※本記事は、株式会社ハブ の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月28日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ハブは、英国PUB文化を日本に広める「感動文化創造事業」を展開しており、北海道から九州まで110店舗の英国風PUBチェーンを運営しています。20代から30代向けの「HUB」と30代から50代向けの「82」の2ブランドを展開し、リーズナブルな価格でコミュニティの場を提供しています。
同社の単体従業員数は312名です。事業セグメントは英国風PUB事業の単一セグメントとなっています。
同社は、北海道、東北、関東、中部、近畿、九州地域で英国風PUBチェーン110店舗を運営しています。20代から30代向けの「HUB」と30代から50代向けの「82」の2ブランドを展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社は英国風PUB事業を展開しており、お客様に感動を与える感動文化創造事業を通じて、地域に根差したコミュニティの場を提供しています。従業員を重視する経営方針のもと、人財育成と働きやすい環境づくりに力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、安定したキャリア形成が期待できる環境であることがうかがえます。平均年齢も若すぎず高すぎず、バランスの取れた年齢構成となっている傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,773,000円 |
| 平均勤続年数 | 9.8年 |
| 平均年齢 | 34.9歳 |
| 単体従業員数 | 312人 |
同社は確定拠出年金制度を採用しています。この制度は、会社が拠出した資金を従業員が自ら運用し、将来の給付額が運用実績によって変動する仕組みです。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「人財」を最重要かつ最大の資産と位置づけ、創業以来、人的資本への投資を継続しています。英国PUB文化を日本に普及させるという経営理念の実現に向け、人財育成と社内環境整備に注力しています。
具体的には、持続的な成長のために優秀な人財の確保が不可欠であると考え、新卒採用だけでなく、アルバイトからの社員登用や新規出店地域での中途採用にも力を入れています。一度退職した社員が復職しやすい「カムバック制度」も導入し、柔軟な働き方を支援しています。
人財育成においては、「社内外で通用する自立した個人と活力ある組織を実現する」という方針のもと、2008年より企業内大学「ハブ大学」を設立しています。入社後の英国研修を通じて本場のPUB文化を体験する機会を設けるほか、社会人マナーからマネジメント、問題解決、戦略策定まで、階層別の研修プログラムを体系的に提供しています。
また、従業員が仕事に誇りを持ち、やりがいを感じられるよう、社内環境整備にも力を入れています。社員だけでなくアルバイトにも人事評価制度を導入し、従業員の成長を促進しています。健康診断受診率100%を目指す健康保持促進活動や、ストレスチェック、産業医カウンセリングによるメンタルヘルスケアも実施しています。多様な働き方を支援するため、エリア限定正社員制度や週休3日制度も導入しており、障がい者の雇用支援活動も行っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 92.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 62.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 79.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 95.6% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.3% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年次有給休暇取得率 | 66.9% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社は、英国のパブ文化を日本に広めることを目指し、「感動文化創造事業」を展開しています。英国風パブチェーンの運営を主な事業としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は英国風パブ事業の単一セグメントで事業を展開しています。全国に店舗を構え、HUBブランドと82(エイティトゥ)ブランドの二つのブランドを展開しています。HUBブランドは20代から30代の比較的若い層をターゲットとし、82ブランドは30代から50代の大人世代をターゲットとしています。
ドリンクが売上の中で最も大きな割合を占めており、ビールやカクテル、ワイン、ウィスキーなどを豊富に取り揃えています。フードは英国の代表的な料理であるフィッシュ&チップスを中心に、お酒に合うオリジナルメニューを提供しています。
サービス面では、前払い会計と原則セルフサービスを特徴とする「キャッシュ・オン・デリバリーシステム」を導入し、気軽に利用できる雰囲気を提供しています。各種スポーツ観戦や音楽イベントも開催し、お客様同士のコミュニケーションを促進する場を演出しています。
また、メンバーズカードアプリやSNSを活用した販促活動にも取り組んでいます。販売実績を見ると、東日本地域からの収益が大部分を占める傾向にあります。海外の外部顧客への売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
当事業年度の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期と比較して増加となりました。特に当期純利益は大きく伸びています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社では、従業員数や平均年齢、平均勤続年数に関する情報が開示されています。また、平均年間給与についても情報が提供されています。
さらに、管理職に占める女性労働者の割合や男性労働者の育児休業取得率、労働者の男女の賃金の差異といった多様性に関するデータも示されています。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で得た資金を成長投資に充てながら、財務基盤の安定維持に努めている状況です。このような資金の流れは、入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、事業活動を支える上で重要な要素です。自己資本比率やROEは、企業の安定性や収益性を示す指標となります。手元資金の厚みは、予期せぬ経済変動への耐性を示すものです。これらの指標は、入社後の雇用や給与の安定性にも関わるため、確認が重要です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社は、本業で安定した資金を生み出している状況です。営業活動によるキャッシュフローは、当期に912百万円の収入となり、前期から増加しています。
投資活動によるキャッシュフローは、当期に620百万円の支出となり、前期から支出が増加しています。これは主に有形固定資産の取得によるものです。
財務活動によるキャッシュフローは、当期に299百万円の支出となり、前期から支出が減少しています。長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な要因です。
