※本記事は、株式会社ありがとうサービス の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、リユース事業、フードサービス事業、地方創生事業の3つの事業を多角的に展開しています。リユース事業ではハードオフやブックオフなどのフランチャイズ店舗を、フードサービス事業ではモスバーガーなどのフランチャイズ店舗とオリジナルブランド店舗を運営しています。
単体従業員数は185名、連結従業員数は318名です。セグメントはリユース事業、フードサービス事業、地方創生事業の3つです。
ありがとうサービスは、リユース事業、フードサービス事業、地方創生事業を自社で展開しており、海外の連結子会社を通じてグローバルにも事業を広げています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ありがとうサービスは、リユース、フードサービス、地方創生といった多岐にわたる事業を展開しており、サービス業を事業の本質と捉え、人材育成に力を入れています。従業員の定着を重視し、多様な働き方を支援する環境づくりに取り組んでいることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が41.1歳、平均勤続年数が10.4年となっており、比較的安定した年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,229,462円 |
| 平均勤続年数 | 10.4年 |
| 平均年齢 | 41.1歳 |
| 単体従業員数 | 185人 |
| 連結従業員数 | 318人 |
| 単体のグループ内比率 | 58.2% |
同社グループは確定給付型の退職給付制度を採用しており、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる仕組みです。この制度は国内グループ会社および海外子会社に適用されています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「世のため 人のため」を経営理念とし、「私たちはひとをつくる会社です」を基本方針に掲げています。事業の本質がサービス業であり、扱う商品の良し悪しも人で決まるとの考えから、経営資源の中でも特に人材の重要性が高いと認識しています。人材育成力を磨き込み、人材づくりを行うことが中長期的な経営成績拡大の基盤であり、企業としてのブランド力向上と社会的責任を果たすことにつながると考えています。
特に人材の多様性の確保を重要視しており、性別、年齢、経歴などを問わず、多様な価値観やバックグラウンドを持つ社員を採用しています。各人の能力を発揮できる職場環境の整備を継続的に検討し、実施していく方針です。評価制度においては、会社と従業員が共通認識を持てるよう、共有する価値観や行動指針を明示し、これらに基づいた評価を行っています。キャリアパスプランでは、果たすべき役割やチャレンジすべき項目が明確に示されており、評価を通じて改善点を明確にし、社員の育成と成長を図っています。
研修・教育制度としては、社員、パート・アルバイトを問わず社内研修や外部講師を招いた研修を定期的に実施し、教育に十分な時間をかける体制を整えています。また、各フランチャイズ本部が提供する教育研修への積極的な参加を促し、商品知識や接客技術の習得をはじめとする育成にも継続的に取り組んでいます。幹部社員に対しては、マネジメントやトレンドに関する外部研修への参加を促し、座学による学びに加え、組織の枠を超えた活動を通じて次世代の経営を担う人材の視野向上を図っています。さらに、パート・アルバイトからの正社員登用制度も制度化されており、多くのパート・アルバイト出身者が正社員として活躍しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 89.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 84.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 104.5% |
多様性・登用
次の指標に関する目標及び実績は、提出会社のものを記載しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.5% |
| 男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数比率 | 116.8% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ありがとうサービスは、リユース事業、フードサービス事業、地方創生事業の3つの柱でビジネスを展開しています。多様な事業を通じて、地域社会に貢献しながら収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、リユース事業を主軸に、フードサービス事業、地方創生事業を展開しています。各事業はフランチャイズシステムと独自ブランドの両方を活用し、幅広い顧客層にサービスを提供しています。
リユース事業
同社グループのリユース事業は、「HARD OFF」「OFF HOUSE」「Hobby OFF」「BOOK OFF」といったフランチャイズ店舗の運営が中心です。また、連結子会社を通じてカンボジア王国プノンペン市やタイ王国バンコク市でも「MOTTAINAI WORLD ECO TOWN」や「HARD OFF」を展開しています。収益は、中古品の買取と販売から得ています。運営は、MOTTAINAI WORLD CO., LTD.、MOTTAINAI WORLD (THAILAND)CO.,LTD.が行っています。
フードサービス事業
フードサービス事業では、「モスバーガー」「トマト&オニオン」「熱烈タンタン麺一番亭」などのフランチャイズ店舗を運営しています。さらに、「馳走家とり壱」「かつれつ亭」といった独自開発の飲食店ブランドも展開しています。収益は、飲食物の提供によるものです。
地方創生事業
地方創生事業では、温浴宿泊施設として「今治市鈍川せせらぎ交流館」などを運営しています。また、「今治市玉川龍岡活性化センター」での生産物販売や、製造小売事業も手掛けています。収益は、これらの施設運営や商品の販売から得ています。
同社グループの売上高は、日本国内が大部分を占めていますが、海外での売上高も存在します。特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| リユース事業 | 78.4億円 | 85.5億円 |
| フードサービス事業 | 24.4億円 | 24.8億円 |
| 地方創生事業 | 3.3億円 | 3.6億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は一貫して増加傾向にあります。経常利益も同様に順調な伸びを示しており、本業での収益力が高まっていることがうかがえます。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期においてわずかに減少しました。これは主に減損損失や店舗閉鎖損失といった特別損失の計上が影響しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 88.4億円 | 91.9億円 | 97.3億円 | 106億円 | 114億円 |
| 経常利益 | 6.0億円 | 7.1億円 | 8.3億円 | 9.5億円 | 10.3億円 |
| 経常利益率 | 6.7% | 7.8% | 8.5% | 9.0% | 9.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.4億円 | 3.0億円 | 3.6億円 | 5.0億円 | 4.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 264.03 | 320.16 | 388.78 | 545.82 | 533.84 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も同様に伸びており、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られます。
これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進め、従業員がより高い付加価値を生み出していることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 33.5百万円 | 35.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.8百万円 | 3.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、安定した財務基盤を維持しており、事業活動で得た資金を将来への投資に充てながら成長を目指している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の非製造業平均を上回る水準で推移しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均より高い水準にあり、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備えていると言えるでしょう。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 32.7億円 | 37.9億円 |
