※本記事は、株式会社エストラスト の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
エストラストグループは、山口県および九州の主要都市を中心に不動産分譲事業を展開しています。分譲マンションや分譲戸建の企画開発から販売までを一貫して手掛けています。
エストラストの単体従業員数は50名、連結従業員数は95名です。同社グループの事業セグメントは、不動産分譲事業、不動産管理事業、不動産賃貸事業の3つです。
主な国内グループ会社は、トラストコミュニティ(不動産管理事業・不動産賃貸事業)、エストラスト不動産販売(不動産分譲事業・その他事業)、建和住宅などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
株式会社エストラストは、不動産分譲事業を主軸とする同社グループにおいて、従業員の働きがいと成長を重視する姿勢が見られます。人材育成やDX推進を通じて、持続可能な事業成長と従業員のキャリアアップを両立させる環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着とキャリア形成を支援する環境が整っていることが、平均勤続年数や平均年齢からうかがえます。年齢構成としては、比較的幅広い世代の従業員が活躍している傾向にあります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,349,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.3年 |
| 平均年齢 | 41.1歳 |
| 単体従業員数 | 50人 |
| 連結従業員数 | 95人 |
| 単体のグループ内比率 | 52.6% |
退職給付制度
同社グループは、退職金規程に基づく確定給付型の退職一時金制度を採用しています。この制度は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まるものです。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、役員および従業員のスキルアップが不可欠と認識し、人材育成に注力しています。eラーニングを活用した社員教育や新入社員向けの研修(オリエンテーション、部署別ジョブローテーション)を実施し、学習環境の構築に努めています。
職種に応じた専門知識の習得だけでなく、他分野での知識習得を奨励する資格手当制度も設けています。これにより、あらゆる人材に能力開発およびキャリアアップの機会を公平に提供し、働きがいを高め、自己成長意欲と主体性を持った人材の育成を目指しています。
人事評価においては、多様な価値観を有する人材による意見交換を通じた意思決定が企業価値向上に資するとの考えに基づき、国籍や性別等に囚われず、その能力・成果に応じた評価を行うことを基本方針としています。また、中途採用に加えて新卒採用を積極的に実施し、人材の確保に努めています。
社員エンゲージメント施策として、定期的なストレスチェックや健康診断の励行を通じて従業員の健康・安全を確保しています。ワークライフバランスの取れる働き方に関しては、育児休暇・介護休暇の取得推進など、福利厚生の増進を継続的に実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
エストラストグループは、不動産分譲事業を主軸に、不動産管理、不動産賃貸、その他の事業を展開しています。山口県および九州の主要都市を中心に、地域に根ざした住まいづくりと不動産サービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に不動産分譲事業を通じて収益を上げています。分譲マンションや戸建住宅の企画開発から販売までを一貫して手掛け、顧客への引渡し時点での売上高を認識するビジネスモデルです。
また、マンション管理や不動産賃貸といった事業も展開しており、これらは契約期間にわたる継続的な収益や安定的な賃料収入を確保する役割を担っています。特定の顧客への収益集中は見られず、複数の事業セグメントを通じて多角的に収益を確保しています。
不動産分譲事業
同社グループの主力事業であり、自社ブランド「オーヴィジョン」マンションのほか、分譲戸建「オーヴィジョンホーム」や「Kenwa Style」の企画、開発、販売を行っています。収益は、マンションや戸建住宅の引渡し時点での売上高として認識されます。運営は、同社および建和住宅株式会社が企画開発を、株式会社エストラスト不動産販売が販売代理業務を担っています。
不動産管理事業
マンションの管理組合から建物管理業務を受託するマンション管理業を主な事業としています。収益は、管理委託契約に基づき、契約期間にわたり月額の契約価格を売上高として認識しています。運営は、連結子会社の株式会社トラストコミュニティが行っています。
不動産賃貸事業
収益基盤の安定化を図るため、優良な収益物件を厳選して取得し、賃貸を行っています。収益は、賃貸用不動産から得られる安定的な賃料収入が中心です。
その他の事業セグメント
不動産の売買や仲介といった附帯事業を展開しています。収益は、物件の引渡しやサービス提供の完了時点での売上高として認識されます。アパート建設については、履行義務の充足に係る進捗度に基づき、一定の期間にわたり売上高を認識しています。
| セグメント | 売上高(2025年2月期) | 売上高(2026年2月期) |
|---|---|---|
| 不動産分譲事業 | 171億円 | 187億円 |
| その他の事業セグメント | 9.7億円 | 23.6億円 |
| 不動産管理事業 | 6.7億円 | 7.8億円 |
| 不動産賃貸事業 | 4.4億円 | 4.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5期にわたり継続的に増加傾向を示しています。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も、概ね増加基調で推移しており、堅調な業績を維持していることがうかがえます。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 160億円 | 156億円 | 180億円 | 192億円 | 223億円 |
