【平均年収604万円】壱番屋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収604万円】壱番屋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

壱番屋は、カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」を中心に、国内外で飲食店を展開しています。国内では直営店とフランチャイズ加盟店を、海外では連結子会社を通じて店舗展開を進めており、多くの従業員を擁しています。直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社壱番屋 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


壱番屋は、カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」を中心に、国内外で飲食店を展開しています。国内では直営店とフランチャイズ加盟店(FC店)を展開し、FC店への経営指導や食材・消耗品の販売も行っています。海外では連結子会社や現地法人を通じて店舗展開を進めています。

単体従業員数は705名、連結従業員数は1,298名です。同社グループは飲食事業の単一セグメントで事業を展開しています。

主な国内グループ会社は、イチバンヤUKLIMITED、大黒商事、竹井、LFDJAPAN、KOZOUなどです。

同社グループは、昨年12月に夜パフェ専門店「パフェテリア パル」などを展開する株式会社GAKUの株式を取得しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


壱番屋は、飲食事業を主軸とする企業として、安定した事業基盤のもとで従業員の働きやすさを重視する傾向が見られます。従業員の定着を促し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い水準にあります。これは、長期的なキャリア形成を支援し、従業員が安心して働き続けられる環境が整っていることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 6,044,000円
平均勤続年数 12.1年
平均年齢 42.0歳
単体従業員数 705人
連結従業員数 1,298人
単体のグループ内比率 54.3%


同社グループは、退職金規程に基づく社内積立の確定給付型退職一時金制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。退職給付債務は10.5億円となっています。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、持続可能な社会の実現を目指し、人的資本に関する戦略を策定しています。性別を問わず、全従業員が能力を最大限に発揮し、ワークライフバランスを実現できる就業環境の整備を重視しています。

具体的には、年次有給休暇の取得推進や男性社員による育児休業取得の推進など、多様な働き方を支援する取り組みを進めています。これらの施策を通じて、従業員一人ひとりが長期的に活躍できる基盤を築くことを目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。賃金差異の主要因は、管理職における女性比率が15.2%であるものの、パート社員に女性が多いことによります。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 15.2%
男性労働者の育児休業取得率 85.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.5%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 116.7%

多様性・登用


当社グループにおける人的資本に関する戦略に基づき設定された、提出会社単体の任意開示指標です。

指標 数値
女性管理職比率 15.2%

育児・介護支援


当社グループにおける人的資本に関する戦略に基づき設定された、提出会社単体の任意開示指標です。

指標 数値
男性育児休業取得率 85.7%

人材育成・エンゲージメント


当社グループにおける人的資本に関する戦略に基づき設定された、提出会社単体の任意開示指標です。

指標 数値
年次有給休暇取得率 73.2%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


壱番屋グループは、カレー専門店「カレーハウスCoCo壱番屋」を国内外で展開する飲食事業を主軸としています。国内では直営店とフランチャイズ加盟店(FC店)の二つの形態で事業を展開しており、FC店に対しては店舗経営の指導に加え、店舗で使用する食材や消耗品、設備などの商製品を販売しています。

また、食品メーカーなどへの商標貸し出しも行っています。海外事業では、連結子会社や関連会社、その他の現地法人を通じて店舗を展開し、商製品販売やロイヤルティ収入を得ることで収益を上げています。収益モデルとしては、直営店での顧客へのサービス提供による売上、FC店への食材等の販売による売上、そして商標利用に伴うライセンス収益やFC店からの加盟金収入など、多角的な収益源を持っています。

海外売上高は全体の売上高の一部を占めており、日本国内が主要な市場となっています。特定の顧客への売上高が全体の10%以上を占めることはありません。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
FC向売上高 376億円 398億円
直営店売上高 225億円 246億円
その他 9.6億円 11.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上高が着実に増加する傾向を示しています。しかし、直近の連結会計年度では、売上高は増加したものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも減少となりました。

