの笑顔が咲く未来のくらしを創造する」というステートメントを掲げた「イオングループ未来ビジョン」を策定し、長期的な繁栄と成長を遂げることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「教育は最大の福祉」という考えと人間尊重の精神に基づき、従業員の自律的な成長を後押しする文化を大切にしています。「小売業は人間産業」の理念のもと、多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境整備に注力しています。

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進を重要な経営戦略と位置づけ、従業員とその家族、お客さま、会社の三者の満足を目指す「ダイ満足」活動をグループ全体で推進しています。人権尊重の公正な事業活動や、従業員の健康増進に取り組む健康経営も重視されています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、人手不足の深刻化といった経営環境の変化に対応するため、人材の活躍とダイバーシティの推進を重点テーマとしています。ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)を重要な経営戦略と位置づけ、女性活躍推進や多様な働き方の実現、障がい者雇用支援など、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます。

人的資本への投資も強化しており、経営人材・専門人材・グローバル人材の育成と採用、教育投資の拡充、キャリア支援の強化を推進しています。従業員の働きがい(エンゲージメント)向上を重要指標に設定し、多様な人材が柔軟に働くための環境整備に力を注いでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


イオンは持株会社制を採用しており、指名委員会等設置会社として透明性の高いガバナンス体制を構築しています。取締役会は経営の監督機能を担い、迅速な意思決定と業務執行の監督を行っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、信託銀行が上位を占めており、機関投資家による安定的な保有がうかがえます。また、公益財団法人や同社グループの共栄会といった関連団体も上位株主として名を連ねており、同社グループの事業基盤を支える多様な主体によって資本が構成されていることが特徴です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 12.75%
日本カストディ銀行(信託口) 3.91%
みずほ銀行 3.68%
公益財団法人岡田文化財団 2.39%
公益財団法人イオン環境財団 2.36%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は19名(男性16名・女性3名)で構成され、女性役員比率は15.8%です。代表執行役会長は岡田元也氏、代表執行役社長は吉田昭夫氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。

氏名 役職 主な経歴
岡田 元也 代表執行役会長 1979年3月同社入社、1997年6月同社代表取締役社長就任、2003年5月同社取締役兼代表執行役社長就任、2020年3月同社取締役兼代表執行役会長就任より現職。
吉田 昭夫 代表執行役社長 1983年4月同社入社、2015年2月イオンモール㈱代表取締役社長就任、2016年3月同社執行役就任、2020年5月同社取締役兼代表執行役社長就任より現職。
羽生 有希 執行役副社長中国事業担当 1991年4月同社入社、2014年3月同社執行役就任、永旺(中国)投資有限公司董事長・総裁就任、2022年5月同社取締役就任より現職。2026年3月より同社中国事業担当。
土谷 美津子 執行役副社長商品・物流担当 1986年4月同社入社、2006年5月同社執行役就任、2010年5月㈱イオンファンタジー代表取締役社長就任、2024年5月同社取締役就任より現職。2025年3月より同社商品・物流担当。


社外取締役は、塚本隆史氏(元みずほフィナンシャルグループ取締役社長・指名委員会議長・報酬委員会議長・監査委員)、ピーターチャイルド氏(元マッキンゼー・アンド・カンパニー シニアパートナー・指名委員・報酬委員)、キャリーユー氏(PwC中国 消費者市場業界リーダー・監査委員)、林眞琴氏(元検事総長・監査委員会議長)、リシャールコラス氏(元シャネル㈱(日本法人)代表取締役社長・監査委員)です。

同社は指名委員会等設置会社であり、取締役会が業務執行の監督を担っています。取締役会は社外取締役が過半数を占め、監査・指名・報酬の各委員会も社外取締役が議長を務めることで、透明性の高い経営体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、社外取締役が議長を務める報酬委員会によって決定され、客観性と透明性が確保されています。報酬は基本報酬、業績報酬、株式報酬型ストックオプションで構成されており、同社グループの持続的な成長と企業価値向上への貢献を強く動機付ける設計となっています。業績連動報酬の指標には連結営業収益と連結経常利益が用いられています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
執行役 17名 11.8億円 69.6百万円
社外役員 5名 1.0億円 20.4百万円


同社グループの役員報酬総額は12.9億円であり、対象となる役員は合計22名です。

個人別報酬が開示されている役員は、岡田元也氏(1.33億円)、吉田昭夫氏(1.72億円)、土谷美津子氏(1.03億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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