テイツー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

テイツー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

テイツーは、東京証券取引所スタンダード市場に上場し、「古本市場」や「ふるいち」などのリユース店舗運営を中心に、独自のECサイト運営やフランチャイズ展開を行う企業です。直近の業績は、新規出店や新型ゲーム機発売の好影響などから増収を達成し、中古トレーディングカードの利益率改善等により増益となっています。


※本記事は、株式会社テイツーの有価証券報告書(第36期、自 2025年3月1日 至 2026年2月28日、2026年5月29日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. テイツーってどんな会社?


リユース品の買取・販売事業を展開し、多様な業態の店舗とECを運営する企業です。

(1) 会社概要


1990年4月、古本などの売買を目的にテイツーとして設立されました。1994年7月に「古本市場」を出店して規模を拡大し、1999年9月に株式を店頭登録しています。その後、2020年6月に山徳を完全子会社化してEC事業を強化したほか、2025年7月には初の海外店舗として台湾に「ふるいち×マンガ展」を共同出店し、グローバル展開を開始しています。

現在の従業員数は連結で443名、単体で364名となっています。大株主の構成については、筆頭株主はワイ・エイ・ケイ・コーポレーションで、第2位は個人株主の新沼吾史氏、第3位は自社の従業員持株会となっています。

氏名 持株比率
ワイ・エイ・ケイ・コーポレーション 10.60%
新沼 吾史 7.80%
テイツー従業員持株会 3.36%

(2) 経営陣


同社の役員は男性10名、女性0名の計10名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長CEOは藤原克治氏が務めています。社外取締役比率は30.0%です。

氏名 役職 主な経歴
藤原 克治 代表取締役社長CEO 1993年東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行。2001年同社入社。管理部長や経理財務部長などを経て、2017年に代表取締役社長に就任。2026年より現職。
近藤 武男 取締役副社長CCO兼社長室長 1983年東京海上火災保険入社、同社金融営業推進部部長等を経て2023年に同社顧問に就任。取締役社長室長兼管理本部長などを歴任し、2026年より現職。
塚本 陽二 取締役(監査等委員) 1982年東洋工業(現マツダ)入社。2001年同社入社。事業開発部長や内部監査部長等を歴任し、2015年に常勤監査役に就任。2019年より現職。
光本 泰佳 取締役店舗運営部長 1999年同社入社。店舗ののれん分け等を経てライトブック代表取締役社長。2017年同社取締役店舗運営部長に就任し、2024年より現職。
荒金 祥行 取締役商品企画部長 2000年同社入社。事業開拓部長等を経て2021年取締役営業本部副本部長兼商品企画部長に就任。2024年より現職。
平山 慎二 取締役CFO兼経理部長 1996年メディアテック一心入社。2014年同社入社。経理部長などを経て2024年取締役経理部長に就任し、2026年より現職。
岩瀨 裕真 取締役 2010年山徳入社。ベガコーポレーション等を経て2017年再び山徳に入社し、2019年同社代表取締役社長に就任。2021年より現職。


社外取締役は、諏訪道彦(讀賣テレビ放送エグゼクティブ・プロデューサー等)、稲田英一郎(稲田公認会計士事務所代表)、今若康浩(山陰合同銀行取締役専務執行役員等)です。

2. 事業内容


同社グループは、マルチパッケージ販売事業の単一セグメントで事業を展開しています。

(1) リユース店舗事業


「古本市場」「ふるいち」「トレカパーク」などの多様な業態で店舗を展開し、一般消費者に対して書籍、家庭用ゲームソフト・ハード、トレーディングカード、ホビーなどの買取・販売を提供しています。

主な収益源は、店頭でのリユース品や新品の販売代金です。同事業の運営は主に同社が行っています。

(2) リユースEC事業およびBtoB事業


EC事業では、インターネットを通じて幅広いリユース品の買取・販売を全国の顧客に展開しています。BtoB事業では、トレーディングカード読取査定機等のオリジナルビジネスツールの外販や、フランチャイズ業務委託取引を行っています。

EC事業の収益源はインターネット経由での販売代金であり、主に山徳が運営しています。BtoB事業の収益源はツールの販売代金やフランチャイズ関連収入で、同社が運営しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の売上高は一貫して増加傾向にあり、順調な成長を見せています。経常利益は2023年2月期にピークを迎えた後、一時的に減少しましたが、2026年2月期には再び回復し増益に転じています。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 268億円 313億円 352億円 365億円 422億円
経常利益 13億円 16億円 14億円 9億円 14億円
利益率(%) 4.9% 5.1% 4.0% 2.5% 3.2%
当期利益(親会社所有者帰属) 15億円 10億円 6億円 5億円 9億円

