※本記事は、株式会社ジェイグループホールディングス の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジェイグループホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は383名、グループ連結従業員数は432名です。
同社グループは、居酒屋、カフェ、レストランなどの飲食事業を中心に、不動産事業、食品等の卸売業を展開しています。連結子会社10社を含む計11社で構成されており、立地特性や顧客層に応じた個店主義に基づき、多業態での店舗展開を進めています。
主な国内グループ会社は、ジェイフィールド(その他の事業)、ボカディレクション(飲食事業・その他の事業)、かわ屋東京(飲食事業)、ジェイアセット(不動産事業)などです。
同社グループは当連結会計年度において、カフェ事業などを展開するマウンテンコーヒーを連結子会社化しました。また、不動産2件の売却も実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、創業以来「人を育てること」を企業としての使命と位置づけ、「人間力」を重視した企業文化の醸成に取り組んでいます。社員一人ひとりの成長を支援し、多様な働き方を尊重する環境づくりを進めていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、一定の経験を積んだ従業員が長く活躍できる環境があることを示唆しています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,350,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 平均年齢 | 36.5歳 |
| 単体従業員数 | 383人 |
| 連結従業員数 | 432人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.7% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、創業以来「人を育てること」を企業としての使命とし、「人間力」を重視した企業文化の醸成に取り組んでいます。お客様やお取引先から「ありがとう」の言葉をいただけるよう、「jGroup30の人柄」や「お客様に笑顔を届けるための“10マインド”」を社員が大切にすべきこととして掲げています。
スキルアップと成長支援にも注力しており、新規入社社員研修や新任責任者によるマネジメント研修、さらには「焼酎マイスター制度」といった社内検定制度を通じて、従業員の専門性向上をサポートしています。また、ダイバーシティ推進の一環として、性別や国籍を問わず多様な人材を積極的に採用・登用しています。育児や介護など、個々の事情に合わせて働き方を選択できる「フレキシブルワーカー制度」を導入し、仕事と家庭の両立を支援する環境を整備しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 47.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 74.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 95.5% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新卒採用の女性比率(2026年度入社予定) | 27.8% |
| 中途採用者の女性比率(2025年度入社) | 24.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジェイグループホールディングスグループは、飲食事業を中核に、不動産事業や食品等の卸売業も手掛ける持株会社です。多岐にわたる事業を展開し、それぞれの分野で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、飲食事業を主軸に据え、立地特性や顧客層に応じた多業態展開と個店主義を特徴としています。コロナ禍においては、店舗の規模や立地、業態の転換、ノンアルコール業態や昼業態の拡充を進め、ポートフォリオの多角化を図ってきました。
飲食事業
居酒屋、カフェ、レストランといった多様な業態を展開し、お客様のニーズに対応したサービスを提供しています。単一業態の多店舗化ではなく、個々の店舗がオリジナルであることを重視した店づくりを行っています。
収益は、直営店売上とFC売上から得ています。運営は、ジェイグループホールディングス、ボカディレクション、かわ屋インターナショナル、NEW FEILD NEW YORK LLC、エッジオブクリフ&コムレイド、EOCブレイン、EOCクラシコ、マウンテンコーヒーが行っています。
不動産事業
テナントビルや社員寮などの不動産の賃貸および管理業務を行っています。
収益は、不動産販売と賃貸収入から得ています。運営は、ジェイグループホールディングス、ジェイアセットが行っています。
その他の事業セグメント
食品等の卸売業を行っています。
運営は、ジェイフィールド、かわ屋インターナショナル、ボカディレクション、マウンテンコーヒーが行っています。
同社グループの売上高は国内の外部顧客からのものが大半を占めており、特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 飲食 | 101億円 | 113億円 |
| 不動産 | 4.2億円 | 15.1億円 |
| その他の事業セグメント | 2.5億円 | 2.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
ジェイグループホールディングスグループの売上高は、直近5期間で増加傾向にあります。特に当期は、新規出店や棚卸資産の売却が寄与し、前期から大きく伸びました。経常利益も直近2期間はプラスで推移しており、過去の損失から回復しています。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は当期に減少となりました。これは、負ののれん発生益を計上した一方で、店舗閉鎖損失や減損損失といった特別損失も発生したことによるものです。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 47.0億円 | 80.1億円 | 104億円 | 107億円 | 130億円 |
| 経常利益 | △19.0億円 | △9.0億円 | 3.1億円 | 3.5億円 | 3.5億円 |
| 経常利益率 | △40.4% | △11.3% | 2.9% | 3.3% | 2.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △6.0億円 | △5.5億円 | 2.5億円 | 4.6億円 | 3.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △63.31 | △57.70 | 21.03 | 33.14 | 21.57 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、組織全体の効率化が進んでいることを示唆しています。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 25.6百万円 | 30.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 1.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ジェイグループホールディングスは、財務の安定性を示す営業キャッシュフローとフリーキャッシュフローがいずれもプラスとなっています。これは、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から減少傾向にあり、プライム市場の非製造業平均と比較すると低い水準となっています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準を示しています。手元資金である現金及び預金は増加しており、資金の厚みが増している状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 19.5億円 | 17.2億円 |
