※本記事は、株式会社ハローズ の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ハローズは、瀬戸内沿岸部を中心に24時間営業の食品スーパーマーケットを展開する流通小売業です。広島、岡山、香川、愛媛、徳島、兵庫、山口の各県に113店舗を運営し、ドミナント出店を推進しています。
単体従業員数は1,437名です。同社は商品小売事業の単一セグメントで事業を展開しています。
ハローズは、チェーンストアとして瀬戸内沿岸部に店舗を配置し、24時間営業を主体とした食品スーパーマーケットを営む流通小売業です。青果、鮮魚、惣菜、精肉、デイリー、一般食品、菓子、酒類、雑貨などを販売しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ハローズは、食品流通という生活に不可欠なインフラ事業を展開しており、安定した事業基盤を持つ企業です。従業員の成長を重視し、多様な人材が活躍できる環境整備に力を入れています。ここでは、同社の給与水準や働き方の特徴について詳しく見ていきます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が長期的にキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も30代半ばであり、若手から中堅まで幅広い世代が活躍していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,116,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.3年 |
| 平均年齢 | 34.9歳 |
| 単体従業員数 | 1,437人 |
同社は、確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を設けています。この制度は国内の従業員に適用されます。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は3百万円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ハローズは、取締役および従業員一人ひとりの成長が、持続可能な事業活動を継続するために最も重要であると考えています。企業価値向上とサステナビリティへの取り組みを両立させるため、人材の活躍できる体制整備に注力しています。
具体的には、人材育成および社内環境整備方針として、階層別の教育体制の整備を進めています。従業員が働きやすい環境と人事制度の構築にも取り組んでおり、ダイバーシティへの理解を深める環境整備や多様性の確保も推進しています。また、従業員とその家族の健康維持促進活動にも力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 76.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 100.7% |
人材の育成及び社内環境整備に関する指標
実績は2026年2月期末時点のものです。
| 指標 | 目標 | 実績 |
|---|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2028年2月期末までに15.0% | 14.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 2028年2月期末までに100.0% | 33.3% |
| 正規雇用労働者の男女の賃金の差異 | 女性正社員の社内登用を進め賃金の差異の解消を図ります。 | 76.1% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ハローズは、瀬戸内沿岸部を中心に食品スーパーマーケットを展開する流通小売業です。地域に密着した店舗運営を通じて、人々の生活を支える商品とサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、広島、岡山、香川、愛媛、徳島、兵庫、山口の各県において、チェーンストア形式の食品スーパーマーケットを運営しています。24時間営業を主体とし、売場面積600坪型または450坪型の店舗を核としたオープンモール型のNSC(近隣購買型ショッピングセンター)を主力業態としています。
ドミナント出店戦略により、特定の地域に集中的に出店を進めています。主な販売品目は、青果、鮮魚、惣菜、精肉といった生鮮食品から、デイリー、一般食品、菓子、酒類、雑貨まで多岐にわたります。
広く停めやすい駐車場や明るく快適な店内環境づくりにも力を入れています。同社は商品小売事業の単一セグメントであり、海外での事業展開は行っていません。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性は、企業の持続的な成長と従業員の働きやすさに直結する重要な要素です。同社がどのような財務基盤を持ち、資金をどのように活用しているかを確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した財務基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金も増加傾向にあり、事業の安定性につながります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 62.2% | 57.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.5% | 12.2% |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加し、潤沢な資金を生み出しています。これは、事業が堅調に推移し、安定した収益力を維持していることを示しています。一方、投資活動によるキャッシュフローは、新規店舗の建設や出店用地の購入など、将来の成長に向けた積極的な投資が行われているため、資金が使用されています。その結果、営業活動で得た資金が投資活動を上回り、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローはプラスとなっています。この状況は、同社が本業で安定的に資金を稼ぎながら、将来の成長に向けた投資もバランス良く行っていることを示しており、従業員の雇用安定性や将来的な給与水準の維持・向上にもつながる可能性があります。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 159億円 | 262億円 |
| 投資CF | △138億円 | △140億円 |
| 財務CF | 2.3億円 | △25.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 21.4億円 | 122億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は食品スーパーマーケットを主体としており、経済環境の悪化による消費購買力の低下や競合他社の進出による競争激化、商品調達価格の上昇などが業績に影響を及ぼす可能性があります。また、店舗網拡充の計画において、出店条件に合致する物件の不足や開発コストの増大、大規模小売店舗立地法の規制変更などにより、出店計画の見直しや業績への影響が生じるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大において優秀な人材の確保と育成を最重要課題の一つとしています。予期せぬ外部環境の変化により人材の確保及び育成が進まない場合、出店計画の見直しや店舗管理レベル、商品力の低下等により、同社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ハローズは「食を通して好循環型の社会をめざす」という基本理念を掲げ、地域社会への貢献と従業員の幸せを追求する企業です。24時間営業の食品スーパーマーケット事業を通じて、お客様の豊かな食生活を支えることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「食を通して好循環型の社会をめざす」という基本理念に基づき、事業を展開しています。経営理念として「地域社会の生活文化向上に貢献する」「従業員の幸せづくり人づくりをする」「お取引先様との共存共栄をはかる」「成長発展のため利益を確保する」の四つを掲げています。