(2) 損益計算書


売上高は前期比で増加し、それに伴い売上総利益も順調に拡大しています。販管費も増加したものの、粗利益の改善効果が上回り、営業利益率も向上しました。

項目 2025年2月期 2026年2月期
売上高 365億円 422億円
売上総利益 123億円 140億円
売上総利益率(%) 33.7% 33.2%
営業利益 9億円 14億円
営業利益率(%) 2.5% 3.3%


販売費及び一般管理費のうち、パート・アルバイト給与が22億円(構成比18%)、賃借料が18億円(同14%)、手数料が17億円(同13%)を占めています。

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業CFがプラス、投資CFおよび財務CFがマイナスとなっており、本業で稼いだ利益によって借入金の返済を進めつつ、手元資金の範囲内で将来に向けた投資を行っている健全型の状態です。

項目 2025年2月期 2026年2月期
営業CF 15億円 19億円
投資CF -14億円 -7億円
財務CF 0.2億円 -11億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.2%で市場平均を上回っており、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も48.8%で市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は、「満足を創る」を経営理念に掲げ、顧客に対して満足を提供することで社会に貢献することを使命としています。良質な商品とサービスを永続的に提供し、現状にとどまることなく創意工夫をもって常に変革を追い求め、事業の発展を通じて世の中に満足を作り出す社会貢献の実現を目指しています。

(2) 企業文化


同社グループは、「リユースで地域と世界をつなぐ」というグループビジョンを掲げています。持続可能な社会の実現に向けた「テイツーグループSDGs宣言」に基づき、リアル店舗やEC、地方創生活動を通じて活動領域を拡大し、企業活動と社会活動が調和するCSV(Creating Shared Value)経営を重視する文化があります。

(3) 経営計画・目標


同社は、中長期の業績拡大に向けた具体的な数値目標を設定し、事業の成長を推進しています。長期的な目線でリユースを中心とした出店およびEC展開を国内のみならず海外にも広げることで、持続的な企業価値の向上を目指しています。

* 売上高:500億円(2029年2月期目標)
* 営業利益:25億円(2029年2月期目標)

(4) 成長戦略と重点施策


同社は「リユース店舗領域」「リユースEC領域」「リユースBtoB領域」「グローバル領域」「IPビジネス領域」の5つの領域で成長戦略を推進しています。ショッピングモールへの出店や商材の多様化を進めるとともに、子会社へのEC事業の資源集中、トレーディングカード読取査定機などの外販拡大、海外実店舗の展開や関連企業とのM&A・資本提携を模索しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、「一人ひとりの自律的な成長へのチャレンジが、テイツーの原動力」という人事ポリシーに基づき、社員の成長を支援するオンデマンド型のe-ラーニングや店長育成プログラム等の研修を実施しています。また、パート・アルバイトから社員への登用制度やワークライフバランスの実現に向けた柔軟な休暇・短時間勤務制度を整備しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2026年2月期 38.3歳 11.5年 4,770,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 -
男性育児休業取得率 25.0%
男女賃金差異(全労働者) 60.5%
男女賃金差異(正規雇用) 83.7%
男女賃金差異(非正規雇用) 90.3%


※管理職に占める女性労働者の割合は、公表項目として選択していないため有報には記載がありません。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、全社に占める女性社員比率(10.3%)、有休取得率(43.8%)、新卒採用における女性社員の採用割合(27.2%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) CtoC市場などの事業環境の変化


少子高齢化の進展やコンテンツ配信市場の拡大、情報通信インフラの進化などに伴い、市場環境が変化した場合、取扱商材の見直しが必要となり、業績に影響を与える可能性があります。

(2) 中古商材の仕入と品質の安定確保


一般消費者から中古商材を仕入れていますが、中古品は新品と異なり仕入量の調整が困難です。安定的な調達や品質の維持ができない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 基幹系システムのトラブル


在庫管理や購買履歴の分析等を行う基幹系システムを利用しています。大規模な災害や通信障害、予期せぬシステム障害が発生した場合、営業活動が阻害され、業績に影響を与える可能性があります。

(4) 法的規制の強化や変更への対応


中古商材を取り扱うため古物営業法の規制を受けており、書籍やCD等は再販価格維持制度の対象となっています。関連法令が改正された場合、対応コストの増加等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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