これは、米などの食材仕入価格の高騰や物流費の増加といったコスト増を吸収しきれなかったこと、また店舗に係る減損損失や本部のソフトウエア入れ替えに伴う固定資産除却損が増加したことが主な要因として挙げられています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業による資金創出力は維持されています。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 450億円 483億円 551億円 610億円 655億円
経常利益 41.7億円 40.4億円 50.2億円 51.9億円 49.9億円
経常利益率 9.3% 8.4% 9.1% 8.5% 7.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 29.2億円 25.4億円 26.9億円 31.7億円 25.6億円
1株当たり当期純利益(円) 18.31 15.91 16.84 19.88 16.06

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、直近の連結会計年度で前期から増加しています。これは、売上高の増加に対して連結従業員数の伸びが緩やかであったことを示しており、従業員一人ひとりの売上貢献度が高まっている傾向が見られます。

一方、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しており、売上高の増加にもかかわらず、利益率の低下が影響していることがうかがえます。このような状況は、コスト管理や業務効率化の取り組みが今後の課題となる可能性を示唆しています。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 49.4百万円 50.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.0百万円 3.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、事業を支える自己資本と手元資金の厚み、そしてキャッシュフローの健全性から、安定した経営基盤を示しています。これらの要素は、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE、そして手元資金の状況から安定していることがうかがえます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な財務体質を示しています。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、安定した収益性を維持している状況です。手元資金も一定の厚みを保っており、不測の事態への耐性があると考えられます。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 326億円 329億円
自己資本比率 68.8% 67.0%
ROE(自己資本利益率) 10.1% 8.0%
現金及び預金 155億円 133億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、その資金を成長投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは前期から増加しており、本業で着実に資金を稼ぎ出していることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や子会社株式の取得による支出があり、将来に向けた積極的な投資が行われていることが分かります。

その結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、本業の稼ぎが投資を上回る健全な状態です。財務活動によるキャッシュフローは、主に配当金の支払額により減少しています。これらの資金の流れから、同社グループは安定した事業運営と将来への投資を両立している状況にあると言えます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 53.2億円 55.9億円
投資CF △30.5億円 △49.3億円
財務CF △29.1億円 △29.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 22.7億円 6.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、外食市場における店舗間競争の激化や、コンビニエンスストア・スーパーマーケット等との業態の垣根を越えた競争に直面しています。お客様のニーズに合ったメニューや付加価値の高いサービスを提供できない場合、売上高が減少する可能性があります。

また、海外事業においては、展開する国や地域における政治・経済情勢等の影響により、店舗の営業が継続困難となるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、中長期的な成長のために優秀な人材の採用と教育を重要視しています。人材の採用・教育が計画通りに進まない場合や、大量の退職者が発生した場合、事業展開に支障をきたす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


壱番屋は、「経営を通じ人々に感動を与え続け、地域・社会に必要とされる存在となること」をミッションに掲げ、食のエンターテイメント企業を目指しています。すべての役職員が「わくわく」した気持ちで「チャレンジ」を続けることで、個人と企業の「成長」を追求する企業風土があります。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「経営を通じ人々に感動を与え続け、地域・社会に必要とされる存在となること」をミッションとして掲げています。また、「会社にかかわるすべての人々と幸福感を共有すること」を経営目的としています。

2030年までの経営の方向性を示す「壱番屋長期ビジョン2030」を策定し、「わくわくで未来をつくる」をメインテーマに掲げています。2030年に目指す姿は「食のエンターテイメント企業」であり、さまざまなシーンでお客様に“食の楽しさと感動”を提供できるよう取り組んでいます。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループでは、すべての役職員が「わくわく」した気持ちを持って「チャレンジ」を続けていくことで、個人も企業も「成長」を続けることを目指しています。海外事業においては、「ニコ・キビ・ハキ」を共通語としてCoCo壱番屋を中心に海外展開を推進しています。