| 自己資本比率 | 19.4% | 15.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 26.5% | 17.4% |
| 現金及び預金 | 16.4億円 | 24.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローは前期から増加し、資金の増加要因となっています。これは主に役員退職慰労引当金の計上や税金等調整前当期純利益の計上、棚卸資産の減少によるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出があったものの、前期に比べて資金の減少幅は縮小しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いにより、前期から資金の減少幅が拡大しています。
これらの結果、営業活動で得た資金が投資活動による支出を上回り、自由に使える資金であるフリーキャッシュフローは前期から増加し、プラスを維持しています。これは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、財務的な健全性を保ちながら事業を継続している状況を示しており、雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.4億円 | 16.1億円 |
| 投資CF | △3.9億円 | △3.2億円 |
| 財務CF | △1.6億円 | △5.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 4.5億円 | 12.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主たる事業である外食業界は、原材料費や光熱費、人件費の高騰、人手不足の常態化など、厳しい事業環境が続くものと予想されています。また、出店している立地での商流の変化や競合により、集客力が低下するリスクがあります。
さらに、同社グループは有利子負債への依存度が高い状態で事業展開を行っており、金利が上昇した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、代表取締役会長である新田二郎氏が創業以来、経営方針の策定や経営戦略の決定において重要な役割を果たしてきました。同氏に過度に依存しない組織体制への移行を進めていますが、何らかの理由により同氏の業務執行が困難となった場合には、業績及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
株式会社ジェイグループホールディングスは、食を通じて人々の幸福を創造することを目指す企業です。創業精神である「たくさんの“ありがとう”を集めよう」を胸に、お客様、社会、社員の三方への幸福提供を追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「幸福創造販売企業」を目指し、食を通じてお客様、社会、社員に幸福を創造することを使命としています。創業精神は「たくさんの“ありがとう”を集めよう」であり、お客様への幸せな空間提供、社会への幸福提供、社員への成長機会提供を実現することを目指しています。
食文化を通じて人づくりと社会貢献を果たし、地域活性化に寄与することを事業目的としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「人間力」による企業の成長を重視し、「人を育てること」を企業の使命としています。社員が大切にすべき行動指針として、「jGroup30の人柄」と「お客様に笑顔を届けるための“10マインド”」を掲げています。
「jGroup30の人柄」では、誰かのために才能を発揮できること、仲間を大切にすること、成長の壁を作らないことなど、30の項目が示されています。「10マインド」では、ホスピタリティ、ポジティブ、トライ、チームワーク、コミュニケーションなど、10の行動指針が挙げられています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、対処すべき課題として、グループ全体の生産性向上に取り組んでいます。具体的には、間接部門のコストパフォーマンス向上や、低収益事業・エリアの改善、好調な業態へのリニューアル推進を進めています。
また、店舗の魅力と生産性の向上も重点テーマであり、現場力を磨き、オペレーションの効率化を通じた人時生産性の向上に取り組んでいます。さらに、知恵と工夫を集結する文化の醸成や、柔軟な勤務体系の導入など、働きやすい職場づくりと風土の醸成にも注力しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の構成とガバナンス体制を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は(有)ニューフィールドであり、創業家や同社役員が上位に名を連ねています。これにより、特定の株主グループが経営に一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| (有)ニューフィールド | 15.74% |
| 松永 圭司 | 2.65% |
| 新田 二郎 | 2.43% |
| サントリー | 2.43% |
| 安田 博 | 1.67% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役会長は新田二郎氏、代表取締役社長は林裕二氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 新田 二郎 | 代表取締役会長 | 1991年3月名古屋レジャー開発代表取締役、1997年3月有限会社ジェイプロジェクト設立代表取締役、2001年3月同社設立代表取締役社長、2022年5月より同社代表取締役会長。 |
| 林 裕二 | 代表取締役社長 | 1992年8月名古屋レジャー開発入社、1997年3月有限会社ジェイプロジェクト入社、2001年3月同社入社、2026年4月より同社代表取締役社長。 |
| 林 芳郎 | 取締役副社長 | 1988年6月名古屋レジャー開発入社、1997年3月有限会社ジェイプロジェクト入社、2001年3月同社取締役、2020年5月より同社取締役副社長。 |
| 猿渡 弘太 | 取締役 | 1996年4月大和証券入社、2001年3月有限会社クリエイトワークス設立代表取締役社長、2025年4月同社入社、2025年5月より同社取締役。 |
社外取締役は、安達幸子氏(元いち花取締役業務部長・監査等委員)、細野順三氏(freebalance代表取締役・監査等委員)です。
同社は2023年5月30日より監査等委員会設置会社へ移行しています。監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで、監査・監督機能の強化を図り、コーポレートガバナンス体制の充実を目指しています。監査等委員3名のうち2名が社外取締役です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして機能するよう設計されています。基本報酬は月例の固定報酬であり、役位や職責、経営への貢献度などを総合的に考慮して決定されます。また、監査等委員および社外取締役を除く取締役には、企業価値向上と株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式が非金銭報酬として支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 6.6億円 | 1.10億円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 6百万円 | 6.0百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 8百万円 | 4.0百万円 |
なお、同社は使用人兼務取締役がいないため、取締役の報酬等の総額には使用人分給与は含まれていません。
個人別報酬が開示されている役員は、新田二郎氏(4.97億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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