【平均年収687万円】歌舞伎座 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収687万円】歌舞伎座 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

歌舞伎座は、グループ各社とともに、歌舞伎座の劇場や附帯施設の賃貸、劇場内での飲食店舗や歌舞伎関連商品の販売などを手掛けています。直近期は売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が増加となりました。


目次

※本記事は、株式会社歌舞伎座 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


歌舞伎座グループは、不動産賃貸事業、食堂・飲食事業、売店事業を主な事業内容としています。歌舞伎座の劇場や附帯施設の賃貸、劇場内での飲食店舗や歌舞伎関連商品の販売を手掛けています。

歌舞伎座の単体従業員数は5名、連結従業員数は38名です。セグメントは不動産賃貸事業、食堂・飲食事業、売店事業の3つです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


株式会社歌舞伎座は、歌舞伎の維持・発展を企業理念に掲げ、不動産賃貸、食堂・飲食、売店事業を展開しています。文化的な事業を支える安定した環境で、長期的なキャリア形成を目指す方にとって魅力的な職場となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均年齢が42.2歳、平均勤続年数が12.8年となっており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、参考となる情報です。

項目 数値
平均年間給与 6,874,000円
平均勤続年数 12.8年
平均年齢 42.2歳
単体従業員数 5人
連結従業員数 38人
単体のグループ内比率 13.2%


当社及び連結子会社は確定給付型の制度として、退職一時金制度を設けております。退職給付制度は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型です。

ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「歌舞伎の維持・発展に貢献し、豊かで文化的な社会の実現に寄与する」ことを企業理念とし、サステナビリティ経営に力を入れています。持続的成長と企業価値の向上には、人材の成長と事業の成長が継続的に連動すると考え、人的資本を重視する方針です。

人的資本については、等級・評価・賃金・退職金について定める人事制度を用いた実績・能力評価を実施しています。性別を問わず、本人の能力や適性に基づいた処遇とすることを基本方針としており、育児休業制度及び介護休業制度を整備する等により、多様な人材が働きやすい職場環境を確保しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表を行っていないため、法定開示データは記載を省略しています。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


株式会社歌舞伎座は、歌舞伎座の不動産賃貸事業を主軸に、劇場内での食堂・飲食事業、そして歌舞伎関連商品を扱う売店事業を展開し、多角的な収益モデルを構築している同社グループです。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、歌舞伎座の運営を通じて、不動産の賃貸、劇場内での飲食提供、および歌舞伎関連商品の販売を主な事業としています。歌舞伎への注目が高まる中、来場者の増加を収益につなげるべく、経営効率の改善と従業員の意識改革に努めています。主要な顧客として松竹株式会社への売上集中が見られます。

不動産賃貸事業

同社グループは、土地と建物を所有し、これを賃貸しています。劇場歌舞伎座の敷地の一部を松竹株式会社等から賃借し、その一部を松竹株式会社へ賃貸しています。また、劇場自体も松竹株式会社に賃貸しており、テナントの賃料増額改定により収益を伸ばしています。収益は、土地や建物の賃貸収入から得ています。運営は、歌舞伎座および歌舞伎座サービスが行っています。

食堂・飲食事業

歌舞伎座サービスは、主に劇場内および地下広場において食堂・飲食店舗を営業しています。襲名披露公演を記念した特別メニューや、猛暑によるドリンク販売の好調が売上を牽引しました。収益は、劇場内の食堂や喫茶室での飲食提供から得ています。運営は、歌舞伎座サービスが行っています。

売店事業

歌舞伎座サービスは、主に劇場内および地下広場において歌舞伎関連商品を販売する売店を営業しています。公演演目にちなんだオリジナル商品や、特別催事の開催が新規顧客の獲得と土産品の売上増加に貢献しました。収益は、歌舞伎関連商品や土産品の販売から得ています。運営は、歌舞伎座サービスが行っています。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
不動産賃貸事業 19.0億円 20.3億円
売店事業 6.2億円 8.2億円
食堂・飲食事業 5.8億円 7.9億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近5年間で売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向にあります。特に、前期から当期にかけては売上高が大きく伸び、経常利益も大幅に増加しました。過去には経常損失や親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありましたが、近年は回復基調にあり、特に食堂・飲食事業と売店事業はコロナ禍以前の利益水準に回復しています。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 24.7億円 27.0億円 30.5億円 31.1億円 36.3億円
経常利益 △1.0億円 △3百万円 2.2億円 2.5億円 3.8億円
経常利益率 △4.1% △0.1% 7.3% 7.9% 10.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 △1.5億円 △78百万円 2.6億円 2.7億円 2.8億円
1株当たり当期純利益(円) △12.64 △6.47 21.12 22.65 23.48

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく伸びています。これは、同社グループ全体の生産性が向上していることを示しています。組織全体の効率化が進み、従業員一人ひとりが生み出す価値が高まっている状況がうかがえます。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 79.7百万円 95.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 5.6百万円 10.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


歌舞伎座グループの財務状況は、事業の安定性と将来性を見極める上で重要な情報となります。ここでは、同社グループの財務基盤と資金の流れ、そして事業リスクについて解説します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


歌舞伎座グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の状況から確認できます。自己資本比率はプライム市場の製造業平均に近い水準を示しており、安定した財務体質を維持していることがうかがえます。ROEはプライム市場平均を下回る水準となっていますが、手元資金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備えている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にも関わる重要な要素となります。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 113億円 114億円
自己資本比率 46.4% 46.7%
ROE(自己資本利益率) 2.5% 2.5%
現金及び預金 20.3億円 25.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