| 自己資本比率 | 48.3% | 51.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.1% | 15.3% |
| 現金及び預金 | 17.3億円 | 17.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や非資金項目である減価償却費などの計上により、前期から増加しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入や有形固定資産の取得などによる支出がありましたが、前期に比べて支出額は減少しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払額などにより、前期の収入から支出へと転換しています。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは前期から増加しており、本業で得た資金を投資に充てつつも、手元に余剰資金を確保できている状況です。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来に向けた成長投資も行える財務的な余力があることを示しています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 8.6億円 | 10.7億円 |
| 投資CF | △6.2億円 | △2.9億円 |
| 財務CF | 1.2億円 | △5.8億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.4億円 | 7.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
フランチャイジー事業において、フランチャイズ契約の解除やFC本部の経営方針により、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、リユース事業では、新商品市場の動向や競合企業の出店動向により中古品の買取り状況が変動し、商品不足や在庫増加が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
店舗責任者等の人材育成が予定どおりに進まない場合や、必要な人材を十分に確保できない場合には、店舗運営に支障が生じ、同社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ありがとうサービスは、「世のため人のため」という経営理念のもと、お客様からの感謝と従業員の成長を重視する企業です。リユース、フードサービス、地方創生という多角的な事業を通じて、社会貢献と持続的な成長を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ありがとうサービスグループは、「世のため人のため」を経営理念としています。
この理念に基づき、「お客様から、ありがとうを言っていただくこと」「会社を学びと成長の舞台とすること」「十分な収益を上げ続け、世の中に教育とスポーツを通じ貢献すること」の3つを経営目的に掲げています。
リユース事業、フードサービス事業、地方創生事業の3つの事業をドメインとし、持続可能な社会の構築への貢献を重要な経営課題の一つと認識しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ありがとうサービスグループは、「世のため人のため」という経営理念のもと、持続可能な社会の構築への貢献を重要な経営課題としています。
同社グループの事業の本質はサービス業であり、「私たちはひとをつくる会社です」を人的資本経営の基本方針としています。
人材の多様性の確保を重視し、性別、年齢、経歴を問わず多様な人材を採用し、能力を発揮できる職場環境の整備を進めています。
共有する価値観や行動指針に基づいた評価制度やキャリアパスプランを通じて、社員の育成と成長を図るカルチャーがあります。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ありがとうサービスグループは、外部環境の変化に対応するため、人材育成の強化と社内コミュニケーションの質的向上を継続的に進めています。
これにより、組織としての判断力・対応力を高め、持続的な成長を実現できる企業基盤の確立を目指しています。
各事業では、リユース事業でのリーダー育成や、フードサービス事業での新規出店を可能にする人的体制づくりを推進しています。
経営全般では、人材の確保・育成、次世代経営陣の計画的な育成、バックオフィス業務のデジタル化、子会社を含めたガバナンスの向上を重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社ありがとうサービスは、取締役5名(うち社外取締役2名)で構成される取締役会が意思決定機関となっています。また、監査役会設置会社として、常勤監査役1名と非常勤の社外監査役3名による監査体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は株式会社イモトカンパニーであり、同社グループの経営に深く関わる存在であることがうかがえます。また、従業員持株会も上位株主として名を連ねており、従業員による安定的な株式保有が進んでいます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イモトカンパニー | 34.66% |
| ありがとうサービス従業員持株会 | 5.61% |
| 吉田 知広 | 3.09% |
| 井本 雅之 | 2.66% |
| 若杉 精三郎 | 2.22% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長兼会長は井本雅之氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 井本 雅之 | 代表取締役 社長兼会長 | 2000年10月同社代表取締役社長、2023年4月同社代表取締役社長兼会長より現職。 |
| 立花 玲 | 取締役 HR本部担当 | 2007年4月同社入社、2021年5月同社取締役リユース担当事業部長兼営業サポート室長、2026年5月同社取締役HR本部担当より現職。 |
| 志岐 雄一 | 取締役 管理本部長 | 2001年4月同社取締役管理本部長、2006年8月同社入社財務・経理部長、2018年5月同社取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、田中庸介氏(弁護士法人田中法律事務所 代表社員)、宮本昌樹氏(温泉道場 取締役副社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会における公平性・中立性の高い意見交換を通じて、取締役相互間の監督体制を確保しています。また、社外取締役2名と社外監査役3名を選任することで、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、役員報酬について、基本報酬(固定報酬)と業績連動報酬(賞与)、退職慰労金で構成される方針を定めています。役員報酬規程に基づき、世間水準や経営内容、従業員給与とのバランスを考慮して適切な水準を決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 45百万円 | 8.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 10百万円 | 5.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 10百万円 | 2.4百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期末現在の人員とは異なる場合があります。また、退職慰労金は当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額を記載しています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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