| 経常利益 | 6.5億円 | 12.2億円 | 10.8億円 | 19.3億円 | 19.6億円 |
| 経常利益率 | 4.1% | 7.8% | 6.0% | 10.0% | 8.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.4億円 | 8.4億円 | 7.3億円 | 13.4億円 | 14.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 74.24 | 140.46 | 121.62 | 222.47 | 234.80 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から増加しており、従業員一人ひとりの生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが効率的な事業運営を通じて収益を生み出す力を高めていることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 208.9百万円 | 234.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 21.7百万円 | 22.1百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動による資金の減少と投資活動による資金の増加が見られます。これは、事業の成長に向けた投資が活発に行われている状況を示しています。財務基盤の状況と合わせて、今後の事業展開を検討することが重要です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から増加し、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準となっています。これは、財務基盤が強化されていることを示しています。ROE(自己資本利益率)は前期からやや減少しましたが、プライム市場平均を上回る水準を維持しています。手元資金である現金及び預金は前期から減少しており、資金の使途に注目が集まります。これらの財務状況は、同社グループの事業運営における安定性を示すものとなっています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 95.4億円 | 108億円 |
| 自己資本比率 | 21.7% | 28.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.0% | 14.0% |
| 現金及び預金 | 103億円 | 78.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動による資金が減少しています。これは主に仕入債務、前受金、未払金の減少、および棚卸資産の減少によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の売却による収入があり、資金が増加しました。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純増額や長期借入れ、社債の発行による収入が、長期借入金の返済を上回り、資金が増加しています。結果として、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、事業活動と投資活動で生じた資金不足を財務活動で補っている状況です。これは、事業の特性や運転資本の変動による一時的なものと見られますが、資金繰りの動向を注視することが、雇用や給与の安定性を考える上で重要となります。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 35.0億円 | △56.4億円 |
| 投資CF | △5.2億円 | 3.6億円 |
| 財務CF | △4.1億円 | 28.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 29.8億円 | △52.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、景気動向や金利動向、不動産市況などの経済環境の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、開発及び販売地域が山口・九州エリアに集中しているため、同地域の景気悪化や重大な災害発生時には業績に影響が生じるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは小規模組織であり、今後の成長のために優秀な人材の確保が必要であると認識しています。必要な人材を適時に確保できない場合や、従業員増加に対する管理体制の構築が遅れた場合には、業務に支障をきたす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
エストラストは、「人と地球にやさしい暮らし」をコンセプトに、環境に配慮した住まいを提供することで、社会と環境が調和する未来の創造を目指している会社です。持続可能な社会の実現に向けた価値創出を重要な経営課題と位置付け、事業活動を展開しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
エストラストは、主に山口県及び九州の主要都市において、ファミリータイプの「オーヴィジョン」マンションと分譲戸建「オーヴィジョンホーム」を提供しています。同社グループは「人と地球にやさしい暮らし」を基本理念とし、環境に配慮した良質な住まいの提供を通じて、「人」「社会」「環境」が調和した未来の創造を目指しています。
