※本記事は、株式会社トレジャー・ファクトリー の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
トレジャー・ファクトリーは、リユースショップの展開を主軸とするリユース事業を中核に、オークション事業、引越事業などをグループ各社とともに展開しています。衣料、家電、家具、ブランド品、スポーツ用品など多岐にわたるリユース品を取り扱っています。
単体従業員数は1,168名、連結従業員数は1,434名です。セグメントはリユース事業、その他の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)カインドオル(ファッション品のリユース事業)、(連結子会社)GKファクトリー(ゴルフ用品の・リユース事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
トレジャー・ファクトリーは、リユース事業を核として成長を続ける企業です。従業員の成長を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れていることがうかがえます。個々のキャリア形成をサポートする制度が充実しており、長期的な視点での活躍が期待できるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
トレジャー・ファクトリーでは、平均年齢が比較的若く、勤続年数もそれに伴う水準となっています。これは、事業の成長フェーズにおいて新たな人材を積極的に迎え入れていることや、若手社員が早期から活躍できる環境があることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,067,877円 |
| 平均勤続年数 | 5.3年 |
| 平均年齢 | 30.3歳 |
| 単体従業員数 | 1,168人 |
| 連結従業員数 | 1,434人 |
| 単体のグループ内比率 | 81.5% |
同社グループは、2010年3月より確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
トレジャー・ファクトリーは、「世の中の新たな当たり前を創り出す」というミッションステートメントを掲げ、その実現には多様な価値観を持つ従業員一人ひとりの挑戦、成長、創意工夫が不可欠であると考えています。人材育成においては、理念研修や階層別研修を通じて従業員のスキルアップを支援し、自己研鑽を促す通信講座支援制度や各種資格手当も整備しています。
社内環境の整備にも力を入れており、従業員がそれぞれのライフプランに合わせたキャリア形成ができるよう、多様な制度を導入しています。具体的には、パート・アルバイトから正社員への登用制度、転勤に応じた一時金支給制度、キャリアチェンジを可能にする社内公募制度、退職者の再雇用を支援するカムバック制度などがあります。また、育児中の従業員が働きやすいよう、子供が中学校就学の始期まで利用できる時短勤務制度やリモートワークの拡充、従業員のエンゲージメントを高めるためのサーベイ実施など、風通しの良い職場環境づくりに努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 78.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 56.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 114.8% |
多様性・登用
社員は正社員、エリア正社員、契約社員を指します。パート・アルバイトからの社員登用数は店舗事業の目標設定であり、全社の社員登用数は33名です。障がい者雇用率の目標は、2024年4月から2026年6月までの法定雇用率に準じています。
| 指標 | 実績(2026年2月末) | 目標(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 社員採用に占める女性比率 | 27.4% | 20.0%以上 |
| パート・アルバイトからの社員登用数 | 26名 | 43名 |
| 障がい者雇用率 | 3.90% | 2.50% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 実績(2026年2月末) | 目標(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 一月当たりの平均残業時間 | 19.3時間 | 30.0時間以内 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
トレジャー・ファクトリーは、リユースショップの運営を主軸に、多岐にわたる事業を展開しています。循環型社会への関心の高まりを背景に、リユース品全般に対する需要が拡大する市場で成長を続けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、リユース事業を核として、オークション事業、引越事業、レンタル事業、不動産事業、システム事業などを展開しています。物価上昇に伴う生活防衛意識やSDGsへの関心の高まりから、リユース品への需要が拡大しており、同社グループのサービスは生活インフラとしての役割を増しています。
収益は、主にリユース品の販売から得ています。一般顧客からの持込買取、出張買取、宅配買取に加え、新品・中古品取扱業者及び古物市場からの仕入も活用し、多様なリユース品を安定的に確保する体制を構築しています。店舗販売だけでなく、インターネットを通じたEC販売も積極的に行い、収益源を多角化しています。
リユース事業
幅広い分野のリユース品を取り扱う「トレジャーファクトリー」をはじめ、「トレファクスタイル」「ブランドコレクト」「トレファクスポーツアウトドア」「ユーズレット」「トレファクマーケット」「トレファク楽器」といった専門業態の店舗を展開しています。衣料、家電、家具、生活雑貨、ブランド品、スポーツ・アウトドア用品、楽器、ホビー用品など、多岐にわたるリユース品の買取と販売を行っています。
収益は、リユース品の販売から得ています。運営は、トレジャー・ファクトリー、カインドオル、ピックアップジャパン、GKファクトリー、Treasure Factory (Thailand) Co., Ltd.、台灣寶物工廠股份有限公司が行っています。
