※本記事は、株式会社キャンドゥ の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
キャンドゥは、日用雑貨および加工食品の小売店舗チェーン展開事業を営んでいます。商品の企画・調達から直営店での小売販売、FC加盟店への卸販売、さらには海外の小売業者への卸販売も手がけています。
単体従業員数は537名、連結従業員数は559名です。同社グループは単一セグメントで事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、(親会社)イオン、(連結子会社)アクシス(日用雑貨の卸売業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
キャンドゥは、従業員の成長と自己実現を重視し、働きがいのある環境整備を通じて企業価値向上を目指しています。多様な人材が最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、仕事と家庭の両立支援や女性活躍推進、健康経営など、幅広い取り組みを実践している会社です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して長く働く従業員が多いことがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,739,000円 |
| 平均勤続年数 | 18.1年 |
| 平均年齢 | 44.9歳 |
| 単体従業員数 | 537人 |
| 連結従業員数 | 559人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.1% |
同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は国内グループ会社に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付型の退職給付債務は20.9億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長の原動力は従業員個々人の成長と自己実現にあると考えており、会社がそれを支援し、働きがいのある環境整備を継続することで企業価値の向上を実現する方針です。人材育成においては、「新しいことに果敢に挑戦し、新たな価値を創造するとともに、自らの意思と努力によって自己実現を目指す人材」の創出を目指しています。具体的には、自分のキャリアを自分で切り開く組織風土の醸成、グループのシナジーを生かした教育体系の構築、教育費の積極的な投資によるスキル開発・キャリア形成の推進、成長を促進させるジョブローテーションの実施に取り組んでいます。
社内環境整備では、「多様な人材が最大限のパフォーマンスをもって活躍できる環境の整備」を目標に掲げています。仕事と家庭の両立支援として、看護や介護、入学式・卒業式など家族のための休暇を取得できる「ファミリーサポート休暇」制度を設けています。また、時短勤務や時間単位の有給休暇取得など、柔軟な働き方の選択を可能にしています。女性活躍推進では、女性管理職比率30%以上を目標に、管理職候補の母数形成に向けた教育・研修を進めています。障がい者雇用についても、早期に2.7%を超え、3%を目指すべく、幅広い領域で活躍できる職場環境の整備に努めています。健康経営の推進として、敷地内禁煙や卒煙活動、安全衛生委員会によるアドバイス、ストレスチェックなどを継続的に実施し、従業員が心身ともに健康に働き続けられる環境を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金差異は、退職金および通勤費補助等を除く年間賃金総額から算出されています。正規雇用労働者において男女間の賃金差異が発生している要因は、賃金制度において性別による処遇の差はないものの、管理職等の賃金水準が高い労働者に男性の割合が多いためです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 20.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 60.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 74.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 84.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 100.6% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社アクシス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 65.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.6% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 20.0% |
| 障がい者雇用率 | 2.6% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育休取得率 | 60.0% |
人材育成・エンゲージメント
エンゲージメントスコアは、株式会社リンクモチベーション社の「モチベーションクラウド」によって算出され、他社平均50.0に対する偏差値を開示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 基本理念への共感度 | 3.9 |
| エンゲージメントスコア・レーティング | 55.9 (BBB) |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
キャンドゥは、日用雑貨と加工食品の小売店舗チェーンを全国に展開しています。直営店での小売販売と、フランチャイズ(FC)加盟店への卸販売を主な事業としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、イオン株式会社を親会社とするキャンドゥと国内子会社1社、および親会社の子会社1社で構成されています。日用雑貨や加工食品の小売店舗チェーン展開を主たる事業としており、商品の企画から調達までを一貫して担っています。
収益は、主に直営店での小売販売から得ています。また、FC加盟店への商品供給による卸販売や、海外の小売業者への卸販売も手がけています。直営店での売上が同社グループ全体の売上の大部分を占める構造です。
同社グループは単一セグメントとして事業を展開しており、特定の製品やサービス、あるいは特定の地域に売上が集中している状況は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は増減を繰り返しながらも直近の期には増加傾向を示しています。経常利益も同様に変動がありましたが、直近の期には大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は、過去には損失を計上した期もありましたが、直近の期には黒字に転換し、増加しています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、直近の期に大幅な増加を見せており、本業でのキャッシュ創出力が高い傾向にあることがうかがえます。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 731億円 | 932億円 | 804億円 | 834億円 | 871億円 |
| 経常利益 | 10.3億円 | 6.3億円 | 3.0億円 | 9.1億円 | 15.3億円 |
| 経常利益率 | 1.4% | 0.7% | 0.4% | 1.1% | 1.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.9億円 | △3.4億円 | △11.7億円 | △1.6億円 | 4.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 12.21 | △21.53 | △72.98 | △10.23 | 27.89 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、従業員1人あたり営業利益も前期から向上しています。これらの指標の改善は、店舗業務の標準化やセルフレジ導入による効率化の推進が生産性向上に寄与している可能性を示唆しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 145.5百万円 | 155.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.5百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、財務基盤を強化している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は31.9%であり、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準にあります。一方、ROE(自己資本利益率)は4.2%で、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、財務の安定性を示す要素となっています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 104億円 | 105億円 |