また、長期ビジョンとして「西日本5000億円構想」を推進しており、出店エリアでのドミナント化(一定の地域に集中して出店すること)を通じてマーケットシェアの向上を目指しています。多様化するお客様のニーズに応え、事業拡大に取り組む方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ハローズの社訓は「和して向上 日々感謝」であり、この精神を大切にしています。ビジネスモデルとして「24時間トータルオペレーションシステム」を構築し、お客様のライフスタイルに合わせた買い物の機会を提供しています。
サステナビリティに関する方針では、社訓と経営理念のもと、地球環境や社会的・経済的課題に向き合い、ステークホルダーと協働して世界中の人々の幸せづくりを目指す姿勢を示しています。食の安全・安心、人財活躍、社会貢献、環境保全、ガバナンス及びコンプライアンスを重要課題(マテリアリティ)として特定し、活動を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、組織における課題として、従業員のモチベーション向上と人材育成に注力しています。昇格制度や業績評価制度、報奨金制度といったインセンティブの導入を進め、各種研修プログラムの充実を図っています。
また、店長・副店長・主任の早期育成やパートタイム社員の戦力化、新卒者・パートタイム社員の積極雇用、中途採用での優秀な人材確保にも取り組んでいます。環境保全においては、新規店舗や既存店舗での再生可能エネルギー・省エネ設備の導入、電気使用量削減活動、食品リサイクル、資源リサイクルを推進し、環境負荷の低減に努めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ハローズは監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役会と監査等委員会が連携して取締役の職務執行の監督および監査を行っています。企業経営の透明性と公正性を高め、企業価値の向上を目指す体制です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はサンローズであり、代表取締役社長の佐藤利行氏が同社の代表取締役を務めています。また、佐藤利行氏個人も上位株主であり、創業家や関連会社が上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| サンローズ | 22.80% |
| 佐 藤 利 行 | 11.70% |
| イオン | 8.50% |
| BBH FOR FIDELITY LOW-PRICED STOCK FUND 常任代理人 三菱UFJ銀行 | 4.60% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.20% |
なお、2026年3月6日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、エフエムアール エルエルシー(FMR LLC)が2026年2月27日現在で2,147,473株(株券等保有割合10.00%)を所有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は15名(男性12名・女性3名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は佐藤利行氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐 藤 利 行 | 代表取締役社長 | 1971年10月同社入社、1991年7月同社代表取締役社長に就任。公益財団法人ハローズ財団理事長、株式会社サンローズ代表取締役などを兼任し、現職。 |
| 佐 藤 太 志 | 取締役副社長営業担当 兼開発部管掌 | 1975年9月同社入社、1995年7月同社取締役商品部長、2009年5月取締役副社長に就任。株式会社さんミラーズ代表取締役などを兼任し、現職。 |
| 花 岡 秀 典 | 専務取締役管理本部長 兼総務部長 兼BCP担当 | 1981年2月同社入社、2009年5月取締役商品本部長兼商品部長、2021年5月専務取締役管理本部長兼総務部長に就任。株式会社サンポラリス代表取締役などを兼任し、現職。 |
| 髙 橋 正 名 | 専務取締役商品ライン本部長兼商品統括部長兼販売企画部管掌 | 1981年3月同社入社、2009年5月取締役物流企画部長、2021年5月専務取締役商品ライン本部長兼商品統括部長兼販売企画部管掌に就任し、現職。 |
| 末 光 憲 司 | 常務取締役店舗運営ライン本部長兼店舗業務支援室長 | 1984年3月同社入社、2011年5月取締役店舗運営部長、2021年5月常務取締役店舗運営ライン本部長兼店舗業務支援室長兼岡山地区長に就任し、現職。 |
| 佐 藤 新 三 | 常務取締役商品ライン本部副本部長兼商品企画部長 | 2011年4月同社入社、2023年5月取締役商品ライン本部副本部長兼商品企画部長、2025年5月常務取締役商品ライン本部副本部長兼商品企画部長に就任し、現職。 |
| 砂 田 健 二 | 取締役管理本部副本部長兼人事教育部長 | 1996年4月同社入社、2021年5月取締役管理本部人事教育部長、2025年5月取締役管理本部副本部長兼人事教育部長に就任し、現職。 |
| 大 原 崇 典 | 取締役総合企画室長 | 1999年4月同社入社、2023年5月取締役総合企画室長に就任し、現職。 |
| 上 原 瑞 江 | 取締役(非常勤) コーポレートブランディング担当 | 2001年1月株式会社トレンド・プロ入社、2022年11月株式会社トレンド・プロプロジェクトディレクター。2025年5月同社取締役コーポレートブランディング担当に就任し、現職。 |
社外取締役は、藤井義則氏(ビズリンク公認会計士共同事務所・税理士法人いぶき代表社員・指名報酬委員)、池田千明氏(弁護士・指名報酬委員)、尾崎和正氏(元財務省中国財務局総務部人事課長・元株式会社トマト銀行常勤監査役・指名報酬委員)、岡本均氏(元株式会社トマト銀行理事総務部長)、杉山愼策氏(就実大学名誉教授・岡山市民文化大学学長)、富山栄子氏(学校法人新潟総合学園事業創造大学院大学教授)です。
同社は監査等委員会設置会社制度を採用しており、社外取締役6名が独立役員として東京証券取引所に届け出ています。これにより、外部視点からの経営監督機能が強化されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬と業績連動報酬により構成されています。業績連動報酬には、株式報酬型ストックオプションとして新株予約権の割り当てや、譲渡制限付株式の割り当てが含まれています。業績連動報酬の指標は同社株式の株価であり、企業価値向上への責任を明確にする設計です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 10名 | 2.1億円 | 21.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 32百万円 | 5.3百万円 |
取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対する非金銭報酬等の内訳は、ストックオプションとして付与した新株予約権に係る当事業年度中の費用計上額27百万円及び譲渡制限付株式報酬に係る当事業年度中の費用計上額19百万円です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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