テイツー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

テイツー 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、古本やゲーム、トレカ等を扱う「古本市場」「ふるいち」等の店舗運営およびECサイト運営を主力事業としています。直近の業績は、売上高365億円で増収となった一方、経常利益は9億円で減益となりました。


※本記事は、株式会社テイツー の有価証券報告書(第35期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. テイツーってどんな会社?

「古本市場」「ふるいち」等の店舗とECサイトを通じ、古本・ゲーム・トレカ等のリユース事業を展開する企業です。

(1) 会社概要

1990年に岡山県で設立され、古本やゲームソフトの売買を開始しました。1999年に店頭登録、2004年にジャスダックへ上場を果たしています。2020年にはEC事業強化のため山徳を完全子会社化しました。2022年の市場区分見直しにより、現在は東証スタンダード市場に上場しています。

連結従業員数は411名、単体では344名です。筆頭株主はワイ・エイ・ケイ・コーポレーションで、第2位は証券会社、第3位は従業員持株会となっています。上位株主には金融機関や同業の駿河屋(旧エーツー)なども名を連ねています。

氏名 持株比率
ワイ・エイ・ケイ・コーポレーション 10.62%
SBI証券 5.18%
テイツー従業員持株会 3.46%

(2) 経営陣

同社の役員は男性10名、女性0名、計10名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は藤原克治氏です。社外取締役比率は30.0%です。

氏名 役職 主な経歴
藤原 克治 代表取締役社長 東海銀行(現三菱UFJ銀行)入行を経て、2001年同社入社。管理本部長、経理財務部長等を歴任し、2017年5月より現職。
近藤 武男 取締役副社長兼社長室長兼チーフ・コンプライアンス・オフィサー 東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。同社金融営業推進部部長等を経て、2023年同社顧問。2024年4月より現職。
光本 泰佳 取締役店舗運営部長 1999年同社入社。のれん分けによる独立を経て、ライトブック代表取締役社長。2017年同社取締役就任、2024年4月より現職。
荒金 祥行 取締役商品企画部長 2000年同社入社。事業開拓部長、商品開拓部長等を歴任。山徳取締役を兼務し、2024年4月より現職。
岩瀨 裕真 取締役 2010年山徳入社。ベガコーポレーション、翔泳社を経て2017年山徳再入社。2019年同社代表取締役社長。2021年5月より現職。
平山 慎二 取締役経理部長 メディアテック一心等を経て2014年同社入社。管理本部経理部長等を務め、インターピアおよび山徳取締役を兼務。2024年5月より現職。


社外取締役は、諏訪道彦(元讀賣テレビ放送執行役員)、稲田英一郎(公認会計士)、今若康浩(元山陰合同銀行取締役専務執行役員)です。

2. 事業内容

同社グループは、「マルチパッケージ販売事業」を展開しています。

(1) リユース店舗・EC事業

「古本市場」「ふるいち」「トレカパーク」等の屋号で、古本、ゲーム、トレーディングカード、ホビー等を扱う直営店およびフランチャイズ店を展開しています。また、「ふるいちオンライン」等のECサイトも運営し、これらを通じて一般消費者を対象に商品の販売および買取を行っています。

収益は、店舗やECサイトでの商品販売代金等です。運営は主に同社が行っていますが、EC事業の一部は連結子会社の山徳が担い、フランチャイズ店舗の運営は関連会社のトップブックス等が行っています。

(2) BtoB事業・その他

リユース事業で培ったノウハウを活用し、事業者向けにトレーディングカード読取査定機「TAYS(テイズ)」等の独自ツールの外販を行っています。また、フランチャイズ加盟店に対する経営指導や商品供給なども行っています。

収益は、独自ツールの販売代金や利用料、フランチャイズ加盟店からのロイヤルティ収入等です。これらの事業運営は主に同社が担っています。

3. 業績・財務状況

同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移

直近5期間では、売上高は着実な増加傾向にあり、事業規模の拡大が続いています。利益面では、第33期に利益率が向上しましたが、直近の第35期にかけては経常利益、当期純利益ともに減少傾向となり、利益率は低下しています。

項目 2021年2月期 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期
売上高 250億円 268億円 313億円 352億円 365億円
経常利益 9億円 13億円 16億円 14億円 9億円
利益率(%) 3.7% 4.9% 5.1% 4.0% 2.5%
当期利益(親会社所有者帰属) 6億円 15億円 6億円 3億円 2億円

(2) 損益計算書

直近2期間を比較すると、売上高は増加し増収を達成しましたが、売上原価および販売費及び一般管理費の増加により、営業利益および営業利益率は低下しました。コスト増が利益を圧迫する構造となっています。