歌舞伎座グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期に比べて大きく増加しています。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加が主な要因となっています。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や貸付けによる支出があり、資金が減少しています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いにより資金が減少している状況です。

これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはプラスとなっており、前期から増加しています。本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金を生み出している優良な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた再投資の余力も持っていることを示しており、入社後の安定性や成長性にもつながる要素と言えます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 2.2億円 7.1億円
投資CF △0.4億円 △1.1億円
財務CF △0.6億円 △0.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 1.8億円 6.0億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

歌舞伎座グループは、不動産賃貸契約の解約リスクを認識しています。テナントの財政状態悪化や移転等により契約が解約された場合、賃料収入の減少や賃料相場の下落が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、松竹株式会社への依存リスクも挙げられています。劇場を松竹株式会社に賃貸しているため、不慮の事故等により興行が中止になった場合、同社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


歌舞伎座は、日本の伝統文化である歌舞伎の殿堂「歌舞伎座」を運営する企業として、その維持・発展に貢献し、豊かな文化社会の実現を目指しています。持続的な成長と企業価値の向上を追求しながら、多様な人材が活躍できる環境づくりにも力を入れています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「歌舞伎の維持・発展に貢献し、豊かで文化的な社会の実現に寄与する」ことを企業理念としています。この理念のもと、「持続的成長と企業価値向上」を目標に掲げています。

長期的な経営課題としては、「自己資本比率の向上と安定配当の維持・継続」を認識しています。サステナビリティ経営にも力を入れ、企業理念の実現を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、持続的成長と企業価値の向上には人材の成長と事業の成長が継続的に連動すると考え、人的資本を重視しています。人事制度においては、等級・評価・賃金・退職金について実績・能力評価を実施しています。

性別を問わず、本人の能力や適性に基づいた処遇を基本方針としています。育児休業制度や介護休業制度を整備することで、多様な人材が働きやすい職場環境の確保に努めています。

環境問題への取り組みとしては、歌舞伎座及び附帯する建物設備において、太陽光発電システムや屋上等の緑化、設備の長寿命化に取り組んでいます。また、プラスチックゴミ削減や食品ロス削減など、環境に与える影響を考慮する体制を構築しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、歌舞伎の殿堂「歌舞伎座」が多くの方に楽しんでいただける場であるよう、快適で安心・安全な劇場環境と、歌舞伎座ならではの食やサービスの提供を今後も進めていく方針です。不動産賃貸事業では、保有物件の価値向上と収益向上を目指すとともに、劇場および附帯施設の安全利用のための保全業務を計画的に実施します。

食堂・飲食事業では、お客様の趣向やニーズを正確に捉え、歌舞伎座らしい食事とサービスを提供することに注力しています。原価管理や経費管理を徹底し、収益性の向上に努めています。

売店事業においては、増加傾向にある外国人観光客に魅力的な商品を揃えるほか、マーケティングや在庫管理に注力し、効率の良い販売に取り組んでいます。人的資本及び職場環境整備については、介護休業や育児休業取得の促進、有給休暇取得の義務化等を行っており、今後、人材の多様性の確保を含む測定可能な目標の設定を検討していくとしています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


株式会社歌舞伎座は、監査役会設置会社として、取締役会と監査役会が連携して業務執行の監督と監査を行っています。取締役会は経営方針や重要事項の決定、業務執行の監督を担い、監査役会は独立性と専門性をもって実効性の高い監査を実施しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は松竹であり、事業会社が上位に名を連ねています。複数の事業会社が主要株主として名を連ねていることが特徴です。

株主名 持株比率
松竹 13.73%
清水建設 8.64%
みずほ信託銀行 退職給付信託 松竹口再信託受託者 日本カストディ銀行 3.68%
日本マスタートラスト信託銀行 (退職給付信託 松竹口) 3.68%
みずほ銀行 1.89%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は安孫子正氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
安孫子 正 代表取締役社長 1975年5月松竹入社、1998年2月同社第一演劇部演劇製作室長、1999年5月同社取締役演劇製作部門担当、2006年5月同社演劇本部長、演劇興行部門担当、歌舞伎座総支配人、2019年5月同社代表取締役副社長、2021年5月同社代表取締役社長より現職。
田中 智明 常務取締役総務担当事業担当 2005年3月松竹総務部人事管理課長、2016年5月同社人事部長、2018年10月同社総務部長、2022年5月同社取締役総務担当・業務副担当総務部長、2025年5月同社常務取締役総務担当・事業担当総務部長より現職。


社外取締役は、小平健氏(元テーオーシー取締役)、鈴木太一郎氏(松竹上席執行役員)です。

同社は監査役会設置会社です。取締役会は4名で構成され、うち2名が社外取締役です。監査役会は3名で構成され、うち2名が社外監査役となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、役員報酬規程に基づき、株主総会で承認された報酬限度額の範囲内で役員報酬を決定しています。取締役の報酬は、代表取締役社長が役割や職責、業績を考慮して決定し、監査役の報酬は監査役間の協議により決定されています。報酬は固定報酬が中心であり、業績連動報酬や退職慰労金は含まれていません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 46百万円 23.0百万円
監査役(社外除く) 1名 3百万円 3.0百万円
社外役員 4名 26百万円 6.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。