フリーキャッシュフローは当期に292百万円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状態を示しています。これは、同社が事業活動で安定的に資金を創出し、投資を賄いつつも余剰資金を生み出していることを示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 435百万円 | 912百万円 |
| 投資CF | △335百万円 | △620百万円 |
| 財務CF | △1,217百万円 | △299百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 100百万円 | 292百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の事業は英国風PUB事業の単一業態であるため、今後の景況感、市場動向、外食に係る顧客の消費、嗜好が変化した場合や、競合店舗が増加した場合に業績に影響を及ぼす可能性があります。また、日本国内の景気の変動や政府の経済政策の影響、特に個人消費の減速、原材料価格・人件費・賃料・水道光熱費の上昇が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、経営理念実現に向けた継続的な成長を達成するため、短時間労働者を含め優秀な人財の確保が重要課題であると考えています。採用環境の変化等により、同社が必要とする人財が十分に確保できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ハブは、英国風PUB文化を日本に広めることを目指し、お客様に感動を提供する「感動文化創造事業」を展開しています。地域に根ざしたコミュニティの場として、長く愛される店舗づくりを追求している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「英国PUB文化を日本において広く普及させるため、英国風PUBを通じてお客様に感動を与える感動文化創造事業を展開する」ことを経営理念として掲げています。地域になくてはならないコミュニティの「場」として、100年根付く「地縁店」(チェーン店)を目指しているのが特徴です。
創業50年にあたる2030年には「創業50年ビジョン」として200店舗体制の構築を掲げています。中期経営計画(2025-2027)では「挑戦」をテーマとし、「企業価値最大化~変革を恐れず、最大の価値を追求し、全国へ~」を年度方針に定めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は経営の基本方針として、「正直な経営」「着実な経営」「常に変革する経営」「従業員重視の経営」の4つを掲げています。「正直な経営」では「オネスト」を基本姿勢とし、常に「公平・公正・公開」を心がけています。また、「常に変革する経営」では「ワイガヤでアイデアを出し合い、すぐに実行する」風通しのよい風土を重視し、全員参画でイノベーションを生み出すことを目指しています。
サステナビリティ基本方針を「社会に愛される経営」と定め、人財を最重要かつ最大の資産と考えています。自己成長力のある個人を支援し、「社内外で通用する自立した個人と活力ある組織を実現する」という人財開発基本方針のもと、従業員が誇りを持って働ける環境づくりに努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、中長期的な経営戦略として「挑戦」をテーマに掲げた中期経営計画(2025-2027)を策定しています。コスト上昇と適正価格の両立が厳しく問われる変革期において、ステークホルダーに対する提供価値を徹底的に磨き上げ、英国風PUB事業の更なる発展を目指しています。
従前より課題として認識し、継続的に対処している取り組みとして、「メニュー充実等による差別化」「新規出店」「人財の採用及び育成」を挙げています。特に人財の採用及び育成については、大卒定期採用と通年採用(アルバイト社員登用制度)により綿密な人員計画を策定しています。入社後も「ハブ大学」を通じて人財育成に努め、飲食業に従事する者にとってより働きやすい職場環境の実現に向けて整備を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ハブは監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監視を担っています。取締役会には社外取締役が参加し、客観的な視点を取り入れたガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ハブの株主構成を見ると、事業会社が上位に名を連ねていることが特徴です。筆頭株主はMIXIであり、ロイヤルホールディングス、久世がそれに続いています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| MIXI | 20.02% |
| ロイヤルホールディングス | 14.83% |
| 久世 | 8.73% |
| みのりホールディングス | 6.60% |
| 高野 慎一 | 1.67% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役社長は太田剛氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 太田 剛 | 代表取締役社長 | 1983年4月㈱ハブ(旧)入社、2009年5月同社代表取締役社長、2021年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 井上 泉佐 | 常務取締役店舗開発本部長 | 1991年8月㈱りきしゃまん入社、2009年5月同社取締役店舗運営本部長兼HUB事業部長、2026年3月同社常務取締役店舗開発本部長より現職。 |
| 高見 幸夫 | 常務取締役管理本部長 | 1989年4月㈱キャプテンクック入社、2009年5月同社取締役管理本部長兼商品企画部長、2021年6月同社常務取締役管理本部長より現職。 |
| 土屋 雅嗣 | 取締役営業本部長 兼 営業部長 | 1999年4月同社入社、2020年5月同社取締役管理本部長、2026年3月同社取締役営業本部長兼営業部長より現職。 |
社外取締役は、西野敏隆氏(Eye to I コンサルティング代表)、西尾修平氏(verde studios代表取締役)、松本里絵氏(サニーサイドアップ取締役)です。
同社は監査役制度を採用している会社です。取締役会は常勤取締役4名と非常勤取締役3名の計7名で構成され、非常勤取締役3名はいずれも客観的な立場での経営判断を得るため選任された社外取締役となっています。取締役会機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、取締役会の諮問機関として指名・報酬委員会を設置しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役報酬は、役位や職責、他社水準を考慮した基本報酬と、企業価値向上へのインセンティブとして経常利益および当期純利益に連動する業績連動報酬で構成されています。社外取締役の報酬は固定報酬である基本報酬のみです。監査役の報酬も、経営に対する独立性・客観性を重視し、固定報酬である基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 86百万円 | 21.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 8.1百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 14百万円 | 2.0百万円 |
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