高い倫理観と誠実な事業活動を前提に、持続可能な社会の実現に努めることを基本方針としています。この実現のため、サステナビリティ委員会を設置し、実践的な活動を推進しています。

人的資本に関する戦略として、性別を問わず全従業員が能力を最大限に発揮し、ワークライフバランスを実現できる就業環境を整えることに注力しています。具体的には、年次有給休暇取得や男性社員による育児休業取得を推進するなどの取り組みを進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


今後の見通しとして、高止まりする米等の食材の仕入価格や、物流費、人件費等の様々なコスト上昇に加え、新規出店費用の高騰等により、引き続き厳しい経営環境が続くものと見込まれています。

こうした状況の中、国内CoCo壱番屋では、飲食店の基本となるQSC(Quality, Service, Cleanliness)の向上に注力しています。また、効果的なマーケティング戦略を立案・実施することで新たな顧客層の開拓に取り組んでいます。

海外CoCo壱番屋では、引き続き市場規模の大きい北米での店舗展開を進めるとともに、中国事業の立て直しに取り組んでいます。国内子会社事業では、M&Aで取得した各業態の展開を進め、収益の拡大に注力しつつ、引き続き新たなM&A案件の成立を目指しています。

サステナビリティの取り組みとして、CO2排出量の削減が同社グループのリスク軽減に寄与することを再確認しており、長期ビジョン2030に基づきCO2削減目標に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


壱番屋は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が取締役会の議論を活性化し、コーポレート・ガバナンスの向上を図る体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


壱番屋の筆頭株主はハウス食品グループ本社であり、同社グループが発行済株式の過半数を保有しています。この資本構成は、特定の事業会社が経営に強い影響力を持っていることを示しています。その他、信託銀行や資産管理会社などが上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
ハウス食品グループ本社 51.01%
日本マスタートラスト信託銀行 信託口 5.31%
ベストライフ 3.31%
トーカン 2.19%
日本カストディ銀行(信託口) 0.99%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


壱番屋の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長は葛原守氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
葛原 守 代表取締役社長 全国統括本部長兼 マーケティング本部担当兼商品本部担当 1987年有限会社広島シティホテル入社、1992年同社入社。海外事業部長、海外事業本部長を経て、2013年取締役、2019年代表取締役社長に就任。2026年より現職。
宮崎 龍夫 専務取締役 管理本部担当兼 生産本部担当兼 国内関係会社担当 1989年東和レジスター販売入社、1990年同社入社。営業部長、事業本部長代理、取締役事業本部長などを歴任。2021年専務取締役。2026年より現職。
安達 史郎 常務取締役 1989年国際ハイヤー入社、1993年同社入社。営業第二部長、東日本本部長を経て、2016年取締役、2020年常務取締役。2026年より現職。
佐久間 淳 取締役 1989年ハウス食品入社。開発研究所開発一部長、食品事業一部長、取締役開発研究所長などを歴任。2023年より同社取締役、2026年より現職。


社外取締役は、内田俊宏氏(中京大学経済学部 客員教授・学校法人梅村学園 常任理事・監査等委員)、内藤充氏(内藤公認会計士事務所 所長・税理士法人リードウェイ 代表社員・監査等委員)、春馬葉子氏(and LEGAL弁護士法人 弁護士・監査等委員)、宮尾尚子氏(弁護士法人プラザ法律事務所 弁護士・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会は4名の社外取締役で構成されています。社外取締役は取締役会に出席し、業務執行の意思決定状況を監督する役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


壱番屋の取締役(監査等委員を除く)の報酬は、固定報酬である基本給、業績連動報酬である業績給、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。基本給は職務遂行を促す固定報酬であり、業績給は短期業績連動型、譲渡制限付株式報酬は長期的な企業価値向上へのインセンティブとして設計されています。監査等委員である取締役の報酬は、独立性を考慮し固定報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 1.8億円 60.7百万円
社外役員 5名 22百万円 4.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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