項目 2024年2月期 2025年2月期
売上高 352億円 365億円
売上総利益 118億円 123億円
売上総利益率(%) 33.7% 33.7%
営業利益 13億円 9億円
営業利益率(%) 3.8% 2.5%


販売費及び一般管理費のうち、パートアルバイト給与が22億円(構成比19%)、手数料が18億円(同16%)を占めています。

(3) セグメント収益

同社グループはマルチパッケージ販売事業の単一セグメントであるため、記載を省略します。

(4) キャッシュ・フローと財務指標

テイツーは、営業活動で資金を創出し、投資活動で事業基盤を強化し、財務活動で資金調達と返済のバランスを取ることで、期末の資金残高を積み上げています。

営業活動では、税金等調整前当期純利益に加え、仕入債務の増加や減価償却費の増加が資金増加に寄与しました。

投資活動では、有形固定資産の取得や関係会社株式の取得が主な資金流出要因となりました。

財務活動では、短期借入金や長期借入金の増加、自己株式の売却による収入があった一方、長期借入金の返済や配当金の支払いも行われました。

項目 2024年2月期 2025年2月期
営業CF 2億円 15億円
投資CF -6億円 -14億円
財務CF 8億円 0億円

4. 経営方針・戦略

同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念

同社グループは「満足を創る」を経営理念とし、「満足を創る」ことで社会貢献を果たすことを使命としています。また、長期的な方向性として「リユースで地域と世界をつなぐ」をグループビジョンに掲げています。さらに、これを進化させた「360度リユース」を提唱し、全方位的な戦略を目指しています。

(2) 企業文化

同社は「満足を創る」の理念のもと、従業員の自律的な成長を重視する文化を持っています。人事ポリシーとして「一人ひとりの自律的な成長へのチャレンジが、テイツーの原動力」と定め、年功序列ではない納得性の高い評価制度や、多様な人材が活躍できる環境づくりを推進しています。

(3) 経営計画・目標

中長期目標として、2029年2月期末における数値目標を設定しています。
* 売上高:500億円
* 営業利益:25億円

また、2026年2月期の予想値としては、売上高400億円、営業利益11億円を掲げています。

(4) 成長戦略と重点施策

グループビジョンの実現に向け、リユース店舗、EC、BtoB、グローバル、IPビジネスの5領域で成長戦略に取り組みます。店舗ではモール出店やDX推進、ECでは商品調達力の強化、BtoBでは独自ツールの拡販を図ります。また、海外出店によるグローバル展開や、知的財産を活用したIPビジネスの拡大も重点施策としています。

5. 働く環境

同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針

「満足を創る」理念に基づき、社員一人ひとりの満足と自律的な成長を支援する方針です。オンデマンド型学習や店長育成プログラム等の能力開発機会を提供するとともに、定年延長や育児支援制度の拡充など、多様な人材が長く活躍できる環境整備を進めています。また、透明性の高い評価制度によりモチベーション向上を図っています。

(2) 給与水準・報酬設計

同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年2月期 38.0歳 11.5年 4,810,000円


※平均年間給与は賞与、基準外賃金及び譲渡制限付株式による株式報酬費用を含みます。

(3) 人的資本開示

同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 -
男性育児休業取得率 16.7%
男女賃金差異(全労働者) 56.2%
男女賃金差異(正規雇用) 78.9%
男女賃金差異(非正規) 85.8%


※女性管理職比率は、女性活躍推進法の規定に基づき公表する情報として選択していないため、記載を省略しています。

また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、有休取得率(42.4%)、新卒採用における女性社員の採用割合(25.0%)、全社に占める女性社員比率(10.2%)などです。

6. 事業等のリスク

事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 中古商材の仕入安定性

店頭での一般消費者からの買取が主な仕入ルートであるため、新品と異なり仕入量の調整が難しい特性があります。仕入量や品質の両面で安定的な調達ができない場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) ゲーム商材の季節変動と発売延期

中核商材である新品家庭用ゲームソフト・ハードの販売は、年末年始や休暇シーズンに売上が集中する傾向があります。また、メーカーの開発遅延による商品発売延期などが発生した場合、経営成績に影響を与える可能性があります。

(3) 店舗出退店に関するリスク

多様な業態の店舗運営を行っていますが、計画通りの出店物件が確保できない場合や、既存店舗の立地環境・競合環境の変化により採算が悪化し退店を余儀なくされた場合、経営成績に影響を与える可能性があります。

(4) 電子商取引市場の競争とシステム

EC市場の拡大に伴い競争が激化しています。システム開発・利用コストの増加や、システムトラブル、不正アクセス等による障害が発生した場合、また法的規制の変更等があった場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。