その他の事業セグメント
レンタル事業では、ファッションレンタルサービス「Cariru」を運営しています。また、不用品の処分から不動産の売却まで一括で請け負う「トレファク不動産」を展開する不動産事業、アプリ開発やWEB開発を行うシステム事業などがあります。
収益は、レンタルサービスや不動産関連サービス、システム開発などから得ています。運営は、トレジャー・ファクトリー、トレファクテクノロジーズが行っています。
同社グループの売上高は、リユース事業が大部分を占めており、その他の事業セグメントも成長傾向にあります。海外展開も進めており、タイや台湾で総合リユース業態の店舗を運営しています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| リユース事業 | 412億円 | 474億円 |
| その他の事業セグメント | 10.3億円 | 11.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに一貫して増加傾向にあります。特に直近の当連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から二桁の成長を示しており、過去最高の営業利益を達成しました。これは、新規出店と既存店売上の堅調な推移が主な要因となっています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 233億円 | 282億円 | 345億円 | 422億円 | 486億円 |
| 経常利益 | 10.5億円 | 26.2億円 | 33.9億円 | 40.8億円 | 48.6億円 |
| 経常利益率 | 4.5% | 9.3% | 9.8% | 9.7% | 10.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7.0億円 | 17.1億円 | 22.4億円 | 27.1億円 | 31.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 31.39 | 76.31 | 95.94 | 115.63 | 135.29 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて増加しており、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、事業規模の拡大と効率的な運営が進んでいることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 33.6百万円 | 33.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.2百万円 | 3.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しつつ、事業活動によるキャッシュ・フローの拡大を目指しています。本業で得た資金を成長投資に充て、さらに余剰資金も生み出している状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回る水準で推移しており、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備わっている状況です。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 105億円 | 129億円 |
| 自己資本比率 | 50.0% | 50.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 28.7% | 27.4% |
| 現金及び預金 | 30.1億円 | 50.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは前期から増加し、本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、店舗新設や敷金及び保証金の差入などにより支出が継続しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、前期は支出でしたが当期は収入に転じています。
フリーキャッシュ・フローは前期から増加しており、事業活動で得た資金が投資活動を上回る状況です。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが本業で安定した収益を上げながら、将来に向けた投資も継続し、かつ資金的な余力も確保していることを示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 28.2億円 | 32.4億円 |
| 投資CF | △18.8億円 | △19.9億円 |
| 財務CF | △5.4億円 | 7.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 9.4億円 | 12.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
中古品の仕入については、景気動向や競合、個人間売買アプリの影響により、仕入価格の上昇や仕入数量の不足が生じる可能性があります。これにより、既存店の業績悪化や新規出店の遅れにつながるリスクがあります。
海外進出においては、法改正や政策変更、潜在的な税務リスク、人件費の高騰、未整備なインフラ、テロ・戦争・疾病・災害などの要因により事業が影響を受ける可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合、同社グループの業績に影響を及ぼすことが考えられます。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは店舗数の拡大に応じて人材の確保及び育成に努めていますが、他業界の採用動向などの影響により十分な人材を確保できない可能性があります。また、出店計画に見合った人材育成が計画どおりに進まない場合には、店舗展開に支障をきたし、業績に影響を及ぼすリスクがあります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