また、同社グループは6つの企業理念と「率先垂範の精励」を社員行動規範として掲げ、企業の社会的責任を認識しています。親会社である西部ガスホールディングス株式会社及び同社グループとの連携を深め、シナジー効果の最大化を図りながら、持続可能な社会の実現に向けた価値創出に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
エストラストは、社員行動規範として「率先垂範の精励」を掲げています。役員及び従業員のスキルアップを不可欠と捉え、eラーニングや新入社員研修、部署別ジョブローテーションなどを通じて学習環境を構築しています。職種に応じた専門知識だけでなく、他分野の知識修得を奨励する資格手当制度も定めています。
同社グループは、あらゆる人材に能力開発とキャリアアップの機会を公平に提供し、働きがいを高め、自己成長意欲と主体性を持った人材の育成に努めています。多様な価値観を有する人材による意見交換を通じた意思決定を重視し、国籍や性別にとらわれず、能力・成果に応じた人事評価を基本方針としています。従業員の健康・安全のため、ストレスチェックや健康診断の励行、育児休暇・介護休暇の取得推進など、ワークライフバランスの取れる働き方を支援しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
エストラストは、経営管理体制の強化を重要な課題としています。多様化するリスクを正確に把握し、業務が適正かつ効率的に遂行される内部統制システムの構築を進めるとともに、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでいます。
また、人材育成の強化と人材の確保も重点テーマです。資格手当制度の拡充などにより人材育成に努め、中途採用に加え新卒の定期採用を積極的に実施し、優秀な人材の確保を目指しています。サステナビリティに関する取り組みとして、環境配慮型住宅の企画・検討やGHG排出量の集計、DX推進による業務効率化と顧客価値向上にも注力しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
エストラストは監査等委員会設置会社であり、業務執行に対する取締役会の監査・監督機能強化と社外取締役の経営参画による透明性・効率性向上を図る体制を構築しています。企業の持続的成長のため、コンプライアンスの重要性を認識し実践することを基本方針としています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主は西部ガスホールディングスであり、同社グループの資本構成において大きな割合を占めています。この構成は、特定の事業会社が同社グループの経営を強く支えていることを示しています。上位株主には複数の事業会社や個人株主が名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 西部ガスホールディングス | 51.90% |
| 岡部産業 | 4.40% |
| 笹原 友也 | 3.30% |
| 大溝 延子 | 3.00% |
| 野村證券 | 2.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は藤田尚久氏が務めています。社外取締役比率は44.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 藤田 尚久 | 代表取締役社長 | 1991年株式会社ダン総合会計事務所入社。2006年同社入社後、取締役管理部長、常務取締役、専務取締役を歴任。2023年3月より同社代表取締役社長現職。 |
| 藤本 隆史 | 専務取締役 住宅事業本部長 | 1996年株式会社原弘産入社。2001年同社入社後、取締役事業開発部長、常務取締役事業開発部長を歴任。2023年3月より同社専務取締役住宅事業本部長現職。 |
| 中山 公宏 | 常務取締役マンション事業本部長 | 1999年ジェイジーエム住宅販売入社。2007年同社入社後、取締役建設部長、常務取締役建設部長を歴任。2023年3月より同社常務取締役マンション事業本部長現職。 |
| 小林 聖 | 取締役マンション事業部長 | 2006年同社入社。事業開発部課長、取締役事業開発部長を歴任。2023年3月より同社取締役マンション事業部長現職。 |
| 久野 耕一郎 | 取締役 | 1983年山口銀行入行。同行取締役本店営業部長、常務取締役、専務取締役を歴任し、2021年6月同行取締役会長。2025年5月より同社取締役現職。 |
社外取締役は、山根康路氏(山根総合法律事務所代表)、黒川直樹氏(元同社経営企画室長内部監査担当・常勤監査等委員・監査等委員会委員長)、杉本康平氏(杉本康平税理士事務所代表・監査等委員)、野田芳氏(野田公認会計士事務所代表・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、業務執行に対する取締役会の監査・監督機能強化と社外取締役の経営参画による透明性・効率性向上を図る体制を採用しています。監査等委員である社外取締役のうち1名が常勤監査等委員を務め、監査・監督機能の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、株主総会で定められた上限額の範囲内で指名・報酬委員会での審議を経て取締役会で決定されます。監査等委員でない取締役の報酬は固定報酬と譲渡制限付株式報酬で構成され、企業価値向上への貢献意欲を高めることを目的としています。監査等委員である取締役の報酬は固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 83百万円 | 16.6百万円 |
| 社外取締役 | 5名 | 12百万円 | 2.4百万円 |
なお、非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬として当連結会計年度に費用計上された額です。
連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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