イオンの転職研究 2026年2月期3Q決算に見るキャリア機会

イオンの転職研究 2026年2月期3Q決算に見るキャリア機会

イオンの2026年2月期3Q決算は、営業収益・営業利益ともに過去最高を更新。ツルハHDの連結子会社化や主要子会社の完全子会社化など、グループの構造的変革が加速しています。「なぜ今、巨大小売のイオンなのか?」「転職者がどの事業で、どのような改革を担えるのか」を最新データから整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

ツルハHDの連結子会社化を完了する

2026年1月、持分法適用会社であったツルハホールディングスの連結子会社化を完了しました。これにより、日本最大のドラッグストア連合体が誕生し、アジアNo.1のグローバル企業への成長を加速させます。ドラッグストア領域での圧倒的な規模を活かした商品開発や物流網の共通化が期待されており、ヘルスケア・ウエルネス分野でのキャリア機会が飛躍的に拡大する見込みです。

営業収益・営業利益が過去最高を更新する

第3四半期累計の連結業績において、営業収益は7兆7,494億円(前年同期比103.7%)、営業利益は1,447億円(同123.1%)に達し、過去最高を更新しました。プライベートブランド「トップバリュ」の拡販や、デベロッパー事業の好調が収益を牽引しています。物価高による節約志向に対し、マルチフォーマットの強みを活かした柔軟な価格戦略が成果を上げている点は、実務を担う現場にとって大きな自信となっています。

主要子会社の完全子会社化で経営を統合する

事業ポートフォリオの変革を目的として、当四半期中にイオンモールおよびイオンディライトの完全子会社化を実施しました。グループ内の需要集約やインフラの効率化を迅速に進める体制が整い、意思決定のスピードアップが図られています。さらに、関東・近畿圏でのスーパーマーケット事業の再編(経営統合)も進行中であり、小売・不動産・サービスが融合した新たな価値創造を推進できる人材への期待が高まっています。

1 連結業績ハイライト

営業収益・営業利益ともに過去最高を更新。通期予想を上方修正し、グループの成長力はさらに加速しています。
連結業績実績

出典:2026年2月期 第3四半期決算説明資料 P.2

営業収益

7兆7,494億円

前年比 +3.7%

営業利益

1,447億円

前年比 +23.1%

経常利益

1,271億円

前年比 +24.5%

第3四半期累計の業績は、物価上昇による生活防衛意識が高まる中で、すべてのセグメントで増収を達成しました。特にプライベートブランド(PB)「トップバリュ」が、お買い得価格と品質の両立を武器に売上高前年比111.2%と大きく伸長しています。利益面では、デジタルシフト(DX)による店舗オペレーションの効率化や人時生産性の向上が寄与し、2期ぶりに過去最高益を更新しました。

通期予想に対する営業収益の進捗率は約72.4%となっており、第4四半期に子会社化したツルハHDの業績が加わることを踏まえると、概ね順調な推移と評価できます。通期の親会社株主に帰属する当期純利益も段階取得差益の計上を見込んでおり、財務基盤の強化とともに、さらなる事業構造改革への再投資が可能な状況です。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

小売・金融・不動産が融合する巨大なプラットフォーム。各事業がデジタルトランスフォーメーションを武器に独自の進化を遂げています。
セグメント別実績

出典:2026年2月期 第3四半期決算説明資料 P.4

GMS(総合スーパー)事業

事業内容

イオンリテールやイオン九州を中心に、衣食住すべてを網羅する総合スーパーを展開。PBのSPA化(製造小売業化)を進めています。

業績推移

営業収益2兆7,226億円(前年比104.1%)。営業損失は116億円となりましたが、前年から75億円の大幅な損益改善を達成しました。

注目ポイント

店舗DXが進展しており、AIによる価格設定や在庫管理の最適化が進んでいます。衣料品・家具等の専門店モデル化を加速させており、マーチャンダイジング(商品計画)の刷新やECチャネルの黒字化を担えるデジタル・物流人材の重要性が極めて高まっています。

注目職種: デジタルマーケター、ECサイト運営、SCM企画、店舗改革コンサルタント

SM(スーパーマーケット)事業

事業内容

USMHやフジ、ダイエー等、地域密着型のスーパーを展開。関東圏での経営統合による「首都圏SM戦略」を推進中です。

業績推移

営業収益2兆3,016億円(前年比102.8%)。統合効果もあり、営業利益は132億円(同113.6%)の増収増益です。

注目ポイント

複数の事業会社を統合する「リージョナルシフト」の真っ只中にあります。プロセスセンター(調理・加工拠点)の活用拡大や、移動販売を通じた地域インフラ化が進んでおり、PMI(経営統合後の組織整備)や地域物流の再構築に強みを持つ人材が求められています。

注目職種: 経営企画(PMI担当)、生産管理、物流ネットワーク設計、地域振興ディレクター

ヘルス&ウエルネス事業

事業内容

ウエルシアHDを中心とした国内最大のドラッグストア事業。当期よりツルハHDとの経営統合準備を本格化しています。

業績推移

営業収益1兆152億円(前年比102.7%)、営業利益273億円(同120.7%)と、20%を超える増益を達成。

注目ポイント

調剤併設店舗の拡大や、食品を強化した新モデル店が好調です。ツルハHDとの統合により、アジアNo.1を目指すグローバル展開が加速します。ヘルスケアと小売、デジタルの融合を推進できる専門性の高い人材にとって、キャリアの天井が最も高い領域の一つです。