| 自己資本比率 | 35.5% | 31.9% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 4.2% |
| 現金及び預金 | 20.3億円 | 46.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは43.9億円の増加となりました。これは主に仕入債務の増加や減価償却費の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△21.7億円の減少となり、有形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。
財務活動によるキャッシュフローは3.9億円の増加となりました。長期割賦未払金の増加が主な要因です。これらの結果、フリーキャッシュフローは22.2億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している状況を示しています。この資金の流れは、事業の持続的な成長と安定した経営基盤を支えるものとなっています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 18.9億円 | 43.9億円 |
| 投資CF | △25.1億円 | △21.7億円 |
| 財務CF | △1.7億円 | 3.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △6.2億円 | 22.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、インショップ店舗の比重が高く、出店先の店舗政策や経営環境の悪化、積極出店によるコスト発生、退店に伴う費用・損失が業績に影響を与える可能性があります。また、原油価格の高騰等による電気料金の上昇など外部環境の変化が生じた場合、店舗運営における光熱費や商品・店舗資材等の調達価格が大きく上昇し、業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループが更なる成長へ向け企業基盤を確立するためには、優秀な人材の確保が不可欠です。生産年齢人口が大きく減少していく中で、必要な人材を確保できない場合には、同社グループの事業展開や業績に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
キャンドゥは、「100円のすばらしさに誇りを持ち、どこまでも追求する」という価値観を掲げ、老若男女すべての人に利用してもらえるブランドを目指しています。100円を通じてすべての人を幸福にするという使命のもと、「信頼No.1」のビジョン実現に向けて事業を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「100円のすばらしさに誇りを持ち、どこまでも追求する」ことを価値観としています。老若男女すべての人に利用してもらえるブランドになることを志すべき所とし、「100円ですべての人を幸福にする」を使命としています。
そして、「『信頼No.1』」をビジョンに掲げ、企業理念とビジョンの実現を目指しています。コンプライアンスを遵守し、業績目標の達成を土台とした企業価値の向上と地域社会への貢献を経営の最重要課題としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、行動規範に則った公平性・透明性・納得性を確保した企業活動を通じて、企業理念とビジョンの実現を目指しています。迅速で公正な経営意思決定を尊重しつつ、監視・監督機能が発揮される最良のガバナンスシステムの構築を目指す方針です。
持続的な成長のためには、従業員個々人の成長と自己実現が原動力であると考えています。そのため、「新しいことに果敢に挑戦し、新たな価値を創造するとともに、自らの意思と努力によって自己実現を目指す人材」の創出を重視しています。
また、「多様な人材が最大限のパフォーマンスをもって活躍できる環境の整備」を目指し、従業員の働きがい向上を課題としています。イオングループの基本理念と未来ビジョンの浸透、職場環境整備、健康経営推進など幅広い取り組みを実践しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、インフレによるコスト増加、労働力人口減少による人材獲得競争の激化、変化するお客さまの嗜好への対応など、さまざまなリスクに適切に対処しながら、新中期計画の実現に取り組んでいます。お客さま満足の最大化、持続可能な経営と企業価値向上を実現するため、「成長性の確立」・「差別化の構築」・「生産性の向上」の3つを優先的に対処すべき事業上の課題と捉えています。
また、株式公開会社としての社会的責任を果たし、地域社会に寄り添い、生活のインフラとしての役割を認識しつつ、安定した成長を継続することで、ステークホルダーとのよりよい関係を築きあげることを目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
キャンドゥは、株主の権利を尊重し、経営の公平性・透明性を確保することを重視しています。迅速で公正な意思決定と、監視・監督機能が十分に発揮されるガバナンスシステムの構築・運営に努めています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、筆頭株主であるイオンをはじめとする事業会社や、代表取締役社長が上位株主として名を連ねる資本構成となっています。特定の株主グループが経営に影響力を持つ体制です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イオン | 37.26% |
| ケイコーポレーション | 13.78% |
| 城戸 一弥 | 10.93% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 3.76% |
| キャンドゥ取引先持株会 | 2.35% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性4名・女性3名)で構成され、女性役員比率は42.8%です。代表取締役社長は城戸一弥氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 城戸 一弥 | 代表取締役 社長 | 2007年4月同社入社、2010年2月同社取締役経営企画室室長、2019年9月同社代表取締役社長より現職。 |
| 望月 園枝 | 取締役 DX・業務改革推進担当 | 2013年9月同社入社、2015年12月同社執行役員商品部部長、2025年5月同社取締役DX・業務改革推進担当より現職。 |
| 吉田 昭夫 | 取締役 (非常勤) | 1983年4月ジャスコ株式会社(現イオン株式会社)入社、2020年3月イオン株式会社代表執行役社長、2022年2月同社取締役非常勤より現職。 |
| 草島 智咲 | 取締役 | 1988年4月株式会社セガ・エンタープライゼス入社、2018年9月株式会社ウイズソフィア代表取締役、2025年5月同社社外取締役より現職。 |
社外取締役は、草島智咲氏(株式会社ウイズソフィア代表取締役)、飯田直樹氏(弁護士法人黒田法律事務所パートナー弁護士・ガバナンス委員会委員)、中川ゆき子氏(中川公認会計士事務所所長・ガバナンス委員会委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員会を設置することで取締役の監督機能を強化し、迅速な意思決定を行う体制を構築しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、役割と責任に応じた水準となるよう、企業業績と企業価値の持続的な向上への動機付けや優秀な人材の確保に配慮して決定されています。社外取締役および監査等委員である取締役は、その独立性の観点から基本報酬のみが支給されます。また、株主との価値共有を目的として譲渡制限付株式報酬制度も導入されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 55百万円 | 18.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 11百万円 | 2.8百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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