リユース事業を核に、循環型社会の実現に貢献することを目指すトレジャー・ファクトリー。同社グループは、従業員一人ひとりの成長と挑戦を重視し、多様な価値観を活かした組織づくりを進めています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
トレジャー・ファクトリーグループは、リユース事業を核として生活ニーズに密着した分野で事業を展開し、継続的かつ安定的な成長を目指す経営方針を掲げています。経営理念の具現化を通じて、従業員が能力を最大限に発揮し、一人では成しえない大きな成果を生み出す組織を目指しています。そして、これらの取り組みを通して循環型社会の実現に貢献していくことをビジョンとしています。
また、「世の中の新たな当たり前を創り出す」ことをミッションステートメントに掲げています。このミッションの原動力は、多様な価値観を持った従業員一人ひとりの挑戦、成長、そして創意工夫であると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
トレジャー・ファクトリーグループは、従業員がその能力を最大限に発揮し、一人では決して成しえない大きな成果を生み出す組織を目指しています。多様な価値観を持った従業員一人ひとりの挑戦、成長、創意工夫を事業の原動力としています。
サステナビリティ基本方針では、核となるリユース事業を通じた循環型社会構築への貢献、社会との共生と新たな価値の提供、そして多様性を持つ組織による持続的成長を掲げています。お客様、従業員、取引先、株主等の多様なステークホルダーの期待に応える信頼性の高い経営を実現することを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
トレジャー・ファクトリーグループは、事業成長を推進するための課題として、人材の確保と育成を挙げています。多種多様な商材を取り扱い、日々変化する顧客ニーズに対応するため、マニュアルに頼らない柔軟な店舗運営が求められています。
そのため、自ら状況に合わせて思考・行動できる自律型人材の確保と育成が必要であると考えています。新卒採用を中心に、中途採用やパート・アルバイトからの社員登用にも積極的に取り組み、人材の確保に努めています。
また、サステナビリティに関する取り組みとして、気候変動に関するリスク・機会への対応と事業機会の拡大を目指しています。事業活動に伴うCO2排出量の削減活動を推進し、省エネ施策を講じています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
トレジャー・ファクトリーは、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社です。経営の健全性・効率性・信頼性向上を目指し、任意の指名・報酬委員会も設置しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
トレジャー・ファクトリーの筆頭株主は代表取締役社長である野坂英吾氏です。同氏の資産管理会社であるスリースターマネジメントや、専務取締役である野坂淳氏も上位株主として名を連ねています。このことから、創業家が同社グループの経営に深く関与している資本構成であることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 野坂 英吾 | 33.39% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 11.56% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.34% |
| スリースターマネジメント | 5.11% |
| 野坂 淳 | 3.26% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は野坂英吾氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 野坂 英吾 | 取締役社長 (代表取締役) | 1995年5月 有限会社トレジャー・ファクトリー(現同社)設立、代表取締役社長。1999年12月 同社を株式会社トレジャー・ファクトリーに改組、代表取締役社長。2016年3月 株式会社アルプス技研社外取締役より現職。 |
| 野坂 淳 | 専務取締役 | 1998年4月 有限会社トレジャー・ファクトリー(現同社)入社。1999年12月 同社取締役事業本部長。2017年3月 同社専務取締役より現職。 |
| 小林 英治 | 取締役管理統括 | 1998年7月 プライスウォーターハウスコンサルタント株式会社入社。2002年10月 同社入社。2025年3月 同社取締役管理統括より現職。 |
社外取締役は、鈴木信夫氏(千代田第一工業代表取締役社長)、宮本久美子氏(和田倉門法律事務所パートナー弁護士)です。社外監査役は、長尾昌彦氏(元昭和リース立川支店長)、石川博康氏(アーク法律事務所代表弁護士)、中村優氏(Mooreみらい監査法人社員)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は、異業種の会社経営の経験や弁護士としての専門的見地から、経営への監督・関与、適正性の確保、リスク管理及びコンプライアンス強化のための助言・提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
トレジャー・ファクトリーの役員報酬は、事業の持続的な成長と業績向上へのインセンティブを重視した設計となっています。業務執行取締役に対しては、固定報酬である基本報酬に加えて、グループ連結業績を反映した業績連動報酬と譲渡制限付株式報酬が支給されます。一方、監督機能を担う社外取締役には基本報酬のみが支払われる体系です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.1億円 | 26.2百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 19百万円 | 3.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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