注目職種: 調剤マネジメント、海外事業開発、PB開発(医薬品・衛生用品)、ヘルスケアITエンジニア

総合金融事業

事業内容

イオン銀行、イオンカードを基盤に、決済・預金・保険等の金融サービスを国内外で提供しています。

業績推移

営業収益4,188億円(前年比108.3%)、営業利益404億円(同105.5%)と、増収増益を維持しています。

注目ポイント

「AEON Pay」の会員数が1,000万人を突破。蓄積された購買データの活用による1to1マーケティングが成果を出し始めています。貸倒費用の抑制も進んでおり、フィンテック領域での事業開発や、データサイエンスを活用したリスク管理人材の活躍の場が広がっています。

注目職種: フィンテック企画、データサイエンティスト、リスクマネジメント、アプリ開発

ディベロッパー事業

事業内容

イオンモールが中心。国内外でのショッピングセンター開発・運営を担い、地域共創型モールへの進化を目指しています。

業績推移

営業収益3,868億円(前年比105.2%)、営業利益493億円(同127.5%)で、過去最高益を更新

注目ポイント

電力コストの削減や再エネ導入など「環境・グリーン」戦略が利益に大きく貢献しています。中国・アセアンでも高収益を維持しており、脱炭素・サステナブル経営の実践や、デジタルを活用したモール運営(スマートモール)に精通した人材が歓迎されます。

注目職種: 環境戦略、商業施設企画、スマートモール開発、海外開発、PM(プロパティマネジメント)

サービス・専門店・国際事業

事業内容

映画館、アミューズメント施設、中国・ベトナム等の海外小売店舗を展開。エンタメから海外事業まで多岐にわたります。

業績推移

サービス・専門店は利益25.7%増と好調。国際事業はベトナムが好調な一方、中国・マレーシアが苦戦し、利益は微減となりました。

注目ポイント

映画のヒットやアミューズメント需要の回復が顕著です。海外では、特にベトナムへの「アジアシフト」を最優先課題としており、人口ボーナス期の旺盛な消費を取り込むための多店舗展開とOMO(オンラインとオフラインの融合)を担えるグローバル人材の重要性が増しています。

注目職種: エンタメ企画、海外店長候補、海外MD、デジタル・トランスフォーメーション推進

3 今後の見通しと採用の注目点

ドラッグストア事業の経営統合とアジア展開が成長の鍵。構造改革を加速させ、さらなる収益性向上を目指します。
業績予想の修正

出典:2026年2月期 第3四半期決算説明資料 P.18

イオングループは、ツルハHDの連結子会社化に伴い、通期の連結業績予想を上方修正しました。営業収益は10兆7,000億円、営業利益は2,750億円を見込んでおり、圧倒的な事業規模によるスケールメリットの追求を鮮明にしています。質疑応答では、ドラッグストア事業において「アジアNo.1のグローバル企業を目指す」という強い意欲が示されており、2032年2月期には売上高3兆円を目指す長期目標を掲げています。

一方で、中国経済の停滞や国内のエネルギーコスト上昇など、外部環境の不透明さも意識されています。これに対し、サプライチェーンの「川上」への対策、すなわち物流網やプロセスセンターの統合改革をさらに加速させる方針です。単なる値下げに頼らない「弾力性のある事業モデル」への転換が急務となっており、既存の小売の枠組みを超えたサプライチェーン全体の最適化を設計できる人材にとって、非常にエキサイティングなフェーズにあります。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

イオンは今、単なる小売企業から、金融・不動産・デジタルが融合した「生活インフラ企業」へと進化しています。志望動機では「サプライチェーンの再構築」や「リージョナルシフトに伴う組織統合」など、グループ全体の構造改革にどう貢献できるかを語るのが効果的です。特に、ツルハHDとの統合のような、業界再編をリードするダイナミックな事業展開に、自身のどのような専門性(DX、PMI、グローバル開発など)が寄与できるかを具体化しましょう。

Q&A 面接での逆質問例
  • ツルハHDとの連結による「ヘルス&ウエルネス事業」の統合プロセスにおいて、具体的にどのようなシナジー(物流や商品開発の共通化など)を最優先で進める予定ですか?
  • 「AIオーダー」や「AIカカク」など、実店舗のDXが急速に進んでいますが、DXが創出した余剰人時を、今後どのような高付加価値業務に振り向けていく方針ですか?
  • ベトナムを中心とした「アジアシフト」において、現地採用人材と日本からの派遣人材がどのように連携し、現地ニーズに即した店舗開発を進めていますか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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周囲のサポートが手厚く安心して取り組める

研修制度が充実しており、入社時には1日かけた研修が行われ、その後も定期的に研修が実施されます。これにより、他部署の人々と意見交換ができ、視野が広がります。失敗しても周囲のサポートが手厚く、丁寧な説明を受けられるため、安心して業務に取り組めます。

(30代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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日々の業務が単調になりがち

業務内容は多岐にわたり、特にグループ企業が多いため、各部署間での調整が求められます。人手不足の影響で、デスクワークと現場業務の両方を担当することが多く、日々の業務が単調になりがちです。

(30代前半・システムエンジニア・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年2月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2026年2月期 第3四半期決算説明資料
  • 2026年2月期 第3四半期決算説明会質疑応答(2026年1月8日開催)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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